保証金/敷金トラブル/原状回復/法定更新/立退料/修繕費/適正地代/借地権/譲渡承諾料/建替承諾料/更新料/保証人

全国借地借家人組合連合会(全借連)
東京借地借家人組合連合会(東借連)
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  東京・台東借地借家人組合

<注意>、下に出ている広告は、当組合の関知するものではありません。

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2009年7月14日 (火)

借家人全面勝利の判決 (京都地裁)

        借家明渡請求も
            賃料値上げ請求も棄却

 「土地転がし目的」で4度も家主が替わる
 2003年~2005年の約2年間に4度も家主(すべて不動産業者)が替わったが、土地転がしが目的だったことは明らかです。AさんとSさんは、家主が替わる度に明渡請求をされていました。2人は組合に加入・相談しつつその都度徹底的に拒否をしてきました。

 05年9月に底地買いした現在の家主は、嫌がらせ的に10倍もの賃料値上げ請求の調停を申立ててきました。到底応ずることはできないので調停は不調となり、07年に「建物明渡し・賃料増額請求」の裁判が家主である不動産業者によって提訴されました。2年弱の裁判が続き、09年5月20日にその判決が言い渡されました。

         主    文
 1 原告の請求をいずれも棄却する
 2 訴訟費用は原告の負担とする

 結果は、被告である借家人の完全勝利です。裁判の争点は、①更新拒絶等による賃貸借契約の終了、②賃料増額請求の当否の2点でした。京都地裁は、それぞれの争点に対して、次のような判決理由を述べています。

 ①原告(不動産業者)の主張には正当事由がない
 2人の住まいの古さや地域性の現状を詳細に触れた上で、「原告の主張する更新拒絶又は解約申入れの正当事由、すなわち、老朽化や建物の安全性、土地利用の非効率性は、被告らの賃借権を奪うことの不利益と比較して、いずれも肯定することができず、それを立退料により補完することも相当でないというべきである」と家主である不動産業者の主張を全面的に斥けています。

 ②賃料変動の経済的事情は認められない
 
「(賃料について)原告と被告らが直近に合意した日(05年11月)と07年5月(賃料増額請求の開始月)では、地価は横ばいないし下落の恐れがある状態で・・・・賃料水準に影響を与えるほどの経済事情の変動とは認めることはできない」とし、「原告の請求は、いずれも理由がない」と断じています。

 不動産業者(原告)は大阪高裁に控訴しました。闘いは今後も続きます。

京都借地借家人組合連合会新聞より


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2009年7月13日 (月)

無断の鍵とりかえは居住権の侵害だ!

 大阪簡裁が〈判決〉

 平成21年5月22日大阪簡裁民事7係は、家賃滞納により賃貸マンションを使用をさせないために、貸主側の委託を受けた管理会社が「無断で鍵交換や室内を侵入したこと」は、居住権の侵害で違法であることから、賃借人が140万円の損害賠償請求の訴えに、貸主側へ逸失利益等9万1687円慰謝料50万円、代理人費用6万円合計65万1687円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

 判決によると、「鍵交換は、貸主の自力救済にあたらず、建物のロックアウトは、借主の建物占有権を排除するための建物の不法侵入であり違法である」と判断し、「建物賃貸や管理を業とする者は、無断の鍵交換や住居侵害は、国民の住居の平穏や居住権を侵害する違法行為として厳しく非難されなければならない」として「建物の使用を排除したことによる実質的損失や精神的被害は損害賠償と慰謝料請求は正当である」と認めました。

 この訴訟は、「大阪追い出し屋対策会議」が鍵交換されて使用不可能になった賃貸マンション居住者から救済を求められて提訴し勝訴したものです。。

全国借地借家人新聞より

    関連記事こちらから


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2009年7月10日 (金)

定期借家契約期間満了8か月後に終了通知

 Hさんが東京都大田区南蒲田*丁目の店舗共同住宅の内階下左側面積10.7㎡を月額4万円の家賃で2年契約で賃借したのが平成17年12月でした。

 期間満了後の平成20年8月に管理者の不動産業者に家賃を持参した際に定期借家契約だから6ヵ月後に明渡せと請求されて、初めて定期借家契約と判ったのでした。

 しかし、家賃を受領し続けて平成21年1月末持参の2月分家賃を拒否されたことで、困ったHさんは知人の紹介で組合に入会しました。不動産業者は契約の際の説明(*1)及び明渡しの通知(*2)を怠り、借地借家法第38条の要件を満たして織らず、普通借家権が成立し期間の定めのない契約に移行したと通告し、受領拒否の家賃を供託しました。

 土地売却を願う家主は裁判に持ち込み、Hさんは明渡しに応じられないと、弁護士に依頼して裁判を戦う決意です。

全国借地借家人新聞より


*1)借地借家法第38条2項~3項
賃貸人の交付書面による説明義務
2  前項の規定(定期借家契約)による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

 ⇒ 定期借家契約を締結する場合、貸主は借主に対して「契約の更新がなく、期間満了により契約が確定的に終了する」ことを書面(契約書とは別の説明書)を交付して、説明する義務がある。書面による説明をしなかった場合は、「契約の更新がない」という条項が無効になり、定期借家契約は普通借家契約へ切替わる。

 「定期賃貸住宅契約を締結しようとするときは、あらかじめ賃貸人は賃借人に対し、契約の更新がなく、期間満了により終了することについて、その旨を記載した書面を契約書とは別に交付して説明しなければならないこととされており、それを怠った場合は、定期賃貸住宅契約とはならず、従来型の正当事由がない限り賃貸人からの更新拒絶ができない賃貸住宅契約となること。このため、書面の雛形である「定期賃貸住宅についての説明」の周知を図ること。」(「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」建設省経動発第10号、建設省住民発第1号)

*2)借地借家法第38条4項
契約の終了通知
4 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。

 ⇒ 終了通知は借地借家法第38条4項本文に「期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知」と規定されている。従って、定期借家契約の≪終了通知≫は契約の満了前にしなければならない。期間満了までに定期借家契約の終了の意思表示がない場合は、「契約の更新がない」という特約の効力は無効になり、普通借家契約へ移行する。

 <参考記事>

 契約期間満了後に定期借家契約の終了通知が届いた場合はどうなるのか


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2009年7月 9日 (木)

組合の敷金返還請求通知で敷金全額戻る

 三鷹市上連雀の共同住宅の1室6畳1Kを今年3月に退室した神山さんは、1年しか入居しなかったのにもかかわらず4月に送られてきた原状回復の見積書は6万7200円(消費税込)が神山さんの負担になっていた。

 シール剥がしなど身に覚えもない請求もある。父親が家主に連絡したが相手にされなかった。

 やむなく組合に相談したところ、組合からの敷金5万1千円の返還通知を出したところ、即刻敷金全額を返してきた。

東京借地借家人新聞より


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2009年7月 8日 (水)

更新料と地代増額の請求を撤回させる

 東武東上線北池袋の駅から数分の所に20数坪借地している松田さんは、親の代に地主との間で更新料の支払い問題で争いになって一時期、供託したこともあった。

 その後、地主が地代の受け取りを認め、毎月末頃に集金に来ていた。去年の暮れに地主が集金に来たときに「来年2月に更新の時期をくるので、あらためて更新料の支払いと地代の値上げをしたい。詳しい話は代理人の不動産会社をよこす」と言ってきた。

 松田さんの親は組合に所属していたが、親の死亡とともに組合と疎遠になっていたが、借地問題でなにかあれば組合に相談していた親の姿を思い出し古いチラシで組合に連絡してきた。

 組合では、松田さんの話から借地として借りた当時から、契約書がない契約であったことを確認し、最高裁の更新料裁判の判例を説明し、支払いを拒絶することを確認した。

 同時に、地代の値上げ請求に対しても、最高裁の地裁への通達などで公租公課の3倍程度であれば値上げに応じる必要のないことを説明し、地主並びに代理人の不動産会社にそのように通知することにした。通知を受けた不動産会社は組合の通知に対して更新料の支払いを断念し、地代の値上げ請求も撤回した。

 しかし、不動産会社はこれでは仕事にならないと考えたのか、この際、契約書を作成することを提案してきた。

 契約書作成には応じることにしたが、その際は地代の支払い方法を変更し、今後は銀行振込とすることを確認して作成した。

東京借地借家人新聞より


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2009年7月 7日 (火)

地主が改築を妨害 借地非訟手続で建替え許可

 大田区大森西*丁目所在の宅地面積60㎡を賃借中のNさんは、家屋の建替えの承諾を求めたところ、地主は借地権の買取を提案してきた。

 平成6年の契約更新の際にも同様の問題が提起されて協議に2年の時間を費やした上、地主宅の南側に位置するNさんに対して2階建の建物の建築は認めない言われた過去がある。想定していたことなので直ちに非訟手続に着手した。

 東京地裁は増改築する木造2階建床面積1階47.9㎡、2階44.6㎡に関し、その規模・構造・敷地面積からして、土地の通常の利用上相当と認められる。さらに、隣地に対する影響から許可を不相当とするほどの事情はないして、承諾料を地価の5%と認定して建替えを承諾した。

東京借地借家人新聞より


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2009年7月 6日 (月)

借地の期間満了で借地の更新請求

 台東区鳥越で借地している田中さんは、昨年5月末日で借地契約が満了した。地主は正当な理由もないまま期間が満了したというだけで借地の明渡しを請求してきた。

 田中さんは組合役員から債務不履行などがなければ、また、当事者の合意で契約を解約しない限り、期限が満了しただけでは借地を明渡す必要がないことなどの説明を受けた。

 借地法4条は、期間が満了しても、借地人が希望すれば、借地人の一方的な請求によって契約が更新される場合を定めている。更新請求よって、更に借地権を堅固な建物の場合は30年、その他の木造建物等は20年間存続させる規定になっている。

 早速、田中さんは地主宛に借地法4条に基づいて、「宅地上にはなお建物が存在しており、前の契約と同一条件で借地契約を更新するよう請求致します」という趣旨の「借地の更新請求」を配達証明付き内容証明郵便で送った。

 その後約1年が経過するが、地主からはその後、何の反論もなく、地代も従来通り地代受領している。


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2009年7月 3日 (金)

地上げ屋が明渡請求、交渉決裂で訴訟へ (神奈川)

 横浜市内中区本牧町で木造2階建一棟を家賃月額20万円で平成4年7月より16年間にわたって賃借してきたBさんは、地上げ業者から「当社で土地と家屋を買取ったので、6ヶ月以内明渡してほしい」と突然通告されました。

 Bさんは最寄の消費者センターに相談したところ神借連を紹介されました。組合に入会し、地上げ業者とBさんを交えて再三にわたり粘り強く交渉しましたが、業者は「今後訴訟に移行するので今までの経過に関しては全て白紙撤回する」と言ってきました。

 Bさんは、怯むことなく訴訟になっても受けて立つことを業者に明確に伝えました。

全国借地借家人新聞より


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2009年7月 2日 (木)

借地人が団結して大地主の宗教法人への対応を相談

 足立区に住むYさんは、親の代からの借地で地主は宗教法人である。これまでも更新料を3年分割で支払ってきた。

 契約期間中に地代値上げ要求を受け、現状でも高額なため値下げを地主に申し出た。地主は他の借地人との公平性に欠けるとして、値下げの申入れを拒否。値上げに応じないからと地代の受領を拒否し、自分の考えで供託するようにとの文書を受け、供託を開始した。

 その後は更新料を要求されたが法定更新を続けている。Yさんの住む地域には、同じ地主の借地人が100人以上いる。Yさんの呼びかけで昨年暮れから3回の相談会を開催し、その中で個々の対応ではなく借地人の一致団結の対応が確認された。

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2009年7月 1日 (水)

明渡し請求に退去拒否を通告 (静岡市)

 静岡市内のOさんは、昨年、退去予告期間(6ヶ月)を無視した追い出しに失敗した家主が、性懲りもなく業者を変えて「今度は6ヶ月前に予告した」と退去の請求をしてきました。

 家主から委任された建築業者Z社から「移転費用は、工事費の中で確保してあるので、補償額を申し出て」との提案がありましたが、Oさんは、「昨年の執拗な脅しまがいの追いたてで神経系統の病に冒され、完治していない」と退去を拒否。Z社は、それでも退去補償の概算を迫り、Oさんは転居の意思は無いとしつつ、一定額を示しました。

 Oさんは、「これからも此処に安心して住み続けたい。家主が法律的な手続きをとった場合受けて立つ用意がある」と決意を新たにしています。

全国借地借家人新聞より


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2009年6月29日 (月)

店のシャッターを新品に交換させる (東京)

 東京荒川区で昭和50年から店舗を借り、家電製品販売業を自営しているⅠさんは、入居時から設置されていたシャッターが今年2月頃から開閉の具合が悪くなったので家主に修繕を申し出ました。

 家主はIさんに対し「4年前の更新時に更新料を払わずに法定更新をしたからとんでもない」と修繕を拒否しました。

 Iさんは組合と相談しました。借りているものだが丁寧に使用し、耐用年数はとっくに経過し、借家人には何ら過失はありません。店内には商品が一杯で防犯上も心配なので再度修繕を申し入れても断られたので、業者に調べてもらったところ修繕では無理といわれました。

 そこで、見積書の交換代金を一時Iさんが立替え払いし、後日賃料から相殺する旨を家主に内容証明で送りました。

 その後、家主の代理人の弁護士から家主の責任で交換すると言ってきましたが、1週間以上も工事に来ないのでIさんは家主宅に行き、「一体いつ交換するんだ。もっと誠意を見せろ」と一喝すると、驚いた家主は2日後に新品と取り換えました。

全国借地借家人新聞より


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2009年6月26日 (金)

普通借家契約から定期借家契約への切り替えを要求されたが

(問)私は、平成11年4月に住宅を借りて住んでいますが、当初から2年毎に契約書を書換えて更新してきました。今年3月に家主の代理人と称する不動産業者から、今回から契約は定期借家契約にするので、契約書の他に書面を持ってきて署名捺印を求めてきました。定期借家契約の意味がわかりませんので、どのように対応したらよいのか悩んでいます。


(答)平成11年12月15日に交付された「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」によって借地借家法が「改正」され、平成12年3月から定期借家制度が施行されました。この制度は、契約で定めた契約期間が終了すると、「正当事由」がなくとも、借家契約が終了されることになります。従って、家主と借家人の双方で合意がなければ再契約はできなくなります。

 定期借家契約は、事業用借家居住用借家を問わず、当事者の合意によって結ぶことができます。
 しかし、平成12年3月1日以前に結ばれている居住用借家契約は、当事者間の合意があったとしても定期借家制度は適用しません。(※

 定期借家契約を締結する場合、賃貸借契約のほかに「定期借家制度が適用され更新の無い契約であることを説明した公正証書などの書面による説明」をして当事者間で合意しなければなりません。(※

 さらに、家主は、契約解約する場合は期間満了前の1年前から6ヶ月前の間に「賃貸借期間の終了」を借家人へ通知する義務があります。(※

 ご相談の方の事例は、居住用借家であり平成12年3月以前の賃貸借契約ですので、たとえ合意したとしても定期借家契約にはなりません。

全国借地借家人新聞より

(※ 
(借地借家法の一部改正に伴う経過措置)
第3条 第5条(現行・借地借家法第38条)の規定の施行(平成12年3月1日)前にされた居住の用に供する建物の賃貸借の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、第5条の規定による改正後の借地借家法第38条の規定は、適用しない。

(※) 
(定期建物賃貸借)
第38条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条(借家人に不利な特約は無効とする)の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項(期間1年未満の借家契約の禁止)の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

4 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。(※


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2009年6月25日 (木)

既存の普通借家契約を法律で禁止されている定期借家契約へ切替え (京都)

 京都市伏見の借家に40年前に契約して住んできた石田さんは、この度家主の不動産管理会社が変わったことから、「あらためて賃貸借契約書意を交わしたい」との申し入れがあり、石田さん宅に契約書が投函されました。

 その契約書なるものは、なんと「定期建物賃貸借契約書」でした。石田さんは40年前に契約しているので、定期借家契約への切換えは認められません。

 まして、事前に家主側の説明義務なしの違法なやり方です。石田さんは定期借家契約の押し付けに断固拒否して闘います。

全国借地借家人新聞より

(参考)
附 則 
(平成11年12月15日法律第153号) 抄

(施行期日)
第1条  この法律は、公布の日から施行する。ただし、第5条、次条及び附則第3条の規定は平成12年3月1日から施行する。

(借地借家法の一部改正に伴う経過措置)

第2条  第5条の規定の施行前にされた建物の賃貸借契約の更新に関しては、なお従前の例による。
2  第5条の規定の施行前にされた建物の賃貸借契約であって同条の規定による改正前の借地借家法(以下「旧法」という。)第38条第1項の定めがあるものについての賃借権の設定又は賃借物の転貸の登記に関しては、なお従前の例による。

第3条  第五条(借地借家法第38条)の規定の施行(平成12年3月1日)前にされた居住の用に供する建物の賃貸借(旧法第38条第1項の規定による賃貸借を除く。)の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、第5条の規定による改正後の借地借家法第38条の規定は、適用しない。

(検討)
第4条  国は、この法律の施行後4年を目途として、居住の用に供する建物の賃貸借の在り方について見直しを行うとともに、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


 借地借家法第38条の定期建物賃貸借(定期借家契約)の規定は平成12年3月1日に施行された。

 この定期借家契約は平成12年3月1日以前に契約した居住用借家には「借地借家法の一部改正に伴う経過措置」(附則第3条)により適用されない。即ち、「経過措置附則第3条」により既存の居住用普通借家契約を解約して新たに定期借家契約へ切換えることは禁止されている。

 仮に当事者の合意で居住用普通借家契約を解約して新たに定期借家契約へ切換えたとしても、その契約は定期借家契約として認められず、普通借家契約として扱われる。

 なお、店舗・事務所・倉庫等の営業用借家は、平成12年3月1日以前に契約したものであっても、当事者の合意があれば、普通借家契約から定期借家契約への切換えは行える。

 <参考法令
 借地借家法
 (定期建物賃貸借)
第38条
 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

 参考記事
 定期借家契約とは

 既存の居住用借家契約から定期借家契約への切り換え

 既存の店舗借家契約から定期借家契約への切り換え


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2009年6月24日 (水)

保証会社が強圧的な取立て 家賃の支払い1日遅れても違約金

 豊島区内に住む斉藤さんは母子家庭である。4年前に、現在住んでいるマンションの入居時の連帯保証人に父親を立てていた。2年前の更新時に、仲介した不動産会社が今後、連帯保証人は家主が指定した保証会社でなければ受け付けないと言われ、やむを得ずA保証会社と保証委託契約を結んだ。

 その後、家賃の支払いが毎月27日迄に間に合わなくなると保証会社の担当者が押しかけ、一時間もドアを叩いたり、ベルを鳴らし続けることや携帯の電話にかけてくるなどの強圧的な取立て行為を行うようになった。

 本来、このマンションはオートロックでドアまでは入ってくることが出来ないにも関わらず、侵入してきたために、やむを得ず警察に通報するなどの対抗措置を取った。しかしながら、仲介の不動産会社と家主は、近隣に迷惑をかけたとの理由で明渡しを請求してきた。

 この保証会社は、一日でも家賃の支払いが遅れると保証契約を打ち切り、改めて更新し、違約金として1万円を支払うという特約をたてに、賃料以外に1万円を取っていた。

 その結果、昨年1年間で12万円を払わされていた。まさに、今問題になっているスマイルサービスと同様な手口で違法行為を行っていたのである。斉藤さんは弁護士との相談の中でこのような悪質な行為に法的措置も含めた対処をすることにした。

東京借地借家人新聞より


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2009年6月23日 (火)

家賃を1日でも滞納したら明渡すとの念書を盾に管理会社が明渡し請求 (大阪)

 大阪府松原市内の賃貸マンションに平成11年4月から入居している武田康夫さんは、入居まもなく病気となり月額10万5000円の家賃の支払いが滞り、昨年末で80万円を滞納していました。

 管理会社からは、家賃を支払わないのであれば、明け渡せと再三再四にわたり督促を受けていました。武田さんは、体調が回復し滞納していた家賃も3月に完納することができました。

 ところが管理会社は、武田さんへ家賃を完納したが「今後は1日でも滞納したら明け渡すこと」との念書に署名捺印を求めてきました。

 妻と高校に通う2人の息子の一家4人の住む場所がなくなるとの不安から、管理会社の言いなりに「念書」を提出し、その上に、「今後の家賃支払いは銀行から自動引落しで支払うこと」を条件に一応契約の継続が認められました。

 武田さんは、銀行で自動引落し手続きなどをしたことがなく、3月末に支払うことになっていた4月分の家賃を4月6日に支払いましたが、管理会社は「念書」を盾に明け渡しを要求してきました。

 途方に暮れた武田さんは、「全国追い出し屋対策会議」の結成総会が報道されたことが記憶にあり、大阪弁護士会へ問い合わせたところ、大借連を紹介され、大借連事務所に相談。管理会社へは「家賃は支払い済みで明け渡しに応じる必要はない」と回答したところ、管理会社からは「賃貸借契約解約申込書」が届けられ、この「申込書」への署名捺印を求められるとともに、自動振り込み契約書と銀行通帳の写しを求めてきました。

 武田さんは、大借連事務所と相談の結果、「申込書」の提出を拒否するとともに、自動振り込み契約書と銀行通帳の写しを送ることにしました。

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2009年6月22日 (月)

暴言・恫喝の不動産業者に東京都・不動産業課が厳重注意

 八王子市の木造2階建てのアパートの1階に住むAさんは、平成11年5月に入居した。1DK(24・16㎡)で家賃は月額3万5000円、共益費3000円を支払っている。ここは八王子駅から少し離れているが近くに都立小宮公園もあって環境が良く、家賃も比較的安いのが魅力だった。

 今年の3月初めに不動産業者から、契約更新の条件として更新料(家賃の1か月分)を請求された。また、送付された契約書も従前には書いてなかった「更新の際乙は甲に更新料として新賃料の1か月分支払う」特約や明渡しの際の原状回復特約など様々な条件がついていた。

 Aさんは、入居時の条件と違うので是正を求めたところ、不動産業者は突然怒り出し「おまえなんか出て行け!」、「おまえは日本人か!」「更新したければ頭を下げてこい!」などと、激しい剣幕で食ってかかってきた。Aさんは恐怖を感じ、紹介を受け組合に相談に行った。組合から早速、不動産業者に従前と同じ条件で更新することと、更新料は支払わない旨の通知を出した。

 しかし、業者が組合との話し合いも拒否したためAさんは東京都・都市整備局住宅政策推進部不動産業課(tel 03-5320-4958)に行って実情を話し「こんな悪質な業者が野放しにされることは絶対に許されない」との申請書を提出した。都市整備局不動産業課では直ちに業者を呼び出し厳重に注意した。その結果、不動産業課の担当者から「業者は深く恥じて反省している」との連絡が入った。

東京借地借家人新聞より


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2009年6月19日 (金)

借地人8人が更新料の不払いで大きな成果

 H市に居住するAさんをはじめとする借地人8世帯は、昨年、地主代理の不動産業者から「土地賃貸借契約の期限についてのご通知」という文書を送付された。

 通知は、契約期間が4月30日で満了することから「引続き契約を希望される方は、更新の契約を交わしたいと思います。更新の契約を交わすに当りまして……契約更新料がございます」として金額を提示してきた。更新料は坪数で違い、高い人で480万円、低い人で60万円。おおよそ坪5万円の計算。

 借地人は、全員で借地更新料の請求を拒否したが、地主はその後代理人の不動産屋を通じ4月23日付で契約解除を通告し、5月分以降の地代の受領も拒否してきた。

 借地人一同は連名で借地契約の法定更新を主張し、地代はH法務局に供託した。

 7月に入り地主は弁護士を代理人に立て「更新料を支払うことは当事者間の合意となっている。更新料を支払わないと契約違反になる。更新料の支払いを拒絶した場合は法的手段をとる」と内容証明郵便で一斉に通告してきた。借地人一同は「次の更新時に更新料を支払う約束はしていない」と反論した。

 9月に裁判所からAさんのところに更新料410万円を支払うよう請求する調停申立書がられてきた。他の借地人にも同様の申立書が一斉に来た。申立書では、前回の更新時に更新料を支払ったから今回も支払う約定になっているという無茶苦茶な理屈で更新料を請求している。

 更新料を支払う意思はないので調停を不調にするよう9月下旬H簡易裁判所に上申書を提出した。

 上申書には、更新料請求を拒否した経過と、地主の代理人から契約解除の通告を受け、地主には正当事由がないため昨年5月1日をもって法定更新していることを主張した。また、更新料については最高裁昭和51年10月1日判決、同53年1月24日判決で、借地人には更新料支払い義務のないことは確定していることを主張した。

 地主の代理人から「前回更新時の契約書で次回の更新の際に更新料を支払う。金額は契約更新の時期に至った時当事者双方で協議して定める旨の約定がある」との全く嘘の主張に対しては、契約書の中にもそのような合意は一切ないことを明確に反論した。

 H簡易裁判所からは、昨年11月19日付で地主側が8名の借地人全員の調停申立てを全て取り下げたとの事由で「調停終了通知」が各借地人に送られてきた。

 その後現在まで、地主の側からは何らの動きもなく、地主の不動産業者や弁護士まで使った執拗な更新料請求はひとまず陰をひそめた。

 最初は地主の代理人から、契約解除の内容証明郵便を送りつけられたり、「更新料を支払わないと孫子の代で借地権はなくなる」と脅かされたり、裁判所に調停を申し立てられたりと、この1年、借地人一同「ハラハラドキドキ」だったが、組合の指示に従ってしっかりと結束したことが、今回の結果に結びついた。

東京借地借家人新聞より


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2009年6月18日 (木)

生活保護受給で住まいを守る (大阪市西成区)

 大阪市西成区山王町3丁目の賃貸マンションを賃貸中のAさん老夫婦へ、家賃滞納を理由にして「直ぐに出て行け、家具類は処分する」と茨木市に住む家主から口頭で通知されました。

 途方に暮れたAさんは、西成借地借家人組合の藤原組合長を訪ねて相談。組合で事情を訊くと、Aさんは、ご主人とが寝たきりで奥さんの年金が生活の支えとなっており、家賃の支払が困難であることが明らかになりました。

 藤原組合長は、家主へ「事情は聞いた」と連絡し、家主からは「生活保護を受けるように勧めた。もう何年も前から家賃の不払が続いている。出ていって貰うしかない」と困り果てた様子を訴えています。

 そこで、組合は、Aさんに生活保護の申請を勧めたところ、生活保護制度のことについてまったく知らず、西成区役所へ地元の市会議員に同行を願い生活保護の申請手続を行いました。

 そして、家主へは、「過去の滞納分を免除し、今後の家賃は生活保護で支払うことにする」と連絡し、追い出しを思い止まって貰いました。

全国借地借家人新聞より


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2009年6月17日 (水)

少額訴訟で敷金48万円が戻る (神戸)

 賃貸借契約時に、支払った敷金81万6000円の内、契約解約時48万円の返還をすることになっていた。

 ところが、家主側は、「特約で退去の6か月前に「解約予告」をすることになっているが、それをしていないので、その6か月分の家賃相当額の違約金と原状回復費用を差し引くと返還する敷金は無い」と主張した。

 借家人は、約束違反であるとして、あくまでも敷金48万円の返還の履行を求め、少額訴訟で争った。

 2009年1月13日、神戸簡裁は、「借家人が退去予告通知義務を怠ったとしても、消費者契約法第10条によって家主側の主張する予告通知義務違反とはならないとして、敷金との相殺は無効である。また、自然損耗による原状回復費用の請求も借家人が負担すべきものであるとは認められないとして、敷金48万円全額を返還すべきである」との判決を下た。

 

 ()民法の規定では解約予告は「3か月前」(617条・618条)と規定されているが、国土交通省の「賃貸住宅標準契約書」は「30日前に解約の申入れを行うことにより、本契約を解約することができる」として「30日前の解約予告」を原則としている。

 国土交通省の「賃貸住宅標準契約書」に倣って、殆どの不動産業者が使用している契約書でも1か月の解約予告で契約が解除できるようになっている。

 今回の貸主には一方的に有利な、借主には不利益な「6ヶ月前の解約予告」特約を消費者契約法第10条に反して無効の判決は画期的である。


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2009年6月16日 (火)

地上げ屋が組合事務所で大暴れ

 葛飾区東新小岩で借地をしているSさんは、地上げ屋である東京都市開発の社員Yの来訪を受け、対応について組合に入会し相談を受けた。

 地主と称してはいるが登記上変更はない。地上げ屋は所有権が移転するや否や、土地を買うか明渡すかの二者択一を迫るのみで借地は認めないという。不当な強要に対しSさんは今まで通り借地の存続を主張した。

 組合にも数回にわたり地上げ屋は来て大声を出し脅かしてきたが、組合はぶれることなく対応。組合では退去を求めたが地上げ屋は退去せず、挙句に事務所のドアを蹴破った。

 組合では抗議書を発送、Sさんも顧問弁護士に依頼し、面会拒否通知を出したところ、地上げ屋は「第三者に買ってもらい手を引きたい」と申し出た。地上げ屋来訪から10ヶ月耐えぬいた。

東京借地借家人新聞より


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2009年6月15日 (月)

更新料の支払いと地代の値上げ請求に対して和解調書を示して拒絶

 中野区の松ヶ丘に住む森山さんは親の代から借地していた。一昨年に親が死亡し、借地上の建物を相続した。それまでは、年1回の地代の支払いで、昨年の7月に地主に「親の死亡と建物を相続したことを通知するとともに今後は、自分名義で地代を地主の銀行口座に振込むこと」を通知した。

 早速、地主は弁護士を代理人として契約の更新と更新料の支払い並びに地代の値上げを請求してきた。

 森山さんは親から聞いていた裁判所の和解調書を持って組合に相談した。その和解調書には、「契約期間を昭和77年までの20年間とし、賃料については公租公課の2・5倍を乗じた額を賃料とし、満3年毎に同様の方法によって賃料の改定を行う」と記載されている。

 契約はすでに平成14年に法定更新され、賃料についても公租公課の2・5倍となっていることを主張し、弁護士に、更新料の支払い並びに地代の値上げ請求には応じられない旨を通知た。

 なお、都税事務所では、法定更新されている契約では土地課税台帳は閲覧できないと窓口で言われたが、裁判所の和解調書をみせると許可された。

 その後、地主の代理弁護士からはそのような和解調書が存在したことは知らず、改めて契約書を作成したいと回答があった。森山さんは法定更新のままでかまわない旨通知したが、相手から和解調書を基本とした覚書だけでも締結したいと言ってきている。

東京借地借家人新聞より


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2009年6月12日 (金)

定期借家契約の期間満了の9か月後に終了通知が

 横浜市磯子区に居住するHさんが、大田区南蒲田*丁目所在の店舗面積10.7㎡を月額4万円の家賃で、期間2年で賃借したのが平成17年12月だった。

 期間満了になっても更新の手続きするでもなく、平成20年8月なって管理者の不動産業者が家賃を持参した際に「メモ」で定期借家契約だから6カ月後に明渡せと請求する。

 しかし、持参すれば何も言わずに家賃を受領し続けて、今年1月末持参の2月分家賃を受領したが、2月中旬なって一旦受領した2月分家賃を返却されて3月で明渡せといわれた。Hさんは知人の不動産業者に相談して組合を紹介された。

 借地借家法第38条の要件が満たしておらず、普通借家権が成立し、期間の定めのない契約に移行したと考えられるので、明渡しを拒否し家賃を供託した。裁判で強制執行するという家主の代理人業者の脅しにも、臆することなくHさんはお客の励ましを得て頑張っている。

東京借地借家人新聞より
 

 <参考記事>

 契約期間満了後に定期借家契約の終了通知が届いた場合はどうなるのか

 ②定期借家契約の期間が満了で必ず建物を明渡さなければならないのか


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2009年6月11日 (木)

賃貸マンションの契約時に支払った申込金

  賃貸マンションの契約時に支払った申込金


 結婚後の新居を探すために不動産業者を訪ねた。そこで、建設中の5階建てマンションを勧められた。気に入ったが、他の物件も探したい旨を伝えたところ、「この物件は入居希望者が多い。あらかじめ部屋を押さえておく必要がある」と言われ、1ヶ月分の家賃(63,000円)を申込金として支払った。
 数日後、申込金を支払った物件の周辺環境等が気になったので、断ることにした。不動産業者に電話をしたが、「申込金は貸主の承諾後は返金できない。領収書に明記してある」と言われた。申込金を返金してほしい。
                                          (20歳代 女性 給与生活者)

アドバイス

 賃貸借契約を申し込む際、申込金・手付金・内金・予約金などの名目で一定の金銭(預り金)を求められることがあります。契約前に借主が断ると「貸主の承諾を得ているので返金できない」などと不動産業者が説明し、預り金の返金を拒否するケースが少なからず見受けられます。

 そもそも賃貸借契約の成立には、契約の成立前に宅地建物取引業者から当該物件の重要事項についての説明を受けた上で、書面が交付されることになっています(宅地建物取引業法第35条、注1参照)。

 賃貸借契約の成立前に支払われた金銭は、名目を問わず、すべて預り金とみなされます。そのため、契約成立前に預り金を受領していた場合、その預り金は申し込み順位確保のための証拠金として授受されるにすぎず、賃貸借契約が成立するわけではありません。よって、キャンセルした場合には、業者は預り金を返金しなければなりません。

 この相談では、預り金は返金されるべき性質の金銭であることを主張した結果、全額が返金されました。

コメント&解説

 この相談のように、預り金をめぐるトラブルが絶えないため、宅地建物取引業法第47条の2第3項の国土交通省令(注2参照)及び同法施行規則第16条の12第2項(参照)で「預り金の返還の拒否の禁止」を定めています。

 業者は、金銭の支払いを求めることによって消費者が簡単にキャンセルすることを防ごうと考え、申込金などの名目で預かっているものと思われます。

 このようなトラブルを防ぐためには、預り金を求める業者には注意し、どうしても預り金を支払わなければならない場合には、契約の締結に至らなかった場合には返金される旨を明記してもらうことが大切です。

注1宅地建物取引業法第35条
宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(以下「宅地建物取引業者の相手方等」という。)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第5号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。(以下省略)

注2宅地建物取引業法第47条の2第3項
宅地建物取引業者等は、前2項に定めるもののほか、宅地建物取引業に係る契約の締結に関する行為又は申込みの撤回若しくは解除の妨げに関する行為であつて、宅地建物取引業者の相手方等の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものをしてはならない。

注3宅地建物取引業法施行規則第16条の12第2項
宅地建物取引業者の相手方等が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むこと。

<国民生活センター>HP より

(注)本文中に付した青字赤字強調は東京・台東借地借家人組合


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2009年6月10日 (水)

建物賃貸借契約に係る媒介等の業務の適正化について

     建物賃貸借契約に係る媒介等の業務の適正化について

                         (社)京都府宅地建物取引業協会
                         (社)全日本不動産協会京都府本部
                         (財)日本賃貸住宅管理協会京都支部

 最近、居住用建物の賃貸借契約の媒介業務等に関連して、京都府・京都市及び協会等の不動産無料相談所に一般消費者から入・退去時のトラブルが多く寄せられることに鑑み、建物賃貸借契約に係る媒介等の業務の適正化に関し、下記事項についてご留意のうえ業務を処理されますようお願いします。

1.交渉預り金・申込証拠金について
  (1)会員は、原則として申込金・交渉預り金等その名目の如何を問わず、借り受け予定者から預り金を受領してはならないものとする。
  (2)会員が例外として預り金を受領する場合は、借り受け予定者が物件を特定しその物件を確保するために特段の依頼をした場合に限るものとする。
この場合には、次のすべての事項について借り受け予定者に書面に記載して説明しなければならない。
   ① 重要事項説明書の発行
   ② 会員が賃貸人あるいは賃貸人から業務委託(契約)を受けた管理会社から媒介依頼(委任代理を含む)を受けていることを証する書面、並びに預り金等の代理受領権限を証する書面の提示。(代理委任状、業務委託契約書等)
   ③ 次のことを掲載した「預り証」を発行する。
    ア 預りの目的(物件確保のため)
    イ 預り金の有効期限
    ウ 当該預り金は、借り受け予定者からの返還申し入れがされた時には速やかに返還する。
    エ 当該預り金は、契約の成立・不成立に拘わらず全て借り受け予定者に返還されるものであること。
    オ 金額その他契約のために必要とする事項等

2.契約成立時における金員の取り扱いについて
   契約成立時(注1,2)において、借り受け予定者から賃貸人に支払われる金員は、媒介業者において保管されるものではない。しかし、例外として媒介業者が保管をする場合には、賃貸人(管理会社)からその保管依頼の委任状等を取り付け、それを借り受け予定者に提示し、同時に受理書を発行しなければならない。
   また契約成立日から入居までに発生する、契約履行着手前の解除等の解約トラブル等の防止と解決のため、契約締結時には解約手付金や違約金を定める等して、借り受け予定者・賃貸人双方に合意をしてもらうことが望ましい。

 (注1) 宅地建物取引業法第37条(書面の交付が充たされる契約)
 (注2) 一般的に契約の成立時期は、媒介業者が重要事項を説明した上で申込者が物件の賃借を申し込み、貸主(又は委託を受けた管理会社)が要件審査の後これを承諾して、更に手付金授受を定めているときは当該金銭が貸主に交付されたときである。
    なお、保証人の確保等、契約の停止条件を貸主から提示している場合は、申込者から当該保証書面が交付されることを要する。(平成5年1月13日付、5建第57号:京都府土木建築部建築指導課長「賃貸物件の媒介等の適正化について(抜粋)」)

3.媒介手数料について
 居住の用に供する建物の媒介に際して、依頼者の一方から借賃の一月分の2分の1を超える金額(上限は借賃の一月分に相当する金額以内)を媒介手数料として受領しようとする場合には、その依頼人より承諾書をもらうことが望ましい。

 宅建業者が媒介業務に際して依頼者の双方から受けることの出来る報酬の額の合計額は、当該物件の借賃(税を含まない)の一月分に相当する金額以内であり、居住の用に供する建物の媒介に際して依頼者の一方から受けることの出来る報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の2分の1に相当する金額以内である。(宅地建物取引業法第46条及び報酬に関する建設省告示)

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2009年6月 9日 (火)

契約書を取交わしていないのに違約金を請求される

 江戸川区に住むMさんは、2月7日に東葛西の不動産屋に行き、賃貸物件を紹介された。内金2万円を本日中にと言われ、手持金がなかったので不動産会社の取引主任者の社員が自宅まで来て、事務所に戻り支払った。

 契約もしないのに1週間後に残金21万5450円を振込むよう指示され送金したところ、自宅のポストに契約書と重要事項説明書が届けられた。

 契約の日付がすでに2月14日になっているので不審に思い理由を聞くが社員は困るという。Mさんは重要事項の説明も受けておらず、契約書にもサインしていないので、2月17日にキャンセルした。

 不動産屋から「契約は成立しているので違約金を払え」と言われ、消費者センターの紹介で江東借組に相談に来た。

 組合役員が3月4日にMさんと不動産屋を訪問、不動産会社はMさんを激しく威嚇したが、観念したか2日後に全額を返還してきた。

東京借地借家人新聞より


  参考関連記事

 賃貸マンションの契約時に支払った申込金

 建物賃貸借契約に係る媒介等の業務の適正化について


  参考関連記事

<大阪府 住宅まちづくり部 建築振興課>HP

より

  契約はどの時点で成立するか

 さきにも触れましたが、厳密に言うと、契約は双方の合意があれば成立するものであり、契約書がなければ契約は成立しない」という考え方はされていません。

 ですから、実際の取引の場においては、申込者が重要事項説明を受け、入居希望の意思表示として預り金(申込証拠金)を支払い、それを受けた貸主が入居を承諾して、その旨を仲介業者に伝えた時点をもって契約の成立と見なしているケースが大半を占めています。

 契約成立までの一般的な流れは、次のようになっています

(1) 貸主が媒介業者に対して、物件の媒介(仲介)の依頼をする。

(2) 媒介業者が一般の借主(消費者)に対して、物件の広告(提示)をする。

(3) 借主が媒介業者に対して、物件の案内(書面による説明以外の情報提供)を求める。

(4) 媒介業者が借主に対して、書面を交付した上での物件の説明(重要事項説明、契約書面の提示など)をする。

(5) 借主が媒介業者に対して、預り金(申込証拠金)を支払う。

(6) 媒介業者が貸主に対して、借主の契約意思の確認を証する書類(入居申込書など)を送付(電話などでの連絡も考えられる)して、貸主の契約意思を確認する。【到達主義】(民法第97条)

〔ここで注意〕
 次の(7)に至らない段階で、借主側から申込の撤回があれば、媒介業者は預り金(申込証拠金)を借主に返金しなければならない。

(7) 貸主が媒介業者に対して、契約意思を伝える(貸す・貸さないの意思表示)。

〔ここで注意〕
 この段階で貸主から契約意思の発信(表示)があると、貸主と借主の双方の意思が一致することになり、契約が成立したとみなされる。そのために、預り金(申込証拠金)は、手付金として処理される。借主が申込意思を撤回する場合、それは「契約の解除」となるため、手付金を放棄しなければならない。この場合、貸主の契約意思は必ずしも借主に到達しなくてもよい。【発信主義】(民法第526条)

(8) 媒介業者が借主に対して、貸主の契約意思を伝達する。

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2009年6月 8日 (月)

月額2万円の減額

 昭島市青梅線Q駅近くの江戸街道沿いでレストランを経営するPさんは、今年の5月分の家賃から月額16万1000円を月額14万1000円に減額することに成功した。

 Pさんが当地で営業を始めたのは昭和63年でる。長引く不況の影響は深刻で、体を壊してまで働いても売上は減少するばかり。周りの店舗も廃業する店が多く、新規の貸店舗の家賃も江戸街道沿いで月額1万円をきる物件が出てきた。

 Pさんは、管理している不動産業者に家賃を下げてほしいと頼んでも、家主が同意しないとつれない返事。

 4月初めダメもとで組合に相談に行った。組合では、近隣の新規家賃の資料を集めることを指示。

 その上で、家主に内容証明で次のように家賃減額を請求。
 「ここ数年地価の下落、物価の下落、消費の落ち込み等経済事情が大きく変動しています。その結果現在支払っている家賃月額16万1000円は近隣や昭島市内の新規家賃の相場を大きく上回っている状況です。本年4月分の家賃より月額12万円に減額されますよう本書面によりご請求申し上げます」。

 不動産業者から、組合に連絡が入り、「Pさんの事情は分かるが減額幅は中を取ってほしい」と言って来た。契約期間が2年後の9月まであり、契約の途中であることも考慮して、「次の更新の際に再協議する」ことを条件に4月分から月額2万円減額することで合意した。

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2009年6月 5日 (金)

立退料家主提案の50%増で決着(家賃の約46か月分)

 大田区南馬込*丁目の木造2階建住宅を月額65,000円の家賃で賃借中のBさんの家主より、建物付借地を返還された地主(新家主)は平成10年4月に建物朽廃を理由に明渡を通告。

 家賃の約30か月分補償の提示を金子さんは、金額に不満はないが日当たりはよく最高の住環境を失いたくないと組合を通じて拒否。家主は直ちに10年以上も値上げがないと15,000円の家賃増額請求、これに7,000円を回答したが合意に至らず供託。

 一昨年末Bさんに転勤が持ち上がり、拒否した明渡を如何に復活させるか困惑の日々の中、昨年3月家主代理人の不動産業者が組合事務所に来て、当初の条件で明渡を請求してきた。

 交渉で組合役員は現在係争の内容は「家賃の増額」であることを指摘。家主は増額分家賃を全額返還し、混乱の責任を取り補償額50%増額(家賃の約46か月分)を提案。これに年末まで明渡を猶予しその間(7か月)使用料免除で合意した。

 Bさんは、組合員で良かったと転居先の千葉から2カ月毎に組合費を納めに来る。

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2009年6月 4日 (木)

借地の明渡請求をされ、直ぐに借地の更新請求で回答した

 台東区鳥越で借地している田中さんは、昨年5月末日で借地契約の20年が満了した。地主は何らの正当な理由もないまま期間が満了したというだけで借地の明渡しを請求してきた。

 田中さんは知人の紹介で組合に相談した。組合役員から債務不履行などがなければ、また、当事者の合意で契約を解約しない限り、期限が満了しただけでは借地を明渡す必要がないことなどの説明を受けた。

 民法の規定では、借地期間が満了すると、借主は原状回復して土地を返還しなければならない(民法616条・598条)。従って、借地人は建物を取壊して土地を賃借した当時と同じ更地状態にして貸主に返さなければならない。

 しかし、それでは借地人が資金を投じて家を建て、そこを中心にして生活してきたのに、期間が満了したからといって、現在居住できる家屋を取壊して屑材木にしてしまうのは経済的見地からも社会的損失である。

 そこで借地法4条は、期間が満了しても、借地人が希望すれば、借地人の一方的な請求によって契約が更新される場合を定めている(借地法4条1項)。借地の更新請求によって、更に借地権を堅固な建物の場合は30年、その他の木造建物等については20年間存続すると規定されている(同法4条3項)。

 もし存続させることが不適当だとしても、強制的に地主に家を買取らせて、借地人の投下資金を回収出来るよう規定している。従って、借地人の費用負担で建物を取壊して更地にして、地主に返還する必要がなくなった。(同法4条2項)。

 早速、田中さんは地主宛に借地法4条1項に基づいて、「借地契約の存続期間は満了しましたが、宅地上にはなお建物が存在しておりますので、前の契約と同一条件で借地契約を更新して頂きたくご請求致します。従って、土地の明渡しには応じられません。」という趣旨の「借地の更新請求」を配達証明付き内容証明郵便で地主に送った。

 その後約1年が経過するが、地主からはその後、何の反論もなく、すんなり地代も従来通り地代受領している。


 参考法令
 民法

第598条  借主は、借用物を原状に復して、これに附属させた物を収去することができる。

第616条  第594条第1項、第597条第1項及び第598条の規定は、賃貸借について準用する。

 借地法
第4条
 ①借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。

② 借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。

③ 存続期間は、更新の時から起算して、堅固建物については30年、非堅固建物については20年とする。ただし、建物がこの期間の満了前に朽廃したときは、借地権はこれによって消滅する。


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2009年6月 3日 (水)

家主が破綻し、店舗が競売

 台東区東上野2丁目でビルの2階で店舗を借りて長年居酒屋を営む村田さんは、平成12年にビルの建替えの話があり、家主と協議した結果、隣接する家主所有の4階建てビル(店舗兼居宅)に移転することになった。

 移転の条件は、従前の契約内容を継承し、内装及び厨房工事と厨房機器等の代金は家主の負担で行うという内容であった。条件が了承され、改装された1階の店舗に入居した。

 移転後、数年が経過した時点で、家主所有の当該建物に金融機関の抵当権が設定された。抵当権設定よりも賃貸借契約の方が先なので、賃借権に問題はないが、何時か競売があるだろうと覚悟はしていた。勿論、競売があっても、新所有者に対抗でき、営業は続けられるので、その点の心配はしていない。

 案の定、昨年3月、家主が厨房機器の代金未払い(債権残額約1200万円)で家賃債権を差押られ、建物は競売された。その後、競落され、家賃は10月分から建物を買受けた新家主に払うことになった。

 村田さんが使用している厨房機器の債務と所有権とについて債権者のリース会社と協議をした。前家主の厨房機器代金の滞納を4年間も漫然と放置した責任を認めさせることが出来、債権額に拘らず、5万円の負担で中古になった厨房機器(9年使用)の所有権が借家人に移転することで落着した。


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2009年6月 2日 (火)

明渡し調停、家賃50か月分で和解 

 足立区江北町で年金収入で生活する新藤さんは、ある日突然家主が変わった。借家の老朽化を理由に3ヵ月分の家賃はいらないから立退くように言われた。また、借地権を150万円で購入を迫られビックリした。家主に連絡するが「関係ない」と言われ途方にくれる。

 他団体の紹介で組合に相談に来る。業者に都営住宅転居するまで移転できないと家賃を供託する。6ヵ月後に家屋明渡しの調停の呼び出しを受ける。建物も築70年を過ぎていることから、約50か月分の家賃を条件に解約の和解に応じた。

東京借地借家人新聞より


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2009年6月 1日 (月)

借家の立退き交渉

 昨年9月組合事務所を尋ねて来たAさんは、居住する大田区久が原*丁目所在の木造瓦葺2階建共同住宅の建物の老朽化を理由に、建替えるからと明渡しを請求され、家主が不動産業者を連れて来て立退料5万円を提示し、印鑑を押すようにと強要されたが拒否して頑張っているということだった。

 約16・5平方メートルの部屋を月額4万円の家賃と管理費1000円で借りているが、1ヵ月程度の立退料では、移転は出来ないのは明らかにも関わらず、この現実を考慮せずに補償内容が他の賃借人に波及することをいやがる家主とこの家主に追随する業者の説得が課題だった。

 Aさんは組合に一任したと伝え、業者との交渉となった。業者を理解させて渋る家主の同意を得るのに5ヵ月を経過。この間の家主の厭味三昧に負けず、Aさんは充分納得出来る約25ヵ月分の補償内容で合意し、この程無事移転することが出来た。

東京借地借家人新聞より


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2009年5月29日 (金)

地代減額請求調停で10%値下げ (東大阪市)

 大阪府東大阪市末広町の15世帯の借地人は、10年以上も前から地主の請求する地代を2年に1度坪月当たり100円の増額を無条件に応じてきました。

 2008年3月借地人の中で地代があまりにも高いのではないかと調べてみると、地価は下落し、固定資産税は減額され、周辺の地代に比べると倍額以上の高い地代を払い続けていることがわかりました。

 とりわけ、固定資産税が毎年減額されているにもかかわらず2年毎に大幅な値上げは不当で、しかも税額の11倍にもなっていることから地代の値下げを地主へ申し入れ、再三再四話合いで解決するよう申し入れましたが全面的に拒否され、08年9月東大阪簡裁へ減額請求の調停を申し立てました。

 簡裁の窓口では、減額調停の申立てに対して、借地人へ難ぐせをつけなかなか受理しようとしませんでした。

 借地人の役員が中心になり、簡裁へ調停申立ては、借地人の権利だと強く申入れ、10月になって調停が開始されました。

 地主は、不動産鑑定の結果、減額の合理的根拠はないとの減額請求を拒否してきましたが、借地人側は、周辺の地代の実態調査を地図にしたり、固定資産税の負担の推移や地代と税負担の割合、最高裁の継続地代適正な基準の指針(公租公課の2~3倍)などを資料にし、簡裁へ提出しました。

 当初、減額などについて毛頭考えていなかった調停委員は、資料を見るや「これは参考になる」と一変して借地人の減額請求の合理性に理解を示しました。

 2008年12月の第3回調停で「今年1月分から現行地代の1割を減額する」との和解案を示し、2月18日に和解が成立しました。

 この和解によって、15世帯全体で年額約60万円の地代が減額される成果を上げました。また、地代値下げ交渉の中で、更新料支払いの特約を解消し、今後更新料は請求しないとの確認書を地主が提出し大きな成果を上げたと15世帯の借地人は大喜びです。

 役員のTさんは「借地人が団結することによって得られた成果であり、大借連や弁護士さんの支援がなかったらこんな大きな成果をあげることはできなかった」と語っています。

全国借地借家人新聞 より


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2009年5月28日 (木)

文句を言ってきた地主に「修繕は自由」と工事決行

 台東区松が谷2丁目で借地している山口さん所有建物の修繕工事は、昨年10月17日に無事に終わった。

 山口さんの今の気持ちは、正直に言って本当にほっとしたの一言である。もう少し時間が経てば、今回の実践を通じ、建物の修繕は借地人の当然の権利だということが実感できるに違いない。そして、今後は地主に対峙しても、諸々の問題でも、自信をもって対応出来るに違いないと確信している。

 山口さんが同じ地主から土地を借りている近所の借地人2名の仲間と一緒に組合に加入したのは昨年3月のことだ。きっかけは地代の問題だったが、それよりも頭に来ていたのは修繕の問題だ。

 地主は雨漏りの修繕や外壁の吹付け等にまで一々文句をつけ怒鳴り散らす。借地人の中には修繕を止めさせられ、修繕を諦めている人さえいる。

 組合加入後は、「借地借家法」の勉強会も何度か行われた。だから、「修繕は自由に行える」ということは頭の中では解っている。しかし、いざ修繕工事の実行となるとやはり不安だった。

 組合役員の励ましを受け、山口さんが修繕工事に取り掛かったのは10月2日だった。案の定、地主がやって来て修繕工事に対して文句をつけた。だが、組合との打合せ通り「総て組合に任せてある」ということで対応し、工事はそのまま続行した。

 翌日、直に組合は地主に厳重抗議を申入れた。その後、工事現場に地主は一度も現われず、修繕工事は15日間で無事に完了した。


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2009年5月27日 (水)

建物の老朽化で明渡し請求、補償と期日で希望どおりの合意

 大田区南蒲田*丁目所在、木造2階建共同店舗兼居宅の一角を賃借し、天ぷらの店を営んでいたKさん。高齢のため廃業してしばらくした、昨年秋ごろ建物の老朽化理由に家主は、建設業者を介して明渡し求めてきた。

 建物の相当古い現実を踏まえて交渉に応じたが、補償金は出し渋り明渡し期日は業者の都合での強制で進行せず、4月や6月の期日を押し付けられる状況となって、相談先が見つかり6月末入会。

 組合は業者に正当性がないにも係わらず、明渡しを求めるならばKさんの希望に応えることが望ましいと伝え、賃料の約30ヵ月分の補償金と明渡し期日は9月末との組合提示の条件で合意した。

 2日間という短時間の交渉で合意に至ったことは、業者が建設工事着工の遅れを懸念したことと、借家人に対するこれまでの対応を反省してのことだろうと思います。

 こんなに早く自分の希望が叶えられてうれしい。「組合はほんとに頼りになる。組合をもっと早く知っていればよかった」とKさんの一言。

東京借地借家人新聞より


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2009年5月26日 (火)

境界問題は不満だが一応解決

 大田区西蒲田*丁目の借地人のSさんの相談は、隣地の建替えの工事で一部に境界杭がないことがわかり、地主に連絡しても協力が得られないということでした。

 弁護士のアドバイスを得て、法務局から地主が申請した地積測量図を取り寄せる。地主に当時の測量士を尋ねるが死去してると我関知せずの態度。組合の協力で測量士の生存を確認でき相談。測量は隣地の同一借地人に底地売買が目的でした。測量図を見て驚く、19坪がが約2.4坪も狭くなっている。この事実を20数年も知らせなったのです。

 地主は測量士の説得で測量と境界杭入れには立会ったが、費用は負担しなかったのです。地主が責任を放棄したので、Sさんは面積減少の不満を押えて、権利を守るために杭を入れて境界問題はこの程解決しました。

 しかし、地主は3年前が更新であることを思い出したのか、更新料と地代の増額を不動産業者を介して請求。Sさんは更新料の不払いと、地主の不誠実な態度に厳しく対応する決意をしております。

東京借地借家人新聞より


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2009年5月25日 (月)

借地面積を騙す

 渋谷区本町で66坪を借地しているHさんは、昭和26年に管理人を通じて地代1ヶ月345円を払って土地を借りた。

 昭和30年に地主から建物収去土地明渡しで調停申立てられ、和解をして土地の面積を66坪3合5勺として、借地内の間口4尺5寸、奥行11間93の土地を共用通路とすることを確認した。

 昭和37年に自宅を改築することになり、Hさんの父親が当時地主の管理人に騙されて借地の内の通路部分を地主に返したとして借地面積を54坪で契約してしまった。

 しかし、地代はその後も全く金額も変わらず、Hさんは一貫して66坪で地代を支払いつづけてきた。

 今年に入り地主は貸地部分の測量を行い、Hさんの借地部分を分筆し66・1坪で登記した。

 ところが、最近になって地主は66坪の内以前契約した54坪分以外の12坪は貸していないと主張。54坪で測量しなおすといってきたが、Hさんは拒否すると、今度は地主は代理人を通してHさんの借地部分の通路に置いてある車を撤去せよ建物を無断で増改築したと因縁をつけてきた。Hさんは嫌がらせに負けず今後も頑張る決意だ。

東京借地借家人新聞より


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2009年5月23日 (土)

「追い出し屋」に賠償命令 閉め出し違法と認定 大阪簡裁

 追い出し屋」の被害に遭ったとして借り主の男性が不動産会社に慰謝料など140万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、大阪簡裁であった。

 原告は派遣社員の男性、被告は不動産賃貸会社「木村産業」(大阪市北区)。

 家賃滞納を理由に無断でマンションの玄関ドアの鍵を2回交換され、閉め出され、居住権を侵害されたとして、大阪簡裁の篠田隆夫裁判官は鍵交換を不法行為と認定し、不動産会社に約65万円の支払いを命じた。

 判決理由で篠田隆夫裁判官は「鍵を交換して未払い賃料の支払いを促そうとした行為は、通常許される権利行使の範囲を著しく超えており、平穏に生活する権利を侵害するのは明らか」と指摘し、「マンションからの閉め出しは、不法行為に当たる」と述べた。

 判決は「法律無視の鍵交換は国民の住居の平穏や居住権を侵害する違法な行為として厳しく非難すべきだ」と批判し、不動産会社について「業務の一環として日常的に不法行為を繰り返していた」と認定した。

 また、不動産会社は「債務不履行(家賃滞納)を無視してまで居住権を認められない」と主張したが、不動産会社の主張は退けられた。

 判決によると、男性は2008年2月、賃料約4万3000円の賃貸住宅に入居。まもなく収入が減り、滞納した。同8月と10月に鍵を取り換えられ、計1か月以上閉め出された。その間、同市西成区内の簡易宿所などを転々とした。

  
  「追い出し屋」の被害は、敷金・礼金が不要な「ゼロゼロ物件」で多く、各地で訴訟に発展している。福岡簡裁は今年2月、家賃保証会社に慰謝料5万円の支払いを命じる判決を言い渡した。福岡簡裁判決は、午前0時以降も家賃の督促を続けた家賃保証会社の違法性を認定している。

  敷金・礼金なしで入居できる「ゼロゼロ物件」を巡り、強引に居室を明け渡しさせられた入居者が、賃貸住宅の入居者の滞納家賃を一時的に立て替える家賃保証会社を相手取り提訴する事例が相次いでいることから、国土交通省は家賃保証会社に一定の規制を設ける方針を固めた。

 連帯保証人が不要な物件に関与する家賃保証会社は、借主が保護される借地借家法に基づかない契約形態を取るケースが多い。

  部屋への立ち入りを認める特約を結ばせたり、消費者契約法の上限利率(延滞家賃に対し年14.6%)を超える違約金を請求する業者もある。ごく短期間の滞納で厳しい取り立てをしたり、無断で鍵を交換するなどして強引に居室の明け渡しを迫る「追い出し行為」も横行し、国土交通省によると、国民生活センターへの相談が06年度89件から08年度428件と急増している。

 国土交通省は、部屋への無断立ち入りや鍵の交換は「住居侵入罪や民法上の不法行為にあたる可能性がある」と判断。財務内容や契約件数などを考慮し、許可制▽登録制▽ガイドライン策定--のいずれかの方法で適正な家賃保証会社かどうかを選別できるようにする。


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2009年5月22日 (金)

無断で境界杭打

 大田区下丸子、所在の宅地48・51坪を賃借中のAさんは、今年11月の更新を控えて地主の突如の地代値上げにも、値上げ額下げさせて応じてた数ヵ月後の6月上旬でした。

 これまで無かった境界杭が何の説明も了承も得ずに打たれていたことに驚き、すでに組合員であったAさんは事務所へ相談にこられた。

 以前道路の調査の際測量士が他の杭等から推測して境界線とした目印の赤線よりも6cmもAさんの占有地に越境していたのです。地主は隣りの借地人が移転し、更地になった土地を不動産業者を介して売買したので杭を打ったとのこと。

 Aさんの抗議に対し、地主から依頼された不動産業者は、更新も近いので悪いようにはしないとか、越境分を金銭で補償したいという。Aさんは、指示どおり目印の所に杭を打ち直さない場合、組合と相談しているので境界確認の訴訟を起こすと伝えると、翌日業者とこの件に関わった測量士がAさんの主張を認めて境界杭を入れ直した。

 Aさんは約3日間の攻防であったが、組合員と知ってから地主・不動産業者等の豹変には驚いたという。

東京借地借家人新聞より


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2009年5月21日 (木)

更新料払ったばかりなのに、業者から底地買取を強要

 世田谷区松原*丁目で昭和40年代から37・5坪を借地しているMさんは、地主から今年1月8日付で挨拶状が届いて大変驚いた。

 地主が相続税を滞納し、利子を含め現在13億340万円にも達し、平成6年には当時の大蔵省から抵当権が設定。困った地主は不動産業者に相談。挨拶状は業者と取引のある底地買取専門業者に土地を一括売却するか、個々に買い取るか選択を迫る内容だった。

 先日、不動産業者から呼び出され底地を買取るよう強要された。Mさんは、昨年暮に更新料を支払って更新したばかり、買取なんか考えられなかった。隣家の方にも話し、2人で組合に入会し一緒に頑張ることになった。

東京借地借家人新聞より


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2009年5月20日 (水)

地代の値上げ請求 (静岡県三島市)

 三島市内に住むEさんは住宅用地として約40坪の借地をしています。地主の宗教法人より地代の値上げ通知を受け取りました。神社運営の諸経費がかかり、周辺の駐車場の賃料に比べて現状の地代が安いなどが値上げ理由にあげられていました。

 困ったEさんと面会した事務局長は地代は借主と貸主の双方が合意することが基本で一方的値上げ通知では決まらないことを説明しました。その上で地代の基準となる地主のコストは固定資産税・都市計画税で、まず税額を調べることが必要であると話しました。

 事務局長は調査経験がないEさんを伴い市役所の課税課へ出向き税額を調べました。その結果、現状の地代でも税額の2倍以上であることが分かりました。

 Eさんと組合は地代値上げ対応方法についての打合せを持ちました。地主に対して値上げ理由を具体的、定量的に説明を求めることになりました。Eさんを交えて質問状の文案を作成し、2008年12月末に地主に郵送しました。

 従来地代を内金として受取る旨の連絡が地主からあり、引き続き係争中です。

全国借地借家人新聞 より


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2009年5月19日 (火)

更新料支払請求調停

 豊島区上池袋で借地している上島さんは今年、20年の更新を迎えた。

 20年前に更新したときにはバブルが崩壊しはじめた直後でもあり、上島さんは、地主の言うとおりに地代の値上げや、借地契約にない地主の言うところの更新料(当方はそのような認識ではない旨主張)の支払いに応じてしまった。

 地主は、昨年夏に、更新料の支払い(200万円)と地代の一割以上の値上げを請求してきた。上島さんは、更新料については特段の約束もないものについては支払う義務がないという昭和53年()の最高裁の判決を示し、支払う意思のないこと又、地代についても固定資産税など公租公課の約5.5倍の地代であることから値上げも拒否することを通知した。その後、何回かの話合いを行ったが、双方の主張は平行線のままだった。

 今年に入り、地主は調停にかけてきた。上島さんは、調停の場でも地主の数字の間違いなどずさんな請求に対してきちんと資料を提供し説明した。調停委員もその資料のコピーを申出るなどしていたが、調停委員は、最終的にはいくらかでも更新料を支払ったほうが今後裁判なると大変だといって合意するよう圧力をかけてきた。しかし納得のいかない上島さんはあらためて最高裁の判決を提示してこの調停を不調に終わらせるように頑張ることにした。

東京借地借家人新聞より

最高裁昭和53年1月24日判決
  「建物所有を目的とする土地賃貸借契約における賃借期間満了に際し賃貸人の一方的な請求に基づき当然に賃借人に賃貸人に対する更新料支払義務を生じさせる事実たる慣習が存在するものとは認められない」


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2009年5月18日 (月)

地上げ屋が土地を買ったといって訪問してきた

 品川区東大井*丁目で借地をして商売をしているMさん宅に突然地上げ屋が訪れた。

 「今度、自分たちの会社が土地を買ったので、地代は会社に支払え」と言ってきた。

 本当に、地上げ屋の会社が土地を買ったのかどうかを法務局で調べたところ、土地の所有権は今まで通り従前の地主のままであった。Mさんは隣りのHさんにも組合を紹介し、組合に加入してもらった。

 MさんとHさんは土地の所有権が従前の地主名であり、所有権の移転登記がなされていなから地代は会社には支払えないと通告した。

 地代は従前の地主の銀行口座にいままで通りに支払った。Mさん・Hさんは、長年今の場所で商売をやっているので、簡単に移転などできない。

東京借地借家人新聞より

  参考記事地代を誰に払えばいいのか判らない場合


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2009年5月15日 (金)

地代値下げ運動がきっかけで親しく近所付合い (大阪府東大阪市)

 2007年12月、地主から2008年度の地代改定を請求された大阪府東大阪市の借地人15世帯は、50年余りそこに住んでいる借地人です。

 朝に顔を合わせると挨拶をする程度のお付き合いでしたが、地主から一方的に値上げを請求され、更新料や増改築の承諾料も地主の云うままに支払っていました。Tさんが思い余って近所に呼び掛けて、地主の言いなりになっては今後地代や借地人の権利がどうなるのだろうかとの不安を語り合いました。

 その結果、2008年4月、町会で借地人15世帯で「会」を結成し更新料の請求特約を撤回させ、承諾料も請求しないことを地主に認めさせました。

 そこで、地主の言いなりに支払っていたことから税負担の11倍もの負担と周辺の地代に比較して倍額に近く高いことから、調停を申立て減額させることができる見通しとなりました。

 2009年1月17日、組合長宅で、3役の家族が集まり、手作りの料理で新年会を開きました。組合長は、「今回の借地人が力を合わせ、1年前まではまったくご近所お付き合いもなかったものが、このように親しくお付き合いができるようになったのは地主さんのおかげです。地主さんにありがとうとお礼を申し上げたい」と挨拶をされました。

 新年会は、盛り沢山な美味しい料理と美味しいお酒で前祝いを行い、和気あいあいの宴となりました。

全国借地借家人新聞 より


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2009年5月14日 (木)

家賃減額請求調停を東京簡易裁判所に申立て、減額に成功

 日暮里駅の西の一帯は昔、鶯の囀りがよく聞こえたことから初音町と呼ばれていた。

  藤本さんは、JR日暮里駅に程近い台東区谷中初音町(現、谷中5丁目)で、8坪程の店舗を借り、昭和51年からスナックを営んでいる。

 家主は不動産業者で近所に事務所があり、賃貸建物の仲介を中心に営業している。
 家主は、バブルの頃は更新毎に大幅な家賃値上げをしてきた。平成元年の更新時には約18%の値上げ、平成4年には20%の値上げだった。

 その都度、値下げ交渉はした。だが、こちらの思惑通りには運ばず、家賃はどんどん値上がりし、一方、不況で売上は低迷し、家賃の負担が益々加重になってきた。

 平成18年の更新の際、家賃の減額を申入れた。この時も再三に亘り交渉したが、家主は「2000円以上の減額には絶対に応じない。不服があるなら調停でも訴訟でもやりなさいよ。俺はプロだから、そんなものは何でもない」とうそぶく始末だった。

 こんな経緯で藤本さんは、平成20年5月、思い切って家賃減額請求調停を東京簡易裁判所に申立てた。

 平成21年2月12日、東京簡易裁判所において、藤本さんが申立てていた家賃減額調停が遂に成立した。

 「申立て人及び相手方の双方は、現行14万7000円の家賃を平成20年5月分以降13万3500円に減額することを確認する。」


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2009年5月13日 (水)

借地の相続で坪当り9万円の名義書換料を請求

 大田区西六郷、所在の宅地約32・5坪賃借のKさんは父名義の借地上の建物を息子名義で建替えるに当り、地主に承諾を求めたら建替え承諾料に更新料・名義変更さらに転貸料も含むと約1000万円を支払わされた。

 父の死去後、契約書を名義変更すると坪当たり9万円を請求する地主に、怒りを覚え組合に相談した。直ちに、賃借権者の変更は相続によるものであり、地主の承諾は必要としない旨を書面にて通告した。

 地元でも悪名高き地主、今度は地代増額を請求。すでに高額な地代を払っており、Kさんは厳しく対応する。地主の目の前で携帯電話で組合に相談。持参した従前と同額の地代を受領させた。しかし、年末には受領拒否されて供託に移行した。同一地主の借地人の入会は6世帯に増えている。

東京借地借家人新聞より


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2009年5月12日 (火)

更新料は更地価格の7%、地代は50%の値上げを請求

 豊島区南池袋に住む原山さんは、別な借地に住む兄弟から借地の相談を受けた。

 地主とは何10年の付き合いで、昨年の10月には、介護用のリフォームについても承諾して工事を行っていた。この工事が終了する前に地主の代理人となったと称する不動産会社から更新と地代の値上げについて話合いをしたいと通知を受けた。

 更新の時期はすでに5年前に過ぎていて、工事が終了してから話合いをしようと提案したが強引に会社事務所に来るよう提案された。そこで、組合にも相談し、組合事務所で話合う用意があると申し出をしたが、原山さんの自宅で話合いを行うことになった。

 更新料については、更地価格の7%と地代については、10年間近く値上げしていないので、現行地代の50%値上げを請求してきた。

 話合いの当日は、組合事務局長が参加し、更新料についての最高裁の判決や賃料増減額についての最高裁通知の文書、国に物納された練馬区の借地の地代が平成12年から19年では30%近い減額がなされている契約書の写しなどをもって説明した。

 代理人の不動産会社はこの説明を受けるや「更新料の支払いも地代の値上げも拒否ですね」と言って、話合いを打ち切り帰ろうとした。その態度に怒った原山さんから「自ら話し合いをしたいと言って更新料の根拠や地代の値上げの理由についてなんら説明せずに帰ろうとは何事か」と一喝された。

東京借地借家人新聞より


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2009年5月11日 (月)

ペット飼育で補修費用122万円請求される

 東京都荒川区で月額19万円の賃貸マンションに入居していたSさんは入居時に家賃3か月分57万円の敷金を預けていました。

 1人暮らしのためペットを飼うことを認めてもらい、約7年住んでいました。ペットを飼っていたので想像以上の臭いや傷もつきまました。また、その間1度漏水事故を起しました。そんなこんなで、ある程度の補修費用はかかると想定していました。

 退室時に不動産屋が室内点検に立会い、後日、原状回復費として122万円の見積請求が送られて、敷金との差額65万円を追加請求してきました。敷金で全部の原状回復ができると思っていたSさんは補修費用の高額なのにびっくりして、組合に入会しました。

 不動産屋との交渉で追加費用を「20万円に負けましょう」と譲歩があったが、その提示金額に納得がいかず、Sさんは「組合に仲に入ってもらう」と主張し、早速、組合から「既に判例で確定している原状回復は故意・過失又は通常でない使用の汚損・損耗の回復を義務付けたもので、通常使用による汚損・損耗は原状回復義務の対象にならない」という趣旨の内容証明郵便を家主に送りました。

 家主からの返事は「追加金額は不要」でした。

全国借地借家人新聞より


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2009年5月 8日 (金)

地代値上請求権は5年で消滅時効(大阪地裁)

 大阪生駒借地借家人組合の会員は、1970年5月に地主から借地の建売住宅を購入。毎年のように地代の値上げを押しつけられ、1974年4月に思い余って組合を結成し、不当な値上げに反対してきました。

 地主は、1987年元会員の地代を訴訟で確定し、その地代額を組合員へ延滞金という名目で請求してきました。組合が拒否したしたところ、借地人が支払ってきた地代の差額分とその差額分に日歩20銭(年利7.3%)の利息をつけて、多い借地人で3000万円を超える延滞金と利息を請求されました。

 そして、地主は、1998年には、賃料不払いで契約解除とこれまでの延滞金とその利息を支払えとの訴えを大阪地裁へ提訴しました。

 2000年9月20日、大阪地裁は、「元会員の地代が裁判で確定してもその借地人の地代で適正地代として拘束される理由はなく、契約解除とはならない。適正地代は別途確定し、確定地代と従前地代の差額に年1割の利息をつけて5年分を経過した分は時効が成立している。」との判決を下しました。

 当事者の黒瀬豊組合長は、「長年地主から不当な要求を受けていたが、この判決で全面勝利したことで、苦労をしたことが、頑張って良かった。地主の言いなりになっていたら、今頃は住み続けられなかったと思う。」と語っていました。

全国借地借家人新聞より

参考判例 
①地代の増額請求に対して5年の短期消滅時効を認めた事例(東京地裁1985年10月15日判決

②賃料増額請求権が5年の消滅時効により消滅したとされた事例 (名古屋地裁1984年5月15日判決


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2009年5月 7日 (木)

地上げ屋が借地人を恫喝

 荒川区西尾久1丁目で昭和33年から37坪を借地しているFさんは、12月に地主より「今度土地を売ったので地代もそちらに払ってほしい」と通告があった。

  その後、地上げ会社の開発部長がきて「所有権は当社に移転したので土地を買うか売るか、契約残存期間は9年あるが切れたら借地権は消滅する万一、更新を認めたとしても多額な更新料が必要だ。それにFさんは家屋に抵当権がついている。このような物件は早く処分した方がよい」と主張。Fさんは「余計なお世話だ。今後も借地を続けていく」と断った。

 ところが地上げ屋は「借地は絶対認めない。売るか買うか腹を決めろ」と脅かした。組合より「借地人を恫喝する気か」と一喝すると、「また話に来ます」と引き上げていった。Fさんは組合立会いでならとと念を押した。

東京借地借家人新聞より


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2009年5月 1日 (金)

高額の更新料拒否したら 地主が底地を不動産業者に売却

 豊島区千早町に住む池田さんは、12坪の土地を借りて住んでいた。昨年、更新の時期を迎えた借地人数人が、多額な更新料請求にびっくりして借地借家人組合に入会した。

 池田さんもそのうちの一人だった。「更新料支払い特約のない契約なので、支払う必要のないこと」を地主に通知した。地主は、更新料支払いに応じなかった借地人の地代の受領も拒否したので供託して対抗した。この事態に地主は更新料をもらえない借地を業者に売買してしまった。

 買取った業者はただちに底地を買取るよう求めてきた。組合に入会していなかった借地人は2年前に坪当り十数万円を更新料として支払っていた。そのことを買取り業者に言って残りの更新料を返却すること求めたが、返ってきた回答は前の地主に言ってくださいだった。

 売買の話では、借地人の知り合いに不動産屋がいて買取った業者の提示額は安いといって何人かの借地人は言いなりで買取ってしまった。

 組合員の池田さんはあくまで組合を通して売買交渉を行った結果、当初、買取業者が提案した価格より70%以下の価格で買取ることが出来た。池田さん「組合を通して交渉したことが一番いい結果をもたらしてくれた」と語った。

東京借地借家人新聞より


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2009年4月27日 (月)

地主が経済状況悪化で借地明け渡しの和解条件を拒否

 大田区蒲田本町2丁目所在の宅地約9坪賃借中の高橋さんと宅地約12坪賃借中の田中さんは、北海道旭川市に住む地主から自ら使用するからと、弁護士を介して借地権を買取りたいとの申し出による協議は整わず裁判となる。

 地主は東京に商売の拠点として事務所を開くとの願望が強く、売買代金を合意時に支払い、土地の引渡しは借地人らが死去後とし残金は相続人に支払うことで和解協議が進み、高橋・田中の両氏は家族らの了承を取り、裁判官の指導もあって協議が合意に至ったが、和解成立という当日になって地主は経済事情の悪化により、和解金の工面が困難と和解を拒否した。

 結局、裁判は地主の建物を収去して土地明渡せとの請求に、正当事由があるかどうかの判決となった。

 高橋さんには、昨年11月原告地主の本訴請求は理由がないからこれを棄却するとの判決が下った。1月には田中さんにも同様の判決が東京地裁から出る予定だ。

東京借地借家人新聞より


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2009年4月24日 (金)

借地が公売に

 足立区の組合事務所の近くに住む山本さんは、借地の土地の公売通知を見てビックリ、とても買う資金も用意できず途方にくれていた。

 看板を見て組合に相談した。同じ地主の敷地内に19軒の借地人がいるが聞くことも出来ずにいた。共同入札等の入札の方法もあることを知り、勇気を出して18軒に声をかけ、組合の協力で相談会を開いた。

 全員一致の方向はとれなかったが、3軒が組合に加入し、今後もお互いに情報交換していくことになった。

東京借地借家人新聞より


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2009年4月22日 (水)

建物の隣人との間にトラブルがあることについての不動産仲介業者の説明義務

 判例紹介

 本件は、購入した建物について隣人との間にトラブルがあることを買い主に説明しなかった不動産仲介業者に、説明義務違反があったとして、不動産の価値下落分(売買代金の2割)の損害賠償が認められた事例である。(大阪高等裁判所平成16年12月2日判決 『金融・商事判例』1223号15ページ(上告後和解))


事件の概要
X(原告):建物の買い主(消費者)
Y(被告):不動産仲介業者
A(被告):建物の売り主(2人の個人)
B(関係者):不動産仲介業者
C(関係者):購入する土地の隣接地に住む者(個人)

 XとAとの間において、平成14年3月16日に、Aが所有する建物およびその敷地である土地を代金2280万円でXに売り渡す旨の契約が成立した。Xは、この建物を居住の目的で購入したものである。この売買契約は、いずれも宅地建物取引業者であるYおよびBの仲介で成立した。Yは、Aとの間の媒介契約に基づいてAのために売買の成立に尽力することとなったものであり、また、Bは、Xとの間の媒介契約に基づいてXのために売買の成立に尽力することとなったものである。

 Aは、平成11年10月に、この事件の土地と建物を購入した。その際、引っ越しの翌日に、隣地に住むCから、「子どもがうるさい」などと苦情があり、さらに洗濯物に水をかけられる被害があった。Xについても、売買契約締結後に、建物を訪れた際に、Cから、「あんたのガキうるさいんじゃ!」「Aみたいに追い出したるわ!」などと言われる事態となり、引っ越しを断念した。また、Yの従業員は、平成14年3月3日に、Xではない購入希望者とともに建物を内覧したことがあったが、やはりCが「うるさい!」と苦情を言い、購入話が流れていた。

 このような経緯から、Xが、Cとのトラブルがあるため建物が居住の用に耐えないとし、Yに対し、YのXに対する説明義務違反があったことを理由として、不法行為に基づく損害賠償請求として2800万円余の請求をしたのが、この事件である。第一審判決はXの請求を棄却した。これに対し、控訴審判決は、Yの説明義務違反により不法行為が成立することを認めた。ただし、Xの被った損害については、Cの存在による不動産の価格の低下を売買代金の2割相当であるものと認定し、その限度においてXの請求を認容している。

理由
 Yは、宅地建物取引業者として、売り主たるA両名の依頼により本件土地売買契約の仲介を行うに際し、買い主たるXに対して、本件売買契約における重要な事項について説明すべき義務を負う。そして、宅地建物取引業法35条1項は、一定の重要な事項につき、宅地建物取引業者に説明義務を課しているが、宅地建物取引業者が説明義務を負うのは同条所定の事項に限定されるものではなく、宅地建物取引業者は、購入希望者に重大な不利益をもたらす恐れがあり、その契約締結の可否の判断に影響を及ぼすことが予想される事項を認識している場合には、当該事項について説明義務を負うと解するのが相当である(宅地建物取引業法47条1項1号参照)。

 Xのように、土地建物を家族とともに居住する目的で購入しようとする者が、当該建物において平穏に居住することを願うことは当然であるから、当該建物の隣人から迷惑行為を受ける可能性が高く、その程度も著しいなど、当該建物において居住するのに支障を来す恐れのあるような事情がある場合には、そのような事情は当該建物を購入しようとする者に重大な不利益をもたらす恐れがあり、その契約締結の可否の判断に影響を及ぼすことが予想されるというべきである。したがって、居住用不動産の売買の仲介を行おうとする宅地建物取引業者は、当該不動産の隣人について迷惑行為を行う可能性が高く、その程度も著しいなど、購入者が当該建物において居住するのに支障を来す恐れがあるような事情について客観的事実を認識した場合には、当該客観的事実について説明する義務を負うと解するのが相当である。

解説
 住宅の購入に際し、近隣の環境がどのようになっているか、ということは買い手にとっての関心事の一つであり、とりわけ隣接して居住する者が問題のある言動を繰り返すことで生活の平穏が脅かされることになるとすると、それは、法的な問題として取り上げなければならないものとなる。具体的には、不動産の取引に関与した宅地建物取引業者の説明義務違反の責任が、まず問題となる。

 もっとも、宅地建物取引業者の責任といっても、いくつか注意をしておかなければならない問題がある。(1)宅地建物取引業法が必要としている重要事項説明の明示事項の中に隣人の言動などが掲げられてはおらず(宅地建物取引業法35条1項参照)、しかも(2)重要事項説明をするべきものとされているのは宅地建物取引業者自身ではなく、そこに置かれている宅地建物取引主任者であり、また、そもそも(3)重要事項説明を怠るという行政取締法規違反が直ちに民事責任を肯定する決め手となるものではなく(宅地建物取引業法35条の重要事項説明義務違反に基づく行政監督処分を受ける可能性について同法65条2項2号)、また、(4)業者が売り手と買い手のどちらをサポートする立場にあるか、も一応は検討を要する。

 これらの理論的な諸障害のうち、まず(1)は、宅地建物取引業法35条1項の柱書(注1)に「少なくとも」とあるから、法文に明白に掲げられていなくても当事者が重視をする事項であることが事案の経過に即して明らかであるならば、説明の義務が肯定されるべきである。

 (2)は、法律上は別のものであるにしても、宅地建物取引業者とそこに置かれている宅地建物取引主任者は、一体として考えるべきである。いちいち履行補助者とか使用者責任のような法律的構成を挟まなくても、両者を区別せずに論じられることは少なくない。

 (3)は、たしかに行政取締法規違反と民事責任は理屈のうえで別であるとしても、後者を判断するうえで、重要事項説明義務違反ということがもつ意味は重い。

 そして、そのことは、(4)の業者の関与の態様の論点にも関係する。売り手との間で媒介契約を結び売り手をサポートする業者を元付といい(この事件のY)、同じく買い手側の業者を客付という(この事件のB)が、問題は、重要事項説明をめぐるトラブルが、しばしば買い手からみて直接の契約関係にない元付との間で起こることである。そこでの不法行為責任を考えるに当たり、しかし判例は、この点について、専門家としての責任を加味した「業務上の一般的注意義務」(最高裁昭和36年5月26日判決(参考判例3)(注2) として、決して軽くはないものとしてとらえている。この事件もまた、専門家責任を認める方向での事例を一つ加えるものにほかならない。

 なお、本件は、売り主が事業者でないから、たとえ近隣事情が消費者契約法にいう重要事項に当たる場合であっても、同法に基づいて契約を取り消すことはできない。仮に売り主が事業者であった場合には、重要事項について、元付業者による不利益事実の不告知があり、これによって消費者が誤認して売買契約が締結されたならば、買い主たる消費者は、消費者契約法4条2項・5条に基づき売買契約を取り消すことができる(松本恒雄・畔柳達雄・高崎仁著『Q&A消費者契約法解説』(平成12年、三省堂)、21ページ松本恒雄氏のいう「不動産仲介業者が、分譲業者の委託を受けて、消費者に新築マンションの販売を媒介する場合」と同じ)。

 なお、この場合の元付業者・売り主間の媒介契約を買い主は取り消すことができないことが強調されることがあるが〔経済企画庁国民生活局消費者行政第一課編『逐次解説 消費者契約法』平成12年、商事法務研究会、121~124ページ〕、むしろ重要であるのは、この事件でも問題とされている買い主から元付業者に対する損害賠償請求の可能性である。



注1
柱書:「号」がある条項のうち各号以外の部分

注2
参考判例(3)において、最高裁は、宅地建物取引業者につき、「直接の委託関係はなくても、業者の介入に信頼して取引をなすに至った第三者一般に対しても、信義誠実を旨とし、権利者の真偽につき格別に注意する等の業務上の一般的注意義務がある」と判示した。

参考判例
(1)東京地方裁判所平成7年8月29日判決  『金融・商事判例』1012号27ページ
(2)東京地方裁判所平成9年10月20日判決 『判例タイムズ』973号184ページ
(3)最高裁昭和36年5月26日判決『最高裁判所民事判例集』15巻5号1440ページ

参照条文
*宅地建物取引業法35条1項(柱書)
「宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買、交換若しくは貸借の各当事者(略)に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。」

*宅地建物取引業法47条1項1号
「宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一  重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為 」

国民生活センターHPより)


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2009年4月20日 (月)

借地更新料を請求されているが、支払わないといけないのか

(問)
 地主から更新料を請求されています。前回は、父親の代でどこにも相談することができず、200万円を支払って更新しました。

 今回は、父親が5年前に他界し、長男である私が借地権を相続し、地代を支払っております。今回地主から300万円の高額な更新料を請求され困っています。

 更新料を支払わないと更新が出来ないのでしょうか。地主は前回更新料を支払っているので、今回も支払うことを約束しているというのですが本当でしょうか。契約書には次回の更新料については何も書かれていません。


(答)
 結論から申し上げますと更新料は支払わなくても、借地法では契約の更新できるようになっています。

 旧借地法では第4条で借地の期限が満了しても、建物が存在していれば前回と同一条件で借地契約の更新を請求する権利が認められています。また、同法第6条で更新料を支払わないで、合意更新ではなく法定更新を選択すれば、借地契約は自動的に更新されます。

 地主が更新を拒否するには、正当な事由が必要で、なおかつ遅滞なく異議を述べなければなりません。正当事由は借地人が現在の借地を使用している事情より、地主の方にもっと使用する必要性があるなどの事情がないと簡単には認められません。

 更新料については、最高裁の昭和51年(*1)と昭和53年(*2)の判決で「借地人には支払い義務はない」と明確な判決が下されています。

  また、前回更新料を支払っただけでは更新料を支払う合意が成立したとは認められません(*3)。

全国借地借家人新聞 より

(*1)最高裁昭和51年10月1日判決

(*2)最高裁昭和53年1月24日判決

*3


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2009年4月18日 (土)

「追い出し屋」を一斉提訴 大阪など3府県の6人

 家賃滞納を理由に強引に退去を迫られ、居住権を侵害されたとして、大阪など3府県の借り主が16日、家賃保証会社などに1人あたり110万~140万円の損害賠償を求め、大阪簡裁など4簡裁に提訴した。

 弁護団は「ハウジングプア(住まいの貧困)の温床となっている追い出し行為の違法性を追及するとともに、不明な点が多い賃貸住宅の管理・保証業務の実態を明らかにしたい」としている。

 訴えたのは大阪市、大阪府東大阪市、同府茨木市、兵庫県西宮市、宮崎市の30~50歳代の男女6人。被告は不動産管理会社、家賃保証会社など計8社と家主ら。

 訴状によると、原告は雇い止めや採用の内定取り消しで収入が断たれるなどし、家賃を滞納。その後、業者側から無断侵入や鍵交換、家財撤去などの追い出し行為を受けたという。

 同様の訴訟を、東京の20代と60代の男性が15日に起こし、大阪市、奈良県の借り主も訴訟準備を進めている。   

 弁護団の「全国追い出し屋対策会議」(代表幹事・増田尚弁護士)は19、20の両日、無料の電話相談会「追い出し屋被害ホットライン」を開設する。

東京 0120・442・423 (19日午前10時~午後6時)

▽大阪 06・6361・0546 (19日午前10時~午後4時)

▽福岡 092・741・4566 (20日午前10時~午後4時)


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なくそうハウジングプア!住まいの貧困に取組むネットワーク結成


4月19日(日曜日)
追い出し屋被害で無料電話相談

   0120-442-423

受付時間10:00~18:00)

 (無料で被害相談 住まいの貧困問題に取り組む「全国追い出し屋対策会議」など3団体は19日午前10時~午後6時、家賃滞納を理由とする高額な違約金請求や、鍵の無断交換・荷物撤去の被害相談に無料で応じるホットラインを開設。


 なくそうハウジングプア!
  住まいの貧困に取組むネットワーク結成

住宅セーフティネットの実現求め運動
 

新宿区大久保通りをデモ行進する集会参加者
新宿区大久保通りを
デモ行進する集会参加者
200名が参加したネットワーク設立集会
200名が参加したネットワーク設立集会

 「なくそうハウジングプア!安心できる住まいを!」と題して住まいの貧困に取り組むネットワークの設立集会が、3月14日午後2時から新宿区の大久保地域センターにおいて開催され、200名の市民が参加した。

 同ネットワークは、昨年10月の反貧困ネットワークの世直しイッキ大集会の中で住まいの分科会が開催され、集会の取り組みの中でネットワーク組織の設立を準備してきた。東借連と全借連では、準備段階から参加した。

住まい現場から悲痛な叫び

 集会では、第1部「住まいの貧困の現場から」では、
①スマイルサービスから鍵を交換され、荷物を全て撤去された借家人、
②派遣切りでアパートの家賃の支払いが困難になり家族が離れ離れに友人宅などに身を寄せている外国人労働者、
③日産ディーゼルで働き昨年12月に派遣会社から契約打ち切りを通告されたが労組を結成し解雇と寮からの退去に反対して闘う労組役員、
④ホームレスで野宿生活しているときにNPO団体の寮に住み込まされ15万円の生活保護費から8万7000円の寮費を天引きされ、寮生活でいじめを受けた30代の男性などから切実で深刻な内容の発言が次々にされた。

 第2部では、「住まいの貧困にどう立ち向かうか」と題してパネルディスカッションが行なわれた。

 パネラーのNPO法人自立サポートセンターもやいの稲葉剛代表理事は「東京都は石原都政になって10年間都営住宅を一戸も増やしていない。若年ワーキングプアは申込む機会すら奪われている。住宅政策の規制緩和で民間では家賃保証会社など追い出し屋が野放しにされ、ハウジングプアを増大させた。保証金など大家がかかえるべきリスクを入居者が支払うのはおかしい。借家の公的な保証システムを確立させるべきである」と指摘した。

家賃保証会社に法的規制を

 次に、全国追い出し屋対策会議の司法書士の徳武聡子さんは、家賃保証会社など追い出し屋の手口と法的な問題点、対策会議の刑事告訴や民事責任の追及などの対応について報告した。「サラ金業者の規制が厳しくなった2年前から子会社を作り家賃保証会社に参入し、強引な家賃の取立てと不法行為を行なっている」とを指摘し、早期の法的規制の必要性を強調した。
 また、大阪市立大学の小玉徹教授より欧米と日本の居住政策について、資料使って詳しく説明がされた。

 最後にネットワークの世話人の藤本龍介さんより「住まいの貧困に取り組むネットワーク設立宣言」が読み上げられ全員で確認した。

 集会後、デモ行進に移り、「公共住宅をつくれ」、「保証人制度をなくせ」、「定期借家制度を廃止しろ」、「家賃を下げろ」等々のシュプレヒコールが新宿の街に響き渡った。

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2009年4月17日 (金)

相続人が負わなければならない連帯保証人の責任

(質問) 3年前に、夫の友人が賃貸マンションを借りる時に、夫が連帯保証人になりました。ところが、管理会社から突然内容証明郵便で「3か月分の家賃が滞納されているので支払え」との督促状を受取りました。よく調べると、友人は3か月前から行方不明となっていることが判りました。夫は1年前に交通事故で死亡しており、この場合、妻である私が未払い家賃を全額支払わなければなりませんか。


(回答) 賃貸マンションを契約するときの条件として、連帯保証人を付けることが通例となっています。連帯保証人の法定相続人のあなたは、民法432条の規定により、友人の滞納家賃を支払う義務があります。

 また、行方不明の友人の賃貸契約が解約されるまでの家賃は、連帯保証人の法定相続人である妻のあなたへ支払義務が生じます。

 そこで、あなたは、警察へ借主の「行方不明」届けを提出し、債務者の代理人として貸主へ①賃貸借契約の解約請求、または、②連帯保証人の辞退と③以後の未払家賃の支払いの意思がないことを内容証明郵便で通知しておくことが必要です。

 なお、貸主は3か月前から友人が行方不明となっていることを知りながら、あなたへなんら事前の照会がなくて突然に支払の督促をしてきた場合は、貸主の催告の努力義務を怠ったことにより連帯保証責任を免れることも考えられます。いずれにしても、裁判所でその判断を委ねることになります。

全国借地借家人新聞より


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2009年4月16日 (木)

借りている建物の一部が焼失したが火事になると借家権はなくなるのか

 (問) 1階が店舗で2階が住まいになっている併用住宅を借りて豆腐の製造・販売をしている。

 先日、隣りの飲食店から火災が発生して私の家の一部が類焼した。被害は外壁と2階の天井、屋根の一部が焼けた。消火で水浸しになったが、営業や生活に差し支えない程度で済んだ。

 家主は「火事で焼けた建物は取壊して建替えるので、すぐに明渡してもらいたい」と言い、更に「借家は火事で焼けると借りる権利はなくなる」とも言っているが、本当に借りる権利がなくなるのか。

  


 (答) 建物賃貸借契約の消滅は、火災によって建物としての効用を失ったか、又は社会観念上これと同視する状態となったことが必要である。すなわち、借家が火災で全焼し、建物が滅失すると借家権は消滅する。借家契約の対象物である建物が無くなると契約も無くなる。借家人に建物を使用収益させる家主の債務は、履行不能となって消滅する。

 これは建物が滅失した場合の例である。一部焼失の場合は、その状態が滅失に当たるかが問題になる。

 類焼による滅失の認定の判断は「賃貸借の目的となっている主要な部分が焼失して賃貸借の趣旨が達成されない程度に達したか否かで判断し、その際、修復が通常の費用では不可能か否かをも斟酌して判断する」としている最高裁昭和42年6月22日判決)。

 即ち、賃貸目的物の焼失による建物の滅失で、修繕が不可能という場合、或は、修復するより新築した方が経済的である場合は滅失と認定される。しかし、簡単な補修によって従前と殆ど変わらない効用を発揮できる状態であれば、借家契約は終了しない。

 相談者の場合は、比較的簡単に修繕できる状態であり、新築するよりは安上がりの費用で回復可能でる。従って、滅失とは言えず、借家権は存続する。

 家主の建物の滅失を理由に明渡請求をされる前に、修繕をして建物としての効用を発揮させるようにしておかなければならない。

 家主は修繕をさせないと言っているようだが、借家権を確保するため、営業を続けるためにも、速やかに屋根と外壁の修繕を強行し、使用・収益の出来る状態にしなければならない。その際、、修繕費用は自己負担で行うのが現実的である。


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2009年4月15日 (水)

連帯保証人がいないのですが

(問) 間もなく引越しをする予定です。賃貸マンションを借りる時、連帯保証人がいないので仲介業者が紹介した保証会社と委託契約を結ぶようにいわれましたが、どうしたら良いか、注意する点はありますか。


(答) 連帯保証人を付けることができない借家人が賃貸マンションを契約する場合、公的保証制度があれば、安心して契約を結ぶことができます。すでに、神奈川県川崎市では、高齢者が民間借家を借りる時、連帯保証人を付けることが不可能な場合、川崎市が連帯保証人となり高齢者の住まいを確保する支援制度があります。

 このような地方自治体が連帯保証人を確保することが困難な市民に対して連帯保証人となる制度を確立することは歓迎されます。

 最近、高齢者・外国人・青年などで連帯保証人になっていただける身内がいない、非正規雇用の増大などで会社や上司に保証人を頼むことが出来ないなどの事情で、保証会社を利用する人が増えています。

 「保証会社の業務内容に対しては「宅建業法」上の規制はありません」(東京と都市整備局住宅政策推進部不動産業課)とされ、法的規制がないために賃料滞納の際には悪質な取立や借りている部屋への無断立入、施錠などをし、入居できないようにすることが出来る。貸主に代わって契約を解除する代理解除権を有するなど悪質な契約内容が多く存在します。

 一部は消費者契約法に違反している契約書もありますので、契約をする際には十分内容を検討することが求められています。少しでも不明瞭な点がある場合は最寄りの組合へご相談ください。

全国借地借家人新聞より


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2009年4月14日 (火)

借地の更新料の請求を受けたが

 (問) 東京の豊島区で借地しています。今年10月に契約期間が満了します。4月に地主代理人の弁護士から更新するならば更新料を払うよう通知が届きました。
 代理人に「更新を希望するが更新料については、法的根拠がないので支払う必要がない」と回答したところ、代理人から「前回、更新料を支払って更新したのだから今回についても了解があったものとみなされる。」として、更新料を支払うよう再度請求されました。今後どのように対応したらよいのでしょうか。


 (答) 土地賃貸借契約の中に更新料を支払うという特約がない限り、更新料の支払義務はありません。

 地主の代理人は、法的根拠はないが前回の同意を今回の更新にも適用しようとしていますが、裁判(平成16年5月21日の東京地裁民事37部の判決)では、地主側は、「前回の更新時に更新料として約331万円を支払った際に次の更新時にも更新料を支払うとの合意がなされたと主張。同時に更新料を支払う慣習が存在する」と主張した。

 判決は、「かつて更新料の支払いがあると言うだけで更新料支払の合意があったとの根拠とすることはできない」として更新料支払いの慣習を認めませんでした。

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2009年4月13日 (月)

脅迫的な立退き強要にどう対処すべきか

 (問) 家主の代が変わった際、物件が不動産業者に転売されました。間もなく、その不動産業者が借家の明渡を請求してきました。そのやり方がとても不安です。どう対処すればよいのでしょうか。


 (答) まず気持ちの上で絶対にまけないことです。「ここに住み続ける!」という確固たる気概をもって対処することです。物件を買った不動産業者は程度の差はあっても金儲けを企てているに違いないでしょう。借家人が住んでいることを承知で前の所有者から安く買い叩き、とにかく借家人を追い出して、「高度利用」を謀り大金をせしめようとしています。

 彼らも立退請求する正当事由がないことも知っているはずでです。だから執拗かつ脅迫的なやり方で怖がらせてくるのです。

 弁護士でない者が立退交渉することは弁護士法72条に違反し、宅建業法も業者の威圧行為を禁止しています。

 ただ、1人では心細いものです。最寄りの組合に相談して、必要な場合、警察にも訴え、組合や弁護士さんの協力も得て強要禁止の仮処分命令の申立をすることも有効です。

全国借地借家人新聞より


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2009年4月10日 (金)

家賃が2~3日遅れ、10%の遅延損害金を請求された

 (問)
 息子がアパートを借りていましたが、ノイローゼで仕事が出来ず、家賃が2~3日遅れることが4~5か月続きました。管理会社が、1か月の家賃の1割の遅延損害金(合計2万5200円)を支払えと言われ支払いましたがどうにも腑に落ちませんので、なんとかなりませんか。


 (答)
 管理会社は貴方の息子さんが度々支払が遅れるので、契約書に「賃借人は家賃の支払が、1日でも遅れたら家賃の1か月の1割を遅延損害金として支払う」という特約盾に請求を行ったものだと思われます。しかし、息子さんは居住用として借りていますので消費者契約法の消費者にあたります。消費者契約法第9条第2項では、消費者が支払うべき金銭をその支払期日までに支払わない場合であっても、損害賠償の額や違約金が年14.6%を超えるものについては無効となります。従って、遅延損害金を計算すると605円となり、2万4595円を返還してもらうことが出来ます。

全国借地借家人新聞より

消費者契約法
消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効
第9条  次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。

1 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分

2  当該消費者契約に基づき支払うべき金銭の全部又は一部を消費者が支払期日(支払回数が2以上である場合には、それぞれの支払期日。以下この号において同じ。)までに支払わない場合における損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額に年14.6%割合を乗じて計算した額を超えるもの 当該超える部分


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2009年4月 9日 (木)

階下の入居者からの嫌がらせで引越しを考えているが

(問) 昨年の暮れに賃貸アパートの2階に入居しました。2階に入居しているのは私だけで、1階には2世帯が住んでいます。
 住んで1ヶ月も経たないうちにちょっとしたことで、1階の居住者より床をどんどん叩かれたり、大声で怒鳴られたりするようになりました。近所の人の話では、2階に住んでいた前居住者もそれが原因で退室したということです。
 家主や仲介した不動産屋に注意を促しても知らん顔をしています。私も引越しをしたいと思いますが、家主か不動産屋に責任をとらせたいと思いますが、なんとかならないでしょうか。


(答) 家主や仲介した不動産屋が、そのような事実、即ち、階下の居住者の非常識な嫌がらせが原因で前居住者が退室した事実を隠してあなたとの間で借家契約を締結した場合は「消費者契約法」の第4条2項・消費者の不利益となる事実の不告知で誤認した契約は取消すことが出来ると記されています。

この条項を適用し、契約そのものを取消し、敷金や契約手数料などを全額返して貰うことができます。

全国借地借家人新聞より


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2009年4月 8日 (水)

不動産業者から更新時の更新手数料を支払うよう請求された

 問) 家主が依頼した不動産業者から更新時の更新手数料(家賃の1か月相当分)を支払うよう請求されました。支払わなくてはならないのでしょうか。


 (答) あなたが仲介業者に依頼して契約条件の変更をしたのでなければ手数料の支払義務はありませんので支払いを拒否して下さい。

 斡旋行為とは建物に関する賃貸借期間満了の場合、条件変更です。
 「建物の賃貸借期間満了の場合の条件変更契約の依頼者は特別の場合を除いて貸主である。仮に、賃料値上げを条件変更として貸主から更新契約の依頼を受け、斡旋行為に入った場合、貸主から賃料について不服があり、折衝を依頼された場合など借主も依頼者となるように見えるが、この場合は依頼とはならない。」(千葉県宅地建物取引業協会の「建物契約更新時の労務報酬」の規定)

 このような仲介業者の協会でも、依頼者以外から更新手数料を受取ってはいけないことを規定しています。

 東京都などは、借主から「契約更新時に不動産業者から更新手数料を請求されたという苦情が寄せられた場合には借主には支払義務はない」と回答しています。

 このような宅地建物取引業協会や自治体でも依頼者以外から手数料を受取らないよう指導しています。たとえ請求されても支払う必要はなく、そのことを理由に契約更新を拒否することは出来ません。迷わずに支払を拒否して頑張ってください。

全国借地借家人新聞より

  参照記事   不動産業者から更新手数料を請求されたが支払義務があるのか


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2009年4月 7日 (火)

建物の無い土地に借地権はありますか

(問) 自動車の車庫にすることを約束して、5年間の契約期間で土地を借りていましたが、5年目の今年地主から期間満了を理由に解約の通知をうけました。
 借地権があるので、解約の申し出に応じる必要がないとも聞きますが、本当に返さなくてもよいのでしょうか。


(答) 建物を建てる目的で土地を借りた場合、借地借家法が適用されますが、建物が建てられていない車庫の場合は、民法上の賃貸借となりますので、借地借家法が適用されず解約に応じなければなりません。

 ご相談の事例では5年間の約束で車庫として更地を借りてていたのですから借地借家法が適用されず、地主の解約申し出に無条件で応じなければならなくなります。

 ただし、地主から期間満了しても解約の通知がなかった場合には、従来の契約が継承されることになります(*)。この場合でも、地主から1年間の猶予期間をもって解約の申し出があった場合には解約に応じなければなりません。

全国借地借家人新聞より

(*)参考法令
 民法
賃貸借の更新の推定等
第619条  ①賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第617条の規定により解約の申入れをすることができる。

期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ
第617条  ①当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一  土地の賃貸借 1年
二  建物の賃貸借 3箇月
三  動産及び貸席の賃貸借 1日
 ②  収穫の季節がある土地の賃貸借については、その季節の後次の耕作に着手する前に、解約の申入れをしなければならない。


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2009年4月 6日 (月)

賃貸マンションを引越したが敷金が返って来ない。敷金を取戻す方法は

(問)  先月8年間住んでいた賃貸マンションを引越しました。敷金として家賃の2か月分の30万円を預けてありましたが、先頃管理している不動産業者の見積りによると、壁のクロスの張替え、クリーニング代等で合計50万円かかったので、残りは家主が負担するので敷金は返せないとの連絡がありました。
 8年間住んでいましたが自分の家のように大事にしていましたし、引越の時は綺麗に掃除をしてでたのに敷金が戻らないことに納得がいきません。何とか取戻す方法はないでしょうか。


(答)  敷金は、賃貸借に関して賃借人が賃貸人に対して負担する債務を担保するために預けてあるお金で賃貸借契約が終了して借家人が引越して行くときには家主は預かっている敷金は当然全額返還しなければなりません。

 ただし、借家人が家賃を滞納していたり、わざと建物や設備を破損したときは借家人は損害を賠償しなければならず、その分の費用は敷金から差し引かれる場合があります。

 ところで、借家人が建物を破損したのではないが、居住していれば自と汚れたり、設備・建具等の寿命が来る自然磨耗した時に借りた最初の状態に戻さなければならない義務があるかどうか。最近の契約書では「故意と過失と問わず退去時の修理は全て借主が負担する」旨の不等な特約がつけられているものもあり、こうした特約を根拠に、莫大な修理費を請求される事例が後を立ちません。

 国土交通省は、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(*)を発表し、「通常に生活してできる汚れや損傷」は賃貸人の負担であることを明記した上で、畳の日焼け、タバコのヤニ、テレビや冷蔵庫の後部の電気ヤケ、クロスの変色等々、具体的ケースを上げて、右の例の場合いずれも賃借人の「通常の住まい方で発生するもの」として、借家人に修繕義務なしと定めています。

 従って、質問のケースでは敷金は全額返還請求できます。
 返還にあたっては、内容証明郵便で敷金の返還を督促し、それでも返して寄こさない場合には簡易裁判所へ行って相談すれば、訴額が60万円までなら簡単な手続きで敷金返還請求の少額訴訟を起こすことができます。

東京借地借家人新聞より

(*)「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の本文に更に多数の判例が追加されたものが「賃貸住宅の原状回復をめぐるトラブル事例とガイドライン(改訂版)」(大成出版社)である。敷金返還トラブルの指針になるものであり、参考になる本である。


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2009年4月 3日 (金)

木造瓦葺き一戸建て借家の雨漏りを家主の負担で修繕させる方法はないか

(問) 私は古い一戸建ての平屋を借りています。
 先日来の長雨で建物の一部に雨漏りしました。屋根は瓦葺きです。家主に修繕を頼んだところ「うちでは修繕はみんな借りている人にやってもらっています」と言われてしまいました。
 私は、貸家の修繕は家主がやるものとばかり思っていましたが、家主の考え方次第で借家人に押付けられるものなのでしょうか。
 なんとか家主に修繕させる方法はないものでしょうか。


(答) 貸家の修繕についての法律の定めは、民法606条1項に「賃貸人は賃貸物の使用及び収益に必要なる修繕をなす義務を負う」と規定しています。貸家の修繕義務は家主にあることが明確に規定されているのです。

  家主がこの法律に規定する義務を免れるためには、あらかじめ契約で「雨漏りの修繕は借家人の負担とする」との特約(特約とは法律の定めに反する約定)を交わしておかなければなりません。

 あなたの場合は右の特約はないので、言うまでもなく修繕義務は家主にあります。以下は家主の負担で修繕をする方法です。

 まず内容証明郵便(配達証明付)で家主に対して通知をします。
 その内容は「雨漏りしているので本書到達後10日以内に修繕してください。もし期日までに直していただけない場合は、私が業者に依頼して修繕し、その修繕費用は後日請求しますのでお支払いください。万一お支払いくださらない場合は、やむを得ず月々の家賃から差し引きます」。

 この通知を出した上で、その内容のとおり実行すればいいのです。修繕費用が月額家賃の半分以上になる場合は2ヵ月に分けて差し引きます。

 ここで、内容証明郵便を出す段取りを省略して、修繕費を家賃から差し引くと家賃の一部不払いとして契約解除の原因にされる恐れがあります。

 借家の修繕問題の解決法には別の方法もあります。それは、家主は完全な物を貸す義務がありますから、雨漏りするという不完全な度合いに応じて家賃を減額し、直ったら元に戻す方法です。しかし、これではいつ直るか分からず、前の方が現実的です。

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不景気の打開策として相場より大幅に高い店舗の家賃を値下げしたい

(問) 16年前から12.5坪の店舗を借りて飲食店を営業しています。
 家賃は3年ごとに値上げされ坪2万4000円です。最近、この付近の商店街では空店舗が多く、家賃の相場が大幅に下がっているようです。近所の不動産屋の話では、同じ程度の店舗で坪1万8000円前後だそうで、実際に借りる段になると、さらに値引きしているという話です。
 最近、不景気で営業成績がふるわず赤字経営に陥りました。そこで打開策を考えていたら、家賃が世間相場より大幅に高いことに気付いたのです。
 この際、家賃の安いところに移転してしまえば簡単なのですが、移転するとなるとまとまった資金が必要です。
 家賃を相場並みに値下げすることができないでしょうか。


(答) まず家主に家賃の値下げ要求をします。値下げ要求の時期は賃貸借契約の期間途中でもかまいません。ただし、すでに支払済みの過去の家賃の値下げ要求はできません。

 世間では、貸店舗の賃借人からの家賃値下げ要求に応じる賃貸人が結構いるようです。空店舗が増えているので、テナントに逃げられては元も子もないからでしょう。

 家主がどうしても値下げに応じない場合は、簡易裁判所に家賃減額の調停の申立をします。調停申立の手続きはきわめて簡単です。裁判所に備付けの「賃料増減額調停申立書」に必要事項を書き込めばいいので、誰にでもできます。

 調停は、裁判所が結論を決めるのではなく、申立人と相手方双方の意見をとりまとめるのです。両者の意見が一致すれば、それで調停が成立し家賃額が決まります。

 家賃額が確定するまでの間の家賃は、値下げ前の額を支払います。確定前に値下げ額で支払うと家賃の一部不払いで契約解除の原因になります。

 最近は、近隣の家賃の水準が大幅に下落している状況なので、調停で値下げの成果を挙げる事例が増えていますが、もし調停で双方の意見が一致せず、調停不調になったら本裁判にします。裁判で減額が確定すれば、すでに支払った家賃との差額は年1割の利息が付いて返還されます。

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2009年4月 2日 (木)

賃貸マンションの契約書に支払約束がある更新料は支払を拒否できるか

(問) マンションの賃貸借契約の期間が1ヵ月後に満了します。家主から頼まれたという不動産屋から「契約更新のお知らせ」が送られてきました。その内容は(1)家賃は据置き、(2)更新料は家賃の1ヵ月分、(3)手数料は家賃の半額、となっています。

 従前の契約書には「契約を更新するときは更新料を新家賃の1ヵ月分支払う」という契約条項が入っています。私は当初契約するときには契約内容を読まずに契約書にサインしてしまいました。私は前回の失敗を繰返さないために、今回更新する契約書では、この条文を削除したいと思います。削除する方法はありませんか。

 更新料は支払義務がなく払っていない人が大勢いると聴きました。私は次回以降はもちろんですが、できれば今回も更新料と手数料は支払いたくありませんが、私の場合はどうにもならないのでしょうか。


(答) 従前の契約書に記載されている更新時には更新料を支払う旨の約定は、更新を新しい契約書を取り交す合意更新にした場合は、支払約束として有効とされ支払義務があります。

 新たに契約書を取り交さない法定更新の場合はどうでしょうか。
 法定更新は借家人は何らの経済的負担を負うことなく当然に更新の効果を享受できることになっています。さらに、この規定に反する特約で借家人に不利なものは無効としています。

 本来無効な筈ですが、裁判所の判断は、無効とするものと有効とするものの両方あって確定していません。また、有効とする判例のなかには、約定更新料不払いは約束違反で契約解除(注)というものまであります。

 そこで、仮に裁判になったら負けることもあるのを承知の上で法定更新にして更新料を払わないのも1つの方法です。

 しかし、万一、契約を解除されては元も子もなくなるので今回の更新料は支払い、新規契約書の更新料を支払う旨の条項は削除するといいでしょう。家主が削除に応じないときは、法定更新にします。法定更新後は契約期間の定めがない状態で続くので、更新料を支払う機会がなくなります。

 手数料は、仕事を依頼した人から取るもので借家人に請求するのは見当違いです。断りましょう。

東京借地借家人新聞より

 (注)約定更新料を不払いして借地契約を解除された事例
 借地人は無断増改築、無断転貸、地代の滞納などがあって、地主から契約解除をされても仕方がない状態であった。

 約定更新料支払請求の調停で、借地人は借地契約解除の撤回と引き換えに更新料100万円の支払いを2回に分けて支払う約束した。1回分は支払ったが、後の半分は催告をしても支払わなかったので、貸主が建物収去土地明渡を求めて提訴した。

 1審の横浜地裁では借地人が勝訴したが、控訴審の東京高裁では借地人敗訴。これを不服として借地人が上告したが、最高裁は借地人の違約行為、不信行為を不問にする解決金の意味を含めた趣旨である更新料を支払わなかったことを理由に契約解除を認めた(最高裁昭和59年4月20日判決、判例タイムズ526号)。


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2009年4月 1日 (水)

借地上の建物が火災で全焼したが借地権は大丈夫か。借地権を守る手段

(問) 知人の話によると「借地の上に建物が無い状態だと借地権は消滅する」とのことで、大変心配しています。また、建物がない状態で、地主が土地の所有権を誰かに売却すると、その買主から借地人は追出されるとも聴きましたが本当でしょうか。
 借地権を守る手段があったら教えてください。


(答)  建物が火災で消失しても、地震で崩壊しても、建替えのために取壊しても、原因は何であれ、建物が無くなることを「滅失」といいます。

 借地借家法第10条1項に「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。」と規定しています。このため、登記した建物がない場合は、原則として第三者に対抗できません。

 しかし、同条2項には「前項の場合(*)において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から2年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。」と規定しています。

 このため、借地上の建物が火災で焼失(滅失)した場合に借地権を守るためには、滅失した日から2年以内に新たに建物を建てて登記すればいいのです。

東京借地借家人新聞より

(*)滅失前に借地上の建物が登記済みであることが必須条件である。
 滅失した「建物を特定するために必要な事項」とは、建物登記簿の表題部にある所在、家屋番号、種類、構造、床面積等のことである。
 掲示物に記載するのは前記の登記事項であるから、建物が登記されていなかった場合は、掲示物を設置しても、条文上からも第三者に借地権の対抗力を維持することは出来ない。

 「掲示が一旦なされた後に撤去された場合には、その後にその土地について借地権の負担のない所有権を取得した第三者に対しては、借地権を対抗することができなくなる。第三者に対して借地権の対抗力を主張するためには、掲示を一旦施したというだけでは不十分であり、その第三者が権利を取得する当時にも掲示が存在する必要がある。」(東京地裁平成12年4月14日判決、金融商事判例1107号)
 
掲示の保全につき、注意を喚起させる事例である。


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2009年3月30日 (月)

サブリース契約において賃料増額の合意が無効とならず認められた事例

 判例紹介

 平成7年に締結された建物賃貸借契約(サブリース契約)において、平成13年7月から賃料を増額する旨の合意が借地借家法32条1項に反して無効とはならず、合意どおりの賃料増額が認められた事例 (東京地裁平成15年3月31日判決、判例タイムズ1149号307頁)

 (事案の概要)
 X(貸主)とY(借主)は、XY巻で平成7年1月6日に締結された建物賃貸借契約(サブリース契約)において、月額賃料に月、平成7年1月~同年6月30日まで3485円/㎡、同7月1日以降5869円に増額する旨の合意(以下「本件賃料増額合意」という)をした。Xは、本件賃料増額合意に基づき平成13年7月1日以降本件建物の月額賃料は5869円/㎡に増額されたとして、Yに増額分の賃料の支払を求め、Yは、本件賃料増額合意は借地借家法32条1項二違反して無効であるなどと主張して同日以降の月額賃料は従前通り3812円/㎡を超えては存在しないことの確認を求めた。

 (判決)
 本判決は、本件賃料増額合意が借地借家法32条1項に反して無効となるか否かにつき、「借地借家法32条1項は強行法規と解されているが、その趣旨は、同項が直ちに賃料にかかる特約を無効とすることにあるのではなく、むしろ、賃料にかかる特約が、同項の適用を排除することができないことにあるにすぎない。そして、借地借家法32条1項は、当事者に対し、公平の見地から、相当な額まで賃料の増減を請求することができる権利を付与するものであるが、この相当な賃料額を定めるに当たっては、同項所定の諸事由に限ることなく、請求当時の経済状況及び従来の賃貸借関係、特に当該賃貸借の成立に関する経過その他諸般の事情を斟酌して、具体的事実関係に即し、合理的に定めることが必要である。(中略)したがって、当事者間の賃料にかかる合意が、借地借家法32条1項に反して無効となるか否かは、同項所定の諸事由、賃料が増額される時点の経済状況及び従来の賃貸借関係(特に当該賃貸借の成立に関する経緯)その他諸般の事情を斟酌し、当該合意の内容が当事者間の公平を著しく害するか否かという基準で決するのが相当である」と判示したうえで、上記の諸事情を具体的に斟酌して、本件賃料増額合意はXY間の公平を害するものとは言えず、借地借家法32条1項に反して無効とはならないとして、Xの請求を認めた。

 (寸評)
 本判決は、賃料増減に関する合意が借地借家法32条1項に反して無効となるか否かの判断基準について判示したもので、賃料増減に関する合意の有効性を判断するうえで参考になる判決である。

(2004.11.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より


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2009年3月27日 (金)

賃料自動改定特約が事情変更の原則により失効したとの主張が否定された事例

 判例紹介

 3年ごとに賃料を15%増額するという賃料自動改定特約のある期間20年の賃貸借契約で、①右特約が事情変更の原則により失効したとの主張が否定され、また、②右特約が有効であることをを理由とした賃借人の賃料減額請求ができないとした事例 東京地裁平成10年8月27日判決、判例時報165号138頁)

 (事案の概要)
 X(賃主)はY(借主)に対して、昭和60年4月、10階建て事務所兼店舗の5階ないし10階部分(以下本件建物という)を賃貸したが、右賃貸借契約には、賃料を3年ごとに15%増額する旨の賃料自動改定特約がついていた。

 昭和63年4月、平成3年4月には右特約に基づく賃料増額が行われたが、右特約に基づく平成6年4月、平成9年4月の増額については、Yはいわゆるバブル経済の崩壊により右特約が前提とする経済情勢は平成4年以降大きく変動し、右特約は遅くとも平成6年4月まには事情変更の原則により失効した旨主張して右各増額に応じなかった。

 そして平成8年3月には賃料が経済事情の変動等により不相当になったとして、Xに対して賃料減額の意思表示を行った。XはYに対して、右特約に基づく平成6年4月、平成9年4月の賃料増額の確認を求める訴えを提起し、YはXに対して、平成8年3月以降の賃料減額の確認を求める反訴を提起した。

 (判決)
 本判決は、「本件賃料自動改定特約の有効性を考えるに当たっては、同特約の適用がないとした場合の本件建物部分の相当賃料を検討することが必要である。なぜならば、被告(Y)が主張するように、いわゆるバブル経済の崩壊により右相当賃料が相当程度に減額されるべきなどの事実関係があるとすれば、本件賃料自動改定特約を適用する基礎となる事情に変動があり、その結果、事情変更の原則の適用によるものか否かはひとまずおくとして、同特約は失効したと判断する余地が生じてくるからである」旨判示した上で、
 右特約が適用されるとした場合の賃料が平成6年4月時点で月334万5925円、平成9年4月時点で月384万7814円、他方右特約が適用されない場合の相当賃料は前者が372万8100円、後者が月365万5500円であり、前者では右特約を適用した場合の賃料がそうでない場合を下回り、後者では若干上回るに過ぎない旨認定し、「本件賃料自動改定特約は少なくとも現段階においては、未だ同特約の前提となる事情について、同特約が失効したものと判断するに至るほどの変動があったとまでは認め難い」と右特約の有効性を認めるとともに、右特約が失効していない以上賃料減額請求の行使はできないとして、X(貸主)の請求を容認し、Y(借主)の反訴請求を棄却した。

 (寸評)
 事情変更の原則による失効を含め賃料自動改定特約の有効性をめぐる紛争は多く、本件は右特約の有効性を認め賃料減額請求を否定したものであるが、その論理構成については参考になる判決である。

(1999.03.)

(東借連常任弁護団)

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2009年3月26日 (木)

サブリース契約で借地借家法の賃料減額請求権の適用が認められた事例 

 判例紹介

 期間20年、転貸自由、賃料を3年毎に10%増額する旨の賃料自動増額特約のある建物賃貸借契約(サブリース契約)について、賃料減額請求権の適用が認められた事例 東京地裁平成10年2月26日判決、判例時報1661号102頁)

 (事実) 賃借人は、平成3年10月、建物所有者から地上4階、地価1階ないし3階の一部を賃貸期間20年、賃料については3年毎に10%増額する旨の賃料自動改定特約つきで賃借した。いわゆるサブリース契約であり、大手不動産会社である賃借人が、賃貸人である建物所有者にテナントの賃料を保証する趣旨のものであった。そして、賃借人は賃貸人に対し、借地借家法第32条に基づく賃料減額請求をした。

 (争点)
 サブリース契約の場合、賃料(増)減額請求権の適用があるのか。

 (判決要旨)
 「本件契約は、賃貸事業受託方式のサブリースであって、まさしく賃貸借契約であり、転貸を前提として本件建物を一括して賃貸することや賃料保証及び増額特約といった約定は使用収益についての特約や賃料支払及改定についての特約といべきものにすぎず、そのような特約がなされることにより、賃貸借契約の本質が失われるものではないから、本件契約には借地借家法が適用去れというべきである。

 借地借家法第32条に基づく賃料改定は、事情変更の原則の要件を緩和して明文化したものであり、一定の経済事情の変動があり、それにより賃料不相当になった時に認められるものでその増減は本来一定の経済事情の変動を原因として生じた不相当分を是正するものであって、それ以上の賃料額の是正を原則として意図するものでないというべきである。本件においては、賃借人は不動産業を営みサブリース事業をなす会社であり、賃貸人は本件建物の管理のために設立された会社であるから賃借人は賃貸人と対等ないし優位の立場にあり、原則どおり契約自由の原則を尊重しても、借地借家法の趣旨に反して賃借人に不利な結果を生じるものとはならないというべきである。

 当事者双方の本件契約及びそれに至る経過、賃貸人がバブル経済の崩壊の影響による賃料相場の下落について応分以上の負担に応じている事実、賃借人の赤字の状況等を考慮し、経済的価値に純粋に即応した賃料で新規賃料額に等しいものと合意賃料額とを折半した金額をもって相当賃料というべきである。」と判示した。

 短評)
 サブリース契約について借地借家法が適用されるかについては、学説は分かれており、裁判例においても東京地裁判決(平成10年8月28日)は、借地借家法第32条の適用が排除されるものとしたものがある。
 現在のところ、地方裁判所段階の判決が出されているところであり、どちらが主流といえる状況になく、今後高裁による判例の統一が待たれるところである。

(1999.04.)

(東借連常任弁護団)

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2009年3月25日 (水)

賃料自動増額特約の効力が否定され減額請求の一部が認められた事例

 判例紹介

 賃料自動増額特約のあるサブリース方式による建物賃貸借契約で、①右特約の効力が事情変更の原則により否定され、また、②右特約があっても賃料減額を相当とする場合には減額請求ができるとした事例 東京地裁平成9年6月10日判決、判例時報1637号59頁)

 (事案概要)
 YはXから建物を、①賃料は2年経過するごとに従前賃料の7%増額する(以下本件賃料増額特約という)、②XはYがその責任と負担で第三者に転貸しオフィスビルとして運用承諾するという特約付きいわゆるサブリース方式で賃貸した。XはYに対し、本件賃料増額特約に基づき、その賃料が、平成5年4月1日以降1か月658万6809円に、同7年4月1日以降1か月704万7886円に増額されたことの確認を求めて提訴し、Yは右訴訟の中で、本件賃料自動増額特約の効力を否定して、賃料は平成5年4月1日以降1か月605万4738円に据え置かれ、また、賃料減額の意思表示により、同年7月1日以降1か月541万6666円、同7年4月1日以降1か月399万9773円に減額された旨主張し、その確認を求める反訴を提起した。

 (判決)
 本判決は、「サブリース契約も賃貸借契約として評価、解釈されるべきであるから、借地借家法の適用を受けることは当然であって、本件のようないわゆる賃料自動増額特約は、一定の合理性のある合意であるにしても、その存在にかかわらず、賃料の減額を相当とする要件があるときには、借地借家法32条に基づき、賃借人において賃料減額請求権を行使することができる他、借地借家法32条の趣旨に鑑みると、契約締結後の経済事情に契約締結時ににおいて当事者が予測し得なかった著しい変動があるなどして、契約締結の前提となる事実を欠き、賃料自動増額特約をそのまま適用することが著しく不合理な結果となる場合には、事情変更の原則によって、賃料自動増額特約は効力を有しないことがあると解するのが相当である」旨判示した。

 本件賃料自動増額特約が締結されたのは平成元年12月でオフィスビルの賃料は大幅に上昇する傾向を示しており、バブル崩壊により平成4年以降オフィスビルの賃料水準の急激な下落が続くことを予測して本件賃料自動増額特約が締結されたとは言えず、鑑定結果も考慮するとXの主張の賃料増額は「経済事情の著しい変動等に照らし、著しく不合理な結果になると評価せざるをえないから、右各時点において本件賃料自動増額特約は効力がない」として否定した。

 そして、本件賃料自動増額特約の存在なども考慮した鑑定結果に基づき、賃料を平成5年4月1日以降1か月615万5897円、同10月1日以降1か月599万5424円、同7年4月1日以降1か月503万2374円と認定し、賃料減額請求の一部を認めた。

 (寸評)
 本件はいわゆるサブリース契約に関するものであるが、賃料増額額のある通常の建物賃貸借契約にも適用されるのは当然であり、参考になる判決である。

(1998.08.)

(東借連常任弁護団)

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2009年3月24日 (火)

2009年公示地価 商業地・住宅地とも3年ぶり下落

 国土交通省が23日公表した09年の公示地価(09年1月1日時点)は、住宅地と商業地の全国平均がともに3年ぶりの下落に転じた。全国約2万8千の調査地点のうち、上昇は過去最低の23地点のみだった。3大都市圏(東京、大阪、名古屋)は全国平均を上回る大幅な落ち込みとなった。急速な景気悪化を反映し、地価は総崩れ状態にある。

 全国平均の地価の下落幅は、住宅地が前年比3.2%(08年は1.3%上昇)、商業地が4.7%(同3.8%上昇)だった。05年(住宅地4.6%、商業地5.6%)以来の落ち込みになった。バブル崩壊直後の93~95年、商業地で10%以上の地価下落が3年続いた例がある。

 上昇は23地点で前年の約1万2千地点から激減。1970年の調査開始以来、最も少なかった。バブル崩壊後では地価下落が全国へ広がるのは数年かかったが、今回はわずかの期間で広がった。

 最高価格地点は3年連続で東京・銀座の「山野楽器銀座本店」。前年比2.1%減で1平方メートルあたり3820万円だった。

 3大都市圏では、平均で住宅地の下落率が3.5%(同4.3%上昇)、商業地が5.4%(同10.4%上昇)だった。住宅地は3年ぶり、商業地は4年ぶりに下がり、下げ幅は全国平均を上回った。

 東京23区の住宅地は、8.3%下落(同10.4%上昇)した。特に港、渋谷区の下落幅が大きく、渋谷区大山町は全国の住宅地で最大の18.3%下落した。商業地も8.1%下落(同17.3%上昇)。特に20%超の上昇地点が多かった港区は、ほぼすべての地点で2けたの下落だった。

 「ブランド力が高い」とされた中心部の住宅地や商業地ほど、落ち込みが目立つ。こうした地域には外資などの投資資金が流入し、「ミニバブル」を演出してきた。

 トヨタ自動車など製造業の業績悪化に伴い、名古屋圏の下落も目立つ。名古屋市中区栄4丁目は28.4%下落で、すべての用途を通じて全国最大の下落率だった。商業地の下落率全国10位のうち9地点は、名古屋市中心部だった。大阪圏も、住宅地、商業地とも前年の上昇から下落に転じた。

 地方圏は、住宅地が2.8%(同1.8%)、商業地が4.2%(同1.4%)下落した。下落は17年連続。ただ、4年連続で縮小していた下げ幅は再び拡大した。投資資金が流れ込み、3大都市圏並みに上昇していた札幌、仙台、福岡市は住宅地、商業地とも下落。特に仙台、福岡市の商業地はともに前年比9.6%も落ち込んだ。

 上昇した23地点は、すべて地方圏だった。再開発地区のほか、特色ある街づくりをしている地域、観光地が上昇した。北海道伊達市は都市圏からの退職者の移住を進めており、住宅地の上昇率の上位10地点に四つが入った。商業地の上昇率1位は、静岡市のJR東静岡駅前再開発地区だった。


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2009年3月23日 (月)

全国追い出し屋対策会議が結成総会

 賃貸マンションなどで家賃が1日たりとも未納となると、居住者が家賃の支払いを一時期猶予して欲しいと懇願しても、一方的に出入り口のカギを取替え室内に出入りを不可能にし、一定期間後には家財道具を撤去し処分するいわゆる追い出し行為が全国各地で発生しています。

 2月15日、このように一方的に追い立てられ、賃貸マンション居住者の居住の権利を守るために、「全国追い出し屋対策会議」の結成総会が大阪市内で開かれました。

 当日、福岡、東京、群馬、大阪で追い出し屋と闘っている被害者や弁護士や司法書士、支援市民など約百名が参加し、事例報告が行われ、交流と情報交換を行ないました。その上で研究者から民法、消費者契約法、借地借家法などから一方的な明け渡し行為は違法であるとの報告がありました。

 総会では、「管理業規制法」案が提起され、同法案の制定運動に取り組むことを決議しました。

 結成にあたり、対策会議の代表の増田尚弁護士、事務局長に堀泰夫司法書士を選出し、船越康亘全借連副会長等15名が理事に就任しました。

全国借地借家人新聞 2009年3月号より


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2009年3月21日 (土)

派遣切り労働者の住居 借地借家法で守られている!

 全借連が緊急提言

 2009年2月24日
 全国借地借家人組合連合会常任理事会

 派遣・期間雇用者の既存住宅における持続可能な居住の権利提言

 全借連は、2月24日開かれた第7回常任理事会で、派遣・期間切れなどから解雇された労働者が即日住まい失い、路頭にさまようことで住み続けられる権利を失う事態に憂慮し、別項のとおり「派遣・期間雇用者の既存住宅における持続可能な居住の権利」をまとめ、現行法でも居住の権利が守られることを明らかにし、政府と労働者へ居住の権利を守るよう訴えることにしました。

 昨年末、自動車および家電メーカーを中心に大企業は、「派遣切れ」「期間工の雇い止め」を理由にして大量の非正規労働者を一方的に解雇し大きな社会問題となりました。職を失った人々は、大量の非正規雇用を生み出した原因が人権を無視した雇用形態にあり、政治災害であると訴えました。

 そして、住まいを失い雨つゆや風雪に見舞われ路頭にさまよいながら、職と住まいの確保を求めています。

 今年3月末には、このような職を奪われる非正規雇用の人々が約40万人を上まわることが報道されています。

 しかも、「職と居住」を同時に失う事態は、40数年居住の権利を守る運動に取り組んできた全借連がかって経験しなかった非常事態でもあります。

 全借連は、「住まいは人権」のスローガンを掲げて「人間が人間らしく住み続けられる住居を」求めて運動に取り組んできましたが、大量の失業者が同時に住まいを失い居住不安に陥ることを放置することはできません。

 憲法第25条は、「健康で文化的な生活を営む権利」をすべての国民へ生存権として保障しなければならないことになっています。

 今日の事態は、この憲法で保障された居住の権利を軽々しく放棄していたことを示すものです。

 全借連は、このような居住の権利の侵害から、住まいを失った人々、居住不安に脅え生活基盤を失った人々と連帯し、「住まいは人権」として政府へ居住保障を求めて運動を強めていくことを決めました。

 そこで、全借連は、解雇されると同時に住まいも失う人々の居住の権利が現行法の下でも確保されなければならないとの視点から次の事項を訴えます。

   [記]
(1)世界人権宣言・ILO(国際労働機構)の労働者住宅に関する勧告・経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約・第2回国連人間居住会議の「居住の権利宣言」など国際的に認知された「住宅の権利・誓約」の理念を可及的速やかに最大限実行することを政府へ要求する。

(2)居住の安定を前提に、すべての公的賃貸住宅の空家を早期に開放することを、政府と地方自治体及び関係事業主体へ要求する。

(3)民法及び借地借家法・労働基準法・消費者契約法などが適用されることを退去を求められている居住者へ周知徹底することを要求する。

(4)既存契約で住み続けられる具体的な事例については、次のとおりである。

 ①解雇予告期間30日以内は、労働基準法によって居住できる。この間に、住み替え先及び家賃の確保の準備を行なうこと。

 ②派遣会社へ家賃を支払っている場合は、派遣切れになっても、借地借家法により賃借権が継続し既存住宅に住み続けられる。

 ③家賃支払い不能となった場合であっても、民法や消費者契約法などで一定期間住み続けられる。法的手続きによらない限り、強制的に明け渡しや追い出し行為はできない。

 ④賃貸人は、借家の寮を解約する場合居住者へ正当事由が必要であり、その場合であっても6ヶ月前から1年以内に賃貸借契約の解約通知をしなければならない。従って、解雇即日明け渡しにはならない。

 ⑤家賃の支払い資金が確保できない場合は、早急に生活保護制度を活用すること。

全国借地借家人新聞 2009年3月号より


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2009年3月19日 (木)

譲渡承諾を受けていない借地権付きマンションを買ってしまった

 杉本さんは家を買いたいと思って、手頃な家を物色していた。不動産屋へも足繁く通った。そんな折、知人からマンションを格安で売りに出している人がいるとの情報を得て、その人を紹介してもらった。そのマンションは借地権付ではあったが、2千万円と格安で部屋数の多い掘出し物であった。

 杉本さんは即決で買うことにした。不動産業者が介在していないので仲介手数料(66万円)も支払わなくて済むと思うと安い買物である。

 杉本さんはマンションの登記も済ませ、そのマンションに引越した。ところが、マンションの土地所有者から、借地権の無断譲渡であるというクレームがついた。土地所有者は「部屋の前所有者は、私(土地所有者)から借地権の譲渡承諾を受けずに、売ったので、その譲渡承諾料を支払え」と言い、「支払わなければ、賃貸借契約を解除する」と杉本さんを脅したのである。

 杉本さんは困って、組合に相談してきた。組合は杉本さんに、「土地所有者の言っている通り部屋の前所有者が譲渡承諾料を支払っていないことが事実であれば、借地権付きマンションであるから敷地利用権が賃借権であり、その無断譲渡ということで、民法612条2項の規定から賃貸借契約を解除されることは当然あり得ることである」と回答した。

 但し、借地契約の解除が認められたとしても、マンションという構造上、当該一室の収去・土地明渡を執行するのは無理があるので「建物の区分所有等に関する法律」10条に基づく建物売渡請求(*)をされる場合が多い。

 敷地利用権に対して予め一定の金銭を支払って包括的に賃借権の譲渡承諾を土地所有者から受けている場合は、自由に譲渡が出来る(譲渡権利付賃借権)。しかし、そうではないとすると、譲渡の度毎に土地所有者の承諾を得なければならない。その場合の譲渡承諾料は一般的には各室の敷地利用権価額の10%程度であるが、売買代金の10%位の支払いで承諾を認める場合が多い。

 杉本さんの場合、45万円支払えば承諾すると言っているのであるから取敢えず支払って、後日、売主に損害賠償請求をして、その代金を取返すことを提案した。

(*)(区分所有権売渡請求権)
第10条 敷地利用権を有しない区分所有者があるときは、その専有部分の収去を請求する権利を有する者は、その区分所有者に対し、区分所有権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。


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2009年3月18日 (水)

定期借家の解約通知 (京都)

 京都市北区で借家住まいの杉井さんは、3年前の12月に借地借家法第38条に規定されている3年契約の定期建物賃貸借契約を結びました。

 そもそもこんな契約を結んだことが難儀の始まりでしたが、それでも「定期建物賃貸借についての説明書」に「再契約」ができると記されていることをよりどころに契約しました。そして、今年7月には「定期建物賃貸借契約終了のご案内」と同封して「解約申込書」「入居申込書」が送られてきました。

 杉井さんは、当然「再契約」するべく、指定期日内に「入居申込書」を提出しました。

 ところが、9月に突然家主から「再契約しない。12月いや今すぐ退去せよ」とのあらっぽい電話が入り、その後物件の管理会社からも内容証明郵便が届きました。

 杉井さんは、その内容証明郵便をもって京都借地借家人組合連合会(京借連)事務所へ相談。

 京借連は、杉井さんが持参した書面では法律上の手続が一応されており、かなり困難であろうと考えました。

 しかし、最後まで諦めずに、再契約が可能であり、それも規定・約束どおりに提出していたことから、『再契約されるべきが正当であり、本来6ヶ月前には通知されねばならない解約通知が3ヶ月前になされたこととも併せて無効である』と内容証明郵便を送ったところ、「今回に限っては再契約をする」との返事を受取りました。

  京借連では、取敢えずは杉井さんの居住の権利が守られたことにほっとしています。

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2009年3月17日 (火)

原状回復費用126万円の請求が40万円に (神戸市)

 Mさんは、神戸市内で5年前に店舗として月額家賃15万6000円、敷金172万円の条件で賃借し、当時敷引特約はありません。

 今年11月末で契約の解約を予定したMさんは、契約書で退去予定の6ヶ月前に退去届の提出を義務付けられていましたので、今年11月末日までに明渡をすればよいと思っていました。

 ところが、管理業者は、新規契約者の入居を12月1日から予定しており、契約期間内にリフォームを指定業者にさせるというものです。

 指定業者からMさんへ送られて来た原状回復費用の見積額は、126万円でした。

 Mさんは、故意・過失もなく、あまりにも高額な請求額であったため、知人から紹介された工事業者に見積を依頼したところ77万円と大きな隔たりがありました。

 そこで、Mさんは管理業者と交渉するが何の進展もせず平行線となり、尼崎借地借家人組合へ相談。

 尼崎借地借家人組合から、通常損耗は家主負担であるとの助言を受けたMさんは、法律事務所へも相談したところ組合の助言と同様であったことから、管理業者へ代理人を立てて争うことを伝えました。

 すると管理業者は他の業者にも再見積させることを約束。その後も粘り強く交渉したした結果、原状回復費用の負担は40万円とすることで解決しました。

全国借地借家人新聞より


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2009年3月16日 (月)

最高裁の指針を活かし地代減額を (静岡)

 バブル期に急上昇した地代は、バブル崩壊後も高値安定となっています。一方、借地人にも高齢化の波が押し寄せ、生活を直撃しています。静岡借地借家人組合のYさんもその犠牲者の一人です。

 「生活が苦しくて高い地代が払えない」とのYさんの訴えに組合では、地主側の代理人の弁護士へ「地代減額の交渉に応じてほしい」と申入れ、今年4月に交渉が実現しました。

 地主側の弁護士は、「現行地代は合意賃料、値下げの意思はない、借地の譲渡も認めない、意義があれば法廷で」というものでした。

 組合では、Yさんの近隣で以前地代値上げ反対の運動があったことを知り、情報収集と共に「借地人新聞地域版」を作り配布しました。

 そして、7月には、「地代を最高裁事務総局が示した公租公課の2.5倍に値下げせよ」との調停を静岡簡易裁判所へ申立、9月上旬から調停が始まりました。地主側弁護士は、「若干の値下げには応ずる」と当初のゼロ回答から値下げを認める変化を見せました。

 調停委員の斡旋が数回続き、「坪月50円の値下げなら応ずると地主側から提案されましたが、問題にならないと一蹴したところ、地主側から「地主負担で地代を鑑定したい」と申入れがありました。

 10月開かれた調停では、地主側から「鑑定の結果が遅れているので次回に提出する」との申し出がありました。

 組合側は、近隣で公租公課の2.69倍の地代の実例を示し地代の値下げの実現へ向けて奮闘することにしています。

全国借地借家人新聞より


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2009年3月13日 (金)

契約更新時に定期借家契約へ切替え (大阪)

 大阪市東淀川区豊新5丁目の商業ビル(一部居住用)で店舗を賃借しているIさん等8名の商人は、今年8月上旬突然「平成20年7月24日旧所有者から買受け所有権を取得し、併せて貴殿(貴社)に対する定期賃貸人たる地位を承継した」「平成21年3月31日に契約期間が満了する」よって「借地借家法38条4項の規定に則り通知する」旨の「通知」が新所有者から送られてきました。

 Iさん等は、昭和62年4月に前所有者と賃貸借契約を結び、平成19年4月に契約更新し、「定期店舗賃貸借契約書」に印鑑を捺しました。その時、Iさん等は定期店舗賃貸借が何のことかまったく知らず、従来の更新手続きと思い込んでいました。

 驚いたIさん等は、東淀川借地借家人組合へ相談し事後対策を検討したところ、定期店舗賃貸借切り替える場合、書面により事前の説明があり当事者の合意がなければ無効であることがわかりました。

 そこで、契約時に前所有者から定期店舗賃貸借に切り替える旨の書面による説明がなかったことから、「定期店舗賃貸借契約書」は無効である旨の通知をおくりました。

 その後、新所有者からは、何の意思表示もなくIさん等は組合に入会し営業を守るために頑張る決意をしています。

 全大阪借地借家人組合連合会の調査によると、平成12年2月1日付けで建設省(現在国土交通省)は、定期借家制度を適用する賃貸借は、「書面を契約書とは別に交付して説明しなければならない」「それを怠った場合は、定期賃貸住宅契約とはならず、従来型の正当事由がない限り賃貸人からの更新拒絶ができない賃貸住宅契約となること」との「通達」を都道府県知事宛てに出していることが明らかになりました。

全国借地借家人新聞より

 東京・台東借地借家人組合(注) 平成12年2月1日 建設省建設経済局長・建設省住宅局長名で都道府県知事宛てに「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」が出されている。以下が借地借家法第38条2~3項関係の事項。

 「定期賃貸住宅契約を締結しようとするときは、あらかじめ賃貸人は賃借人に対し、契約の更新がなく、期間満了により終了することについて、その旨を記載した書面を契約書とは別に交付して説明しなければならないこととされており、それを怠った場合は、定期賃貸住宅契約とはならず、従来型の正当事由がない限り賃貸人からの更新拒絶ができない賃貸住宅契約となること。このため、書面の雛形である「定期賃貸住宅についての説明」の周知を図ること。」(「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」建設省経動発第10号、建設省住民発第1号)

借地借家法
(定期建物賃貸借)
 
第38条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

4  第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。


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2009年3月12日 (木)

底地競売で落札業者と交渉

 板橋区清水町で商売をしている松平さんは、20数年前に、当時の地主から多額な更新料の請求を求められ、地代の受取を拒否され供託した。その後、その地主が底地を担保に銀行から多額の借金をしていたが、バブルの崩壊で競売にかかった。その前には、債権機構から、地代の差押えなどいくつかの係争があった。

 競売で落札したのは、A不動産会社だが、その背後に大手不動産会社のM不動産がいた。昨年から今年の前半にかけては借地権を買取り、立退きをして跡地にタワーマンションを計画していた。執拗な交渉に組合員であることを通告し、話し合いをしていた。

 ところが、11月に入ると様相は一変した、借地権の買取を言っていた不動産会社は底地を買取ってくれ、しかし、その条件は親族以外には絶対流さないでという一筆を提出するように要求してきた。

 組合に入会し、20年以上頑張ってきた松平さんには到底承服できないので断り、今までどおり組合と相談しながら交渉するということを不動産会社に通告した。

東京借地借家人新聞より


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2009年3月11日 (水)

借家を買取った不動産業者が明渡請求

 大田区大森西6丁目所在の木造二階建一棟37・26㎡築50年の建物を賃借中の前田さんが知人の組合員の紹介で入会したのが8月。隣接の共同住宅18・18㎡の部屋築37年を賃借の息子共に、契約解除明渡しを求められて悩んだ末に知人に相談したという。

 この建物を買い取った不動産業者が契約期間を無視して解除明渡し請求なので、組合は直ちに業者に撤回を申し入れた。築50年の建物の訴訟を考えると現状を維持することが得策とは成りえず、業者と条件交渉に入る。

 問題は築50年の老朽状況と家賃が低額であるために交渉は困難を極めた。しかし、相手は組合をよく知っている業者であったため合意内容は前田さん親子が満足できるものとなった。

東京借地借家人新聞より


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2009年3月10日 (火)

更新料1000万円の請求を断ると、契約解除通告

 斉藤さんは、荒川区荒川6丁目で昭和22年から46坪を借地しいる。親子3代にわたり和菓子店を経営している。借地契約の更新は昨年5月に20年の更新を迎えていたが、地主が何も言ってこなかったから更新に気がつかなかった。

 ところが今年の夏になって不動産屋から更新の通告を受け「更新料を600万円支払え、地代は現行6万円のところ8万円に値上げする」と言われてビックリ。

 斉藤さんさんは今まで親の代から更新料を支払っていた。だから、今回300万円位は仕様が無いと思っていたが、金額の差があまりに大きいのでとっても支払えないと断った。

 ところが、どうした訳か今度はいきなり地主本人が直接来宅し、更新料は1000万円に値上げすると通告してきた。

 斉藤さんは、借地の更新は既に借地法6条の規定に基づいて法定更新されており、今回は更新料を支払わずに済ますことにした。その代り地代は、苦しいが自ら1万円値上げし、7万円で振込もうと考えた。しかし、組合の説明では現在の地代でも高いということなので、9月末に今まで通りの6万円で地主の銀行口座に降込んだ。

 すると、地主は10月に入って直ぐに振込んだ地代を返しに来て「更新料を払っていないから地代の受領を拒否する」と言ってきた。

 斉藤さんは、それならばと10月末に、9月分と10月分の地代を供託した。

 数日後、地主から今度は賃料2か月払っていないから契約を解除すると文書通告を受けた。

 斉藤さんは、地主の理不尽なやり方に怒りを感じた。商売も売り上げが伸びず不況続きの中で高額な更新料や一方的な値上げ等到底容認できるものではない。地主とはみんなこんなやり方で借りている人達を苦しめていることを初めて知った。もう少し早くから借地人の権利を知っておけばよかったと反省いている。

東京借地借家人新聞より

借地法
第5条 当事者が契約を更新する場合においては借地権の存続期間は更新の時より起算して堅固の建物については30年、その他の建物については20年とする。この場合は第2条第1項但書の規定を準用する。

2 当事者が前項の規定する期間より長い期間を定めたときは、その定に従う。 

第6条 借地権者が借地権の消滅後土地の使用を継続する場合においては、土地の所有者が遅滞なく異議を述べないときは、前契約と同一の条件をもって更に借地権を設定したものとみなす。この場合においては前条第1項の規定(存続期間は更新の時より起算して堅固の建物については30年、その他の建物については20年とする)を準用する。

2 前項の場合において建物があるときは、土地所有は第4条第1項の但書に規定する事由(土地所有者が自分でその土地を使用する等の正当な事情)がない場合は、異議を述べることができない。


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2009年3月 9日 (月)

地代の大幅値上げ請求、調停で頑張る (大阪市堺市)

 堺市泉北ニュータウン周辺の市街化調整区域で先祖代々から156坪の土地を借地しているSさんは、敷地内の30坪の物置小屋を改修したところ、地主から無断増改築と難癖をつけられ、承諾料と地代の値上げを請求され話合いが物別れとなりました。

 地主側は、弁護士を代理人につけて無断増改築による承諾料の請求を取下げたものの、これまで年坪当たり3800円の地代を5400円に大幅値上げを請求し調停を申立ててきました。

 その後、Sさんは、インターネットで大借連の存在を知り相談。
 同時に、税負担を調べた結果、現行地代が税負担の7.9倍にもなっており、これにはビックリ。「むしろ地代減額を調停員に伝えたい。ましてや都市計画法では調整区域のため利用制限があり、あまりにもひどい」と怒っています。

大借連新聞
(全大阪借地借家人組合連合会)
より


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2009年3月 6日 (金)

一方的なドアーロックによる締め出しは不動産侵奪罪 (大阪)

 非正規雇用のために突然職場を追われた借家人が、収入が途絶え月末になると家賃を約束通り払いたくても払えず外出先から帰宅すると戸口のドアーの鍵が取替えられ、入居不能となるトラブルが最近増えています。

 大阪で弁護士、司法書士、大借連、いちょうの会の有志で「賃貸住宅追い出し屋被害対策会議」を結成し、10月29日「電話110番」を開設し被害者救済の活動を進めています。

 A市で賃貸マンションを借りているNさんは、事情で家賃を月末に支払うことができませんでした。帰宅してみると、ドアーがロックされておりマンションに入室できず、管理会社へ連絡すると、「契約書に家賃滞納即日退去の特約があり、入居前に重要事項説明書でも確認している」と部屋の使用ができない状態が続きました。

 一方的なドアーロックは、刑法の不動産侵奪罪に該当し犯罪行為であり、違法な自力救済で許されないと業者に抗議しドアーを開けさせました。

 (注)《不動産侵奪罪》「他人の不動産を侵奪した者は、10年以下の懲役に処する。」(刑法235条の2) 

大借連新聞
(全大阪借地借家人組合連合会)
より


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2009年3月 5日 (木)

契約4か月後に立ち退き請求される (横浜市港北区)

 横浜市港北区高田西で平成19年11月1日、2年間の条件で借家の賃貸借契約をむすんだKさんは、入居後わずか4か月後に家主の代理人の建設会社から明渡を請求されました。

 Kさんは、インターネットで組合の存在を知り入会した。組合の支援を得て、建設会社と話し合いえお重ねて来ました。

 その間家主側からの嫌がらせもありましたが、組合側は、基本的には2年間の期間で賃貸借契約が存続しており、明渡に応ずる意思のないことを、家主へ内容証明郵便で通知したところ、家主側の態度が一変し、Kさんの要求通り合意を勝ち取りました。

全国借地借家人新聞より


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2009年3月 4日 (水)

借地人14名が団結し17年間地上げと闘う (大阪市都島区)

 大阪市都島区都島北通り2丁目の借地人Hさん等14名、O工務店に地上げされ、大幅な地代値上げを要求され、17年越しの係争中です。

 平成3年には、角地にしぼって地代の値上げで提訴してきました。

 都島借地借家人組合に入会している会員が裁判費用を分担し、他の地主の地代を調査したり、鑑定士の現地調査に立ち会うなど心を合わせて闘って来ました。その結果、多少は地代の値上げを認めたものの和解が成立しました。

 この和解によって、地主側は、Hさん以外の借地人にも和解条件に従って値上げに応ずるよう要求してきましたが、これを拒否して相当と考える金額を加えて引き続き供託しています。

 この借地人の班は、現在まで17年間団結を崩さず都島借地借家人組合の運動の核の役割をはたしている一つになっています。

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2009年3月 3日 (火)

「入居保証金」全額を返還させる (長野県松本市)

 松本市内に住むMさんは、家賃月6万円、敷金2カ月でアパートを2年間借り9月に明渡しました。貸主は大手の不動産業者ですが、入居時の契約書には敷金を「入居保証金」として記載し、明渡すときは「退去引金」として返金しないとなっているから、と一銭も返しませんでした。

 Mさんは消費生活センターの紹介で組合を訪れ、どうしても納得できないが、いい方法を教えてほしいと組合へ入会しました。

 組合では経過を聞いたところ、名前は「入居保証金」でも敷金であることは明らかだし、また、消費者契約法第10条にも違反しているから「入居保証金」は当然全額返還すべきものである。よって、「本書面到達後1週間以内に全額返還せよ。もし履行しないときは法的手続をとる」旨の内容証明郵便を発送することで一致しました。

 早速Mさんが相手の不動産会社宛に内容証明郵便を送ったら、電話で返事が返って来て「入居保証金は返金します」ということでMさんも喜んで報告してくれました。

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2009年3月 2日 (月)

借地非訟手続きで借地権を地主に買取らせる

 千葉県我孫子市居住の清水さんが出雲の国の島根県に嫁いだ娘さんと組合事務所を訪ね、入会したのは昨年10月だった。

 子供らも独立し、夫の死去を機会に住まいを移転したので大田区の51坪の借地権譲渡を大手不動産のS社に依頼したが、地主の買取価格は想定の2分の1以下いうことで、S社は打つ手はないと借地借家人組合を紹介されたという。

 組合もよく知っている地主なので、直ちに借地権譲渡の非訟手続きの準備とともに、借地権譲受人紹介者の業者を介して改めて打診したが決裂となる。

 清水さんは、裁判等に要する経費の持ち合わせが不足のため、業者が一時負担し和解成立後の決済時に精算することで裁判を行う。地主自宅は東南に位置しており、想定どおり地主が買取を主張し、5月現地調査が行われ7月に示された、鑑定結果は4千数百万円だった。地主は直ちに高すぎると鑑定結果を拒否。

 夏休み明けの裁判で空き家で管理もせず草木が伸び放題である等と異議を述べ、3千万円を提示したが裁判所は受け入れず、鑑定とおり和解が成立し10月21日決済した。

この地主から高額な更新料を請求されて係争中の借地人3世帯も、組合に加入し支払いを拒否して頑張っている。

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2009年2月27日 (金)

地代の未払いと増改築違反を理由に明渡しの調停

 豊島区西巣鴨に借地して50年以上になる下田さんのところに、昨年末、亡くなった地主の相続人である長男から、相続人代表としての挨拶と地代の請求書が送られてきた。

 いつもどおりに指定された銀行に1年分の地代を送金しておいたところ、今年に入り、下田さんの土地を相続したという地主の長女の代理弁護士から契約書に記載されている当月払いの賃料が支払われていないのでただちに支払うよう内容証明が送付されてきた。

 不安を感じた下田さんは知り合いの司法書士に相談した。まかせなさいといわれ安心していたが、今度は9月にいきなり、相手弁護士から地代の未払いと増改築違反で明渡しの調停をおこされた。

 依頼した司法書士に確認したところ何もやっておらず、仰天していろいろ探したところ借地借家人組合があることを知り相談にきた。

 地代の支払い方法はすでに数年前より一年払いとなっていること、増改築も先代の承諾を得たことなど調停の回答書を作成し、簡易裁判所の調停に出向いた。証拠の領収書も添えて提出したところ、あっさりと地主の弁護士は明渡し問題を撤回し、借地権を売買してくれという話に方向転換した。

 下田さんは「組合に相談して、本当に助かりました。売ることも買うことも出来ないので、このような強引な地主に対抗して、引き続き組合と相談して頑張ります」と話した。

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2009年2月26日 (木)

地上げ屋が底地の買取りを強要

 荒川区東日暮里3丁目で約19坪の借地をしているTさんは今年の8月に更新を迎えることになっていたが、2月頃地主から今度土地を売ったので後はその人達と話し合ってほしいと連絡が入った。

 その後、地上げ屋の社員2人が訪ねて来て、「土地を買うか借地権を売るかどちらかにしろ」と言われ地上げ屋と判明。

 Tさんは組合に入会し、買取りを断ったところ「更新料150万円、地代は現行の倍額の3万円を支払え、当社の言うことをきかなけば裁判でも何でもする。そのときには大変な費用がかかる」と脅かされた。Tさんは、今後話し合いは組合事務所以外ではしないと頑張っている。

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2009年2月25日 (水)

地上げ屋に組合を窓口に交渉することを通告

 葛飾区高砂で2代にわたり借地をしている渡辺さんは、土地を買ったと称し、地主の委任状を持った不動産会社の来訪を受けた。

 買ったと称する会社は、さくら住宅(株)、来訪者はその会社の委任を受けた三和住宅(株)で、委任状の内容はさくら不動産販売(株)の所有の不動産の管理・賃貸料集金及び仲介その他一切のことに関しての行為を委任している。

 この2社は知る人ぞ知る地上げ屋。所有権譲渡に関して聞いたところ、所有権移転登記はまだされていないとのこと。名うての地上げ屋の物件ともなれば素人では太刀打ち出来ないのが現状である。相手の要求が何かと知る必要があり、まずは葛飾借地借家人組合を窓口に交渉することにした。

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2009年2月24日 (火)

地代は税負担の3倍以内と主張し控訴審へ (兵庫県尼崎市)

 2008年8月20日、尼崎簡易裁判所は、地代減額請求事件で、借地人が減額請求の正当性の理由として、最高裁の継続賃料(地代)は「公租公課の2~3倍」が適正額との見解を示した指針に対して「相当賃料算定の一事情にとどまるものである」との判断を示し、尼崎簡裁が指定した不動産鑑定士による若干の減額を示した鑑定結果をもって適正地代であるとの判決を下しました。

 兵庫県尼崎借地借家人組合の借地人Tさんは、54.9㎡の土地を借地し、平成12年5月に合意した月額地代3万2800円(当時公租公課倍率7.9倍・平成19年度11.2倍)を、公租公課倍率が上昇したことから考えて、平成19年5月分より1万1629円が相当であると減額請求を申立てました。

 一方、地主側は毎年月額1000円値上げすることが適正額であったと主張し、4万1700円増額の反訴をしてきました。

 尼崎簡易裁判所は、月額地代2万8700円が相当額とした鑑定額通りの判決を言い渡しました。

 Tさんは、この判決に対して12.5%の減額であったが、公租公課倍率は9.8倍であり適正倍率からみて不当に高く不十分であると主張し、2008年10月7日神戸地裁尼崎支部へ控訴しました。

 Tさんは、不動産鑑定基準による算定された地代は、従前地代を基準にして算定さており従前地代が不適正であれば鑑定される地代も不適正であると主張し、あくまで最高裁の指針を反映した判決を求めています。

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2009年2月23日 (月)

修繕費用は敷引きの中に含まれる

 先日紹介した京都地裁の「敷引特約」に関する動きを窺い見ると、2001年4月1日施行の「消費者契約法」の影響が大きいことが判る。加えて、「敷引特約」自体が消費者契約法に反して無効という流れが定着してきたことが実感出来る。約7年間で裁判所の「敷引特約」に関する考え方が大きく変わったことがよく判る。今回紹介する事例は7年前のもので、消費者契約法が適用される以前のものである。


 大阪簡裁は、敷金返還請求少額訴訟で、「敷引き額は、賃借人の債務不履行による損害や家屋の修繕費用等をあらかじめ概括的に定めたものであると解することができる」として敷金から新たに修繕費用として差し引くことはできないとして30万円の返還を命ずる判決を下しました。

 大阪市城東区で、平成6(1994)年11月から賃貸マンションを借りている仲野みゆきさんは、敷金80万円を支払い、退去時30万円を返還することを条件に入居しました。

 平成13(2001)年2月に契約を解約したところ、1か月後に敷金を返還す約束になっていたにもかかわらず、汚れや染み等があることを口実にして、家主は修繕費用23万8455円を請求し、30万円の敷金返還を拒否してきました。

 そこで、仲野さんは、引っ越し先の旭区借地借家人組合の支援で大阪簡裁へ少額訴訟を起こしました。その約1か月後に公判が開かれ、1回で結審し、その1週間後に前記の判決が出ました。

 勝訴した仲野さんは、「弁護士もつけずに自分で裁判を起こすことに決断がいったが、裁判に勝てたのは本当に嬉しい。組合から提供された建設省住宅局の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』は、大きな励みになた」と語っていました。

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2009年2月20日 (金)

50年以上前の増改築を無断との理由で家主が建物明渡訴訟 (京都)

 2007年9月、京都市伏見区で借家住まいの伊藤さんは、京都・伏見簡裁で勝利判決を勝ち取ったところ、家主から50年以上も前に行った家屋の改築を取り上げ、「無断増改築」との難癖をつけ、「契約解除・建物明渡請求」の裁判を京都地裁へ提訴されました。

 2008年8月7日、京都地裁は、借家人の伊藤さんへ「原告(家主)の請求を棄却する」という完全勝利の判決を下しました。

 判決理由では、「被告の生活(居住及び収入源である営業)を維持する最も基本的な条件である本件建物の賃貸借の継続を危険に陥れるような選択をするとは考えがたい・・・被告が(その後の明確に承諾を得てした小修繕)工事よりも大掛かりな工事である本件改築工事について、賃貸人の承諾を得なかったとは考えがたい」として、「被告は、本件改築工事を施行するにあたり、賃貸人の承諾を得たと認めるべきであるから、本件賃貸借契約に解除理由はなく、原告がした本件解除の意思表示は効果を有さない。」と契約解除の請求を棄却しました。

 その後、家主が不当にも大阪高裁へ控訴し、伊藤さんは引続き係争中になりました。

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2009年2月19日 (木)

家賃債務保証業務の適正な実施の確保の要請等について(国土交通省)

家賃債務保証業務の適正な実施の確保の要請等について

平成21年2月16日

1 概要
 ○近時、いわゆるゼロゼロ物件などの住宅の賃貸業務や、家賃債務保証業務を巡るトラブルが発生していることから、これに関する実態調査を行いました。
 ○また、家賃債務保証業務に関しては、(財)日本賃貸住宅管理協会あてに、家賃債務保証業務の適正な実施の確保を要請する文書を発出するとともに、家賃債務保証の契約や業務の実施に当たって留意すべき事項を、国土交通省のHPに掲載しました。
 ○さらに、いわゆるゼロゼロ物件を含む住宅の賃貸業務や家賃債務保証業務の適正化のための方策を含めて民間賃貸住宅政策について、社会資本整備審議会住宅宅地分科会に設置した民間賃貸住宅部会(2月下旬に第1回部会を開催予定)において、検討を行うこととしています。
2 家賃債務保証業務の適正な実施の確保の要請について(別添1参照)
 ○家賃債務保証業務を行っている企業からなる賃貸保証制度協議会を設けている(財)日本賃貸住宅管理協会あてに、家賃債務保証業務の適正な実施の確保についての要請文を発出しました。
 ○要請文においては、下記3の実態調査の際に提出していただいた家賃債務保証契約書において法令等に違反する可能性のある条項(物件への立入り、開錠の阻害、物件内の動産の搬出・処分などの条項)が見受けられたことから、契約書の見直しの検討を含めて、業務の適正な実施の確保に向けて取り組んでいただくよう要請しています。
 ○また、契約や業務の実施に当たって留意すべき事項(要請文と同内容)を、家賃債務保証業務を実施している者に向けて、広く周知するために、HPに掲載しました(http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/torikumi.html#minkanjuutaku)。
3 家賃債務保証業者の実態調査結果について(別添2参照)
 ○(財)日本賃貸住宅管理協会に設けられている賃貸保証制度協議会の会員に対して、保証契約の締結件数や相談窓口設置状況等を把握するために実施した調査の結果をとりまとめました。
 ○また、賃貸保証制度協議会の会員以外で家賃債務保証業務を行っている企業の数を把握するため、賃貸住宅の管理業者や仲介業者の団体等の協力を得て実施した調査の結果をとりまとめました。
 ○調査の結果把握できた63社については、賃貸保証制度協議会会員向けと同様の実態調査を今後実施する予定です。
 ○同様の実態調査は、今後も定期的に実施する予定です。
4 いわゆるゼロゼロ物件等を巡る相談等の実態調査結果について(別添3参照)
 ○「敷金ゼロ・礼金ゼロ」などをうたい文句とした賃貸住宅(いわゆるゼロゼロ物件)等における家賃回収方法等を巡る相談件数や相談内容を把握するために実施した調査の結果をとりまとめました。
 ○実態調査において、いわゆるゼロゼロ物件と判明している事例において具体的な事業者名が挙げられた1社について、2月にヒアリングを行ったところ、現在は、法令を遵守して業務を行っているとのことでしたが、今後も、継続的に業務の実施状況についてヒアリング等を実施していくこととしています。
 ○ゼロゼロ物件以外について名前の挙がった事業者についても、今後ヒアリング等を実施する予定です。
 ○同様の実態調査は、今後も定期的に実施する予定です。
5 社会資本整備審議会での民間賃貸住宅政策の検討について
 ○民間賃貸住宅政策について集中的かつ機動的に調査審議を行うため、平成21年1月13日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会に民間賃貸住宅部会を設置しました。
 ○2月下旬に第1回民間賃貸住宅部会を開催する予定であり、今後、いわゆるゼロゼロ物件を含む住宅の賃貸業務や家賃債務保証業務の適正化のための方策や、退去時のトラブルなど民間賃貸住宅の紛争の防止・円滑な処理のための方策、良質な民間賃貸住宅の供給及び適正な維持管理のための方策等について、順次検討を行っていくこととしています。


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2009年2月18日 (水)

追い出し屋被害で借り主勝訴(福岡簡裁)

 家賃を滞納したら未明まで支払いの督促を受けたなどとして、福岡市の30代の会社員男性が東京に本社を置く家賃保証会社と同社社員3人に約100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、福岡簡裁であった。野瀬真司裁判官は「生活の平穏を害し、精神的苦痛を与えた」として、同社に5万円の支払いを命じた。

 弁護士らでつくる支援団体「全国追い出し屋対策会議」によると、追い出し屋被害をめぐる訴訟で借り主側が勝訴した判決は初めて。

 判決などによると、男性は07年4月、同社を連帯保証人に福岡市のアパートを家賃5万1千円で借りた。敷金、礼金なしの「ゼロゼロ物件」。給料が減ったことなどから男性が同年6~8月の家賃を滞納すると、同社の社員3人が午後9時ごろに男性方を訪れ、翌日午前3時まで支払い交渉を続けた。

 野瀬裁判官は「午前0時を過ぎた交渉については精神的苦痛を与えたというべきだ」と指摘。ただ社員が男性方に無断で上がり込んで玄関に居座ったなどとする男性側の主張は、「犯罪行為に当たるような強引な取り立てを受けた証拠はない」と退けた。

 判決後、男性は「同じ境遇の人に被害が及ぶのを防ぐための提訴だったので、納得はできる判決」と話した。同社は「判決について、特にコメントすることはない」としている。

2009年2月18日 asahi.com(朝日新聞) 


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