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2006年5月23日 (火)

借地・建物の名義

父親名義の借地に息子名義の建物を
          建てたらどのような問題が生ずるか

(問) 借地契約の名義は父です。新築の建物は銀行融資の関係で息子である私の名義にしようと思っていますが、何か不都合がありますか。

(答) 「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる」(借地借家法第10条1項)。

 借地上の建物につき、借地人が登記をしておけば、土地の所有者が代わっても新所有者に対し、自分の借地権を主張できるので借地の明渡しを求められることはない。この建物登記が借地人本人の所有名義でなされていれば問題はない。

  だが、相談者の場合のように建物登記を長男名義にしなければならない場合も出てくる。また、借地人の死後の相続問題を顧慮して、借地上建物の登記名義を予め妻子名義にしておく場合もある。その場合、借地権を第三者(土地の新所有者)に対抗(主張)出来るのかという問題がある。

 従前は①長男名義の建物登記(東京地裁1951年2月2日判決)、②母名義の建物登記(同1952年6月5日判決)、③未成年の子を名義とする建物登記(東京高裁1954年5月11日判決)に関して第三者に対抗できると判断されていた。

  しかし、最高裁(大法廷)は、借地人が同居の長男名義で建物の登記をした場合について「地上建物を所有する賃借権者が、自らの意思に基づき、他人名義で保存登記をしたような場合に、当該賃借権者は、その賃借権を第三者に対抗する事はできない」(1966年4月27日)としてその借地権の対抗力を否定した。1審・2審の借地人勝訴の判決を破棄し、借地人に建物収去・土地明渡を命じた。

 その後も最高裁は、①妻名義の登記(1972年6月22日判決)、②子名義の登記(1975年11月28日判決)、③義母名義の登記(1983年4月14日判決)について大法廷判決の趣旨に従い終始一貫、借地権の対抗力を否定し続けている。

 以上のことから窺えることは、最高裁の判例の変更の可能性は殆どない。借地人としては、こういう厳格な形式論の判例があるということを承知して借地名義と借地上の建物名義を一致させておく努力は必要である。

 結論としては、最高裁の判例の変更がない限り、借地人と一致しない家族名義の建物登記では第三者には対抗できない。


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