« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »

2007年7月

2007年7月31日 (火)

ペット可のマンションで犬の鳴声が喧しと僅か2ヶ月で契約を解除される

 犬を飼いたくて、ペット可のマンションを探し当てた。家賃6万9000円、礼金2ヶ月、敷金3ヶ月の計34万5000円を支払い今年5月に引越しを完了した。

 ところが入居してすぐに家主から複数の他の入居者から犬の鳴声が喧しいと苦情が出ているので契約を解除する。7月末までに部屋を明渡して欲しいと通告された。納得できないまま7月末でマンションを退去した。

 8月中旬、不動産屋から敷金の清算書が届き、室内クリーニング代・床張替等の原状回復費が差引かれ、8万5800円が返金されることになっていた。僅か2ヶ月で契約を解除され、高額の費用を負担させられ、何とも納得がいかない。

 インターネットで組合を識り、相談した。組合は、引越費用、仲介手数料等は別途請求することにして、取敢えず、34万5000円を少額訴訟で取り返すための準備をした。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月30日 (月)

サラ金から金を借りて、 修理代払え

 立川市柴崎町5丁目の賃貸マンションを今年の1月29日に退去した松崎さんは、以前管理していた株式会社エイブルから、修理見積代金として44万3000円もの請求書が送られてきた。

 退去した時に立ち会った不動産業者からは何の話もなく、どうやら家主自身がエイブルに過大な見積りを要請したもよう。松崎さんは不審に思ったが、松崎さんの方にも壁に数カ所穴を開けた落度もあり「修理代は支払うが、もう少しまけてもらいたい」と頼んだが、エイブルの担当者は「金がなければサラ金から金を借りて支払え」と強迫じみた暴言をはいた。

 困った松崎さんは組合に相談し、組合からエイブルに過大な修理代の支払を拒否する通知を出した。結局エイブルは手を引き、最初に立ち会った不動産屋から組合へ連絡が来て、4者立会いで再見積りをすることになった。再見積り書の中で松崎さんの負担すべき修理代を協議し、当初の見積り代金を大幅に減額させ協議が成立した。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月29日 (日)

建物明渡で裁判中      

  一時使用目的の契約を何回も更新した上で一転明渡し請求

  昭島市中神町で米軍ハウスを借りている立野さんは、子育てをしながら画家の仕事をして頑張っているお母さん。

 平成4年8月に同ハウスを家主と直接交渉して借りた。というのは同ハウスは空家になっていて、不動産屋に聞いても「家主は貸さない」と言われたからだ。建物は木造瓦葺きの平家建で79.33m2と広く、庭もブロックの塀に囲まれていて、敷地も広いので立野さんはどうしても借りたくて、再三武蔵村山市の家主の自宅を訪問し、貸してもらいたいとお願いした。

  結局立野さんの願いが届き、家主も「貸しましょう」と言ってくれた。その時の契約書は「確定期限付」と書かれてあり、その後3回更新したが、その時の契約書は「一時使用目的」とされ、特約として「契約期間中貸主より解約の予告があった場合無条件で明渡す事」と書いてあった。

 昨年7月に入り、家主は突然明渡を請求し、家賃の受領も拒否し、今年の3月には東京地方裁判所八王子市部に建物明渡しで裁判にかけてきた。裁判では立野さんが借りた時や更新の時の経緯が問題になった。家主は明渡の理由は一時使用契約であることと、土地の有効利用の必要性を主張した。

 立野さんは借りた当時も一時使用の合意は一切なかったこと、契約の更新時にも家主から明渡の話しもなく、不動産屋からも一時使用の説明もなく事務的に署名したものであること等を反論し、現在裁判を独力で闘っている。

東京借地借家人新聞より

           


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月28日 (土)

更新料不払い

 借地人8人が一致団結し更新料の不払いで大きな成果

 八王子市本町の大村富三さん他7世帯の借地人一同は、地主の更新料請求の調停申立てに対し、八王子簡易裁判所に調停不調の上申書を昨年9月に提出した。

 上申書には、更新料請求を拒否した経過と、地主の代理人から契約解除の通告を受け、地主には正当事由がないため昨年5月1日をもって法定更新していることを主張した。また、更新料については最高裁昭和51年10月1日判決、同53年1月24日判決で、借地人には更新料支払い義務のないことは確定していることを主張した。

 地主の代理人から「前回更新時の契約書で次回の更新の際に更新料を支払う。金額は契約更新の時期に至った時当事者双方で協議して定める旨の約定がある」との全く嘘の主張に対しては、契約書の中にもそのような合意は一切ないことを明確に反論した。

 八王子簡易裁判所からは、昨年11月19日付で地主側が8名の借地人全員の調停申立てを全て取り下げたとの事由で「調停終了通知」が各借地人に送られてきた。その後現在まで、地主の側からは何らの動きもなく、地主の不動産業者や弁護士まで使った執ような更新料請求はひとまず陰をひそめた。

 最初は地主の代理人から、契約解除の内容証明郵便を送りつけられたり、「更新料を支払わないと孫子の代で借地権はなくなる」と脅かされたり、裁判所に調停を申し立てられたりと、この1年、借地人一同「ハラハラドキドキ」だったが、組合の指示に従ってしっかりと結束したことが、今回の結果に結びついた。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月27日 (金)

階下の居住者者が大暴れ

 酒乱男がバットを振って、
   ドアを蹴るため危険を感じて110番

 国立市谷保の3階建て賃貸マンションの2階に昨年10月に引っ越してきた松政陽子さんは、引っ越して2週間後の11月8日の夜10時頃突然下の部屋から壁を叩くような音がした。だんだん音が近づいてくるので、ドアを開けてみると、男が廊下の手すりをバットで叩きながらこっちに向かってくる。松政さんは、危険を感じてドアを閉めて鍵をかけた。男は、ドアを蹴って「外へ出て来い。ぶっ殺してやる」と怒鳴り始めたので110番した。

 どうやら下の男は酒乱で、普通の生活音にも異常に敏感で、警官が来ても「今度やったらぶっ殺してやる」と叫ぶ有様で、その場は何とかおさまったが、生きた心地がしなかった。

 翌日早速、物件を紹介した不動産会社のエイブルの担当者に連絡し、家主にも事件のことを報告した。下の酒乱男は以前にも同じような騒ぎを起こし、3ヶ月住んで出て行った人がいたことが分った。

 松政さんは、一日も早くここから出て行きたいとエイブルの担当者に相談したが、誠意のある返事が返ってこなかった。困って組合に相談したところ、エイブル本社に直接連絡を入れるようにアドバイスを受けた。その後組合役員と一緒に立川店を訪問した。

 その結果、敷金と礼金3か月分を返して貰い、手数料なしで日野市内の物件を紹介してもらい無事引越しを終えた。松政さんは、「あの時は本当に心細く、組合が地獄に仏と思いました」と語っている。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月26日 (木)

更新料請求を撤回

  八王子市本郷町で70坪を借地している中西さんは、今年の6月末で契約期間が満了する。地主の代理人の弁護士から、①更新する意思があるか。②更新する場合は地代を月額坪当り500円から750円に値上げする。更新料については協議して欲しい。③契約書を作成して欲しい。以上3点について回答を求められた。

 中西さんは、組合から内容証明郵便で①更新については旧借地法第4条に基づき前契約と同一条件で更新を請求する。②更新料は法律上支払義務のない金銭であり支払えない。地価下落の中50%の値上げには応じられない。③前契約と同一の条件で地代を据え置くなら契約書の作成には応じる用意はあると回答した。

 地主はその後、無断で増改築したとの因縁をつけてきたが、壁や屋根を塗装し、窓をサッシにしただけで増改築には当たらないと反論。その後、脅しが通用しないとわかったのか地主の態度が変わり、協議の結果他の借地人も含め坪20円の値上げで決着した。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月25日 (水)

一年間で退去したのに床と天井と壁の全て張替え請求

 千葉県の佐倉市に住む佐々木裕香さんは、200年4月に国立大学に入学。大学生協の紹介で学生専門の不動産仲介業者の(株)学生情報センターの仲介で国分寺市本多の共同住宅に入居した。

 中央線国分寺駅から徒歩13分のワンルームマンション5・51坪で家賃は月額52000円・共益費8000円、契約金として入館料15万円、敷金12万円、紹介手数料5万4180円、鍵交換費用1万500円、NASICCLUB1万8900円、町内会費600円などで全て合計で41万8380円を支払った。

 なお、この契約は1年契約で佐々木さんは、1年後の契約更新で更新入館料15万円、更新手数料5250円、NASICCLUB1万8900円、町内会費600円合計17万4750円を支払って更新した。

 佐々木さんは、家賃や契約更新の費用がかかるので自宅から通学することに決め、昨年10月に退去した。
 10月17日に業者が立会いを行ったが、補修箇所をチェックし後日精算明細書を送ると言われた。

 今年の1月に送ってきた清算書をみてビックリ。清掃料以外にも居室の床・天井・壁が全て張替えで合計9万3449円、敷金は2万6551円しか戻ってこない。

 佐々木さんは紹介を受け組合に相談。
 組合では早速学生情報センターと交渉したところ、佐々木さんの要望通りの金額を返還すると返答。少額訴訟の手続きを取ることなく早期に解決した。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月24日 (火)

屋根の葺替え実行

    組合役員が付っきりで見張り
          屋根の葺替え実行
            地主の妨害全く受けず

 江東区東砂3丁目の借地でクリーニング店をやっている中瀬さんは、建物の雨漏りがひどいので、屋根の全面葺替えをすることにした。

 地主は、地元では有名な強欲地主。中瀬さんは、かつて昭和63年の契約更新時に堅固な建物を建てる予定で更新料、名義書換料、借地条件変更料、増改築承諾料として僅か21坪で483万円もの大金を支払って30年間の契約書を作った。

 契約書には「5年以内に1回限り甲の承諾なしに建物の増改築を認める」と書かれているが、中瀬さんは増改築をしないまま他界され、5年の期限が過ぎてしまったため、せっかく支払った建替承諾料が無駄になってしまった。 

 そんな経過があって、今回の屋根の葺替えは、地主がどんな態度にでるか分からず、心配なので、組合の応援を受けて工事を進めることにした。

 7月18日着工。2日間で工事は完了した。工事中は組合役員が付きっきりで見張りをしたが、地主からは、なんの妨害も受けなかった。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月23日 (月)

新家主から店舗の明渡し

       立退料192万円の提示を断る
                  従前と同一の条件で更新

 JR立川駅から徒歩10分ほどの高松商店街で書店を経営している比留間さんは、借地人である家主が立川駅前で経営する中華料理店が倒産したため、借地権と建物を今年の6月10日付で地主に売却した。地主である新家主から、6月5日に「立ち退き通知書」送られてきた。

 内容は、5月31日付で前家主との間で借地権と家屋の売買契約が成立した。立ち退きの件については、家賃月額16万円の12か月分192万円を支払う。敷金百万円は立ち退いた後原状に復帰した時点で精算する。

 比留間さんは、昭和52年に開業して今年で25年になる。長引く不況と駅前の開発の影響で、櫛の歯が欠けるように廃業する店が相次ぎ、隣の家具店がやめた跡地を地主は現在駐車場用地として貸している。比留間さん達を立ち退かせることが出来れば大きなマンションも十分に建つ。

 その後、家主は2年間のみ貸す等の条件を提示してきたが、組合の支援も受け比留間さんはいずれも拒否。結局6月1日から前家主と全く同じ条件で3年契約を更新した。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月21日 (土)

増築

    更新料は断わり、地代は相当額で供託中

 小平市小川西町で54坪を借地している大崎さんは平成3年に地主から契約書を送りつけられ、契約の更新の名義変更料として200万円を請求された。都の相談室の弁護士に相談し、法律上根拠のない名義変更料と契約書の作成を拒否した。

 すると地主は、翌年の平成4年に地代を坪1100円から1400円に値上げしてきた。 大崎さんはたまらず値上げを拒否し、坪1100円で地代を供託した。

 大崎さんは母親と夫婦と子供3人の6人家族で、子供さんも成長したので、増築して子供の勉強部屋を作れないか思案し組合に相談をした。

 幸い、大崎さんの最初の契約書には増改築の定めがなく、また大崎さんは東京都の職員で都の職員共済組合で地主の承諾書がなくても融資が可能であることなどから組合の紹介で住宅生協に工事を依頼した。

 工事は4ヶ月間かかったが、幸い地主の妨害もなく工事は順調に行なわれて完成した。子供達も自分の部屋が出来たと大喜びだ。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月20日 (金)

借地を返還するなら建物を無償で贈与しろ

      借地の無償返還を撤回して借地権の有効活用へ

 八王子市小門町で借地をしている松本さんは、大空襲で借家を焼かれ、戦後母親がバラックを焼け跡に建てそこに住みつき借地をするようになった。

 戦後の都市の復興を促進し、戦災で滅失した建物跡地における借地借家関係を統制する目的で、昭和21年に罹災都市借地借家臨時処理法が5年間の臨時法として制定された。戦前の東京では借家が7割以上を占めていたといわれ、松本さんのように戦後借地権を取得する事例が多かった。

 松本さんが相続で借地権を引き継ぎ、昭和47年に地主の了解を得て自宅を建替えた。その後、平成4年に2度目の契約更新を迎え、地主から30坪で800万円の更新料を請求され、高いとは思ったが当時月額1万円だった地代を更新料の分割払い分を含め月額4万円に増額することに応じてしまった。

 松本さんには、3人の娘さんがいるが、長女と次女は嫁ぎ現在は奥さんと三女の娘さんと同居。娘さんが将来住むために建てた八王子市内の家が事情で住まなくなったため松本さん達が住むことになった。松本さん達が住んでいた借地を地主に返すとことにした。

 地主は当初更地にして返せといっていたが、建物を貸したいので建物を無償で贈与しろと言ってきた。どうしたものかと考えあぐねていた時組合に相談に行った。借地権を無償で返す必要はない。公道にも面し日当たりもいい土地なので、借地権を活用した方がいいと助言を受け、地主に借地を返すことを撤回することにした。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月19日 (木)

契約が満了した場合は契約の更新しないという特約条項書き込まれたが

 (問) 店舗併用住宅を借りて食料品店を営んでいる。5年前の契約期間満了の際に明渡し問題で家主との間でトラブルがあった。その時は契約更新が出来たが、契約書に「期間が満了したら本契約は終了し、更新はしない」という特約条項を書き込まれた。その期間が先月で満了し、家主から強く明渡しの催促をされている。移転先の当てもないので、そのまま営業しているが、①店舗を明渡さなければならないのか。
 また先日、家賃を今まで通り銀行振込したところ、家主は内容証明郵便で「建物の明渡し要求と当月分の振込金は建物使用損害金として受領する。なお今後の振込まれるものも損害金として受領する」という旨の通知をして来た。損害金としえ受取るいうが、②このまま振込みを続けていればいいのか。

 (答) ①に関しては借家を明渡す法律上の必要義務はないというのが結論になる。理由は賃貸契約書に記載された「期間が満了したら本契約は終了し、更新はしない」という特約条項借地借家法第30条の強行規定に反するからである。即ち30条は「この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする」と規定している。従って借地借家法第26条の法定更新制度を否定する特約は当然、法律的に無効扱いになる。

 ②に関しては家主が「損害金として受領する」というのは賃貸借契約の存在を否定し、賃料として受取らないという意思表示であるから、支払いをしてはならない。次回の家賃支払は法務局へ家賃弁済供託という方法で支払う。

 今回の従前通り銀行振込みにした家賃に関しては、次のような書式で「私が*日に振込んだ家賃に対し、貴殿から建物使用損害金として受領するとの御通知を受けましたが、私は*年*月分の家賃として支払ったものであることを通知します。」という趣旨の配達達証明付き内容証明郵便配で家主へ送っておく必要がある。
 次回弁済供託をする場合、供託事由の欄の記載は「明渡しを請求され、あらかじめ家賃の受領を拒否され目下係争中のため受領しないことが明らかである」と記載する。

 供託書を提出する時に「供託カード」の発行の申出をし、カード発行を受けると次回のOCR供託書に記載する項目を大幅に省略できる。即ち①申請年月日②供託カード番号③供託者氏名④供託金額⑤供託する賃料欄の年月を記載するだけで済んでしまう。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月18日 (水)

明渡で全面勝訴

     受領を拒否され供託すると 
            供託無効だと借地契約解除

 小平市小川西町に住む北久保さんと当間さんは、一昨年以来地主と係争していた「建物収去土地明渡請求事件」で昨年11月25日に東京地裁八王子支部で原告の地主の請求を棄却するという借地人全面勝訴の判決を勝ち取った。

 裁判では、原告は「昭和63年分から平成3年分の賃料は原告に弁済の提供をしておらず、原告は受領を拒絶していないので、被告のした供託は無効である」、「平成3年12月4日到達の書面で、昭和63年1月1日以降の遅延賃料を書面到達後1週間以内に支払うよう催告したが、期限までに支払がないので契約は解除された」などと主張。

 北久保さんは、昭和63年12月頃、平成元年4月25日に昭和63年12月頃、平成元年4月25日に昭和63年分の賃料を提供したが、原告から受領を拒否されている。また、平成3年12月16日到達の書面で、平成2年分まで賃料を供託しており、遅延賃料など存在しないと反論した。

 裁判では、借地人が平成3年度分の賃料の供託がたった1週間地主の催促日より遅れたことが問題となった。

 判決は「建物所有目的の土地の賃貸借契約の解除については、債務不履行を理由とする解除要件が形式的に満たされていたとしても、債務不履行の態様が未だ賃貸人賃借人間の信頼関係を破壊したとはいえないような事情がある場合には、信義則上解除の効力を主張することは許されない」と判断した。
 地主は控訴できず、判決は確定した。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月17日 (火)

非訟手続で建物を建替え

 大田区池上4丁目の若林さんは、親の遺産借地約60坪を継承した。
 しかし、地主は「親に貸したのでお前に貸した覚えはない」と、相続を認めようとしない。しかも地主は不動産業者に依頼して土地の返還を求める始末だ。業者に諌められて等価交換の話になったが、地主は業者の説得も聞き入れず、7割、6割の取り分を主張するので業者は手を引き、協議は決裂した。

 若林さんが望んでいた家屋建替えの承諾も再三にわたり拒否し、地代は供託するに至った。
  昨年、建替えの非訟手続を取ったが、地主は一度も出廷せず、今年の4月に承諾料が確定した。

  そこで、支払のため地主に連絡しても応じず、若林さんと組合役員が直接地主を訪ねたが地主はドアも開けずに受領拒否。若林さんは直ちに供託し、建替え工事に着手した。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月16日 (月)

原状回復請求34万が

                   修繕費で追及
            請求内容の不備を指摘すると
              請求額をどんどん下げる

  練馬区に住む沖山さんはある大手の管理会社が管理しているマンションに住んでいた契約どおり1ヶ月前に管理会社に通知をして退去する事になった。引越当日は、6年間も住んでいたので、絨毯や畳の一部は家具を置いたところと置いてないところなどでは日焼けなどで色が違っていた。又、本人の過失で襖に穴などがあいていた。台所などでも冷蔵庫などが置いてあった所とそうでない所では汚れなどで色などが違っていた。そのような個所、気になるところはほとんど全部写真に写しておいた。

 退去してから、管理会社から、原状回復費用を請求されて愕然とした。19万2000円の敷金に対して、請求はなんと約34万円の請求だった。沖山さん、こんな馬鹿な事があっていいものかと思いトラブル対策ガイドの本を見て、借地借家人組合に電話。

 組合で、敷金返還と原状回復についての知識を得て、このような費用の請求は原状回復とは違うのではないかと管理会社に電話すると2回目の請求金額は約22万円になった。FAXで送れてきた請求内容と写真をみて原状回復費用とは無縁の次に入居する人のためのリフォーム代であるということで再度、電話した。

 3回目は12万円になった。応対した大手管理会社の社員は国土交通省のガイドラインに照らしているといってこの金額が正当であると言っている。沖山さん「バナナの叩き売りでもあるまいし、こちらが知識をもって交渉すると値引きする。こんな事が大手の会社が行っていることは許されない。裁判も辞さない覚悟で最後までがんばる」と語った。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月13日 (金)

敷金の90%を返還

      いい加減な修繕請求を拒絶
         敷金の90%返還

 草加市青柳の黒田茂さんは、足立区内のマンションを昨年10月末日に退去した。11月28日に家主の不動産業者から49万6650円の退室精算書が送られて来た。黒田さんの預けてある敷金49万5000円に対して1650円不足しているという内容。黒田さんは、照明配線の修理代以外は、何もいじった物や故意・過失で壊したものがないので怒り心頭。

 黒田さんは家主が死去し相続中のため、照明配線の修理代2万5000円を差引いた敷金残金47万円を7日以内に返還せよと家主の不動産業者にFAXで通知した。

 すると、家主の不動産業者は、15万3300円という退室精算書を再送付してきた。全くいい加減な請求なので、直接、不動産業者に談判した。その結果、まず請求外の敷金残金34万1700円を直ちに返還させた。

 次に、相続人の代表者との直接交渉を要求したが家主側は相続でもめているとのこと。結局、家主の弁護士との交渉で黒田さんは残金10万3300円を返還させた。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月12日 (木)

更新料を請求される

      地主からの更新料請求は断わり、
                 法定更新を主張した

 昭島市拝島町で113坪を借地している森谷さんは、地主から今年の4月末で借地契約が満了するので、更新料として205万9000円を試算したので協議に応じるよう通告された。

 森谷さんは、戦後間もなく義理の兄が工場として借地していた土地を地主の了解を受け、昭和30年に名義変更して借地権を引き継いだ。

 その後、地主から20年経過した昭和51年に契約書を作成するとの話があり、森谷さんは法律のことは何も分からず、言われるままに契約期間10年の更新契約書を作成した。

当初、旧借地法第5条に基づきさらに20年間法定更新されると、平成28年が更新時期で今年は更新時期ではないと主張したが、地主は借地法2条1項に基づき、期間10年は無効となり、当初の存続期間30年で、そこから契約時期が始まっていると主張してきた。

 その後、森谷さんに事情を聞いたところ、戦後兄が契約した当時は、契約書もなく借地の目的が建物所有を目的としていたかどうかも不明で、昭和51年に森谷さんの自宅を建てるために初めて契約書を作成した経緯があった。

 そこで、今年の4月末日で契約期間が満了したという地主の主張は認めるが、契約期間満了後も借地の継続について地主は異議を述べていないことから、森谷さんは法定更新を主張することにした。また、更新料については支払い義務がないことから、はっきりと拒否することにした。

東京借地借家人新聞より

借地法
第2条
 借地権ノ存続期間ハ石造、土造、煉瓦造又ハ之ニ類スル堅固ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付テハ60年、其ノ他ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付テハ30年トス
但シ建物カ此ノ期間満了前朽廃シタルトキハ借地権ハ之ニ因リテ消滅ス
 契約ヲ以テ堅固ノ建物ニ付30年以上、其ノ他ノ建物ニ付20年以上ノ存続期間ヲ定メタルトキハ借地権ハ前項ノ規定ニ拘ラス其ノ期間ノ満了ニ因リテ消滅ス
第3条 契約ヲ以テ借地権ヲ設定スル場合ニ於テ建物ノ種類及構造ヲ定メサルトキハ借地権ハ堅固ノ建物以外ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノト看做ス
第5条 当事者カ契約ヲ更新スル場合ニ於テハ借地権ノ存続期間ハ更新ノ時ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年トス
此ノ場合ニ於テハ第2条第1項但書ノ規定ヲ準用ス
 当事者カ前項ニ規定スル期間ヨリ長キ期間ヲ定メタルトキハ其ノ定ニ従フ
第11条 第2条、第4条乃至第8条ノ2、第9条ノ2(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及前条ノ規定ニ反スル契約条件ニシテ借地権者ニ不利ナルモノハ之ヲ定メサルモノト看做ス

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月11日 (水)

納得できる条件で立退き合意

         納得できる立退き条件で家主と合意

 江戸川区船堀7丁目の借店舗で靴屋を営む仲谷さんは、40年前の建物新築時から入居していた。建物は、各所で雨漏りがする状態になり、居住者が1人減り2人減りして、今では仲谷さんがたった1人になってしまった。

 家主は2000年8月に明渡調停を。調停は、結局2回開いて取り下げた。仲谷さんは雨漏りがひどいので家主に「…本書到達後10日以内に修繕してくれない場合は、当方で修繕しその費用は家賃と相殺します」という内容証明郵便をだしていた。

 ところが、本年7月に来た台風で隣の店の表看板が落ちた。家主は、消防署と警察から警告を受けた。 この事件を契機に、こう着状態であった交渉が一気に進展した。

 家主の代理人の不動産業者と組合の協議が7月24日に再開。組合は仲谷さんの営業補償を要求。即日、家主は応諾した。8月2日には、仲谷さんが納得できる条件で立退合意を家主と行った。 

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月 9日 (月)

借地権譲渡で合意

  大田区上池台5丁目に居住する小林あきのさんが、組合への加入は供託所で当組合員と知り合い紹介されたことだった。

 48・8坪の借地に関する更新料550万円の請求を受けて、117万円余の支払いを提示したが合意に至らず供託することになったが、80歳を越えて体には大変厳しいとのことで平成7年6月に組合に加入した。

 同年12月には、小林さんが提示した更新料の相当額を求めて地主は調停裁判に持ち込んだが、不払いを主張し不調になった。

  翌年10月には明渡しの裁判になった。裁判で地主は立退料1500万円を提示。高齢で1人暮らしの母を心配する息子の意見を受入れて、息子の住む川越市に移転する方針で裁判に望んだ。1年半の時間が掛かったが、この程、提示額の2倍余の金額で今年の6月末引渡しの内容で合意した。

 先日、小林親子が組合事務所にきて、息子は自宅に母の住いを確保したと報告。当初は心配したが大変満足できる内容になったと喜んでいる。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月 7日 (土)

非訟手続で堅固建物の許可を得る

      大道路拡幅での建替えに
               地主が承諾せず裁判所に申立て

 東村山市栄町2丁目で、西武線の八坂駅の傍でパン屋を営業する澤田浩司さんは、東京都の道路拡幅工事で建物と借地の一部112坪が買収されるため、拡幅後の残地176坪に堅固建物を建てるため平成8年地主に許可を求めた。

 地主は建替えを許可しないばかりか、道路拡幅の借地権の補償も5分5分を主張したため、澤田さんは同じ借地人の阿倍さんとともに東京地裁八王子支部に借地条件変更の申立てを行った。審理は長期化し、鑑定も2度行われた。昨年の5月8日にやっと裁判所の「決定」が下りた。

 決定は、澤田さんの道路拡幅後の残地に鉄骨造地上4階建の堅固建物を建てることを認め、付随処分として条件変更に伴う財産上の給付として更地価格1708万円の1割170万8千円が相当であり地代は月額2万4844円(残地月額1万5167円)に変更することが決まった。

 裁判所の判断では、道路拡幅で澤田さんの店が全てなくなり、2階も居宅の6畳2間を失い営業も生活も出来なくなることから、4階建の堅固建物に改築することが必要であることが認められた。借地の一部についてのみ条件変更の申立てをすることは許されないとの地主の主張については、「相手側に不当な不利益は認められない」と退けた。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月 6日 (金)

地代の増額請求に対して5年の短期消滅時効を認めた事例

  判例紹介

 月払いの地代は民法169条にいう5年の短期消滅時効にかかりかつ、地代値上げ請求にかかる増加額についても所定の弁済期から消滅時効は進行を始めるとして、提訴5年前までの賃料分に関する適正地代確認の訴を棄却した事例 東京地裁昭和60年10月15日判決、判例時報1210号61頁以下)

 (事案)
 地主Xは借地人Yに対し、土地を賃貸し、昭和43年6月当時賃料は月額2015円であった。
 Xは同43年、46年、48年、52年の各7月にそれぞれ賃料値上げ請求をし、更に55年8月と57年11月にも値上げ請求した。

 YはXによる右値上げ請求を争ったので、Xは同58年12月17日に、適正地代がXの値上げ請求金額であることの確認請求訴訟を提起した。

 Yは、抗弁として、本件賃料債権は月払いであるから、民法169条の5年の短期消滅時効にかかる。したがって、Xが提訴した同58年12月17日より5年前までに支払期日の到来している同53年11月までの賃料債権は、時効によって消滅した。故に消滅した分については適正地代額に確認を求める訴えは、利益がないから棄却すべきであると主張した。

 これに対し地主Xは、消滅時効は権利者が権利を行使しうるときから進行するところ、地代増額請求にかかる増加額について地主の権利行使が可能となるのは、増額を正当とする裁判が確定した時であるから、Yの消滅時効の主張は失当であるとして争った。

 (判旨)
 「本件賃料債権は、民法169条所定の債権に該当する。
 ところで、借地法12条2項は、賃料の増額につき当事者間に協議が調わないときは、増額の請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める賃料を支払えば足り、裁判が確定した場合に、すでに支払った額に不足があるときは、不足額に年1割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払うことを要する旨規定する。

 右規定の趣旨は、賃料の増額請求があったときは、客観的に適正な賃料額に当然に増額の効果を生じ、賃借人はその額の支払義務を負うに至るのであるが、(中略)増額についての裁判が確定するまでの間は、賃借人は、自己が相当と認める賃料を支払う限り、遅滞の責を負わないものとしたのである。(中略)
 したがって、賃料債権自体は発生し、かつ、本来の賃料支払期日に履行期が到来しているものというべきである。

 賃貸人は、その支払を求める給付の訴又はその確定を求める確認の訴を提起して、消滅時効を中断することができ、又、給付判決が確定すれば強制執行をすることも妨げられないんであって、権利を行使するについて特段の障害があるものと解することはできない。
 したがって、右のような増額請求にかかる増加額についても、所定の弁済期から消滅時効が進行を始めるものと解するべきである。

 具体的な給付請求権が時効消滅した場合には、他に特段の必要のない限り、もはや確認の利益は失われるものと解すべきである。」と、5年前までの請求を棄却した。   1987.03.

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

地代の増額請求で今回と同様に消滅時効が認められた判例(名古屋地裁昭和59年5月15日判決

  民法
 (定期給付債権の短期消滅時効)
第169条
 年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、5年間行使しないときは、消滅する。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月 5日 (木)

*土地賃貸借権の時効取得が認められるとされた事例

判例紹介

 土地賃貸借権の時効取得が認められるとされた事例 (最高裁昭和62年6月5日判決

 (事実)
 賃借人は昭和25年5月に平野善徳から建物を買い所有権移転登記受け、土地は地代年1600円の約束で賃借して地代を平野善徳に支払っていたが、昭和55年になると、磯野吉太郎という人から、土地の所有者は自分であるから建物を収去して土地を明渡して貰いたいと要求された。

 登記簿上の所有名義は磯野吉太郎になっていた。賃借人は、所有者でない人から借地したわけであるが、土地所有者からの土地明渡請求に対して賃借権を時効取得したので明渡す義務はないと争った。

 1・2審とも賃借人の時効取得の主張が認められ、最高裁判所も賃借人の主張を認めた。

 (判決要旨)
 他人の土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、その用益が賃借の意思に基づくものであることが客観的に表現されているときには、民法163条により、土地の賃借権を時効取得するものと解すべきことは、当裁判所の判例)とする所であり、他人の土地の所有者と称する者の間で締結された賃貸借契約に基づいて、賃借人が平穏公然に土地の継続的な用益をし、かつ、賃料の支払いを継続しているときは、前記の要件を満たすものとして、賃借人は、民法163条所定の時効期間の経過により、土地の所有者に対する関係において右土地の賃借権を時効取得するに至ると解するのが相当である。

 これを本件についてみると、本件土地は、磯野泉蔵の所有であったが磯野吉太郎が相続したこと、昭和3年に磯野泉蔵から土地の提供を受けて平野定次が建物を建てて居住していたところ平野善徳が建物を相続したこと、賃借人は昭和25年5月12日平野善徳から建物を買受け、土地については賃貸借契約を結び、平野善徳に賃料を支払って居住してきたこと、昭和55年まで磯野吉太郎から土地の明渡しを求められたことがなかったこと、以上の事実関係のもとにおいては、賃借人の本件土地の継続的な用益が賃借に基づくものであることが客観的に表現されているものと認めるのが相当であるから、20年を経過した昭和45年5月12日に土地賃貸借権を時効取得したものということができる。

 (解説)
 賃借権も時効取得できるということが最高裁判所の判例になっている。時効というのは、既成事実が長期間続くと無権利者も権利者に変えてしまう効力がある。それだけに、裁判の実際では、時効を認めてもらうのは簡単ではない。    1988.4.

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

  

最高裁昭和43(1968)年10月8日判決がある。

(所有権の取得時効)
第162条 20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

 10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

(所有権以外の財産権の取得時効)

第163条 所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い20年又は10年を経過した後、その権利を取得する。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月 4日 (水)

地代を固定資産税及び都市計画税の2.4倍とする約定を認めた事例

判例紹介

 1、最近における固定資産税の増徴にかかわらず土地の賃料を固定資産税及び都市計画税の税額の2.4倍とする約定が合理性を失わない。
 2、土地の固定資産税の評価額は土地の収益力を資本還元した収益還元価格を超えることはできない。 
(東京高裁平成9年6月5日判決、判例タイムズ940号280頁以下)

 (事案の概要)
 東京銀座の土地(借地)上にある建物の増額請求を求める賃料の確認訴訟。家主は従前の賃料が近隣の賃料と比較して低額であるとして、最近における固定資産税等の増額に伴い、建物敷地の地代額が急激に上昇したため、家主が建物の賃料に転嫁しようとして大幅な賃料の増額を求めていた。一審判決は不動産鑑定の結果をそのまま採用したが、家主はこれを不服治して控訴していた事案。

 家主は、従前の賃料近隣に比較して低く、同一建物の他の貸室の賃料の5分の1に過ぎないことを一審の鑑定は無視していること、鑑定による増額後の賃料でも、家主は高騰した地代を含む経費を支払えば損失が出ること等を理由に鑑定は採用すべきでないと主張した。

 一方、借主は、最近のように固定資産税等が急激に上昇している状況のもとでは、土地の地代を固定資産税額の2.4倍とする土地所有者と借地人である家主との間の約定は、合理性を失っており、その効力はないから家主は土地所有者に対して右倍率による地代を支払う義務はないと争った。そこで右地代改定の約定の効力が争点となった事案である。

 (判旨)
 「もともと土地の固定資産税等は、土地の所有者がその土地を相当な地代で他に賃貸するなど、これを有効利用している場合にはその土地からあげることの可能な(実際に上げているということでない。)収益(賃貸の場合で権利均等の授受がなけれ賃料)の範囲内において、その一部を納税資金に充てることにより、納税することが可能であることを前提として算出される仕組みとなっている。

 すなわち固定資産税の標準税率の合計は1.7%となっているが、この税率は土地からあがる収益が固定資産税評価額のおおよそ5%程度であると想定し……その約5%の収益の内、約3分の1の1.7%を税金として徴収するという、大きな枠組未を前提として算定されている。

 ……最近における固定資産税評価の評価が土地の収益を過大に評価し収益力に見合う金額(程の収益還元価格)を上回る違法なものであるならば格別、そうでない限り固定資産税等の金額を2.4倍した金額を地代とする旨の当事者間の合意は合理性を失っていないのであって、その努力を否定するものとはいえない

 (寸評)
 判旨は税金の2.4倍を適正としているが、固定資産税の法的性質や税率の在り方など税法、税政策をほり下げたところから考えなければならない問題を含んでおり、この判決の基本認識の是非について検討する必要がある。    1997.11.

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月 3日 (火)

賃借人の通常使用による建物の損耗・汚損の修復費は保証金の償却費の中に含まれる

 判例紹介

 賃借人が通常使用することによって生ずる建物の損耗・汚損の修復費は、解約時の保証金の償却費の中に含まれるとされた事例 大阪高裁平成6年12月13日判決、判例時報1540号52頁)

 (事件の概要)
 XはYからビルの一室を賃貸したが、それには2つの特約があった。①保証金特約=保証金は160万円とし、YはXに解約時に100万円を控除した60万円を返還する。②損害特約=Xは貸室内の建具、壁、天井、床その他貸室及びその関連するすべてに対し、故意又は過失により損傷を与えたときは、別途その損料を支払う。

 Xは契約締結後1年2カ月経過した時点で解約して明渡し、保証金特約に従って60万円の返還を求めた。

 これに対しYは、Xが契約期間中に室内を損傷したためその修復費用として60万円が必要であるとして右の②損害特約に基づき、原状回復支払債務60万円と保証金返還債務60万円と相殺したとして、返還を拒否した。

 (判決要旨)
 1審の大阪簡裁、2審の大阪地裁とも、本件貸室の内部に、流し台東横の柱の下部などの顕著な汚れ、北西隅の柱のクロス剥がれ、入口ドア木枠の削れ、南壁のねじ釘穴、床の染みやPタイルの損傷があったことを認定し、Yの主張を入れてXの請求を棄却した。

 これに対し上告審の大阪高裁は、損傷については1・2審と同じ認定をしたが、3点にわたって疑問を呈示し、この疑問点を解明するために大阪地裁の判決を破棄し同地裁に差戻して審理のやり直しを命じた。

 3点のうちの1点は前記②損害特約の関するもので、次のように判示している。「本件特約にいう損傷には、賃借人による賃借物の通常によって生ずる程度の損耗・汚損は含まれないものと解するのが相当であり、特に、本件特約契約における保証金160万円は、契約終了時には約60%にもあたる100万円を控除して返還するものとされていることからすれば、右のような通常使用によって生ずる損耗・汚損の原状回復費用は、右保証金から控除される額によって補償されることを予定しているものというべきである」。

 (寸評)
 僅か1年2カ月しかいない借家人から保証金160万円を全額取り上げてしまおうというのであるから相当な悪徳家主である。判決は当然である。

 ただ一つ疑問なのは、前記の①の保証金特約がなくても、②の損害特約にいう「損傷」には通常の使用によって生ずる程度の損傷は含まれないと判示していると読めるかどうかである。判決文の「特に」以下が気になるところであるが、右に引用した部分以外も含めた判決文全体からの構成からすればそのように読んでも差し支えない。近時、敷金返還問題が多発している折、借家人に有利な判決として活用の余地がある。  1996.10.

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年7月 2日 (月)

公道に面する一筆の土地の内公道に接しない賃借人に通行権を認めた事例

 判例紹介

 公道に面する一筆の土地に面する部分が所有者によって使用され公道に接しない残余の部分が賃貸された場合に、賃借人に通行権を認めた事例 (東京地裁昭和62年5月27日判決、判例時報1269合89頁以下)

 (事案)
 X(借地人)の先代は、Y(1)から乙土地を賃借して、同土地上に建物を建築して所有していたが、死亡してXが賃借人の地位を承継。

 乙土地は、4つの地番の各土地に囲繞されていて公道に接しない。右各土地のうち甲土地はY(1)の所有であったところ、その土地の持分の一部を妻のY(2)に贈与し共有となっており、甲土地の東側は公道に面し西側は乙土地に接している。

 (その余の3つの土地は第三者の所有地)Xの先代は、賃借当初には甲土地内の南側境界線から北側に幅約3mの通路を開設させ、そこを日常的に通行していた。その後、右通路は甲と地上の建物の拡張で幅員が約1.8mに狭められたが、約20年にわたり通路として使用。

 その後、Y(1)が、甲と地上の建物の増築に際し、建築確認の都合上、前記通行を建築確認が終了まで見合せてほしいと要望し、Xの先代は、北側に隣接する第三者所有の丙土地の空地部分をその者の好意で通行する至った。

 ところが、Y(1)は甲土地と乙土地との堺にブロック塀を設置したため、甲土地内の通行が事実上不可能となり、XもY(1)に通路の再開を求めないままに丙土地を通行していた。

 ところが、丙土地の所有者が同地にマンションを建築する計画を立て、Xに対し丙土地の通行をやめ、甲土地の通行を求めことから、Xは、Y(1)、甲地に隣接する丁土地所有者、丙土地所有者の間で、Xの通行について協議し、その結果、Y(1)は甲土地内に従前と同様に幅員1.8mの通路を再開し妨害物除去費用はXの負担とする。丙土地所有者は工事完成後にXに対し従前通りの通行を認める等の合意が成立。

 ところがY(1)、Y(2)は、右約定の通路内にブロック塀、鉄階段、物置を設置したまま、前記合意成立直後頃からXに対し丙土地の通行をすべきとして約束を履行しないため、XがY(1)に対し、乙土地の賃借権を有することの効果として、又は前記合意に基づき、Y(2)対しては、賃借権に基づく囲繞地通行権又は前記合意に基づき、通路の使用妨害禁止および工作物の収去を求めた事案。

 (判旨)
 「公道に面する一筆の土地の所有者が、その土地のうち公道に面しない部分を賃借し、その残余の公道に面する部分を自ら使用している場合には、所有者と賃借人との間において通行に関する別段の特約をしていなかったときでも、所有者は賃借人に対し賃貸借に基づく賃貸義務の一内容として右残余地を当該賃貸借契約の目的に応じて通行させる義務があるものと解される最高裁昭和44年4月13日判決)」。

 「(略)賃貸人であるY(1)が準袋地を使用収益させることの義務の一内容としての、甲地を通行させる義務は、潜在的には、依然として存続していたものというべきである」

 (寸評)
 類似事案は多い.判旨の前段部分には異論はなかろう.後段の判断は事実関係に左右される。  1988.11.

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »