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2009年3月

2009年3月30日 (月)

サブリース契約において賃料増額の合意が無効とならず認められた事例

 判例紹介

 平成7年に締結された建物賃貸借契約(サブリース契約)において、平成13年7月から賃料を増額する旨の合意が借地借家法32条1項に反して無効とはならず、合意どおりの賃料増額が認められた事例 (東京地裁平成15年3月31日判決、判例タイムズ1149号307頁)

 (事案の概要)
 X(貸主)とY(借主)は、XY巻で平成7年1月6日に締結された建物賃貸借契約(サブリース契約)において、月額賃料に月、平成7年1月~同年6月30日まで3485円/㎡、同7月1日以降5869円に増額する旨の合意(以下「本件賃料増額合意」という)をした。Xは、本件賃料増額合意に基づき平成13年7月1日以降本件建物の月額賃料は5869円/㎡に増額されたとして、Yに増額分の賃料の支払を求め、Yは、本件賃料増額合意は借地借家法32条1項二違反して無効であるなどと主張して同日以降の月額賃料は従前通り3812円/㎡を超えては存在しないことの確認を求めた。

 (判決)
 本判決は、本件賃料増額合意が借地借家法32条1項に反して無効となるか否かにつき、「借地借家法32条1項は強行法規と解されているが、その趣旨は、同項が直ちに賃料にかかる特約を無効とすることにあるのではなく、むしろ、賃料にかかる特約が、同項の適用を排除することができないことにあるにすぎない。そして、借地借家法32条1項は、当事者に対し、公平の見地から、相当な額まで賃料の増減を請求することができる権利を付与するものであるが、この相当な賃料額を定めるに当たっては、同項所定の諸事由に限ることなく、請求当時の経済状況及び従来の賃貸借関係、特に当該賃貸借の成立に関する経過その他諸般の事情を斟酌して、具体的事実関係に即し、合理的に定めることが必要である。(中略)したがって、当事者間の賃料にかかる合意が、借地借家法32条1項に反して無効となるか否かは、同項所定の諸事由、賃料が増額される時点の経済状況及び従来の賃貸借関係(特に当該賃貸借の成立に関する経緯)その他諸般の事情を斟酌し、当該合意の内容が当事者間の公平を著しく害するか否かという基準で決するのが相当である」と判示したうえで、上記の諸事情を具体的に斟酌して、本件賃料増額合意はXY間の公平を害するものとは言えず、借地借家法32条1項に反して無効とはならないとして、Xの請求を認めた。

 (寸評)
 本判決は、賃料増減に関する合意が借地借家法32条1項に反して無効となるか否かの判断基準について判示したもので、賃料増減に関する合意の有効性を判断するうえで参考になる判決である。

(2004.11.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より


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2009年3月27日 (金)

賃料自動改定特約が事情変更の原則により失効したとの主張が否定された事例

 判例紹介

 3年ごとに賃料を15%増額するという賃料自動改定特約のある期間20年の賃貸借契約で、①右特約が事情変更の原則により失効したとの主張が否定され、また、②右特約が有効であることをを理由とした賃借人の賃料減額請求ができないとした事例 東京地裁平成10年8月27日判決、判例時報165号138頁)

 (事案の概要)
 X(賃主)はY(借主)に対して、昭和60年4月、10階建て事務所兼店舗の5階ないし10階部分(以下本件建物という)を賃貸したが、右賃貸借契約には、賃料を3年ごとに15%増額する旨の賃料自動改定特約がついていた。

 昭和63年4月、平成3年4月には右特約に基づく賃料増額が行われたが、右特約に基づく平成6年4月、平成9年4月の増額については、Yはいわゆるバブル経済の崩壊により右特約が前提とする経済情勢は平成4年以降大きく変動し、右特約は遅くとも平成6年4月まには事情変更の原則により失効した旨主張して右各増額に応じなかった。

 そして平成8年3月には賃料が経済事情の変動等により不相当になったとして、Xに対して賃料減額の意思表示を行った。XはYに対して、右特約に基づく平成6年4月、平成9年4月の賃料増額の確認を求める訴えを提起し、YはXに対して、平成8年3月以降の賃料減額の確認を求める反訴を提起した。

 (判決)
 本判決は、「本件賃料自動改定特約の有効性を考えるに当たっては、同特約の適用がないとした場合の本件建物部分の相当賃料を検討することが必要である。なぜならば、被告(Y)が主張するように、いわゆるバブル経済の崩壊により右相当賃料が相当程度に減額されるべきなどの事実関係があるとすれば、本件賃料自動改定特約を適用する基礎となる事情に変動があり、その結果、事情変更の原則の適用によるものか否かはひとまずおくとして、同特約は失効したと判断する余地が生じてくるからである」旨判示した上で、
 右特約が適用されるとした場合の賃料が平成6年4月時点で月334万5925円、平成9年4月時点で月384万7814円、他方右特約が適用されない場合の相当賃料は前者が372万8100円、後者が月365万5500円であり、前者では右特約を適用した場合の賃料がそうでない場合を下回り、後者では若干上回るに過ぎない旨認定し、「本件賃料自動改定特約は少なくとも現段階においては、未だ同特約の前提となる事情について、同特約が失効したものと判断するに至るほどの変動があったとまでは認め難い」と右特約の有効性を認めるとともに、右特約が失効していない以上賃料減額請求の行使はできないとして、X(貸主)の請求を容認し、Y(借主)の反訴請求を棄却した。

 (寸評)
 事情変更の原則による失効を含め賃料自動改定特約の有効性をめぐる紛争は多く、本件は右特約の有効性を認め賃料減額請求を否定したものであるが、その論理構成については参考になる判決である。

(1999.03.)

(東借連常任弁護団)

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2009年3月26日 (木)

サブリース契約で借地借家法の賃料減額請求権の適用が認められた事例 

 判例紹介

 期間20年、転貸自由、賃料を3年毎に10%増額する旨の賃料自動増額特約のある建物賃貸借契約(サブリース契約)について、賃料減額請求権の適用が認められた事例 東京地裁平成10年2月26日判決、判例時報1661号102頁)

 (事実) 賃借人は、平成3年10月、建物所有者から地上4階、地価1階ないし3階の一部を賃貸期間20年、賃料については3年毎に10%増額する旨の賃料自動改定特約つきで賃借した。いわゆるサブリース契約であり、大手不動産会社である賃借人が、賃貸人である建物所有者にテナントの賃料を保証する趣旨のものであった。そして、賃借人は賃貸人に対し、借地借家法第32条に基づく賃料減額請求をした。

 (争点)
 サブリース契約の場合、賃料(増)減額請求権の適用があるのか。

 (判決要旨)
 「本件契約は、賃貸事業受託方式のサブリースであって、まさしく賃貸借契約であり、転貸を前提として本件建物を一括して賃貸することや賃料保証及び増額特約といった約定は使用収益についての特約や賃料支払及改定についての特約といべきものにすぎず、そのような特約がなされることにより、賃貸借契約の本質が失われるものではないから、本件契約には借地借家法が適用去れというべきである。

 借地借家法第32条に基づく賃料改定は、事情変更の原則の要件を緩和して明文化したものであり、一定の経済事情の変動があり、それにより賃料不相当になった時に認められるものでその増減は本来一定の経済事情の変動を原因として生じた不相当分を是正するものであって、それ以上の賃料額の是正を原則として意図するものでないというべきである。本件においては、賃借人は不動産業を営みサブリース事業をなす会社であり、賃貸人は本件建物の管理のために設立された会社であるから賃借人は賃貸人と対等ないし優位の立場にあり、原則どおり契約自由の原則を尊重しても、借地借家法の趣旨に反して賃借人に不利な結果を生じるものとはならないというべきである。

 当事者双方の本件契約及びそれに至る経過、賃貸人がバブル経済の崩壊の影響による賃料相場の下落について応分以上の負担に応じている事実、賃借人の赤字の状況等を考慮し、経済的価値に純粋に即応した賃料で新規賃料額に等しいものと合意賃料額とを折半した金額をもって相当賃料というべきである。」と判示した。

 短評)
 サブリース契約について借地借家法が適用されるかについては、学説は分かれており、裁判例においても東京地裁判決(平成10年8月28日)は、借地借家法第32条の適用が排除されるものとしたものがある。
 現在のところ、地方裁判所段階の判決が出されているところであり、どちらが主流といえる状況になく、今後高裁による判例の統一が待たれるところである。

(1999.04.)

(東借連常任弁護団)

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2009年3月25日 (水)

賃料自動増額特約の効力が否定され減額請求の一部が認められた事例

 判例紹介

 賃料自動増額特約のあるサブリース方式による建物賃貸借契約で、①右特約の効力が事情変更の原則により否定され、また、②右特約があっても賃料減額を相当とする場合には減額請求ができるとした事例 東京地裁平成9年6月10日判決、判例時報1637号59頁)

 (事案概要)
 YはXから建物を、①賃料は2年経過するごとに従前賃料の7%増額する(以下本件賃料増額特約という)、②XはYがその責任と負担で第三者に転貸しオフィスビルとして運用承諾するという特約付きいわゆるサブリース方式で賃貸した。XはYに対し、本件賃料増額特約に基づき、その賃料が、平成5年4月1日以降1か月658万6809円に、同7年4月1日以降1か月704万7886円に増額されたことの確認を求めて提訴し、Yは右訴訟の中で、本件賃料自動増額特約の効力を否定して、賃料は平成5年4月1日以降1か月605万4738円に据え置かれ、また、賃料減額の意思表示により、同年7月1日以降1か月541万6666円、同7年4月1日以降1か月399万9773円に減額された旨主張し、その確認を求める反訴を提起した。

 (判決)
 本判決は、「サブリース契約も賃貸借契約として評価、解釈されるべきであるから、借地借家法の適用を受けることは当然であって、本件のようないわゆる賃料自動増額特約は、一定の合理性のある合意であるにしても、その存在にかかわらず、賃料の減額を相当とする要件があるときには、借地借家法32条に基づき、賃借人において賃料減額請求権を行使することができる他、借地借家法32条の趣旨に鑑みると、契約締結後の経済事情に契約締結時ににおいて当事者が予測し得なかった著しい変動があるなどして、契約締結の前提となる事実を欠き、賃料自動増額特約をそのまま適用することが著しく不合理な結果となる場合には、事情変更の原則によって、賃料自動増額特約は効力を有しないことがあると解するのが相当である」旨判示した。

 本件賃料自動増額特約が締結されたのは平成元年12月でオフィスビルの賃料は大幅に上昇する傾向を示しており、バブル崩壊により平成4年以降オフィスビルの賃料水準の急激な下落が続くことを予測して本件賃料自動増額特約が締結されたとは言えず、鑑定結果も考慮するとXの主張の賃料増額は「経済事情の著しい変動等に照らし、著しく不合理な結果になると評価せざるをえないから、右各時点において本件賃料自動増額特約は効力がない」として否定した。

 そして、本件賃料自動増額特約の存在なども考慮した鑑定結果に基づき、賃料を平成5年4月1日以降1か月615万5897円、同10月1日以降1か月599万5424円、同7年4月1日以降1か月503万2374円と認定し、賃料減額請求の一部を認めた。

 (寸評)
 本件はいわゆるサブリース契約に関するものであるが、賃料増額額のある通常の建物賃貸借契約にも適用されるのは当然であり、参考になる判決である。

(1998.08.)

(東借連常任弁護団)

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2009年3月24日 (火)

2009年公示地価 商業地・住宅地とも3年ぶり下落

 国土交通省が23日公表した09年の公示地価(09年1月1日時点)は、住宅地と商業地の全国平均がともに3年ぶりの下落に転じた。全国約2万8千の調査地点のうち、上昇は過去最低の23地点のみだった。3大都市圏(東京、大阪、名古屋)は全国平均を上回る大幅な落ち込みとなった。急速な景気悪化を反映し、地価は総崩れ状態にある。

 全国平均の地価の下落幅は、住宅地が前年比3.2%(08年は1.3%上昇)、商業地が4.7%(同3.8%上昇)だった。05年(住宅地4.6%、商業地5.6%)以来の落ち込みになった。バブル崩壊直後の93~95年、商業地で10%以上の地価下落が3年続いた例がある。

 上昇は23地点で前年の約1万2千地点から激減。1970年の調査開始以来、最も少なかった。バブル崩壊後では地価下落が全国へ広がるのは数年かかったが、今回はわずかの期間で広がった。

 最高価格地点は3年連続で東京・銀座の「山野楽器銀座本店」。前年比2.1%減で1平方メートルあたり3820万円だった。

 3大都市圏では、平均で住宅地の下落率が3.5%(同4.3%上昇)、商業地が5.4%(同10.4%上昇)だった。住宅地は3年ぶり、商業地は4年ぶりに下がり、下げ幅は全国平均を上回った。

 東京23区の住宅地は、8.3%下落(同10.4%上昇)した。特に港、渋谷区の下落幅が大きく、渋谷区大山町は全国の住宅地で最大の18.3%下落した。商業地も8.1%下落(同17.3%上昇)。特に20%超の上昇地点が多かった港区は、ほぼすべての地点で2けたの下落だった。

 「ブランド力が高い」とされた中心部の住宅地や商業地ほど、落ち込みが目立つ。こうした地域には外資などの投資資金が流入し、「ミニバブル」を演出してきた。

 トヨタ自動車など製造業の業績悪化に伴い、名古屋圏の下落も目立つ。名古屋市中区栄4丁目は28.4%下落で、すべての用途を通じて全国最大の下落率だった。商業地の下落率全国10位のうち9地点は、名古屋市中心部だった。大阪圏も、住宅地、商業地とも前年の上昇から下落に転じた。

 地方圏は、住宅地が2.8%(同1.8%)、商業地が4.2%(同1.4%)下落した。下落は17年連続。ただ、4年連続で縮小していた下げ幅は再び拡大した。投資資金が流れ込み、3大都市圏並みに上昇していた札幌、仙台、福岡市は住宅地、商業地とも下落。特に仙台、福岡市の商業地はともに前年比9.6%も落ち込んだ。

 上昇した23地点は、すべて地方圏だった。再開発地区のほか、特色ある街づくりをしている地域、観光地が上昇した。北海道伊達市は都市圏からの退職者の移住を進めており、住宅地の上昇率の上位10地点に四つが入った。商業地の上昇率1位は、静岡市のJR東静岡駅前再開発地区だった。


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2009年3月23日 (月)

全国追い出し屋対策会議が結成総会

 賃貸マンションなどで家賃が1日たりとも未納となると、居住者が家賃の支払いを一時期猶予して欲しいと懇願しても、一方的に出入り口のカギを取替え室内に出入りを不可能にし、一定期間後には家財道具を撤去し処分するいわゆる追い出し行為が全国各地で発生しています。

 2月15日、このように一方的に追い立てられ、賃貸マンション居住者の居住の権利を守るために、「全国追い出し屋対策会議」の結成総会が大阪市内で開かれました。

 当日、福岡、東京、群馬、大阪で追い出し屋と闘っている被害者や弁護士や司法書士、支援市民など約百名が参加し、事例報告が行われ、交流と情報交換を行ないました。その上で研究者から民法、消費者契約法、借地借家法などから一方的な明け渡し行為は違法であるとの報告がありました。

 総会では、「管理業規制法」案が提起され、同法案の制定運動に取り組むことを決議しました。

 結成にあたり、対策会議の代表の増田尚弁護士、事務局長に堀泰夫司法書士を選出し、船越康亘全借連副会長等15名が理事に就任しました。

全国借地借家人新聞 2009年3月号より


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2009年3月21日 (土)

派遣切り労働者の住居 借地借家法で守られている!

 全借連が緊急提言

 2009年2月24日
 全国借地借家人組合連合会常任理事会

 派遣・期間雇用者の既存住宅における持続可能な居住の権利提言

 全借連は、2月24日開かれた第7回常任理事会で、派遣・期間切れなどから解雇された労働者が即日住まい失い、路頭にさまようことで住み続けられる権利を失う事態に憂慮し、別項のとおり「派遣・期間雇用者の既存住宅における持続可能な居住の権利」をまとめ、現行法でも居住の権利が守られることを明らかにし、政府と労働者へ居住の権利を守るよう訴えることにしました。

 昨年末、自動車および家電メーカーを中心に大企業は、「派遣切れ」「期間工の雇い止め」を理由にして大量の非正規労働者を一方的に解雇し大きな社会問題となりました。職を失った人々は、大量の非正規雇用を生み出した原因が人権を無視した雇用形態にあり、政治災害であると訴えました。

 そして、住まいを失い雨つゆや風雪に見舞われ路頭にさまよいながら、職と住まいの確保を求めています。

 今年3月末には、このような職を奪われる非正規雇用の人々が約40万人を上まわることが報道されています。

 しかも、「職と居住」を同時に失う事態は、40数年居住の権利を守る運動に取り組んできた全借連がかって経験しなかった非常事態でもあります。

 全借連は、「住まいは人権」のスローガンを掲げて「人間が人間らしく住み続けられる住居を」求めて運動に取り組んできましたが、大量の失業者が同時に住まいを失い居住不安に陥ることを放置することはできません。

 憲法第25条は、「健康で文化的な生活を営む権利」をすべての国民へ生存権として保障しなければならないことになっています。

 今日の事態は、この憲法で保障された居住の権利を軽々しく放棄していたことを示すものです。

 全借連は、このような居住の権利の侵害から、住まいを失った人々、居住不安に脅え生活基盤を失った人々と連帯し、「住まいは人権」として政府へ居住保障を求めて運動を強めていくことを決めました。

 そこで、全借連は、解雇されると同時に住まいも失う人々の居住の権利が現行法の下でも確保されなければならないとの視点から次の事項を訴えます。

   [記]
(1)世界人権宣言・ILO(国際労働機構)の労働者住宅に関する勧告・経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約・第2回国連人間居住会議の「居住の権利宣言」など国際的に認知された「住宅の権利・誓約」の理念を可及的速やかに最大限実行することを政府へ要求する。

(2)居住の安定を前提に、すべての公的賃貸住宅の空家を早期に開放することを、政府と地方自治体及び関係事業主体へ要求する。

(3)民法及び借地借家法・労働基準法・消費者契約法などが適用されることを退去を求められている居住者へ周知徹底することを要求する。

(4)既存契約で住み続けられる具体的な事例については、次のとおりである。

 ①解雇予告期間30日以内は、労働基準法によって居住できる。この間に、住み替え先及び家賃の確保の準備を行なうこと。

 ②派遣会社へ家賃を支払っている場合は、派遣切れになっても、借地借家法により賃借権が継続し既存住宅に住み続けられる。

 ③家賃支払い不能となった場合であっても、民法や消費者契約法などで一定期間住み続けられる。法的手続きによらない限り、強制的に明け渡しや追い出し行為はできない。

 ④賃貸人は、借家の寮を解約する場合居住者へ正当事由が必要であり、その場合であっても6ヶ月前から1年以内に賃貸借契約の解約通知をしなければならない。従って、解雇即日明け渡しにはならない。

 ⑤家賃の支払い資金が確保できない場合は、早急に生活保護制度を活用すること。

全国借地借家人新聞 2009年3月号より


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2009年3月19日 (木)

譲渡承諾を受けていない借地権付きマンションを買ってしまった

 杉本さんは家を買いたいと思って、手頃な家を物色していた。不動産屋へも足繁く通った。そんな折、知人からマンションを格安で売りに出している人がいるとの情報を得て、その人を紹介してもらった。そのマンションは借地権付ではあったが、2千万円と格安で部屋数の多い掘出し物であった。

 杉本さんは即決で買うことにした。不動産業者が介在していないので仲介手数料(66万円)も支払わなくて済むと思うと安い買物である。

 杉本さんはマンションの登記も済ませ、そのマンションに引越した。ところが、マンションの土地所有者から、借地権の無断譲渡であるというクレームがついた。土地所有者は「部屋の前所有者は、私(土地所有者)から借地権の譲渡承諾を受けずに、売ったので、その譲渡承諾料を支払え」と言い、「支払わなければ、賃貸借契約を解除する」と杉本さんを脅したのである。

 杉本さんは困って、組合に相談してきた。組合は杉本さんに、「土地所有者の言っている通り部屋の前所有者が譲渡承諾料を支払っていないことが事実であれば、借地権付きマンションであるから敷地利用権が賃借権であり、その無断譲渡ということで、民法612条2項の規定から賃貸借契約を解除されることは当然あり得ることである」と回答した。

 但し、借地契約の解除が認められたとしても、マンションという構造上、当該一室の収去・土地明渡を執行するのは無理があるので「建物の区分所有等に関する法律」10条に基づく建物売渡請求(*)をされる場合が多い。

 敷地利用権に対して予め一定の金銭を支払って包括的に賃借権の譲渡承諾を土地所有者から受けている場合は、自由に譲渡が出来る(譲渡権利付賃借権)。しかし、そうではないとすると、譲渡の度毎に土地所有者の承諾を得なければならない。その場合の譲渡承諾料は一般的には各室の敷地利用権価額の10%程度であるが、売買代金の10%位の支払いで承諾を認める場合が多い。

 杉本さんの場合、45万円支払えば承諾すると言っているのであるから取敢えず支払って、後日、売主に損害賠償請求をして、その代金を取返すことを提案した。

(*)(区分所有権売渡請求権)
第10条 敷地利用権を有しない区分所有者があるときは、その専有部分の収去を請求する権利を有する者は、その区分所有者に対し、区分所有権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。


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2009年3月18日 (水)

定期借家の解約通知 (京都)

 京都市北区で借家住まいの杉井さんは、3年前の12月に借地借家法第38条に規定されている3年契約の定期建物賃貸借契約を結びました。

 そもそもこんな契約を結んだことが難儀の始まりでしたが、それでも「定期建物賃貸借についての説明書」に「再契約」ができると記されていることをよりどころに契約しました。そして、今年7月には「定期建物賃貸借契約終了のご案内」と同封して「解約申込書」「入居申込書」が送られてきました。

 杉井さんは、当然「再契約」するべく、指定期日内に「入居申込書」を提出しました。

 ところが、9月に突然家主から「再契約しない。12月いや今すぐ退去せよ」とのあらっぽい電話が入り、その後物件の管理会社からも内容証明郵便が届きました。

 杉井さんは、その内容証明郵便をもって京都借地借家人組合連合会(京借連)事務所へ相談。

 京借連は、杉井さんが持参した書面では法律上の手続が一応されており、かなり困難であろうと考えました。

 しかし、最後まで諦めずに、再契約が可能であり、それも規定・約束どおりに提出していたことから、『再契約されるべきが正当であり、本来6ヶ月前には通知されねばならない解約通知が3ヶ月前になされたこととも併せて無効である』と内容証明郵便を送ったところ、「今回に限っては再契約をする」との返事を受取りました。

  京借連では、取敢えずは杉井さんの居住の権利が守られたことにほっとしています。

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2009年3月17日 (火)

原状回復費用126万円の請求が40万円に (神戸市)

 Mさんは、神戸市内で5年前に店舗として月額家賃15万6000円、敷金172万円の条件で賃借し、当時敷引特約はありません。

 今年11月末で契約の解約を予定したMさんは、契約書で退去予定の6ヶ月前に退去届の提出を義務付けられていましたので、今年11月末日までに明渡をすればよいと思っていました。

 ところが、管理業者は、新規契約者の入居を12月1日から予定しており、契約期間内にリフォームを指定業者にさせるというものです。

 指定業者からMさんへ送られて来た原状回復費用の見積額は、126万円でした。

 Mさんは、故意・過失もなく、あまりにも高額な請求額であったため、知人から紹介された工事業者に見積を依頼したところ77万円と大きな隔たりがありました。

 そこで、Mさんは管理業者と交渉するが何の進展もせず平行線となり、尼崎借地借家人組合へ相談。

 尼崎借地借家人組合から、通常損耗は家主負担であるとの助言を受けたMさんは、法律事務所へも相談したところ組合の助言と同様であったことから、管理業者へ代理人を立てて争うことを伝えました。

 すると管理業者は他の業者にも再見積させることを約束。その後も粘り強く交渉したした結果、原状回復費用の負担は40万円とすることで解決しました。

全国借地借家人新聞より


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2009年3月16日 (月)

最高裁の指針を活かし地代減額を (静岡)

 バブル期に急上昇した地代は、バブル崩壊後も高値安定となっています。一方、借地人にも高齢化の波が押し寄せ、生活を直撃しています。静岡借地借家人組合のYさんもその犠牲者の一人です。

 「生活が苦しくて高い地代が払えない」とのYさんの訴えに組合では、地主側の代理人の弁護士へ「地代減額の交渉に応じてほしい」と申入れ、今年4月に交渉が実現しました。

 地主側の弁護士は、「現行地代は合意賃料、値下げの意思はない、借地の譲渡も認めない、意義があれば法廷で」というものでした。

 組合では、Yさんの近隣で以前地代値上げ反対の運動があったことを知り、情報収集と共に「借地人新聞地域版」を作り配布しました。

 そして、7月には、「地代を最高裁事務総局が示した公租公課の2.5倍に値下げせよ」との調停を静岡簡易裁判所へ申立、9月上旬から調停が始まりました。地主側弁護士は、「若干の値下げには応ずる」と当初のゼロ回答から値下げを認める変化を見せました。

 調停委員の斡旋が数回続き、「坪月50円の値下げなら応ずると地主側から提案されましたが、問題にならないと一蹴したところ、地主側から「地主負担で地代を鑑定したい」と申入れがありました。

 10月開かれた調停では、地主側から「鑑定の結果が遅れているので次回に提出する」との申し出がありました。

 組合側は、近隣で公租公課の2.69倍の地代の実例を示し地代の値下げの実現へ向けて奮闘することにしています。

全国借地借家人新聞より


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2009年3月13日 (金)

契約更新時に定期借家契約へ切替え (大阪)

 大阪市東淀川区豊新5丁目の商業ビル(一部居住用)で店舗を賃借しているIさん等8名の商人は、今年8月上旬突然「平成20年7月24日旧所有者から買受け所有権を取得し、併せて貴殿(貴社)に対する定期賃貸人たる地位を承継した」「平成21年3月31日に契約期間が満了する」よって「借地借家法38条4項の規定に則り通知する」旨の「通知」が新所有者から送られてきました。

 Iさん等は、昭和62年4月に前所有者と賃貸借契約を結び、平成19年4月に契約更新し、「定期店舗賃貸借契約書」に印鑑を捺しました。その時、Iさん等は定期店舗賃貸借が何のことかまったく知らず、従来の更新手続きと思い込んでいました。

 驚いたIさん等は、東淀川借地借家人組合へ相談し事後対策を検討したところ、定期店舗賃貸借切り替える場合、書面により事前の説明があり当事者の合意がなければ無効であることがわかりました。

 そこで、契約時に前所有者から定期店舗賃貸借に切り替える旨の書面による説明がなかったことから、「定期店舗賃貸借契約書」は無効である旨の通知をおくりました。

 その後、新所有者からは、何の意思表示もなくIさん等は組合に入会し営業を守るために頑張る決意をしています。

 全大阪借地借家人組合連合会の調査によると、平成12年2月1日付けで建設省(現在国土交通省)は、定期借家制度を適用する賃貸借は、「書面を契約書とは別に交付して説明しなければならない」「それを怠った場合は、定期賃貸住宅契約とはならず、従来型の正当事由がない限り賃貸人からの更新拒絶ができない賃貸住宅契約となること」との「通達」を都道府県知事宛てに出していることが明らかになりました。

全国借地借家人新聞より

 東京・台東借地借家人組合(注) 平成12年2月1日 建設省建設経済局長・建設省住宅局長名で都道府県知事宛てに「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」が出されている。以下が借地借家法第38条2~3項関係の事項。

 「定期賃貸住宅契約を締結しようとするときは、あらかじめ賃貸人は賃借人に対し、契約の更新がなく、期間満了により終了することについて、その旨を記載した書面を契約書とは別に交付して説明しなければならないこととされており、それを怠った場合は、定期賃貸住宅契約とはならず、従来型の正当事由がない限り賃貸人からの更新拒絶ができない賃貸住宅契約となること。このため、書面の雛形である「定期賃貸住宅についての説明」の周知を図ること。」(「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」建設省経動発第10号、建設省住民発第1号)

借地借家法
(定期建物賃貸借)
 
第38条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

4  第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。


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2009年3月12日 (木)

底地競売で落札業者と交渉

 板橋区清水町で商売をしている松平さんは、20数年前に、当時の地主から多額な更新料の請求を求められ、地代の受取を拒否され供託した。その後、その地主が底地を担保に銀行から多額の借金をしていたが、バブルの崩壊で競売にかかった。その前には、債権機構から、地代の差押えなどいくつかの係争があった。

 競売で落札したのは、A不動産会社だが、その背後に大手不動産会社のM不動産がいた。昨年から今年の前半にかけては借地権を買取り、立退きをして跡地にタワーマンションを計画していた。執拗な交渉に組合員であることを通告し、話し合いをしていた。

 ところが、11月に入ると様相は一変した、借地権の買取を言っていた不動産会社は底地を買取ってくれ、しかし、その条件は親族以外には絶対流さないでという一筆を提出するように要求してきた。

 組合に入会し、20年以上頑張ってきた松平さんには到底承服できないので断り、今までどおり組合と相談しながら交渉するということを不動産会社に通告した。

東京借地借家人新聞より


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2009年3月11日 (水)

借家を買取った不動産業者が明渡請求

 大田区大森西6丁目所在の木造二階建一棟37・26㎡築50年の建物を賃借中の前田さんが知人の組合員の紹介で入会したのが8月。隣接の共同住宅18・18㎡の部屋築37年を賃借の息子共に、契約解除明渡しを求められて悩んだ末に知人に相談したという。

 この建物を買い取った不動産業者が契約期間を無視して解除明渡し請求なので、組合は直ちに業者に撤回を申し入れた。築50年の建物の訴訟を考えると現状を維持することが得策とは成りえず、業者と条件交渉に入る。

 問題は築50年の老朽状況と家賃が低額であるために交渉は困難を極めた。しかし、相手は組合をよく知っている業者であったため合意内容は前田さん親子が満足できるものとなった。

東京借地借家人新聞より


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2009年3月10日 (火)

更新料1000万円の請求を断ると、契約解除通告

 斉藤さんは、荒川区荒川6丁目で昭和22年から46坪を借地しいる。親子3代にわたり和菓子店を経営している。借地契約の更新は昨年5月に20年の更新を迎えていたが、地主が何も言ってこなかったから更新に気がつかなかった。

 ところが今年の夏になって不動産屋から更新の通告を受け「更新料を600万円支払え、地代は現行6万円のところ8万円に値上げする」と言われてビックリ。

 斉藤さんさんは今まで親の代から更新料を支払っていた。だから、今回300万円位は仕様が無いと思っていたが、金額の差があまりに大きいのでとっても支払えないと断った。

 ところが、どうした訳か今度はいきなり地主本人が直接来宅し、更新料は1000万円に値上げすると通告してきた。

 斉藤さんは、借地の更新は既に借地法6条の規定に基づいて法定更新されており、今回は更新料を支払わずに済ますことにした。その代り地代は、苦しいが自ら1万円値上げし、7万円で振込もうと考えた。しかし、組合の説明では現在の地代でも高いということなので、9月末に今まで通りの6万円で地主の銀行口座に降込んだ。

 すると、地主は10月に入って直ぐに振込んだ地代を返しに来て「更新料を払っていないから地代の受領を拒否する」と言ってきた。

 斉藤さんは、それならばと10月末に、9月分と10月分の地代を供託した。

 数日後、地主から今度は賃料2か月払っていないから契約を解除すると文書通告を受けた。

 斉藤さんは、地主の理不尽なやり方に怒りを感じた。商売も売り上げが伸びず不況続きの中で高額な更新料や一方的な値上げ等到底容認できるものではない。地主とはみんなこんなやり方で借りている人達を苦しめていることを初めて知った。もう少し早くから借地人の権利を知っておけばよかったと反省いている。

東京借地借家人新聞より

借地法
第5条 当事者が契約を更新する場合においては借地権の存続期間は更新の時より起算して堅固の建物については30年、その他の建物については20年とする。この場合は第2条第1項但書の規定を準用する。

2 当事者が前項の規定する期間より長い期間を定めたときは、その定に従う。 

第6条 借地権者が借地権の消滅後土地の使用を継続する場合においては、土地の所有者が遅滞なく異議を述べないときは、前契約と同一の条件をもって更に借地権を設定したものとみなす。この場合においては前条第1項の規定(存続期間は更新の時より起算して堅固の建物については30年、その他の建物については20年とする)を準用する。

2 前項の場合において建物があるときは、土地所有は第4条第1項の但書に規定する事由(土地所有者が自分でその土地を使用する等の正当な事情)がない場合は、異議を述べることができない。


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2009年3月 9日 (月)

地代の大幅値上げ請求、調停で頑張る (大阪市堺市)

 堺市泉北ニュータウン周辺の市街化調整区域で先祖代々から156坪の土地を借地しているSさんは、敷地内の30坪の物置小屋を改修したところ、地主から無断増改築と難癖をつけられ、承諾料と地代の値上げを請求され話合いが物別れとなりました。

 地主側は、弁護士を代理人につけて無断増改築による承諾料の請求を取下げたものの、これまで年坪当たり3800円の地代を5400円に大幅値上げを請求し調停を申立ててきました。

 その後、Sさんは、インターネットで大借連の存在を知り相談。
 同時に、税負担を調べた結果、現行地代が税負担の7.9倍にもなっており、これにはビックリ。「むしろ地代減額を調停員に伝えたい。ましてや都市計画法では調整区域のため利用制限があり、あまりにもひどい」と怒っています。

大借連新聞
(全大阪借地借家人組合連合会)
より


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2009年3月 6日 (金)

一方的なドアーロックによる締め出しは不動産侵奪罪 (大阪)

 非正規雇用のために突然職場を追われた借家人が、収入が途絶え月末になると家賃を約束通り払いたくても払えず外出先から帰宅すると戸口のドアーの鍵が取替えられ、入居不能となるトラブルが最近増えています。

 大阪で弁護士、司法書士、大借連、いちょうの会の有志で「賃貸住宅追い出し屋被害対策会議」を結成し、10月29日「電話110番」を開設し被害者救済の活動を進めています。

 A市で賃貸マンションを借りているNさんは、事情で家賃を月末に支払うことができませんでした。帰宅してみると、ドアーがロックされておりマンションに入室できず、管理会社へ連絡すると、「契約書に家賃滞納即日退去の特約があり、入居前に重要事項説明書でも確認している」と部屋の使用ができない状態が続きました。

 一方的なドアーロックは、刑法の不動産侵奪罪に該当し犯罪行為であり、違法な自力救済で許されないと業者に抗議しドアーを開けさせました。

 (注)《不動産侵奪罪》「他人の不動産を侵奪した者は、10年以下の懲役に処する。」(刑法235条の2) 

大借連新聞
(全大阪借地借家人組合連合会)
より


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2009年3月 5日 (木)

契約4か月後に立ち退き請求される (横浜市港北区)

 横浜市港北区高田西で平成19年11月1日、2年間の条件で借家の賃貸借契約をむすんだKさんは、入居後わずか4か月後に家主の代理人の建設会社から明渡を請求されました。

 Kさんは、インターネットで組合の存在を知り入会した。組合の支援を得て、建設会社と話し合いえお重ねて来ました。

 その間家主側からの嫌がらせもありましたが、組合側は、基本的には2年間の期間で賃貸借契約が存続しており、明渡に応ずる意思のないことを、家主へ内容証明郵便で通知したところ、家主側の態度が一変し、Kさんの要求通り合意を勝ち取りました。

全国借地借家人新聞より


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2009年3月 4日 (水)

借地人14名が団結し17年間地上げと闘う (大阪市都島区)

 大阪市都島区都島北通り2丁目の借地人Hさん等14名、O工務店に地上げされ、大幅な地代値上げを要求され、17年越しの係争中です。

 平成3年には、角地にしぼって地代の値上げで提訴してきました。

 都島借地借家人組合に入会している会員が裁判費用を分担し、他の地主の地代を調査したり、鑑定士の現地調査に立ち会うなど心を合わせて闘って来ました。その結果、多少は地代の値上げを認めたものの和解が成立しました。

 この和解によって、地主側は、Hさん以外の借地人にも和解条件に従って値上げに応ずるよう要求してきましたが、これを拒否して相当と考える金額を加えて引き続き供託しています。

 この借地人の班は、現在まで17年間団結を崩さず都島借地借家人組合の運動の核の役割をはたしている一つになっています。

全国借地借家人新聞より


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2009年3月 3日 (火)

「入居保証金」全額を返還させる (長野県松本市)

 松本市内に住むMさんは、家賃月6万円、敷金2カ月でアパートを2年間借り9月に明渡しました。貸主は大手の不動産業者ですが、入居時の契約書には敷金を「入居保証金」として記載し、明渡すときは「退去引金」として返金しないとなっているから、と一銭も返しませんでした。

 Mさんは消費生活センターの紹介で組合を訪れ、どうしても納得できないが、いい方法を教えてほしいと組合へ入会しました。

 組合では経過を聞いたところ、名前は「入居保証金」でも敷金であることは明らかだし、また、消費者契約法第10条にも違反しているから「入居保証金」は当然全額返還すべきものである。よって、「本書面到達後1週間以内に全額返還せよ。もし履行しないときは法的手続をとる」旨の内容証明郵便を発送することで一致しました。

 早速Mさんが相手の不動産会社宛に内容証明郵便を送ったら、電話で返事が返って来て「入居保証金は返金します」ということでMさんも喜んで報告してくれました。

全国借地借家人新聞より


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2009年3月 2日 (月)

借地非訟手続きで借地権を地主に買取らせる

 千葉県我孫子市居住の清水さんが出雲の国の島根県に嫁いだ娘さんと組合事務所を訪ね、入会したのは昨年10月だった。

 子供らも独立し、夫の死去を機会に住まいを移転したので大田区の51坪の借地権譲渡を大手不動産のS社に依頼したが、地主の買取価格は想定の2分の1以下いうことで、S社は打つ手はないと借地借家人組合を紹介されたという。

 組合もよく知っている地主なので、直ちに借地権譲渡の非訟手続きの準備とともに、借地権譲受人紹介者の業者を介して改めて打診したが決裂となる。

 清水さんは、裁判等に要する経費の持ち合わせが不足のため、業者が一時負担し和解成立後の決済時に精算することで裁判を行う。地主自宅は東南に位置しており、想定どおり地主が買取を主張し、5月現地調査が行われ7月に示された、鑑定結果は4千数百万円だった。地主は直ちに高すぎると鑑定結果を拒否。

 夏休み明けの裁判で空き家で管理もせず草木が伸び放題である等と異議を述べ、3千万円を提示したが裁判所は受け入れず、鑑定とおり和解が成立し10月21日決済した。

この地主から高額な更新料を請求されて係争中の借地人3世帯も、組合に加入し支払いを拒否して頑張っている。

東京借地借家人新聞より


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