カテゴリー「消費者契約法」の記事

2009年11月18日 (水)

消費者契約法を学び活用へ

相談員養成学習会

第4回相談員養成学習会で講演する榎本弁護士
第4回相談員養成学習会で講演する榎本弁護士

 借地借家問題と消費者契約法をテーマとした「東借連第4回相談員養成学習会」は、10月31日午後1時30分から豊島区東部区民事務所で開催された。

 学習会には、東借連加盟組合以外に近県の組合や東京都消費生活センター、住まいの貧困ネットワークなどから40名が参加した。

 講師の榎本弁護士は、まず消費者契約法とは「消費者と事業者との間で締結される契約」であり、借主は純粋な個人のみに適用されるものであり、事業をやっている場合には適用されない。また、情報力や交渉力が劣る個人を保護するために、不当な勧誘行為で結んだ契約の取消し、事業者に有利で消費者の利益を一方的に害する契約を無効にすることができるという特徴が詳細に説明された。

 組合の果たすべき役割として、借地借家人という消費者を組織する団体として消費者契約法を学び活用する必要があることが強調された。また、消費者契約法の差し止め訴訟制度が2007年から施行され、差し止め請求ができる適格消費者団体の設立と連携を強める必要性が指摘された。

 消費者契約法の活用ついて、契約に際して「不実告知」・「不利益事実の不告知」・「不退去の」の事実があった場合の取消しや不当な契約条項の無効について具体的な事例に基づき説明がされた。

 この間の消費者契約法関係判例として、賃貸マンションの原状回復特約、敷引特約、更新料支払特約などが消費者契約法10条に基づき無効とされた判決が紹介された。

 更新料については裁判所の判決は分かれているため、近いうちに最高裁で優先的に審議され判決が下されるので十分に関心を持ち、また有利な判決を積極的活用し普及していくことが強調された。

東京借地借家人新聞より


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2009年4月10日 (金)

家賃が2~3日遅れ、10%の遅延損害金を請求された

 (問)
 息子がアパートを借りていましたが、ノイローゼで仕事が出来ず、家賃が2~3日遅れることが4~5か月続きました。管理会社が、1か月の家賃の1割の遅延損害金(合計2万5200円)を支払えと言われ支払いましたがどうにも腑に落ちませんので、なんとかなりませんか。


 (答)
 管理会社は貴方の息子さんが度々支払が遅れるので、契約書に「賃借人は家賃の支払が、1日でも遅れたら家賃の1か月の1割を遅延損害金として支払う」という特約盾に請求を行ったものだと思われます。しかし、息子さんは居住用として借りていますので消費者契約法の消費者にあたります。消費者契約法第9条第2項では、消費者が支払うべき金銭をその支払期日までに支払わない場合であっても、損害賠償の額や違約金が年14.6%を超えるものについては無効となります。従って、遅延損害金を計算すると605円となり、2万4595円を返還してもらうことが出来ます。

全国借地借家人新聞より

消費者契約法
消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効
第9条  次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。

1 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分

2  当該消費者契約に基づき支払うべき金銭の全部又は一部を消費者が支払期日(支払回数が2以上である場合には、それぞれの支払期日。以下この号において同じ。)までに支払わない場合における損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額に年14.6%割合を乗じて計算した額を超えるもの 当該超える部分


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2008年9月29日 (月)

定額補修分担金は、消費者契約法10条に違反し無効の判決(2008年7月24日)

 2008年7月24日、京都地裁で定額補修分担金は、消費者契約法10条に違反し無効の判決があった。

 京都地裁2008年4月30日判決に次いで定額補修分担金は、消費者契約法10条に違反し無効の判決は2例目。

  関連記事  ①京都で定額原状回復分担金特約は違法として消費者団体訴訟

        ②定額補修分担金特約

        ③「定額補修分担金」は消費者契約法に違反(京都地裁)


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2008年4月 3日 (木)

京都で定額原状回復分担金特約は違法として消費者団体訴訟

 京都市の不動産管理会社「長栄」は所有する物件の一部について「借り主は、賃貸借開始時の新装状態への回復費用の一部負担金として、定額補修分担金を支払う」などと定めた特約条項を設け、賃貸借契約時に月額賃料の2-3倍の分担金を徴収していた。また「入居期間の長短にかかわらず負担金の返還を請求できない」などとする条項も記載されていた。(「長栄」が使用した定額補修分担金条項は訴状(下記)の9ページにあります。)

 賃貸物件の借り主に原状回復費の一部を定額分担させるのは不当だとして、特定非営利活動法人(NPO法人)「京都消費者契約ネットワーク」(代表理事・野々山宏弁護士)が2008年3月25日、京都市のマンション管理会社「長栄」を相手取り、分担金条項の使用差し止めを求める訴えを京都地裁に起こした。(訴状) 

 消費者団体が被害者に代わって業者を訴える「消費者団体訴訟制度」を活用した全国初の訴訟だ。

 「京都消費者契約ネットワーク」(KCCN)は「本来は物件所有者が負担する回復費を借り主に負わせており、消費者の利益を一方的に害する条項は無効とする消費者契約法10条に反する」と主張している。

 長栄によると、分担金制度は2001年4月に導入し、退去時の原状回復費の半額程度の負担を求めていたが、定額補修分担金はわかりにくいという借り主からの指摘を受けて、2007年7月に廃止したという。

 KCCNは「分担金特約は消費者の利益を一方的に害し、消費者契約法10条により無効」と主張し、「特約の廃止は確認できておらず、将来復活する可能性も考えれば、訴訟の意義はある」としている。

 提訴に対し、長栄は「分担金は、過失による住宅の損害に対する賠償額を一定にする仕組みで、消費者に一方的に不利ではない」と争う姿勢を示している。

 賃貸物件をめぐる不当な条項の是正に取り組んできた「京都敷金・保証金弁護団」がKCCNを全面支援するのに対し、長栄側には同弁護団と更新料訴訟で争っている弁護士たちが支援に回る構えをみせている。

  この日、記者会見した代表理事の野々山宏弁護士は「提訴することでこうした訴訟制度があることを広く市民に認識してもらうと同時に、京都という町の賃貸借契約を公正なものにしていきたい」と述べた。

 同席した長野浩三弁護士は「長栄側は分担金条項をすでにやめているというが、再び使う可能性があるため提訴した」と指摘。消費者団体訴訟制度は、今後発生する同様の被害を予防する効果があるのが最大の特徴という。

 原告の弁護士らはこれまで「京都敷金・保証金弁護団」を結成し、自然損傷の修繕費用を借り主に負担させる同じような原状回復特約や更新料などの賃貸契約をめぐって提訴してきた。

 すでに一定の成果を得ているが、消費者保護の追い風となるこの制度を利用したことで、「差し止めの判決を勝ち取れば、別の訴訟でも有利な証拠になる」といい、今後もこの訴訟制度を積極的に使い、賃貸物件をめぐる不透明な慣習をなくす取り組みを推し進める。

 敷金問題に詳しい増田尚弁護士(大阪弁護士会)は「この訴訟制度は、未然にトラブルを防止でき、消費者問題を根本から解決する方法といえる。第一弾となる今回の訴訟の行方は大いに注目される。今後は被害の救済を視野に、消費者団体が損害賠償請求もできるよう、この制度をよりよくしていく必要がある」と話している。

 この団体訴訟制度は、英会話学校NOVAの受講契約をめぐるトラブルなど大規模な消費者被害が後を絶たない中、業者に対抗する「切り札」として導入された。

 この訴訟制度は被害の発生や拡大を未然に防止するために2007(平成19)年6月施行の改正消費者契約法で規定された。国が認定した適格消費者団体が、悪徳商法などの被害者に代わり、業者の不当行為の差し止めを裁判所に請求できる。同ネットワークなど全国5団体が認定されている。

 この制度では、勝訴すれば事業者は問題とされた不当な勧誘行為や契約ができなくなり、事業内容の改善が求められる。一方、事業者が得た不当利益の損害賠償は消費者個人が請求する必要がある。

 ネットワークの代理人弁護士は、課題が残ることを認めながらも「勝訴すれば、判決を消費者に有利な証拠として活用できる」と話している。

 消費者団体訴訟制度
 消費者利益の保護強化と被害拡大の防止のため、悪徳商法などで被害を受けた消費者に代わり、政府から認定を受けた「適格消費者団体」が不当行為の差し止め訴訟を起こす権利を認めた制度。2007年6月に始まった。欧州で普及しており、一部の国は損害賠償請求権も認めているが、日本では経済界の反対で見送られ、賠償請求訴訟は消費者個人が起こす必要がある。



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