カテゴリー「明渡し・立退料」の記事

2009年9月29日 (火)

地代の領収書交付を受けなかったことから地代滞納のトラブルに

 大阪市中央区で概ね40坪の借地を月額8万円の地代で60年余年前から借地している谷川敏夫さんは、隣りの地主へ今年1月から3月分までの地代を現金で4月初めに持参しました。

 ところが、5月中旬になって地主から1月から3月分までの地代が未払いであることと4月分から6月分の地代の請求書が届けられました。

 谷川さんは、請求書を見て1月から3月分の地代を現金で持参しており吃驚仰天。すぐに、地主へ地代は現金で支払ったことを持参したときの対話の模様を説明したが、受け取った覚えがないと感情むき出しにして対応するばかり。

 谷川さんは、これまで60余年間地代を小切手で支払い、領収書の発行を受けたこともなく、今回初めて地代の減額を要請したい気持ちもあり、領収書を受け取らずに現金で支払いました。地代の減額を口頭で要請しましたが、けんもほろろの返事でその場を納められました。

 谷川さんは、知人を通じて全大阪借地借家人組合連合会事務局へ相談。

 地主へ再度地代を支払った当時の状況を書面にして地主と話合いをすることにしましたが、地主は面談を拒否し話合いも出来ず終いになりました。

 そこで、弁護士と相談し、内容証明郵便で当時の模様を通知し、4月以降の地代を受け取るよう通知しました。地主側も代理人を通じて地代の不払いであり契約解消する旨の通知がありました。

 谷川さんは、7月早々に地主へ4月分以降の地代を持参しましたが、受け取りを拒否され供託し頑張ることにしています。

 それにしても、60余年間地代を支払っていながら領収書の発行を受けなかったことがトラブルの原因ではないかと振り返っています。

全国借地借家人新聞より


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2009年9月15日 (火)

会社は解雇したのだから直ぐ社宅から退去せよというが

(問) 毎月8万円の家賃を支払って社宅に住んでいたが、人員整理を理由に会社を解雇された。会社は即刻社宅から退去せよというが、直ぐ立退かなければならないのか。
 


(答) 社宅とは、会社が社員に貸す住宅ですが、その使用関係は様々で、その法的な取扱いは、貸す目的の違いや使用料の有無・金額によって違ってくる。

1 会社の業務運営のための社宅で、会社組織の必要な構成部分になっているもの  
  
例えば、①住み込みの管理人や警備員用の部屋のように会社施設に付随している社宅(業務社宅)や②支店長・工場長・部長などの地位に相応して与えられる専用の社宅(いわゆる役付社宅)などの場合がこれに当たる。

 このような社宅の使用は、使用料の有無・額に関係なく、会社での職種や地位など労働関係と密接に結びついているため、借地借家法の適用を受ける賃貸借ではないと言われている。従って、社員が解雇・退職・転勤などによってその会社や職場の労働関係から離れる場合には、社宅を使用する権利も同時に無くなることになる。

 しかし、その場合、解雇・退職と同時に明渡すのではなく、下記の(1)で述べる最高裁判決に準ずる明渡し猶予期間が与えられるべきである。

2 会社が社員(従業員)の福利厚生のために設けた社宅
  このような社宅が一般的な社宅であり、借地借家法との関係が問題になるのは福利厚生施設としての社宅である。

 学説は無料の社宅は勿論、市場家賃の数分の一程度の低い名目的な使用料で提供されている住宅にも、「有償性」を認め、社宅の使用を社員の労働力に対する労働対価(一種の現物給与)と理解し、社宅の使用関係を賃貸借関係として、借地借家法の適用を肯定している。

 しかし、判例は社宅の使用料が賃料として社会的に認められるかどうかを判断基準(使用料の高低)として、借地借家法の適用の有無を判断している。

 (1)使用料が無料か、有料であったとしても低額で名目的な場合
  例えば、使用料を毎月2万円出しているが、その社宅と同程度の利用価値のある普通の借家の家賃水準が月10万円以上もするような場合は、その使用料は借家を使う対価として支払われる家賃とは考えられず、その使用関係は、社員である期間に限って社宅の使用を認められる特殊な契約関係で賃貸借関係ではないというのが判例( 最高裁判所 昭和29年11月16日判決(民集8巻11号2047頁)、同旨最高裁判所 昭和39年3月10日判決(判例時報369号21頁)、同旨最高裁判所 昭和44年4月15日判決(判例時報558号55頁))である。

 従って、借地借家法の適用はなく、会社に社宅使用規則があれば、それが著しく居住者に不利でない限り使用規則は有効ということになる。

 しかし、最高裁の判例では、明渡期間しについて、国家公務員宿舎法と同様に無料の場合は60日、有料の場合は6か月の明渡しの猶予期間を基準とすべきであるとしている。明渡期間については、この猶予期間が基準になる。

 (2)使用料が普通の借家の家賃水準と同等かそれに近い場合
  
この場合の使用料は借家を使う対価として支払われる家賃であり、その使用関係は賃貸借関係で借地借家法の適用があるというのが判例最高裁判所 昭和31年11月16日判決、民集10巻11号1453頁)である。

 このような場合に「退職と同時に明渡す」というような社宅使用規則があっても、借地借家法の規定に違反して無効である。即ち、 会社は借地借家法に従って、6か月以上前に明渡を申し入れなければならず(同法27条)、また、会社に明渡を求める正当な理由がなければ明渡しは認められない(同法28条)。

 居住者が社宅からの退去を拒否した場合は、その判断を裁判所に委ねることになり、明渡しという裁判の結論が出るまでは退去を強制できない。

 ただ、社員の福利厚生のため社宅という性格上、解雇・退職の場合、会社に明渡を求める正当な理由が認められ易いことは否定できない。

 なお、これまで述べてきたのは、解雇が有効である場合の話しである。解雇が様々な理由から無効である場合は明渡す理由はなく、解雇の無効を争っている間は、社宅を明渡す必要はない。


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2009年7月14日 (火)

借家人全面勝利の判決 (京都地裁)

        借家明渡請求も
            賃料値上げ請求も棄却

 「土地転がし目的」で4度も家主が替わる
 2003年~2005年の約2年間に4度も家主(すべて不動産業者)が替わったが、土地転がしが目的だったことは明らかです。AさんとSさんは、家主が替わる度に明渡請求をされていました。2人は組合に加入・相談しつつその都度徹底的に拒否をしてきました。

 05年9月に底地買いした現在の家主は、嫌がらせ的に10倍もの賃料値上げ請求の調停を申立ててきました。到底応ずることはできないので調停は不調となり、07年に「建物明渡し・賃料増額請求」の裁判が家主である不動産業者によって提訴されました。2年弱の裁判が続き、09年5月20日にその判決が言い渡されました。

         主    文
 1 原告の請求をいずれも棄却する
 2 訴訟費用は原告の負担とする

 結果は、被告である借家人の完全勝利です。裁判の争点は、①更新拒絶等による賃貸借契約の終了、②賃料増額請求の当否の2点でした。京都地裁は、それぞれの争点に対して、次のような判決理由を述べています。

 ①原告(不動産業者)の主張には正当事由がない
 2人の住まいの古さや地域性の現状を詳細に触れた上で、「原告の主張する更新拒絶又は解約申入れの正当事由、すなわち、老朽化や建物の安全性、土地利用の非効率性は、被告らの賃借権を奪うことの不利益と比較して、いずれも肯定することができず、それを立退料により補完することも相当でないというべきである」と家主である不動産業者の主張を全面的に斥けています。

 ②賃料変動の経済的事情は認められない
 
「(賃料について)原告と被告らが直近に合意した日(05年11月)と07年5月(賃料増額請求の開始月)では、地価は横ばいないし下落の恐れがある状態で・・・・賃料水準に影響を与えるほどの経済事情の変動とは認めることはできない」とし、「原告の請求は、いずれも理由がない」と断じています。

 不動産業者(原告)は大阪高裁に控訴しました。闘いは今後も続きます。

京都借地借家人組合連合会新聞より


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2009年7月 3日 (金)

地上げ屋が明渡請求、交渉決裂で訴訟へ (神奈川)

 横浜市内中区本牧町で木造2階建一棟を家賃月額20万円で平成4年7月より16年間にわたって賃借してきたBさんは、地上げ業者から「当社で土地と家屋を買取ったので、6ヶ月以内明渡してほしい」と突然通告されました。

 Bさんは最寄の消費者センターに相談したところ神借連を紹介されました。組合に入会し、地上げ業者とBさんを交えて再三にわたり粘り強く交渉しましたが、業者は「今後訴訟に移行するので今までの経過に関しては全て白紙撤回する」と言ってきました。

 Bさんは、怯むことなく訴訟になっても受けて立つことを業者に明確に伝えました。

全国借地借家人新聞より


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2009年7月 1日 (水)

明渡し請求に退去拒否を通告 (静岡市)

 静岡市内のOさんは、昨年、退去予告期間(6ヶ月)を無視した追い出しに失敗した家主が、性懲りもなく業者を変えて「今度は6ヶ月前に予告した」と退去の請求をしてきました。

 家主から委任された建築業者Z社から「移転費用は、工事費の中で確保してあるので、補償額を申し出て」との提案がありましたが、Oさんは、「昨年の執拗な脅しまがいの追いたてで神経系統の病に冒され、完治していない」と退去を拒否。Z社は、それでも退去補償の概算を迫り、Oさんは転居の意思は無いとしつつ、一定額を示しました。

 Oさんは、「これからも此処に安心して住み続けたい。家主が法律的な手続きをとった場合受けて立つ用意がある」と決意を新たにしています。

全国借地借家人新聞より


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2009年6月24日 (水)

保証会社が強圧的な取立て 家賃の支払い1日遅れても違約金

 豊島区内に住む斉藤さんは母子家庭である。4年前に、現在住んでいるマンションの入居時の連帯保証人に父親を立てていた。2年前の更新時に、仲介した不動産会社が今後、連帯保証人は家主が指定した保証会社でなければ受け付けないと言われ、やむを得ずA保証会社と保証委託契約を結んだ。

 その後、家賃の支払いが毎月27日迄に間に合わなくなると保証会社の担当者が押しかけ、一時間もドアを叩いたり、ベルを鳴らし続けることや携帯の電話にかけてくるなどの強圧的な取立て行為を行うようになった。

 本来、このマンションはオートロックでドアまでは入ってくることが出来ないにも関わらず、侵入してきたために、やむを得ず警察に通報するなどの対抗措置を取った。しかしながら、仲介の不動産会社と家主は、近隣に迷惑をかけたとの理由で明渡しを請求してきた。

 この保証会社は、一日でも家賃の支払いが遅れると保証契約を打ち切り、改めて更新し、違約金として1万円を支払うという特約をたてに、賃料以外に1万円を取っていた。

 その結果、昨年1年間で12万円を払わされていた。まさに、今問題になっているスマイルサービスと同様な手口で違法行為を行っていたのである。斉藤さんは弁護士との相談の中でこのような悪質な行為に法的措置も含めた対処をすることにした。

東京借地借家人新聞より


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2009年6月23日 (火)

家賃を1日でも滞納したら明渡すとの念書を盾に管理会社が明渡し請求 (大阪)

 大阪府松原市内の賃貸マンションに平成11年4月から入居している武田康夫さんは、入居まもなく病気となり月額10万5000円の家賃の支払いが滞り、昨年末で80万円を滞納していました。

 管理会社からは、家賃を支払わないのであれば、明け渡せと再三再四にわたり督促を受けていました。武田さんは、体調が回復し滞納していた家賃も3月に完納することができました。

 ところが管理会社は、武田さんへ家賃を完納したが「今後は1日でも滞納したら明け渡すこと」との念書に署名捺印を求めてきました。

 妻と高校に通う2人の息子の一家4人の住む場所がなくなるとの不安から、管理会社の言いなりに「念書」を提出し、その上に、「今後の家賃支払いは銀行から自動引落しで支払うこと」を条件に一応契約の継続が認められました。

 武田さんは、銀行で自動引落し手続きなどをしたことがなく、3月末に支払うことになっていた4月分の家賃を4月6日に支払いましたが、管理会社は「念書」を盾に明け渡しを要求してきました。

 途方に暮れた武田さんは、「全国追い出し屋対策会議」の結成総会が報道されたことが記憶にあり、大阪弁護士会へ問い合わせたところ、大借連を紹介され、大借連事務所に相談。管理会社へは「家賃は支払い済みで明け渡しに応じる必要はない」と回答したところ、管理会社からは「賃貸借契約解約申込書」が届けられ、この「申込書」への署名捺印を求められるとともに、自動振り込み契約書と銀行通帳の写しを求めてきました。

 武田さんは、大借連事務所と相談の結果、「申込書」の提出を拒否するとともに、自動振り込み契約書と銀行通帳の写しを送ることにしました。

全国借地借家人新聞より


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2009年6月18日 (木)

生活保護受給で住まいを守る (大阪市西成区)

 大阪市西成区山王町3丁目の賃貸マンションを賃貸中のAさん老夫婦へ、家賃滞納を理由にして「直ぐに出て行け、家具類は処分する」と茨木市に住む家主から口頭で通知されました。

 途方に暮れたAさんは、西成借地借家人組合の藤原組合長を訪ねて相談。組合で事情を訊くと、Aさんは、ご主人とが寝たきりで奥さんの年金が生活の支えとなっており、家賃の支払が困難であることが明らかになりました。

 藤原組合長は、家主へ「事情は聞いた」と連絡し、家主からは「生活保護を受けるように勧めた。もう何年も前から家賃の不払が続いている。出ていって貰うしかない」と困り果てた様子を訴えています。

 そこで、組合は、Aさんに生活保護の申請を勧めたところ、生活保護制度のことについてまったく知らず、西成区役所へ地元の市会議員に同行を願い生活保護の申請手続を行いました。

 そして、家主へは、「過去の滞納分を免除し、今後の家賃は生活保護で支払うことにする」と連絡し、追い出しを思い止まって貰いました。

全国借地借家人新聞より


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2009年6月 5日 (金)

立退料家主提案の50%増で決着(家賃の約46か月分)

 大田区南馬込*丁目の木造2階建住宅を月額65,000円の家賃で賃借中のBさんの家主より、建物付借地を返還された地主(新家主)は平成10年4月に建物朽廃を理由に明渡を通告。

 家賃の約30か月分補償の提示を金子さんは、金額に不満はないが日当たりはよく最高の住環境を失いたくないと組合を通じて拒否。家主は直ちに10年以上も値上げがないと15,000円の家賃増額請求、これに7,000円を回答したが合意に至らず供託。

 一昨年末Bさんに転勤が持ち上がり、拒否した明渡を如何に復活させるか困惑の日々の中、昨年3月家主代理人の不動産業者が組合事務所に来て、当初の条件で明渡を請求してきた。

 交渉で組合役員は現在係争の内容は「家賃の増額」であることを指摘。家主は増額分家賃を全額返還し、混乱の責任を取り補償額50%増額(家賃の約46か月分)を提案。これに年末まで明渡を猶予しその間(7か月)使用料免除で合意した。

 Bさんは、組合員で良かったと転居先の千葉から2カ月毎に組合費を納めに来る。

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2009年6月 2日 (火)

明渡し調停、家賃50か月分で和解 

 足立区江北町で年金収入で生活する新藤さんは、ある日突然家主が変わった。借家の老朽化を理由に3ヵ月分の家賃はいらないから立退くように言われた。また、借地権を150万円で購入を迫られビックリした。家主に連絡するが「関係ない」と言われ途方にくれる。

 他団体の紹介で組合に相談に来る。業者に都営住宅転居するまで移転できないと家賃を供託する。6ヵ月後に家屋明渡しの調停の呼び出しを受ける。建物も築70年を過ぎていることから、約50か月分の家賃を条件に解約の和解に応じた。

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