カテゴリー「借地の諸問題」の記事

2009年11月20日 (金)

底地を買った途端に隣人が建物が越境しているとクレーム

 荒川区荒川で数10年にわたり16・8坪の借地をしてきたBさんは、このたび隣近所の借地人と共に2人の地主と話し合いで土地の測量をした上で土地を買取った。16・8坪の借地上にはほぼ目一杯のBさんの木造2階建ての家が建っている。

 数日後、隣の主人が来て、「うちの土地に約1坪にお宅の家が越境しているので直ぐ土地を返してくれ」と言ってきた。Bさんは、隣に売った地主と伊藤さんに売った地主と3人で改めて実測したところ、Bさんが数10年前に借地をした時から越境し家を建てたことが判明した。

 しかし、Bさんは長期間16・8坪の地代を払い続け元の地主からも何の注意も受けずにいたので、何で今更と思い、今後も1坪の借地をしていく覚悟でいる。

東京借地借家人新聞より


参考> 民法
境界線付近の建築の制限
第234条  建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない。

2  前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から1年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。

所有権の取得時効
第162条  20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

2  10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年10月19日 (月)

地主が勝手に借地部分にブロック塀を造る (東京・荒川)

 荒川区東尾久に住むAさんは、昭和7年から現在の土地を借地し、問題なく経過していました。

 地主から更新の話があったのは法定更新後の平成19年7月でした。更新料を支払えと要求され、また新しい契約書には大幅な変更がされており、これらを拒否しました。

 翌年の1月地主はAさんの借地を測量し、契約書に記載されている坪数より1.79坪分多いので、その分の地代の差額をこれから先支払えと要求してきました(*)。

 支払う必要がないとこれを拒否したところ、平成21年4月になって強引に借地内の家の壁から15㎝のところに5段のブロック塀を造り、なおかつ0.87坪分の地代を支払えと請求してきました。

 Aさんは、借地内に設置していたブロック塀やその他の設備を撤去するよう要求し、撤去に応じない地主に対し裁判で争う決意です。 

全国借地借家人新聞より

(*)参考記事 
①「借地の契約面積と実測面積の違い

②「買った土地の面積が実際より広かった場合」(最高裁平成13年11月12日判決


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年7月 2日 (木)

借地人が団結して大地主の宗教法人への対応を相談

 足立区に住むYさんは、親の代からの借地で地主は宗教法人である。これまでも更新料を3年分割で支払ってきた。

 契約期間中に地代値上げ要求を受け、現状でも高額なため値下げを地主に申し出た。地主は他の借地人との公平性に欠けるとして、値下げの申入れを拒否。値上げに応じないからと地代の受領を拒否し、自分の考えで供託するようにとの文書を受け、供託を開始した。

 その後は更新料を要求されたが法定更新を続けている。Yさんの住む地域には、同じ地主の借地人が100人以上いる。Yさんの呼びかけで昨年暮れから3回の相談会を開催し、その中で個々の対応ではなく借地人の一致団結の対応が確認された。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年5月26日 (火)

境界問題は不満だが一応解決

 大田区西蒲田*丁目の借地人のSさんの相談は、隣地の建替えの工事で一部に境界杭がないことがわかり、地主に連絡しても協力が得られないということでした。

 弁護士のアドバイスを得て、法務局から地主が申請した地積測量図を取り寄せる。地主に当時の測量士を尋ねるが死去してると我関知せずの態度。組合の協力で測量士の生存を確認でき相談。測量は隣地の同一借地人に底地売買が目的でした。測量図を見て驚く、19坪がが約2.4坪も狭くなっている。この事実を20数年も知らせなったのです。

 地主は測量士の説得で測量と境界杭入れには立会ったが、費用は負担しなかったのです。地主が責任を放棄したので、Sさんは面積減少の不満を押えて、権利を守るために杭を入れて境界問題はこの程解決しました。

 しかし、地主は3年前が更新であることを思い出したのか、更新料と地代の増額を不動産業者を介して請求。Sさんは更新料の不払いと、地主の不誠実な態度に厳しく対応する決意をしております。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年5月25日 (月)

借地面積を騙す

 渋谷区本町で66坪を借地しているHさんは、昭和26年に管理人を通じて地代1ヶ月345円を払って土地を借りた。

 昭和30年に地主から建物収去土地明渡しで調停申立てられ、和解をして土地の面積を66坪3合5勺として、借地内の間口4尺5寸、奥行11間93の土地を共用通路とすることを確認した。

 昭和37年に自宅を改築することになり、Hさんの父親が当時地主の管理人に騙されて借地の内の通路部分を地主に返したとして借地面積を54坪で契約してしまった。

 しかし、地代はその後も全く金額も変わらず、Hさんは一貫して66坪で地代を支払いつづけてきた。

 今年に入り地主は貸地部分の測量を行い、Hさんの借地部分を分筆し66・1坪で登記した。

 ところが、最近になって地主は66坪の内以前契約した54坪分以外の12坪は貸していないと主張。54坪で測量しなおすといってきたが、Hさんは拒否すると、今度は地主は代理人を通してHさんの借地部分の通路に置いてある車を撤去せよ建物を無断で増改築したと因縁をつけてきた。Hさんは嫌がらせに負けず今後も頑張る決意だ。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年5月22日 (金)

無断で境界杭打

 大田区下丸子、所在の宅地48・51坪を賃借中のAさんは、今年11月の更新を控えて地主の突如の地代値上げにも、値上げ額下げさせて応じてた数ヵ月後の6月上旬でした。

 これまで無かった境界杭が何の説明も了承も得ずに打たれていたことに驚き、すでに組合員であったAさんは事務所へ相談にこられた。

 以前道路の調査の際測量士が他の杭等から推測して境界線とした目印の赤線よりも6cmもAさんの占有地に越境していたのです。地主は隣りの借地人が移転し、更地になった土地を不動産業者を介して売買したので杭を打ったとのこと。

 Aさんの抗議に対し、地主から依頼された不動産業者は、更新も近いので悪いようにはしないとか、越境分を金銭で補償したいという。Aさんは、指示どおり目印の所に杭を打ち直さない場合、組合と相談しているので境界確認の訴訟を起こすと伝えると、翌日業者とこの件に関わった測量士がAさんの主張を認めて境界杭を入れ直した。

 Aさんは約3日間の攻防であったが、組合員と知ってから地主・不動産業者等の豹変には驚いたという。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年5月13日 (水)

借地の相続で坪当り9万円の名義書換料を請求

 大田区西六郷、所在の宅地約32・5坪賃借のKさんは父名義の借地上の建物を息子名義で建替えるに当り、地主に承諾を求めたら建替え承諾料に更新料・名義変更さらに転貸料も含むと約1000万円を支払わされた。

 父の死去後、契約書を名義変更すると坪当たり9万円を請求する地主に、怒りを覚え組合に相談した。直ちに、賃借権者の変更は相続によるものであり、地主の承諾は必要としない旨を書面にて通告した。

 地元でも悪名高き地主、今度は地代増額を請求。すでに高額な地代を払っており、Kさんは厳しく対応する。地主の目の前で携帯電話で組合に相談。持参した従前と同額の地代を受領させた。しかし、年末には受領拒否されて供託に移行した。同一地主の借地人の入会は6世帯に増えている。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年4月24日 (金)

借地が公売に

 足立区の組合事務所の近くに住む山本さんは、借地の土地の公売通知を見てビックリ、とても買う資金も用意できず途方にくれていた。

 看板を見て組合に相談した。同じ地主の敷地内に19軒の借地人がいるが聞くことも出来ずにいた。共同入札等の入札の方法もあることを知り、勇気を出して18軒に声をかけ、組合の協力で相談会を開いた。

 全員一致の方向はとれなかったが、3軒が組合に加入し、今後もお互いに情報交換していくことになった。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2008年12月16日 (火)

自ら法律に反していながら法的救済を求めるのは信義則に反するとした事例

 判例紹介

 自ら法律に反していながら法的救済を求めるのは信義則に反するとした建築距離違反の事例 大阪地裁昭和63年9月26日判決、判例タイムズ695号)

 (事案)
 Aは甲土地、Bは乙土地をそれぞれ所持し両土地と隣接している。

 Aは両土地の境界線をイ、ロを直線で結んだ線(B地に食い込んだ線上を境界と主張)であるとして境界の確定を請求し、同時にBが民法234条で定める建築距離である境界線から50cm空けずに建物を築造しているため、本来空地であるべき土地部分を利用できなかった損害賠償としてBに対し40万円の支払を求めた。

 BはAの主張する境界線を争い(結果、Aの主張は認められず、Aには不利な境界が確定)、Bの建築物が仮に民法234条に違反しているとしても、A自身(昭和48年に建築)も同条に違反しているから、Aの請求は認められないとして争った。

 (判決)
 「信義則上、およそ法的救済を求めんとするものは自ら潔き手を持って来るべし(*)、という要請があると解すべきであるところ、AはBに対し民法234条の遵守を求め、これに従わなかったとして賠償を請求しているけれども、右認定のとおりA自身も同条に違反しているので、それは右信義則に反することになる。一般に、信義則違反の事実が認められる場合で、強行法規が適用される場合には、その強行法規の強行性の程度、内容と法の目的に照らして衡量し、後者が前者に優位するときに限り信義則の法的効果を承認することができると解すべきである。」

 (寸評)
 判決は、民法234条のうち火災の延焼防止の目的は公益的要素の強いものであるが、隣地上の築造、修繕の便宜、日照、通風の確保等の利益の保護は利益的要素に属するとして、A、B双方の建物が耐火建築物であることを考慮し、本件では民法234条はそれほど強い強行性があるといえないとしている。

 強行法規に反した相手方の行為と信義則の関係につて参考となる事例であるので照会した。

(1992.12.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

 参考法令
 民法 (境界線付近の建築の制限)
第234条  建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない。

2  前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から1年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。

(*)クリーンハンドの原則・・・・自ら手を汚している者は裁判所の救済は得られないという考え方


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2008年12月15日 (月)

借地上の建物を取壊し有料駐車場にしたが、契約解除を認めなかった事例

 判例紹介

 借地上の建物を取壊してアスファルト舗装をし有料駐車場にしたが、契約解除が認められなかった事例 東京高裁平成2年4月26日判決、判例時報1351号)

 (事案)
 借地人は、木造建物所有の目的で借地していたところ、昭和61年に借地上の建物を取壊してアスファルト敷きにして、「月極駐車場」の看板を出し、9台分の駐車場として使用していた。

 地主は、借地を他人に使わせるので無断転貸であり、また建物所有のために貸したのに駐車場に使用するのは借地の使用目的に違反している、 と主張して契約の解除をした。

 第一審裁判所の千葉地方裁判所木更津支部は、地主の主張を認めたが、本判決である第二審の東京高等裁判所は、借地人勝訴の逆転判決をした。

 (判決の要旨)
 借地人が本件土地を有料駐車場として使用していることは、本件土地の無断転貸にあたるし、本件賃貸借契約で定められた用法にも違反する。

 しかし、次の理由から、本件賃貸借関係は、未だ解除を相当とするほど信頼関係が破壊されたものとはいえないので、解除は許されない。

 借地人は、本件土地上の建物を以前貸家として使用していたが、1年以上借手がつかず、空家のままであった。庭には雑草がはびこり、浮浪者が入り込んだりして火災の発生する危険もあったので、建物がかなり老朽化していることも考慮して、とりあえず本件土地を駐車場として使用する目的で建物を取壊して整地及び舗装をしたことが認められる。

 舗装はアスファルトによる簡易なもので、建物敷地への復元は容易であり、駐車場といっても他に何等の設備ないし施設はなく、駐車料金は月額5000円程度であるから、借地人の利益は本件土地賃料と大差がないこと、借地人は、昭和63年中に「月極駐車場」の看板を撤去したことが認められる。

 借地人が借地上の建物を取壊したのはそれなりの合理的な理由に基づいており、有料駐車場としての利用は、利用者の利用関係の解消は困難ではなく、暫定的かつ小規模なものであって、その原状への復元も容易である。

 (短評)
 借地を駐車場にして他人に貸すケースがある。地主がこれを承知していても、契約更新のときなどに駐車場使用を理由に解除を迫ってくることも珍しくない。

 判断の微妙な違いにより、本判決と一審の地方裁判所の結論が分かれている。

(1990.09.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

より以前の記事一覧