保証金/敷金トラブル/原状回復/法定更新/立退料/修繕費/適正地代/借地権/譲渡承諾料/建替承諾料/更新料/保証人
東京借地借家人組合連合会(東借連)
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(問) 毎月賃料の支払をしているのに貸主は領収証をくれない。何か問題が起きるのではないかと心配で、何度も領収証の発行を請求したが、この状態が長期間続いている。どうすればいいのか。
(答) 貸主と借主の関係が円滑の場合は、賃料支払を証明する受取証書を貸主から貰っていなくても何も問題は発生しないであろうが、些細なことが原因でトラブルに発展するケースがある。支払の証拠がないことから、貸主から、得てして賃料不払いという言掛りをつけられる虞がある。
仮に悪意が無くても、賃料支払に対する受取証書の交付を長期間受けていないと賃料の支払いの継続性が不明確になり、その支払の証明が出来ずに賃料の2重払いのトラブルに巻き込まれる危険がある。
受取証書は賃料支払の事実を証明するものである。従って、「弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる。」(民法486条)。
即ち、借主は賃料を支払った時には、貸主に対して、受領した旨の記載された受取証書を請求する権利がある。
受取証書というのは、弁済したことの証拠となる文書のことで、その形式はどのようなものでもよい。通常は領収証が用いられる。
民法486条は、支払の有無についてトラブルが生じた場合に備えて、立証を容易にして、賃料の2重払いの危険を避けるために弁済者に認められた権利である。
また、民法533条は「双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる」と同時履行の抗弁権を規定している。
では、賃料の支払いと受取証書交付は同時履行の関係に立つのか。
判例上は、弁済と受取証書の交付は同時履行の関係にあり、借主は賃料の支払いと引換えに受取証書の交付を請求出来ると解されている(大審院昭和16年3月1日判決)。
即ち、受取証書の交付と同時引換えでなければ債務の履行を拒むことが出来るのであるから、貸主が受取証書を交付しない場合は、借主は賃料支払を拒否することが出来る。
「受領拒絶の態度を改め、以後賃料を提供されればこれを受領する旨を表示する等の受領拒絶を解消する措置を何らとっていない場合のように、受領拒絶の意思が明確と認められる場合には、口頭の提供さえしなくても、債務不履行の責任を負うこともない」【最高裁昭和32年6月5日判決(民集11巻6号915頁)及び最高裁昭和45年8月20日判決(民集24巻9号1243頁)】。
従って、貸主が以後賃料を提供されれば、受取証書を交付して受領すると明確に表明している場合は別にして、交付しないという意思を撤回する措置を何らとっていない場合は、貸主が受取証書を交付しないという意思が明確であると認められる(民法494条の「受領拒否」に該当する)ので、以後の賃料を提供しなくても、借主が支払わないことに対して、何ら債務不履行の責任を問われることはない。
だが、借主の安全を考慮すると不払のままにしないで、法務局へ賃料の弁済供託をする方が無難である。
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判例紹介
平成20年3月21日判決言渡 東京簡易裁判所
平成19年(少コ)第3209号損害賠償請求事件(通常手続移行)
判 決
主 文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求の趣旨
被告は原告に対し,金59万8500円及びこれに対する平成20年1月17日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
1 請求原因及び原告(会社)の主張の要旨
(1) 原告は,平成19年8月24日,訴外Aから,被告マンションに隣接する下記の借地権付き建物(以下「原告建物」という。 )を買い受けた。売買契約の際,原告建物に後記の被告マンションによるテレビの受信障害があることは,Aないし不動産仲介業者から原告には告知されなかった。
記
所 在 東京都北区a町b丁目c番地
家屋番号 d番e
種 類 事務所 共同住宅
構 造 鉄骨造 陸屋根 4階建 延床面積 m2335.8
昭和63年2月29日新築
(2) その後,被告マンションを原因とするテレビの受信障害が発生することが判明したため,管理会社である訴外株式会社Bに問い合わせたところ,原告建物が被告マンションによる受信障害の補償エリア内にあることがわかった。原告は被告(管理組合)に対し,受信障害を解消するための対応を依頼したが,被告は同年11月12日,対応できないとの回答をした。
(3) 原告建物の前所有者であるAは,被告マンションの建設当時,受信障害について何らの説明も受けていない。原告建物はその所在地からして受信障害が発生する可能性が極めて高い地域にあり,被告は受信障害発生の有無を調査した上で,Aにその結果を告知する義務があったのにこれを怠った。被告マンションの建設当時と現在では近辺の状況は大きく変容しているが,原告建物の受信障害は被告マンションが原因であることは間違いなく,被告は依然として受信障害対策を講じる義務を負っている。
(4) 原告の損害及び被告の責任
原告建物のテレビ受信障害を解消するための工事費用(地上デジタル放送の受信を前提とした見積)は59万8500円であり,これを被告マンションによる受信障害の損害賠償として請求する。
2 被告(管理組合)の主張の要旨
(1) 被告マンション(12階建て,高さ36.6メートル)の建築主である訴外株式会社Cは,平成4年の建築当時,訴外D技術協会会員のE電設株式会社に「建造物によるテレビ受信障害調査報告書 」(乙1)を作成させ,テレビの受信障害が発生すると予測された地域の住民に対し建築主の費用負担で共同受信設備を設置し,従前どおりの地上アナログテレビ放送の電波を受信できるよう対策工事を行った(乙2,3)。
(2) 原告建物には前記の対策工事は行っておらず,この地域にケーブルテレビが導入されたのは平成8年になってからであることからすると(乙4,5),平成4年の被告マンション建築当時にはテレビの受信障害が発生していなかったものと推認される。
(3) 昭和51年3月6日付け郵政省電波監理局長通達(乙6)によれば,共同受信施設が設置された後 新たに受信障害地域に家屋を建築するなどした 後, 「住者」が共同受信施設の利用を希望する場合は,設置者は後住者に対してこれを利用させることが望ましく,その場合の付加的設備(引込線,保安器,屋内配線等)の費用は後住者が負担するのが適当とされている。被告マンションの共同受信施設が設置された約15年後に原告建物を購入した原告は前記の後住者にあたり,被告は原告が共同受信施設を利用することは許容するが,付加的設備の費用は原告が負担すべきである。
(4) 原告が主張する本件工事費用は,地上デジタル放送の受信を前提としたものであって(乙8) ,工事費用としては過大である。被告マンションによるテレビの受信障害対策工事は地上アナログテレビ放送を受信するためのものであって,地上アナログテレビ放送を受信するためには,共同受信設備から原告建物の保安器までの引込線をひく工事費用の5万7750円で足りる(乙9 )。
3 本件の争点
被告に,原告建物についてのテレビ受信障害対策工事ないしその費用負担の義務があるか。
第3 当裁判所の判断
1 認定事実
証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
(1) 被告マンションは平成4年に建築に着手され 平成5年9月頃完成した (甲4) 。建築当時,建築主がテレビ受信障害調査を行い,テレビの受信障害が発生すると予測された地域の住民に対しその費用負担で共同受信設備を設置し,従前どおりの地上アナログテレビ放送の電波を受信できるよう対策工事を行ったが,原告建物は対策工事の対象とはされなかった(乙1,2,3 )。
(2) その後,平成9年9月25日頃,原告建物の前所有者であるAはF株式会社が運営するケーブルテレビに加入した(甲4,乙4,5)。
(3) 原告は,平成19年8月24日,Aから被告マンションに隣接する原告建物を買い受けた。その際,原告はAないし不動産仲介業者から受信障害の事実を知らされず,契約書,重要事項説明書等の関係書類にもその旨の記載はない(甲1,8,9 )。
2 被告のテレビ受信障害対策工事ないしその費用負担の義務
(1) 前記認定した事実に基づいて,まず被告マンション建設当時に原告建物に既に受信障害が発生していたかどうかについて検討する。前記の受信障害の調査結果に基づいて周辺建物に広く対策工事が行われたにもかかわらず,原告建物がその対象とされなかったことが認められる。また,原告建物の前所有者であるAがケーブルテレビに加入した目的のひとつは,受信障害を解消するためであったと解することもできるが,その時期が被告マンション建設の約4年後である平成9年9月25日頃であることからすると,その頃までの間は,A及び原告建物の賃借人等からの受信障害のクレームはなく経過したものと推認される。これらの事実からすると,被告マンション建設当時においては,原告建物について対策工事による補償を必要とするほどの受信障害は発生していなかったと推認するのが相当であり,これを覆すに足りる証拠はない。したがって,建設当時において,被告に,原告建物のテレビ受信障害対策工事をする義務はなかったものと認められる。
(2) 被告マンション建設の約4年後である平成9年9月25日頃までに,Aがケーブルテレビ加入の必要を感じるに至った原因は,新たな建物の建築等による近辺の状況の変容が原因である可能性を否定できないというべきである。
(3) 以上の経過によれば,原告は,被告マンション建設後約4年あまり経過した時点から受信障害が発生し始めたと解される地域にある原告建物を,さらにその後約10年経過した時点で購入した者であり,乙6号証の電波監理局長通達にいう「後住者」にあたると解するのが相当である。本件のようなテレビ受信障害を除去するための費用の公平負担の観点からすれば,後住者には受信障害の原因者が設置した共同受信施設の利用を無償で認め,同施設までのアクセスを確保するための引込線設置等の費用は,後住者が負担すべきであると解するのが相当である。そうすると,現時点においても被告に受信障害対策工事を行う義務はなく,共同受信施設までの引込線設置等の費用負担の義務もないと解される。
3 まとめ
以上によれば,原告主張の工事費用の当否を議論するまでもなく,被告の義務違反を理由とする原告の損害賠償請求を認めることはできない。よって,原告の請求は理由がないからこれを棄却することとして, 主文のとおり判決する。
東 京 簡 易 裁 判 所 民 事 第 9 室
藤 岡 謙 三裁 判 官
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(問) 3年前に母が亡くなり、その後、父は40坪の借地上の建物に一人で暮らしていた。その父が先日、胃癌が原因で手術の甲斐もなく亡くなった。兄は別に家を持っているので、弟の私が借地権と建物を引継ぐことになった。その場合、名義書替料等を支払う必要があるのか。
(答) 相続人は、相続の開始の時から、相続財産に属した一切の権利と義務を承継する(民法896条)。相続財産は相続人が複数人いる場合、相続人全員が共同で相続する(民法898条)。その場合、法定相続分に応じて共有する。
今回の場合、建物と借地権を兄弟二人が共同で2分の1ずつ共有することになる。このままの状態で借地上の建物を共有して使用する場合は、地主の承諾は不要である。
しかし、分割協議の結果、相続人の一人が単独で所有する場合は、兄の相続持分が弟に譲渡されたことになる。従って地主の承諾が必要という結果になる。
民法612条は、賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲渡し、または賃借物を転貸することが出来ないとしている。それに違反した場合は、契約の解除をすることが出来ると規定している。
しかし、判例は、「共同相続された後に、地主の承諾を得ないで相続人の間で持分の譲渡があっても、無断譲渡を理由とする契約解除は出来ない。この場合、民法612条の無断譲渡・転貸には当たらない」(最高裁昭和29年10月7日判決)。
「所有建物を同居する子との共有とし、これに伴い敷地の賃借権の持分を譲渡した場合には、賃借地の利用及び賃料支払い等の実質関係に前後に変わりがなければ、賃借権の持分の譲渡は、これについて貸主の承諾がなくても、民法612条2項による解除の事由とはならない」(最高裁昭和39年1月16日判決)。
結論、判例に従えば、相談者が借地権と建物の所有権を単独で相続しても、無断譲渡に該当しないので、譲渡承諾料・名義書替料を支払う必要はない。
しかし、このような遺産分割による特定の相続人に帰属するのが当然のこととされる相続の事前処理的な違法性の程度が低い内容でない場合は、借地借家法19条の地主の承諾に代わる裁判所の代諾許可の制度を選択した方が安全である。
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大阪市住吉区東粉浜3丁目の賃貸マンションの1階部分を期間2年の契約で平成14年5月にスケルトンで賃借した森田義雄さんは、貸主の了解で「ふぐ料理店」を開業するために2000万円を費やし改装しました。
その後、賃貸借契約は平成16年5月に法定更新され、期間の定めのない建物賃貸借になっていました。
平成18年8月、突然大阪地裁から「債権差押命令申立事件」の「通知書」が送られ、平成18年9月「債権差押命」が届けられてきました。同時に、大阪地裁は、森田さんへ「事情届」用紙も送ってきました。
森田さんは、当時はその「通知書」が何を意味しているのか理解できず、その後も月額20万円の家賃を振込み続けていました。
さらに、平成19年1月、大阪地裁から債権者の変更の「通知書」が送られてきました。
そして、同時にこれまで聞いたことのない株式会社虎ノ門債権回収という企業から、家賃の支払先を明示した通知書が送られ、さらに、平成19年8月にニッシン債権回収株式会社と名乗る企業からも家賃の振込先を通知してきました。
その上に、平成19年10月大阪地裁から「債権申立事件」の「取下書」が森田さんへ送られ、新所有者の代理人と称する株式会社リブ・マックスから「賃借権が抵当権設定後であるため、不動産の速やかな引渡しを求める」旨の連絡書が送られてきました。
森田さんは、これまで家賃の滞納もなく、改装費の返済もできる見通しができ、何とか事業も軌道に乗ったと思っていた矢先の出来事でした。
<抵当権付と聞いたが、よくわからなかった>
11月22日、民主商工会の紹介で住吉借地借家人組合の千葉事務局長に相談し、深刻な事態になっていることを初めて知りました。
森田さんは、平成14年5月30日付けの賃貸借契約書を確認すると、仲介業者を通じて貸主代理人(管理会社)との間で契約しており、建物所有者とは契約していないことが解りました。
建物所有者は、平成2年7月に抵当権を設定して金融機関から融資を受けており、森田さんが賃貸借契約を締結する際、仲介業者から抵当権が設定されていることを知らされいましたが、抵当権の意味が理解できず競売後の新所有者に対抗力もなく、200万円の敷金も返還されないことも知りませんでした。
森田さんは、「賃貸借契約時に仲介業者から競売になった場合、新所有者から明渡を求められと無条件で解約されることを事前に詳しく説明を受けておれば、契約しなかっただろうし、父親に連帯保証人になってもらってまで改装費用を工面をしなくて済んでいたのに」と悔やんでいます。
森田さんは、弁護士に相談し、今後の対策を検討することになりました。
<短期賃貸借まではほとんど説明しない>
仲介業者を指導している大阪府建築振興課は「重要事項説明書に抵当権設定を記載していても、短期賃貸借制度についてまで仲介業者は詳しく説明していないと思われる。本来仲介業者は、説明するべきであろうが、ほとんどの物件に抵当権が設定されている中で、そこまで説明すると成約できないのではないだろうか。今後機会ある毎に業界を指導していく」と語っています。
平成16年4月1日、民法395条「短期賃貸借保護制度」は廃止された。
しかし、「短期賃貸借に関する経過措置」(附則第5条)により抵当権設定後の建物賃貸借であっても平成16年3月31日までに契約された対抗力のある期間3年以内の建物賃貸借契約の場合は「短期賃貸借の保護」が適用され、その後の更新も認められる。従って、平成16年3月31日までに締結された契約に関しては、現在も短期賃貸借の保護制度は適用されている。
即ち、「この法律の施行の際現に存する抵当不動産の賃貸借(この法律の施工後に更新されたものを含む。)のうち民法602条に定める期間を超えないものであって当該抵当不動産の抵当権の登記後に対抗要件を備えたものに対する抵当権の効力については、なお従前の例による。」(「短期賃貸借に関する経過措置」附則第5条)。
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平成15年から地代・家賃の弁済供託の申請システムが変更
平成15年10月6日から地代・家賃の弁済供託の申請システムが変更された。 供託規則の改正により全国の供託所でパソコンによる供託事務処理システムを利用して、供託書をOCR(光学的文字読取装置)により処理することになった。OCR用供託書による申請以外は受付けられない。OCR供託制度になったことにより供託申請に押印が不要になた。
このOCR供託制度のメリットは、供託書の記載が供託カードの発行により簡略化されたことだ。 地代・家賃は供託原因が消滅するまで毎月継続して供託されるものである。従って地代・家賃の供託を申請する時に「供託カード」交付の申出をするとOCR用供託書の記載内容を登録したカードが発行される。
それ以後の供託からは、用紙に①申請年月日②供託者氏名③供託カード番号④供託金額⑤供託する賃料欄を記入するだけでよくなる。以上5ヶ所に記入したOCR用供託用紙に供託カード及び80円切手を添えて供託窓口へ提出すればよい。従来のように封筒を自分で用意する必要はなくなった。
供託に関して不明の点は、東京法務局民事行政部供託課(電話03・5213・1353)へお問い合わせ下さい。
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インターネットを利用した[e(電子)内容証明]
「e(電子)内容証明」とは、従来の内容証明郵便を電子化し、インターネットを利用したIT時代を象徴する便利な郵便サービスである。
概要は次の通り。差出人がパソコンで作製した内容証明文書を郵便局の専用のホームページに送信。その後、日付印がその文書内に自動的に挿入され、『内容証明の証明文』『差出人宛ての謄本』『受取人宛て原本』をシステムが自動印刷。
さらに印刷時にはシステムが、文書が確実にプリントアウトされているか再電子化して差出人が作製した元の電子文書と突合せて全て確認。そして封筒に自動封入・封緘後、郵便物として発送される。
①余白②最小文字ポイント③最大頁数(5頁)の規定はあるが、現行の内容証明郵便より規定が緩和されている。従来の内容証明郵便3頁分の文字数が、電子内容証明文書なら1頁に収まる。
まず、事前に利用登録をして、利用者IDを取得し、パソコンのワープロソフト(ワードか一太郎)で文書を作成する必要があるが、24時間いつでも差出し可能。
利用料金はクレジットカードか料金後納を選択。受付時に必要な内容証明文書3通が自動的に作製され、封筒も事前に準備する必要はなく、システムで用意されたものを使用し、宛名書き等もすべて自動で行われ、窓口で作製するより迅速に処理できる。詳しくは郵便局か「e内容証明サービス・ホームページ」で。
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借地借家人に課税標準額
(1)固定資産税台帳公開に関する地方税法の改正(2002年3月28日)により、固定資産課税台帳の縦覧制度の改正が行われた。従来の納税義務者本人に係る固定資産の縦覧制度は衣替えし、2003年4月1日から「固定資産課税台帳閲覧制度」として法定化された。
(2)従来の「固定資産税台帳の縦覧制度」は、昭和30年代までは一般に自由に公開されていた。しかし、法律的根拠に基づかない理由に因って昭和40年代以降、納税義務者本人以外は原則として台帳を公開しない扱いになった。
(3)今回の閲覧制度の法定化によって今まで縦覧制度の埒外にあった借地・借家人を固定資産税の実質的負担者として認め、その使用又は収益の対象となる部分について固定資産の課税標準額等の情報を開示することになった。それに伴って借地・借家人に対しての固定資産税台帳に記載されている事項の証明制度も法定化された。
過去に遡って閲覧証明も可能
(1)借地・借家人は東京都の場合、都税事務所で固定資産税及び都市計画税の課税標準額の閲覧或は台帳記載事項の証明を受けることが出来る。
(2)その範囲は
①借地人の場合、固定資産税台帳に記載されている「当該権利の目的である土地」、即ち、借地部の固定資産税の課税標準額及びその課税標準額の証明等である。
②借家人の場合は「当該権利の目的である家屋及びその敷地である土地」即ち、建物と敷地に係る固定資産税の課税標準額とその課税標準額の証明等である。
(3)その場合、借地・借家人は、都税事務所に資格を証明する賃貸借契約書や賃料支払の領収書・供託書等を提示すれば閲覧・証明を受けられる。
(4)課税台帳の閲覧や証明については、請求出来る期間に制限が付いていないので常時行える。
(5)また対象年度は、固定資産税台帳に記載がある限り、過去に遡っての閲覧や証明は可能である。だが、固定資産税の賦課決定の期間制限5年があるので、遡れる上限は5年になるものと考えられる。
(6)閲覧・証明に際しての手数料に関して総務省は「徴収することは適切でない」との見解を発表している。だが、東京都は閲覧(300円)・証明(400円)を手数料とし徴収ている。
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判例紹介
固定資産税台帳に登録された平成6年度の価格が賦課期日における適正な時価を上回るものとして違法とされた事例 (東京高裁平成12年4月19日判決、判例時報1729号38頁)
(事実)
自治省は、平成6年度の土地の評価について、地価公示価格あるいは鑑定価格の7割程度を目途とする旨の平成4年1月22日自治省3号事務次官通達(いわゆる7割通達)を発した上、平成4年7月1日を鑑定時点とし、平成5年1月1日を価格認定時点とし、その間の地価下落率を勘案し、時価の7割を目途として、標準宅地の価格を認定すべき旨の通知を発した。(平成4年11月26日自治省28号税務局資産評価室長通知)
これに対して、従前の評価水準が地価公示価格の2~3割であったのが、著しく高額な価格になったこと及び平成5年から6年にかけて大幅な地価下落があったことから、これらの点が評価基準に反映されていないとして都市部を中心に固定資産評価審査委員会に審査申出や審査決定に対する取り消し訴訟が相次いだ。
本件は、原告らは、港区赤坂に所在する土地に係かる案件である。 1審の東京地裁判決は、平成5年1月1日から平成6年1月1日までの地価下落率を平成4年7月1日から平成5年1月1日までの間の地価下落率があるものと想定してこれを評価に反映させるのが相当としたが、東京都固定資産評価審査委員会は、これを不服として、東京高等裁判所に控訴を申立てた。
(争点)
固定資産課税台帳に登録された価格が時価を上回るか否か。
(判決要旨)
東京高栽判決は、平成5年1月1日から平成6年1月1日までの地価下落率33・5%が、最も地価下落率を正確に反映するものとして採用し、これを超える部分について審査の申出を棄却した決定を取り消した。
(短評)
地方税法では、宅地に課せられる固定資産税は、賦課期日における価格に税率を乗じたものとされている。そして、価格については、「適正な時価」とされ、賦課期日については、3年毎の1月1日とされている。
本判決は、7割通達について、登録価格が賦課期日における適正な時価を下回る場合には当該登録価格が是認されるが、登録価格が適正な時価を上回る場合には、その限度で取り消すとしたものである。このことは、7割通達が適正な時価を超えないよう控え目な算定をしていることを認めるものであり、結局、年間の地価下落率が3割を超えない限り違法にならないとしたものである。
この結果、その後の平成9年、平成12年の評価替えについては、地価下落率が3割を超えない以上、違法の問題は発生しないことになる。なお、本件は最高裁に上告されており、今後の判断が待たれる。
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判例紹介
不動産の賃料債権の差押があった後に当該不動産が第三者に譲渡されても賃借人は債権者の取立てに応じなければならない。(東京高裁平成10年3月4日判決、判例タイムス1009号)
(事案)
負債を抱えていた賃借人は、債権者から自分が賃貸した賃料を差し押えられてしまった。その後、賃貸人は、賃貸建物を他人に譲渡して名義変更をした。賃借人は、賃料を新しい建物名義人に支払い、差し押さえた債権者への賃料支払を拒絶した。そこで、債権者が賃借人に対して、差し押さえた賃料を取り立てる訴訟を起こした。
判決は、賃借人は、賃料を新建物所有者に支払ったとしても、債権者への支払を拒絶できないと判断した。
(判決の要旨)
「不動産の賃料債権に対する差押の効力が生じた後に、右不動産が第三者に譲渡され、所有権移転登記がされた場合には、右賃貸借関係は譲受人に引き継がれるが、差押の効力はそのまま継続し、譲受人たる新賃貸人を拘束すると解するのが相当である。
不動産の賃料債権について差押の効力が生じた後に執行債務者(賃貸人のこと)が、その賃料債権を第三者に譲渡した場合、差押債権者には対抗できない。その不動産が第三者に譲渡された場合には、その賃貸人の地位は当該第三者に移転する。賃貸人の地位は、賃料債権者たる地位と不動産を賃借人に使用収益させる債務を負担する地位とから成るが、この場合の賃料債権の移転は、すでに差押があるから差押債権者が優先する。(不動産を賃借人に使用収益させる債務を負担する地位だけが新所有者に移動する。)
不動産の譲渡による賃貸人の交代の場合には、賃料債権について引き続き差押の拘束を受けることにしても賃借人が何ら不利益を受けるものではない。」
(説明)
賃料が賃貸人の債権者によって差し押さえられるケースが、最近では多いので、係争事例の一つとして紹介する。賃料が差し押さえられた場合の注意点は、賃料を二重に請求されることがないようにすること、処置を誤って賃料不払いとなり契約を解除されることがないようにすることである。本件では、賃借人は六人いたが、賃料差押後に賃貸建物が譲渡されたため、新しい所有者に賃料を支払ったことから、賃料を差し押さえていた債権者から二重に賃料の支払請求を受けたケースである。判決は、賃料が差し押さえられた後に建物が譲渡されても賃料差押の効力は続くので、新所有者に支払ってはならないと述べている。この取り扱い自体は通常のことである。賃料が差し押さえられたとき、賃貸人からさまざまな働きかけを受けることがあり、その説明がどこまで正確なのかの判断が付きにくいこともあるから、組合とよく相談して対処することが必要である。
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共有による複数の貸主に対して賃料は
別々に持分割合に応じて払うのか
(問) 建物や土地の所有者が死亡し、複数の相続人による共同相続により、単独所有から共同所有によって建物や土地が共有に変わった。その場合、借主は賃料を各人に分割し、それぞれの相続割合に応じて各人にそれぞれ支払わなければならないのか。
(答) 土地や建物の貸主が死亡した場合、相続人は土地や建物の所有権を相続すると同時に貸借関係についての貸主の地位を承継する。相続人が数人あるときは、相続財産は、共同相続人の共有に属する(民法898条)。
最近は、不動産小口化商品の1つとして投資者等が細分化された建物の共有持分を買受けるケースが多くなっている。
共同相続人や共有持分取得者が貸主人の地位を承継した場合貸主が複数になる。その場合、借主は相続割合に応じて賃料を各人にそれぞれ分割して支払わなければならないのか、それとも、貸主の内の1人に賃料を全額支払えば、それで全員に弁済したことになるのかが問題になる。
この問題に対して、共有物件の賃料は「不可分債権」であるという判例(東京地裁1972年12月22日判決)がある。
家賃・地代は金銭で支払う債務であるから一見したところは分割債務とするのが素直なように思われる。即ち分割が出来る可分債権に思える。しかし、共有賃料を可分債権とみなすと色々不都合が生じる。
例えば貸主の各自は自分の共有持分の賃料しか請求・受領が出来ないし、借主からすれば、複数貸主の各人に別々に賃料を支払わなければならず、どちら側からも不便である。
そこでこの不都合を避けるために判例は、共有賃料はその性質上不可分債権とみなした。①不可分債権には性質上不可分給付と意思表示による不可分給付がある。②不可分債権においては、債権者の1人が債務者に履行を請求すると、総ての債権者が履行を請求したのと同様の効果が生じる。③債務者が債権者の1人に履行すると、総ての債権者に履行したものと同様の効果が生じる(①②③は民法428条)。
このことから、共有賃料は共同貸主の内の1人に賃料の全額を支払えば、それで総ての貸主に弁済したことになる。
弁済供託を行う場合も同様に考えればよいことが判る。
追伸
最高裁平成17年9月8日判決は「相続開始から遺産分割までの間に共同相続に係る不動産から生ずる賃料債権は,各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し,この賃料債権の帰属は,後にされた遺産分割の影響を受けない」ということで賃料は不可分債権から分割債権へと判例が変更された。
従って、賃料の支払いは相続開始から遺産分割協議が確定するまでは民法494条に基づく「債権者不確知」(*)を理由とした「弁済供託」で対応しなけばならないことになった。
(*)相続や債権譲渡などがあったことによって真正な債権者が誰であるか確知出来ない場合である。
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賃借人が破産した場合には
賃貸人は賃貸借契約を解除することが出来るか
(問)賃借人が破産した場合、賃貸借契約はどうなるのか。
(答) 〈賃借人が破産した場合〉
賃借人が破産するという典型的なケースは、借家人が店舗を借りて営業し、その経営が行詰って自己破産する場合である。破産しても何とか営業を続けていきたいと思っても、従来は賃借人が破産した場合は民法621条に基づいて賃貸人及び破産管財人は解約の申入れをすることが出来た。
今までは、借家人が破産した場合、破産が契約の終了原因になり、解約の申入れには「借家法1条の2の『正当事由』を考慮する必要はなく、もっぱら621条が適用される」(最高裁1970年5月19日判決)。このように破産を理由にして借家契約の解除が出来た。他方、借地人が破産した場合は、解約の申入れには「賃借土地上に建物を所有している場合は、借地法4条1項但書、6条2項の『正当事由』が必要である」(最高裁1973年10月30日判決)としている。
だが破産法の改正(2005年1月1日)により、破産しても再起出来るよう挽回の機会を与える必要があるとして民法旧621条が削除された。その結果、賃貸人は破産したことを理由に借家契約を解除することは出来なくなった。従って、賃借人は賃料を支払っていれば賃貸借契約は継続することが出来るようになった。営業も居住も今まで通り続けられる。
借地についても破産に関しては考え方は同じである。しかし借地の場合、例えば銀行から融資を受けて建物を建築し、銀行への支払いが出来なくなった場合、大概は借地人の建物を任意売却或は競売で資金の回収を図るので破産というケースをとることは稀である。
〈賃料はどうなるのか〉
賃借人が自己破産の申立をする。裁判所から破産手続開始決定前に賃借人が延滞していた賃料については破産債権となり、賃貸人にとっては保護されない債権となる。従って賃貸人は延滞賃料を全額回収することは困難となる。
破産手続開始決定後の賃料については財団債権となる。賃貸人は解除権を奪われた見返りに賃貸人には賃料の受領が財団債権の中で優先的に保障される。
なお、破産手続開始決定前に延滞していた賃料については破産債権となるが、破産手続決定後に、賃借人が財団債権としての賃料の不払・延滞等の事由があれば、当然、賃貸人から民法541条に基づいて契約を解除される。
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地代家賃の値下げに強い味方
固定資産課税台帳を借地借家人へ公開
2003年4月1日から借地人・借家人等は、都税事務所で固定資産課税台帳の①閲覧及び②評価証明書の交付が受けられるようになった。
交付を受ける場合、借地・借家人等であることを確認出来るものを持参する必要がある。例えば、賃貸契約書や賃借料の領収書等である。念のため身分証明書(運転免許証・健康保険証等)も持参した方がよい。
代理人の場合は他に委任状が必要である。電話による委任確認に備えて委任者の電話番号も控えていった方がよい。東京都の場合申請手数料は、①300円・②400円である。
閲覧・証明の申請書には、土地の場合登記簿の地番、家屋の場合は家屋番号を書くようになっているが、住居表示と納税義務者(地主・家主)の住所と氏名を書込めば検索してくれる。
①も②固定資産課税台帳の記載事項をプリントしただけのものであり、内容的には同一だが、②には公印が表示される。
固定資産課税台帳に記載が法定されているのは、課税標準額である。相当税額を記載するか否かは市町村の判断に任せられているで、自治体によって対応に差異がある。
東京都内23区の場合は、税額は記載されていない。ただし、固定資産税と都市計画税の課税標準額は記載してあるので、記載されている「課税標準の特例額」に固定資産税は1.4%、都市計画税は0.3%を掛算すれば年間の相当税額になる。
具体的な地代の算定方法は、「適正な地代算出方法は」を参照して下さい。
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