カテゴリー「定期借家(地)契約」の記事

2009年9月25日 (金)

<アピール>政権交代の新たな情勢のもと、定期借家契約導入・拡大に反対する運動を強めましょう

 8月30日の衆議院議員総選挙の結果、自民・公明両党の連立内閣は歴史的な敗退を喫し、政権交代が現実のものとなりました。国民は「小泉構造改革」を主柱とする政治にはっきりと「ノー」をつきつけました。「構造改革」を推進したのは経済財政諮問会議と規制改革会議であり、総選挙結果はこの両会議の廃止と「改革」の白紙撤回を要求する国民の意思表明でもあると言えます。

 日本の政治の新たな激動が始まろうとしているなかで、本日、借家人団体で構成する借地借家法改悪反対全国連絡会は、定期借家制度問題について学習交流会を開き、その問題点について理解を深めるとともに、政府の定期借家契約拡大政策に反対して、運動を進めることを申し合わせました。各団体のみなさん、国民のみなさんが、この運動に積極的に参加してくださるようよびかけます。

 定期借家制度は、借地借家法「改正」推進派の意を受けて、1999年に議員立法によって創設されました。私たち借家人団体をはじめ法曹界、学会の反対により、借地借家法一部改正法案が法務委員会で廃案になったにもかかわらず、推進派は「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」案に定期借家制度創設を盛り込み、衆参両院建設委員会で可決するという奇策に打って出て、成立させたものです。

 日本経団連はじめ推進派のねらいは、借家人の居住継続を支え居住権のかなめである正当事由制度を緩和し、借家をめぐる「紛争」を減少させ、借家市場の流動化・賃貸不動産市場の育成にあたり、なによりも民間借家への普及・拡大をめざしてきました。しかし皮肉にも、民間市場ではほとんど普及せず、国土交通省が2007年に不動産業者を対象におこなったアンケート調査(回答率25%)によっても、定期借家の契約実績は新規契約全体の5%にすぎないという実態なのです。

 借家人は契約の継続に期待し、地域に溶けこみ根を下ろして市民生活を営み、そこで子育てをして老後を生きています。その継続保護、安定こそが居住の命であり、コミュニティ形成の礎をなしています。定めた期間の満了をもって問答無用に解消する定期借家契約は、居住の本質を踏みにじり、借家人にきわめて不利・苛酷なもので、生活と地域コミュニティを破壊するものです。

 ところが政府は、民間市場にそっぽを向かれているこの定期借家契約を、「期限付き入居」「定期使用住宅」「建て替え予定団地の空き家対策」等々の特定目的をかかげ、公的賃貸住宅利用の「不公平性」を理由に導入し、公営・公社住宅に続き公団住宅(都市機構賃貸住宅)に導入してきました。そしていっそうの拡大を図ろうとしているのです。

 政府当局者は2000年時点では、定期借家制度は公営住宅には「なじまない」ことを明言し、2005年にも国会でその基本原則を再確認していました。しかし、財界が主導する規制改革会議の第3次答申(2008年12月22日)が公営住宅、都市機構住宅への定期借家契約の幅広い導入を打ち出しました。答申は公営住宅に関して「入居基準に関するチェックを定期的に行い、入居基準を満たさない入居者への住み替えを促す仕組みとして」「公営住宅の管理運営の円滑化の観点から」積極的な導入を提起しています。

 また、同会議は都市機構の賃貸住宅に関して、いまの77万戸が多すぎるので住宅の削減、敷地の民間売却をせよと主張し、第3次答申で「部分民営化」を迫り、2009年度の措置として全住宅の約2割を対象にすべて定期借家契約にすべきとしました。これらはそのまま閣議決定されました。

 都市機構は閣議決定に従い、団地「再生・再編」方針を定め、引き続き定期借家契約の幅広い導入の実施方針を発表しました。規制改革会議は都市機構住宅への導入理由として「家賃改定等にともなうトラブルが解消」「退去要請など柔軟な対応が可能」をあげ、「紛争処理コストの大幅に下がる」と公言してはばかりません。居住者の借家権の無力化が住宅の削減・売却、民営化に必修の条件であることを示しています。

 以上の経過のとおり、定期借家制度の実施のやり方もまさに暴挙といわざるをえません。私たちは定期借家制度に反対するとともに、その導入・拡大の方針の即時撤回を要求します。

 定期借家契約導入をめぐる一連の動きは、わが国の住宅の貧困と政策の行き詰まりの現状を暴力的に打開しようというものであることを明らかにしています。公共住宅への押し付けは、「住宅」を一時使用の「施設」に変え、公共住宅制度を変質・消滅させます。私たちはいま、展望のない暴走にストップをかけ、住宅政策の抜本的転換を要求し実現していく重大な課題に直面しています。

 定期借家の導入・拡大をやめさせ、制度撤廃を要求する運動を民主党政権に向けて強め、国民の居住を守るために、力を合わせて取り組みましょう。

2009年9月5日
借地借家法改悪反対全国連絡会

全国借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年9月19日 (土)

定期借家制度に反対する全国学習交流集会(2009年9月5日)

             定期借家制度に反対する全国学習交流集会 

        全借連など借家人団体が会場一杯の107名参加

         継続保護こそ居住の命

   民主党政権に対し定借廃止の運動を

会場を埋める参加者が集まった9・5全国学習交流集会(港勤労福祉会館)
会場を埋める参加者が集まった9・5全国学習交流集会(港勤労福祉会館)

 借地借家法改悪反対全国連絡会主催の「定期借家制度に反対する全国学習交流集会」が、9月5日午後1時30分から港勤労福祉会館において開催された。

借地借家法改悪を推進する自公政権が退場するという総選挙直後の集会となり、全借連・公団自治協・公住協など3団体から会場一杯の107名が参加した。

 主催者を代表して河岸全借連会長が「総選挙の結果に対する国民の期待は大きいものがある。大いに学習し運動を強めていこう」と挨拶した。

 住む権利奪う定期借家制度
 全国公団住宅自治会協議会の多和田代表幹事が基調報告を行い、「安心して住み続けられるためには継続保護こそ命であり、定期借家制度は借家人の生活とコミュニティを破壊するものである。国の責任を放棄し市場まかせにした小泉内閣が残した住宅政策の構造改革の(負の)遺産をなくしていくことが重要である」と強調した。

 続いて、自由法曹団の榎本弁護士が「政府・財界による借家制度改正の動向」について報告した。榎本弁護士は、財界の圧力を受けて政府は平成19年・20年と「規制改革推進3カ年計画」で定期借家制度の見直し、正当事由制度のあり方の見直しを発表し、定期借家制度普及促進や正当事由制度改悪を狙っていることを指摘した。

 民主党のマニフェストで住宅政策の転換を主張する一方で、「定期借家制度の普及推進」を掲げた問題について「定期借家制度は住む権利を奪うもので、定期借家制度の推進を止めるように民主党に働きかける必要がある」と強調した。

 各団体からの報告では、公団自治協の井上事務局長、全国公住協の小池田事務局長、全借連の船越副会長より各団体の活動が報告された。最後に「行動提起」と「共同アピール」が採択。川端全国公住協会長の閉会の挨拶で集会は終了した。

東京借地借家人新聞より

東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年8月18日 (火)

定期借家制度の推進許すな、9月5日に学習交流会開催

 日本経団連は「2009年度規制改革要望」を発表しているが、「土地・住宅・都市再生分野」の中で、再び「定期借家制度の見直し」と「借地借家法における正当事由制度の見直し」を要望している。

 定期借家制度については、書面による説明義務を廃止し、既存の借家契約から定期借家契約に変更できるようにすること、正当事由については建物の老朽化や再開発を理由に更新拒絶が簡単にできる制度への改悪を狙っている。

 また、公団・公社・公営住宅などの公共賃貸住宅にも定期借家制度の導入がすすめられ、民間賃貸住宅を含め定期借家制度が国策として普及促進がされようとしている。

 借地借家法改悪反対全国連絡会では、借家人の居住を不安定にする定期借家制度の改悪を許さず、同制度の普及推進をさせないために以下の日程で学習交流会を開催する。

  日時 9月5日(土)午後1時30分開会
  会場 港勤労福祉会館(JR田町駅西口徒歩5分)
  基調報告 全国公団自治協代表幹事多和田栄治氏
    「相次ぐ定期借家制度の導入で、国民の住宅問題の解決につながるのか」(仮題)その他。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年7月31日 (金)

契約期間満了後に定期借家契約の終了通知が届いた場合はどうなるのか

(問) 平成16年8月1日から契約期間2年の定期借家契約を締結し、マンションに入居した。2年後、貸主は再契約に関しては何も言わず、その後も毎月家賃を受領し続けたので、そのまま居住していた。
 期間満了後約1年5か月経過した平成19年12月になって定期建物賃貸借終了通知が送られて来た。内容は「平成20年6月30日で契約は終了しますので、期日までに建物の明渡しを完了して下さい」というものだ。貸主の要求に従わなければならないのか。


(答) 借地借家法38条4項は、1年以上の期間を定めた定期借家契約を期間満了により終了させるためには「期間の満了の1年前から6月前までの間(通知期間)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない」と規定している。
 ただし、通知期間の経過後に終了通知をした場合は、その通知をした日から6か月後に契約は終了するとなっている。
 尚、契約期間が1年未満の場合、終了通知は免除されている。

 法文上は「通知期間の経過後」とだけ定められ、通知期間の制限を定めていない。従って、貸主は、通知期間を経過した場合の終了通知は期間満了後であっても、6か月の猶予期間を経過すれば、何年後であろうと貸主の好き勝手な日に契約を終了出来ると理解しているようである。

 しかし、終了通知は期間満了前にしなければならない。何故ならば、38条4項本文には終了通知は「期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知」となっており、「但書」の「その旨の通知」が「期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知」を指すのは明らかである。従って、期間満了前までに終了通知をすることは、法の趣旨からも当然である。

 定期借家契約は「更新」が無く、期間が満了すると確定的に契約が終了するものであり、従前の賃貸借が継続することは有り得ない。従前の賃貸借が継続するというのであれば、「期間の定めのない」定期借家契約ということになり、自己矛盾であり、更新が無いという定期借家契約の趣旨に反するものである。

 定期借家契約が成立するためには、借地借家法38条1~2項の法律要件を満たさなければならない。
 ①従って定期借家の再契約は確定期間の定めのある契約で更新しない契約であることを貸主は、あらかじめ契約書とは別の書面を交付して説明しなければならない)(同38条2項)。
 ②また必ず公正証書等の書面による契約が必要である(同38条1項)。
 ③貸主がこれらの規定による②の説明をしなかった場合は、定期借家契約は無効になり、普通借家契約という扱いになる(同38条3項)。
 以上①~③の手続が踏まれていない場合は定期借家契約は成立しない。

 期間満了時に借地借家法38条1~3項の規定よる再契約の手続きをしないで、貸主が契約期間満了後も借家人から家賃を受領し続けている場合は、定期借家契約自体は終了し、期間満了後の賃貸借契約は新たに民法619条1項の規定により期間の定めのない「普通借家契約」が成立する。

 そもそも、定期借家契約の成立要件は、①書面による契約で、②特約で契約の更新がなく、③契約期間が確定しており、期間満了により確定的に契約が終了することである。従って、契約満了後も定期借家契約が継続し、家主がいつでも好き勝手な日に終了通知をすれば、6か月後に確定的に契約が終了すると考えることに無理がある。

 尚、契約期間満了後になされた「終了通知」は、解約申入れとみなされる。しかし、期間の定めのない賃貸借契約の場合は解約の申入れに際しては正当事由が必要とされている(借地借家法28条)。従って、貸主が借家契約を解除するには正当事由を立証する必要であり、最終的には裁判所の判断に委ねられる。


) 平成12年2月1日 建設省建設経済局長・建設省住宅局長名で都道府県知事宛てに「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」が出されている。以下が借地借家法第38条2~3項関係の事項。

 「定期賃貸住宅契約を締結しようとするときは、あらかじめ賃貸人は賃借人に対し、契約の更新がなく、期間満了により終了することについて、その旨を記載した書面を契約書とは別に交付して説明しなければならないこととされており、それを怠った場合は、定期賃貸住宅契約とはならず、従来型の正当事由がない限り賃貸人からの更新拒絶ができない賃貸住宅契約となること。このため、書面の雛形である「定期賃貸住宅についての説明」の周知を図ること。」(「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」建設省経動発第10号、建設省住民発第1号)

 参考法令
 「借地借家法」第38条
 (定期建物賃貸借)

第38条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

4  第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。

民法
(賃貸借の更新の推定等)
第619条  賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第617条の規定により解約の申入れをすることができる。

(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ)
第617条  当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一  土地の賃貸借 1年
二  建物の賃貸借 3箇月
三  動産及び貸席の賃貸借 1日
2  収穫の季節がある土地の賃貸借については、その季節の後次の耕作に着手する前に、解約の申入れをしなければならない。 


参考 「Q&A 定期借家契約」」(東京借地借家人組合連合会編)より

Q1 定期借家契約とは
Q2 定期借家契約を結ぶ手続き
Q3 既存の居住用借家契約から定期借家契約への切り替え
Q4 既存の店舗借家契約から定期借家契約への切り替え
Q6 定期借家契約の相続・譲渡・転貸借
Q7 定期借家契約期間途中の解約
Q8 借家人は定期借家契約の途中で家賃の減額を請求できるか
Q9 定期借家契約の期間が満了で必ず建物を明渡さなければならないのか
Q10 同じ建物で定期借家契約が繰り返された場合は
Q11 新しく借家契約をするときの注意点


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年7月10日 (金)

定期借家契約期間満了8か月後に終了通知

 Hさんが東京都大田区南蒲田*丁目の店舗共同住宅の内階下左側面積10.7㎡を月額4万円の家賃で2年契約で賃借したのが平成17年12月でした。

 期間満了後の平成20年8月に管理者の不動産業者に家賃を持参した際に定期借家契約だから6ヵ月後に明渡せと請求されて、初めて定期借家契約と判ったのでした。

 しかし、家賃を受領し続けて平成21年1月末持参の2月分家賃を拒否されたことで、困ったHさんは知人の紹介で組合に入会しました。不動産業者は契約の際の説明(*1)及び明渡しの通知(*2)を怠り、借地借家法第38条の要件を満たして織らず、普通借家権が成立し期間の定めのない契約に移行したと通告し、受領拒否の家賃を供託しました。

 土地売却を願う家主は裁判に持ち込み、Hさんは明渡しに応じられないと、弁護士に依頼して裁判を戦う決意です。

全国借地借家人新聞より


*1)借地借家法第38条2項~3項
賃貸人の交付書面による説明義務
2  前項の規定(定期借家契約)による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

 ⇒ 定期借家契約を締結する場合、貸主は借主に対して「契約の更新がなく、期間満了により契約が確定的に終了する」ことを書面(契約書とは別の説明書)を交付して、説明する義務がある。書面による説明をしなかった場合は、「契約の更新がない」という条項が無効になり、定期借家契約は普通借家契約へ切替わる。

 「定期賃貸住宅契約を締結しようとするときは、あらかじめ賃貸人は賃借人に対し、契約の更新がなく、期間満了により終了することについて、その旨を記載した書面を契約書とは別に交付して説明しなければならないこととされており、それを怠った場合は、定期賃貸住宅契約とはならず、従来型の正当事由がない限り賃貸人からの更新拒絶ができない賃貸住宅契約となること。このため、書面の雛形である「定期賃貸住宅についての説明」の周知を図ること。」(「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」建設省経動発第10号、建設省住民発第1号)

*2)借地借家法第38条4項
契約の終了通知
4 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。

 ⇒ 終了通知は借地借家法第38条4項本文に「期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知」と規定されている。従って、定期借家契約の≪終了通知≫は契約の満了前にしなければならない。期間満了までに定期借家契約の終了の意思表示がない場合は、「契約の更新がない」という特約の効力は無効になり、普通借家契約へ移行する。

 <参考記事>

 契約期間満了後に定期借家契約の終了通知が届いた場合はどうなるのか


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年6月26日 (金)

普通借家契約から定期借家契約への切り替えを要求されたが

(問)私は、平成11年4月に住宅を借りて住んでいますが、当初から2年毎に契約書を書換えて更新してきました。今年3月に家主の代理人と称する不動産業者から、今回から契約は定期借家契約にするので、契約書の他に書面を持ってきて署名捺印を求めてきました。定期借家契約の意味がわかりませんので、どのように対応したらよいのか悩んでいます。


(答)平成11年12月15日に交付された「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」によって借地借家法が「改正」され、平成12年3月から定期借家制度が施行されました。この制度は、契約で定めた契約期間が終了すると、「正当事由」がなくとも、借家契約が終了されることになります。従って、家主と借家人の双方で合意がなければ再契約はできなくなります。

 定期借家契約は、事業用借家居住用借家を問わず、当事者の合意によって結ぶことができます。
 しかし、平成12年3月1日以前に結ばれている居住用借家契約は、当事者間の合意があったとしても定期借家制度は適用しません。(※

 定期借家契約を締結する場合、賃貸借契約のほかに「定期借家制度が適用され更新の無い契約であることを説明した公正証書などの書面による説明」をして当事者間で合意しなければなりません。(※

 さらに、家主は、契約解約する場合は期間満了前の1年前から6ヶ月前の間に「賃貸借期間の終了」を借家人へ通知する義務があります。(※

 ご相談の方の事例は、居住用借家であり平成12年3月以前の賃貸借契約ですので、たとえ合意したとしても定期借家契約にはなりません。

全国借地借家人新聞より

(※ 
(借地借家法の一部改正に伴う経過措置)
第3条 第5条(現行・借地借家法第38条)の規定の施行(平成12年3月1日)前にされた居住の用に供する建物の賃貸借の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、第5条の規定による改正後の借地借家法第38条の規定は、適用しない。

(※) 
(定期建物賃貸借)
第38条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条(借家人に不利な特約は無効とする)の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項(期間1年未満の借家契約の禁止)の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

4 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。(※


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年6月25日 (木)

既存の普通借家契約を法律で禁止されている定期借家契約へ切替え (京都)

 京都市伏見の借家に40年前に契約して住んできた石田さんは、この度家主の不動産管理会社が変わったことから、「あらためて賃貸借契約書意を交わしたい」との申し入れがあり、石田さん宅に契約書が投函されました。

 その契約書なるものは、なんと「定期建物賃貸借契約書」でした。石田さんは40年前に契約しているので、定期借家契約への切換えは認められません。

 まして、事前に家主側の説明義務なしの違法なやり方です。石田さんは定期借家契約の押し付けに断固拒否して闘います。

全国借地借家人新聞より

(参考)
附 則 
(平成11年12月15日法律第153号) 抄

(施行期日)
第1条  この法律は、公布の日から施行する。ただし、第5条、次条及び附則第3条の規定は平成12年3月1日から施行する。

(借地借家法の一部改正に伴う経過措置)

第2条  第5条の規定の施行前にされた建物の賃貸借契約の更新に関しては、なお従前の例による。
2  第5条の規定の施行前にされた建物の賃貸借契約であって同条の規定による改正前の借地借家法(以下「旧法」という。)第38条第1項の定めがあるものについての賃借権の設定又は賃借物の転貸の登記に関しては、なお従前の例による。

第3条  第五条(借地借家法第38条)の規定の施行(平成12年3月1日)前にされた居住の用に供する建物の賃貸借(旧法第38条第1項の規定による賃貸借を除く。)の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、第5条の規定による改正後の借地借家法第38条の規定は、適用しない。

(検討)
第4条  国は、この法律の施行後4年を目途として、居住の用に供する建物の賃貸借の在り方について見直しを行うとともに、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


 借地借家法第38条の定期建物賃貸借(定期借家契約)の規定は平成12年3月1日に施行された。

 この定期借家契約は平成12年3月1日以前に契約した居住用借家には「借地借家法の一部改正に伴う経過措置」(附則第3条)により適用されない。即ち、「経過措置附則第3条」により既存の居住用普通借家契約を解約して新たに定期借家契約へ切換えることは禁止されている。

 仮に当事者の合意で居住用普通借家契約を解約して新たに定期借家契約へ切換えたとしても、その契約は定期借家契約として認められず、普通借家契約として扱われる。

 なお、店舗・事務所・倉庫等の営業用借家は、平成12年3月1日以前に契約したものであっても、当事者の合意があれば、普通借家契約から定期借家契約への切換えは行える。

 <参考法令
 借地借家法
 (定期建物賃貸借)
第38条
 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

 参考記事
 定期借家契約とは

 既存の居住用借家契約から定期借家契約への切り換え

 既存の店舗借家契約から定期借家契約への切り換え


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年6月12日 (金)

定期借家契約の期間満了の8か月後に終了通知が

 横浜市磯子区に居住するHさんが、大田区南蒲田*丁目所在の店舗面積10.7㎡を月額4万円の家賃で、期間2年で賃借したのが平成17年12月だった。

 期間満了になっても更新の手続きするでもなく、平成20年8月なって管理者の不動産業者が家賃を持参した際に「メモ」で定期借家契約だから6カ月後に明渡せと請求する。

 しかし、持参すれば何も言わずに家賃を受領し続けて、今年1月末持参の2月分家賃を受領したが、2月中旬なって一旦受領した2月分家賃を返却されて3月で明渡せといわれた。Hさんは知人の不動産業者に相談して組合を紹介された。

 借地借家法第38条の要件が満たしておらず、普通借家権が成立し、期間の定めのない契約に移行したと考えられるので、明渡しを拒否し家賃を供託した。裁判で強制執行するという家主の代理人業者の脅しにも、臆することなくHさんはお客の励ましを得て頑張っている。

東京借地借家人新聞より
 

 <参考記事>

 契約期間満了後に定期借家契約の終了通知が届いた場合はどうなるのか

 ②定期借家契約の期間が満了で必ず建物を明渡さなければならないのか


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年3月18日 (水)

定期借家の解約通知 (京都)

 京都市北区で借家住まいの杉井さんは、3年前の12月に借地借家法第38条に規定されている3年契約の定期建物賃貸借契約を結びました。

 そもそもこんな契約を結んだことが難儀の始まりでしたが、それでも「定期建物賃貸借についての説明書」に「再契約」ができると記されていることをよりどころに契約しました。そして、今年7月には「定期建物賃貸借契約終了のご案内」と同封して「解約申込書」「入居申込書」が送られてきました。

 杉井さんは、当然「再契約」するべく、指定期日内に「入居申込書」を提出しました。

 ところが、9月に突然家主から「再契約しない。12月いや今すぐ退去せよ」とのあらっぽい電話が入り、その後物件の管理会社からも内容証明郵便が届きました。

 杉井さんは、その内容証明郵便をもって京都借地借家人組合連合会(京借連)事務所へ相談。

 京借連は、杉井さんが持参した書面では法律上の手続が一応されており、かなり困難であろうと考えました。

 しかし、最後まで諦めずに、再契約が可能であり、それも規定・約束どおりに提出していたことから、『再契約されるべきが正当であり、本来6ヶ月前には通知されねばならない解約通知が3ヶ月前になされたこととも併せて無効である』と内容証明郵便を送ったところ、「今回に限っては再契約をする」との返事を受取りました。

  京借連では、取敢えずは杉井さんの居住の権利が守られたことにほっとしています。

全国借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年3月13日 (金)

契約更新時に定期借家契約へ切替え (大阪)

 大阪市東淀川区豊新5丁目の商業ビル(一部居住用)で店舗を賃借しているIさん等8名の商人は、今年8月上旬突然「平成20年7月24日旧所有者から買受け所有権を取得し、併せて貴殿(貴社)に対する定期賃貸人たる地位を承継した」「平成21年3月31日に契約期間が満了する」よって「借地借家法38条4項の規定に則り通知する」旨の「通知」が新所有者から送られてきました。

 Iさん等は、昭和62年4月に前所有者と賃貸借契約を結び、平成19年4月に契約更新し、「定期店舗賃貸借契約書」に印鑑を捺しました。その時、Iさん等は定期店舗賃貸借が何のことかまったく知らず、従来の更新手続きと思い込んでいました。

 驚いたIさん等は、東淀川借地借家人組合へ相談し事後対策を検討したところ、定期店舗賃貸借切り替える場合、書面により事前の説明があり当事者の合意がなければ無効であることがわかりました。

 そこで、契約時に前所有者から定期店舗賃貸借に切り替える旨の書面による説明がなかったことから、「定期店舗賃貸借契約書」は無効である旨の通知をおくりました。

 その後、新所有者からは、何の意思表示もなくIさん等は組合に入会し営業を守るために頑張る決意をしています。

 全大阪借地借家人組合連合会の調査によると、平成12年2月1日付けで建設省(現在国土交通省)は、定期借家制度を適用する賃貸借は、「書面を契約書とは別に交付して説明しなければならない」「それを怠った場合は、定期賃貸住宅契約とはならず、従来型の正当事由がない限り賃貸人からの更新拒絶ができない賃貸住宅契約となること」との「通達」を都道府県知事宛てに出していることが明らかになりました。

全国借地借家人新聞より

 東京・台東借地借家人組合(注) 平成12年2月1日 建設省建設経済局長・建設省住宅局長名で都道府県知事宛てに「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」が出されている。以下が借地借家法第38条2~3項関係の事項。

 「定期賃貸住宅契約を締結しようとするときは、あらかじめ賃貸人は賃借人に対し、契約の更新がなく、期間満了により終了することについて、その旨を記載した書面を契約書とは別に交付して説明しなければならないこととされており、それを怠った場合は、定期賃貸住宅契約とはならず、従来型の正当事由がない限り賃貸人からの更新拒絶ができない賃貸住宅契約となること。このため、書面の雛形である「定期賃貸住宅についての説明」の周知を図ること。」(「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」建設省経動発第10号、建設省住民発第1号)

借地借家法
(定期建物賃貸借)
 
第38条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

4  第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年2月 6日 (金)

定期借家契約のビルの明渡しで立退料200万円(大阪市)

 天六阪急ビルは、北区天六交差点北側に茶色の8階建のビルで、大正15年に建設されました。かつてこの建物は、天六界隈のシンボル的存在で、阪急の終着駅であり繁華街でした。

 現在は、地下鉄ができ、一時ほどのにぎわいはありませんが、天神橋商店街の出入口として貸店舗として営業しています。

 奈良市内に住むYさんは、このビルを阪急電鉄から平成16年4月から平成21年3月までの期間で定期賃貸借契約を結びました。

 当時は、Yさんは定期賃貸借契約がどんな契約であるのか理解できませんでした。そして、契約前に阪急から、「定期賃貸借契約についての説明」なる書面に署名捺印をしました。

 今年4月になって、阪急から「築後80年が経ち老朽化が著しく建替をする」との理由から契約解除の通知を受け、今年12月末で解約することを通知してきました。

 相談を受けた北区借地借家人組合は、Yさんから事情を聞き検討した結果、「契約期間が来年3月末までの定期賃貸借契約であり、期間が終了すればいずれ解約しなければならなくなることから、残存期間もあり移転料を請求して見てはどうか」とアドバイスをしました。

 阪急側は、Yさんの要求を受け入れて、敷金を全額返還し、移転協力金として200万円の支払いを約束しました。

大借連新聞
(全大阪借地借家人組合連合会)
より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年2月 5日 (木)

居住貧困を加速させる定期借家制度

住宅セーフティネットの公営住宅にも定期借家制度の活用促す
礼金・敷金ゼロ物件の罠
短期の定期借家物件で居住が不安定に

インターネットに掲載されているゼロ・ゼロ物件
インターネットに掲載されている
ゼロ・ゼロ物件

 定期借家制度が2000年3月に導入されて8年が経過するが、民間賃貸住宅市場で依然として普及されていない。

 公営住宅や公社住宅などでは、条件つきながら導入される一方で、非正規雇用労働者などワーキングプアをターゲットにした礼金・敷金ゼロの1年間の短期の定期借家物件が増加傾向にあり、消費生活センターには家賃が相場より高いために家賃を滞納して退去を迫られる相談が増加しているという。

定期借家制度の内容知らない借家人
 定期借家制度について国土交通省が平成19年3月に行なった調査によると、新規契約に占める割合は普通借家契約95%に対し、定期借家契約は僅かに5%と民間の賃貸住宅市場においては全く活用されていない。

 「定期借家制度を活用しない理由」として、「賃借人にとって魅力に乏しく、空家になる可能性がある」45・8%、「普通借家契約に特段の不都合はないため」44・4%、「審査が厳格であれば、普通借家でもトラブルを防ぐことが可能であるため」22・8%と、賃貸物件を仲介している不動産業者からも定期借家制度は敬遠されている。

 「定期借家制度の認知状況」では、入居者の中で「内容の全部又は一部知っていた」33%、「制度があることは知っていた」34%、「全く知らなかった」33%で、制度の内容も知らない入居者が過半数を超えている。

定期借家が貧困ビジネスに
 多くの借家人が定期借家制度の内容について知らない状況の中で、アパート入居の初期費用を支払えないワーキングプアが短期の定期賃貸借契約(1年間)の礼金・敷金ゼロの「ゼロゼロ」物件をインターネットで探して契約するケースが増えている。実際には狭い1K物件で相場より家賃が高く、結局家賃を支払うのが困難で、退去せざるを得ない人も少なくないという。

 契約について知識の無い借家人に不当な契約条項を押し付けられる場合が多く、最近問題となった借地借家法の適用を認めない「施設付鍵利用契約」であったり、家賃を1日でも滞納すると部屋の鍵を交換し、再入室するのに高額な違約金を取られたという相談が組合にも寄せられている。

 全国消費生活協会の消費生活相談員の玉城恵子氏は「契約自由の原則があるが、非正規雇用労働者など経済的弱者は、居住権の制限された物権を選ばざるを得ない」と嘆く。

 定期借家制度を導入する目的として「良質な賃貸住宅の供給が増える」、「家賃が安くなり借主が借りやすくなる」が大義名分だったはずだが、大義そのものが怪しくなってきた。このまま放置しておくと住宅弱者が貧困ビジネスの餌食になるばかりだ。

公営住宅等に定期借家制度の活用がすすむ
 住宅困窮者のセーフティネットといわれる公営住宅についても、国土交通省は昨年9月の住宅セーフティネット基本方針で「公営住宅における定期借家制度(期限付き入居)の活用を図ることは必要である」と定め、定期借家制度の導入の方針を決めている。

 東京都では40歳以下の若年ファミリーを対象に期間10年の定期借家制度がすでに導入されている。住宅供給公社についても建替え対象の住宅については建替えの1年前までの期間の定期借家契約で募集し入居させている。

 機構住宅(公団住宅)については、「規制改革3カ年計画」の閣議決定で「定期借家制度を幅広く導入する」ことが決まり、機構住宅にも新規契約等に全面的に導入することが検討されようとしている。

法改悪の機会を窺う定期借家推進協議会
 不動産業界等で組織する定期借家推進協議会は、定期借家制度の見直しについて(1)家主の事前説明義務の廃止、(2)普通借家への切り替えの容認、(3)中途解約権の任意規定化以上3点の法改正に向けて自民党と連携し、国会への法案上程の機会を窺っている。

 東借連と全借連では、公団・公社・公営住宅の自治会や自由法曹団と共闘を強め、国会や政党への運動を継続して取組んでいる。定期借家制度の問題点や危険性を普及させる運動が急務となっている。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2009年1月20日 (火)

事業用定期借家契約を理由に明渡請求裁判

 大田区大森南*丁目にてクリーニング業を営むBさんが、店舗併用住宅の明渡しの訴状を手に相談にみえた。

 訴状内容は、「事業用定期建物賃貸借契約期間満了にも関わらず、明渡しに応じていない。建物から退去して明渡せ」ということだった。そもそも兄の名義の契約を更新の際に本人名義に切り替える時に、大変なこととは考えず家主の言われるままに、定期建物賃貸借契約に署名捺印をしたのが問題の発端だった。

 これまで知り合いの税理士に相談してきたが、見通しが立たず組合の役員を介して組合事務所を訪ねたのだった。

 定期建物賃貸借契約は、平成12年3月1日以前に契約し、居住用の建物賃貸借契約は定期借家契約への切り替えは認められないが、事業用は切り替えができる。

 Bさんの場合は居住も付いている(店舗併用住宅の場合は居住用の扱いになる)ので定期借家法の附則第3条に抵触し、契約の切り替えは無効と争う決意でいる。

東京借地借家人新聞より

(参考)
附 則 
(平成11年12月15日法律第153号) 抄

(施行期日)
第1条  この法律は、公布の日から施行する。ただし、第5条、次条及び附則第3条の規定は平成12年3月1日から施行する。

(借地借家法の一部改正に伴う経過措置)

第2条  第5条の規定の施行前にされた建物の賃貸借契約の更新に関しては、なお従前の例による。
2  第5条の規定の施行前にされた建物の賃貸借契約であって同条の規定による改正前の借地借家法(以下「旧法」という。)第38条第1項の定めがあるものについての賃借権の設定又は賃借物の転貸の登記に関しては、なお従前の例による。

第3条  第5条(借地借家法第38条)の規定の施行(平成12年3月1日)前にされた居住の用に供する建物の賃貸借(旧法第38条第1項の規定による賃貸借を除く。)の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、第5条の規定による改正後の借地借家法第38条の規定は、適用しない。


 借地借家法第38条の定期建物賃貸借(定期借家契約)の規定は平成12年3月1日に施行された。

 この定期借家契約は平成12年3月1日以前に契約した居住用借家には「借地借家法の一部改正に伴う経過措置」(附則第3条)により適用されない。即ち、「経過措置附則第3条」により既存の居住用普通借家契約を解約して新たに定期借家契約へ切換えることは禁止されている。

 仮に当事者の合意で居住用普通借家契約を解約して新たに定期借家契約へ切換えたとしても、その契約は定期借家契約として認められず、普通借家契約として扱われる。

 なお、店舗・事務所・倉庫等の営業用借家は、平成12年3月1日以前に契約したものであっても、当事者の合意があれば、普通借家契約から定期借家契約への切換えは行える。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

 

|

2008年5月19日 (月)

新しく借家契約をするときの注意点

【Q11】 これから新しく借家契約を結ぶに当たってどんな点に注意したらいいでしょうか。

  【A11】 今後、定期借家契約が出回ることが予想されますので、先ず、賃貸借契約書が、普通の賃貸借契約書か定期借家契約書かのどちらであるかを注意してください。

 普通の賃貸借契約書では、「期間満了の時は当事者双方協議して更新することができる」と書かれていますが、定期借家契約書の場合は、「期間満了の時は、更新がないこととする」と書かれています。「契約の更新がない」と書かれていた場合は、定期借家契約になります。契約調印のときに、貸主や不動産屋さんに、「契約書にはこう書いてあるが字際は更新できるら」と言われたとしても、最後にものを言うのは賃貸借契約書に書いてある文字ですから、よく注意する必要があります。

 次に注意すべき点は、契約の中途解約についての条項です。定期借家契約書には、「借主が契約期間の途中で解約するときは、残存期間の賃料を支払われなければならない」と書かれていることがあります。このような条項、例えば「借主が中途解約を申し入れた場合、解約申入れから1ヶ月を経過したときに賃貸契約が終了する」というような条項に訂正してもらってください。

 最後に家賃の値上げに関する条項に注意してください。定期借家契約書では、例えば「家賃は2年ごとに5%増額することに合意する」とか「家賃は5年間は不変とする」というような条項がある場合があります。

 右のような契約条項は、定期借家契約のもとでは有効とされてしまいますので、契約をするときに、よく検討する必要があります。

Q&A 定期借家契約」(東京借地借家人組合連合会編)より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2008年5月16日 (金)

同じ建物で定期借家契約が繰り返された場合は

【Q10】 同じ建物について定期借家契約が繰り返されたときでも、期間が満了したとき、建物を明渡さなければならないのでしょうか。

【A10】 一般に賃貸契約書には、「期間満了の時は当事者双方協議して更新することができる」と書かれていますが、定期借家契約書では、「期間満了の時は、契約の更新ができないこととする」と定められることになります。

 定期借家契約の期間が満了したときに、お互いの合意で、再度、定期借家契約書を取り交わすということもあり得ます。再度の定期借家契約をすることは、法律的に禁じられるものではありません。

 しかし、契約期間の満了時に、何度も定期借家契約が繰り返された場合、当事者間において、「契約の更新がないこととする」という定期借家の契約意思が、真実あったのかどうか、大いに疑われることになり、ケースによっては、定期借家ではなく普通の借家契約であると見なされる場合が出てきます。そうなれば、期間満了だけの理由で明渡す必要はなくなります。

 賃貸契約に「一時使用のための賃貸借」というものがあり、やはり契約更新がありませんが、一時使用賃貸借が何度も繰り返されると、賃貸借の更新制度を脱法するために一時賃貸借契約の形を作ったと判断され、普通の賃貸借契約であると見なされる場合があります。

Q&A 定期借家契約」(東京借地借家人組合連合会編)より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2008年5月15日 (木)

定期借家契約の期間が満了で必ず建物を明渡さなければならないのか

 【Q9】 定期借家契約の期間が満了したとき、必ず建物を明渡さなければならないのでしょうか。

 【A9】 定期借家契約では「契約の更新がない」という特約が付いています。「更新がない」とは、合意で更新することもないし、法定更新することもないという意味です。

 定期借家契約の期間が満了したときに、借家契約が終了するには、次の「終了通告」のあることが必要です。定期借家契約では、法定更新というものがありませんので、理論的には、期間満了と同時に当然に契約が終了することになり、衝撃が強すぎます。

 そこで、この摩擦や不都合を少しでも回避するために、改正された借地借家法は、「賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(これを「通知期間」といいます)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了すること」を通知しなければならない、この通知をしなかったときは、「賃貸借の終了を賃借人に対抗できない」と定めています。「対抗できない」という意味は、あくまでも賃貸人からは契約終了を請求できないということです。

 なお、改正借地借家法は、終了通知を正規の「通知期間」内にせず、それ以後にした場合、その通知の日から6月を経過した後は、定期借家による「賃貸借終了を賃借人に対抗することができる」と定めていますので、例えば、期間満了の1日前に終了通知が来ると、それから6ヵ月後には賃貸借が終了することになります。

 契約期間の6月前までにこの終了通知がなく、そのまま契約期間を過ぎて、賃借人が建物使用を継続してしまったときは、賃貸人は、もはや賃貸借の終了を賃借人に請求することはできなくなります。その結果、定期借家契約における「定期特約」は、事実上、消滅して期間の定めない通常の賃貸借契約が継続することになります。この場合、以後の契約関係がどうなるのかについては、期間の定めのない定期借家契約になるという説と期間の定めのない普通借家契約になるという説がありますが、私たちは、後説が正しいと考えます。 

Q&A 定期借家契約」(東京借地借家人組合連合会編)より

(定期建物賃貸借)
第38条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

4  第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2008年5月14日 (水)

借家人は定期借家契約の途中で家賃の減額を請求できるか

 【Q8】 定期借家契約の場合、借家人は契約の途中で家賃の減額を請求することができるでしょうか。

 【A8】 借地借家法32条1項は、①土地や建物にたいする租税その他の負担増減、②土地や建物の価値の上昇又は低下その他の経済事情の変更、③近隣の家賃に比較して不相当になったときには、「契約の条件にかかわらず」、貸主は家賃の増額を、借主は減額を請求することができる、と定めています。

 定期借家契約の場合にも、原則として右の規定が適用になります。5年とか10年とか比較的長期の定期借家契約の場合には、右の規定が適用される余地があります。

 しかし、新法は、定期借家契約においては、「借賃の改定に係る特約がある場合」には、右の規定は適用しない、としました。すなわち、「借賃の改定に係る特約」が優先し、右の①~③のような事情が生じても、家賃の増額を請求したり、又は、減額を請求することはできなくなりました(借地借家法38条7項)。

 したがって、例えば、「契約期間中家賃は据置きとする」とか「家賃は2年毎に5%ずつ増額する」とかの特約があれば、定期借家人は、たとえ前記①~③のような事情が生じても家賃の減額を請求することはできません。

Q&A 定期借家契約」(東京借地借家人組合連合会編)より

(借賃増減請求権)
第32条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。(借地借家法32条1項

7 第32条の規定は、第1項の規定による建物の賃貸借(定期建物賃貸借=定期借家契約)において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。(借地借家法38条7項


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2008年5月13日 (火)

定期借家契約期間途中の解約

 【Q7】 借家人は定期借家契約を途中で終了させることができるでしょうか。

 【A7】 普通の借家契約も定期借家契約も、期間を定めて契約を結んだ以上、その期間の途中において貸主はもちろん、借主も一方的に契約を終了させることはできません。これが原則です。

 この点、新法は定期借家契約について特例を定めました。すなわち、床面積が200平方メートル未満の居住の用に供する建物(店舗兼居宅の場合もこれに含まれます)の定期借家契約については、「転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から1月を経過することによって終了する」(借地借家法38条5項)としました。そして、右の規定に反する特約で定期借家人に不利な特約(例えば、地上のいかんを問わず中途解約は認めない、など)は無効とされました。

 右の規定の反対解釈として、
①床面積が200平方メートル未満の居住用建物であっても転勤等のやむを得ない事情がない場合とか、
②居住用建物であっても床面積が200平方メートル以上である場合とか、
③非居住用(店舗とか事務所など)である場合(面積の大小は問わない)には、
 これまであったような例えば1ヶ月前に予告すれば解約できるというような特約でも結ばれない限り、借家人の方から一方的に中途解約することはできないことになりますすなわち、期間の中途で明渡しても残存期間の家賃は支払わなければならないのです。

Q&A 定期借家契約」(東京借地借家人組合連合会編)より

借地借家法38条5項
第1項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が200平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から1月を経過することによって終了する。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2008年5月12日 (月)

定期借家契約の相続・譲渡・転貸借

 【Q6】 定期借家契約の場合、借家権の相続・譲渡・転貸借はどうなるのでしょうか。

 【A6】 定期借家契約は、契約の更新がなく、期間の満了により賃貸借は終了し、借家人は建物を明渡さなければならない、というところに特徴がありますが、その他の点では普通の借家契約と何ら性質は変わりません。

 したがって、借家権の相続・譲渡・転貸借についても普通の借家契約と同じように考えればよいことになります。建物の修繕についても同様です。

 ① 定期借家権の相続
 定期借家権も財産権としての相続の対象になり、民法886条以下に定められている相続人(これを法定相続人といいます)が定期借家権を相続することができます。相続人が数人いる場合に、そのうち誰(と誰)が定期借家権を相続するかは、相続人間のみの協議で決めることができ、家主はこれに異議を挟むことはできません。相続人は被相続人が締結した期間の残存期間だけ賃借することができます。もし、相続人が定期借家権を相続を相続しないとしても、残存期間の家賃は支払わなければなれません。

 ②定期借家権の譲渡と転貸
 定期借家権の譲渡持て息借家の転貸も家主の承諾が必要です。承諾を得ずに無断で譲渡したり転貸したりしますと、家主から定期借家契約を解除されてしまいます(民法612条)。

Q&A 定期借家契約」(東京借地借家人組合連合会編)より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2008年5月 9日 (金)

既存の店舗借家契約から定期借家契約への切り替え

 【Q4】 平成12年3月1日前から借家をして店舗を営業していますが、定期借家契約に切り替えられないでしょうか。

 【A4】 平成12年3月1日前から店舗を借りて営業をしている場合には、借家契約の更新に関してはなお従前の例によるとされています(特別措置法第2条1項)。

 したがって、これまでの店舗についての普通借家契約の場合にも、借地借家法第28条により、家主に建物を使う必要など正当の事由がない場合には、これまでどおりの借家契約の内容で更新されることになります。

  ところで、家主がこれまでの借家契約の途中、あるいは時期満了に際して、借家人に対し、これまでの借家契約を合意解約して新たに定期借家契約を結ぶことを求めて来た場合、定期借家契約に切り替えることができるかどうか問題となります。

 この場合、借家人が、定期借家契約への切り替えを拒否すれば、定期借家契約に切り替えることはできません。

 次に、借家人が、定期借家契約への切り替えを承諾した場合、定期借家契約に切り替わるのかどうかが問題となります。

 この場合、借家人が、居住用借家の場合とは異なり、定期借家契約に切り替えることに合意した以上、定期借家契約に切り替えることができるとされています(特別措置法第3条)。

 そこでは、家主は借家人に対し、貸主・借主の力関係から定期借家契約に切り替えようとする場合がありますので、定期借家契約への切り替えの要求に対しては慎重に対処する必要があります。
 なお、店舗だけでなく、事務所、工場、倉庫等の場合も同様です。

Q&A 定期借家契約」(東京借地借家人組合連合会編)より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2008年5月 8日 (木)

既存の居住用借家契約から定期借家契約への切り替え

 【Q3】 平成12年3月1日前から借家をしていますが、定期借家契約に切り替えられないでしょうか。

 【A3】 平成12年3月1日前から居住用の建物を借りている場合には、借家契約の更新に関してはなお従前の例によるとされています(特別措置法第2条1項)。

 したがって、これまでの普通借家契約の場合には、借地借家法第28条により、家主に建物を使う必要など正当の事由がない場合には、これまでどおりの借家契約の内容で更新されることになります。

 なお、この居住用借家には、生活の本拠として使用している店舗併用住宅を含みます。

 ところで、家主が期間の途中あるいは更新時期に、借家人に対し、これまでの借家契約を合意解約して新たに定期借家契約を結ぶことを求めて来た場合、定期借家契約に切り替えることができるかどうか問題となります。

 この場合、借家人が、定期借家契約への切り替えを拒否すれば、定期借家契約に切り替えることはできません。

 次に、借家人が、定期借家契約への切り替えを承諾した場合、定期借家契約に切り替わるのかどうかが問題となります。

 この場合でも、今回の改正では定期借家契約に切り替えることはできないとされました(特別措置法第3条)。

 しかし、そこには『当分の間』定期借家契約に切り替えることはできないとされていますので、借家人の権利を守る上では、この『当分の間』を永続させることが必要です。

Q&A 定期借家契約」(東京借地借家人組合連合会編)より

 定期借家推進派は既存の居住用借家から定期借家への切り替えを禁止している「特別措置法第3条」の削除を目論んでいる。

(参考)
附 則 
(平成11年12月15日法律第153号) 抄

(施行期日)
第1条  この法律は、公布の日から施行する。ただし、第5条、次条及び附則第3条の規定は平成12年3月1日から施行する。

(借地借家法の一部改正に伴う経過措置)

第2条  第5条の規定の施行前にされた建物の賃貸借契約の更新に関しては、なお従前の例による。
2  第5条の規定の施行前にされた建物の賃貸借契約であって同条の規定による改正前の借地借家法(以下「旧法」という。)第38条第1項の定めがあるものについての賃借権の設定又は賃借物の転貸の登記に関しては、なお従前の例による。

第3条  第五条の規定の施行前にされた居住の用に供する建物の賃貸借(旧法第38条第1項の規定による賃貸借を除く。)の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、第5条の規定による改正後の借地借家法第38条の規定は、適用しない。

(検討)
第4条  国は、この法律の施行後4年を目途として、居住の用に供する建物の賃貸借の在り方について見直しを行うとともに、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2008年5月 7日 (水)

定期借家契約を結ぶ手続き

 【Q2】 定期借家契約を結ぶにはどういう手続きが必要か。

 【A2】 普通の借家契約の場合には、契約書など交わさなくても口頭でも結ぶことができます。しかし、定期借家契約の場合には、

 第1に、書面によって契約をすることが必要です。したがって、契約書などの書面によらず口頭だけの場合には定期借家契約は成立しません。借地借家法38条1項は「公正証書等書面」によって契約しなければならないと規定していますが、公正証書に限らず書面であれば市販のものでもかまいません。

 第2に、定期借家契約書には、契約の更新がないことが明記されていなければなりません。それと矛盾するような契約内容となっている場合には定期借家契約とは認められず、普通の借家契約となります。

 第3に、定期借家契約を結ぶに当って、貸主は借主に、契約の更新がなく、期間が満了すれば賃貸借契約は終了することが記載された書面を渡して説明しなければなりません。この書面による説明がなかった場合には、定期借家契約は成立せず、更新のある普通の借家契約として扱われることになります。 

Q&A 定期借家契約」(東京借地借家人組合連合会編)より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2008年5月 3日 (土)

定期借家契約とは

 【Q1】 定期借家契約とはどういうものですか。

 【A1】 定期借家契約とは、契約の期間あるいは建物の種類・用途を問わず、契約期間が満了したときには、契約が更新されることなく、終了する契約です。(借地借家法第38条)

 これまでの借家契約では、契約期間が満了しても、家主に建物を使う必要など正当の事由がないときは契約が更新されることになっていました。

 ところが、定期借家契約では、契約期間満了に際して、家主と借家人との間で、特に再契約の合意がなされなければ借家を使用し続けることができなくなったのです。したがって、定期借家契約を結ぶかどうか慎重に考える必要があります。

 また、定期借家契約の場合、これまでの借家契約と異なり、契約期間が重要な意味を持つことになります。これまでは、契約期間が満了しても、更新が予定されていましたので、契約期間がそれほど重要な意味をもっていなかったのですが、定期借家契約になると、契約期間が満了することによって当然に借家契約が終了することになりますので、期間を何年にするかが、重要な意味を持つことになります。

 借家人は、定期借家契約を結ぶに当り、建物をどういう目的でどのように使用するかの計画を立て契約期間が長くも短くもないように決めなければなりません。

 そして、3年なり、5年なり、あるいは10年という期間で契約することになるわけですが、契約内容によっては、中途で解約できなかったり、解約する上で厳しい条件がついていることもありますので、この意味でも契約期間を慎重に決める必要があるのです

Q&A 定期借家契約」(東京借地借家人組合連合会編)より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2008年1月 7日 (月)

(問題15) 店舗の定期借家契約への切替

(問題15) 店舗の定期借家契約への切替
 店舗の普通借家契約が期間満了で契約更新に当り、更新ができるので今までの契約と変わりはないと言われ、2年間の定期借家契約に変更しました。家主からは定期借家契約について事前の説明は受けておりません。定期借家契約を取消して普通借家契約に戻すことはできますか。

 (①取り消すことはできない。 ②取り消すことができる。)

(解答)
取り消すことができる

(解説)
東京・台東借地借家人組合2【2007年4月17日 (火)】 (参考)

 無効な定期借家契約

 仙台市でアンティ―クの雑貨のお店を営業している斉藤さんは今年の8月に建物を取り壊すので明渡して欲しいと言われた。突然の話しで困っていると家主はいきなりこの契約は今年の2月までの定期借家契約で期限が過ぎているので6ヶ月の予告で解約できると言ってきた。

 心配になってインターネットや本などで借地借家人組合と言う組織の存在を知って相談にきた。電話での相談で困難な面があったが、契約書などをファックスで送付したところ、定期賃貸借契約だという家主の主張には定期借家契約に必要な書面による通知がなかった。その上、家主の夫は宅建主任の免許をもっており、その仲介での契約であった。家主の代理人である弁護士からは」「定期借家契約に基いて、引き続き契約するならば定期借家契約。それ以外ならば明渡しを求める」との通知がきた。

 組合では斉藤さんと相談し「この『定期借家契約』そのものが借地借家法第38条2項の文書がないことで無効となり、通常の賃貸借契約であること。又、期限が過ぎての契約解除通告は無効である」と主張することにした。

東京借地借家人新聞より

 参考法令は「借地借家法
 (定期建物賃貸借
第38条
 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。

 前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

 建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。

 第1項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が200平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から1月を経過することによって終了する。

 前2項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。



東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年12月16日 (日)

事業用定期借地権の存続期間延長

 2007年12月14日、事業用定期借地権の存続期間延長法案が参院本会議で賛成多数で可決、成立した。

 現行の事業用定期借地権(借地借家法24条)は借地存続期間が「10年以上20年以下」と規定されている。その存続期間を「10年以上30年未満」(改正借地借家法23条2項)と「30年以上50年未満」(改正借地借家法23条1項)とに期間を延長したものである。

 23条1項が今回新設されたもので、特約によって①更新を認めたり、②再築による期間延長、③建物買取請求権を認めることが出来るようになった。勿論、特約で①~③を禁止することも出来る。

 23条2項は従来の借地借家法24条の期間を10年延長したもので、従来と同じで公正証書で契約すれば、特約を交わさなくても、上記の①~③は禁止措置が採られているので認められない。

 なお、この存続期間延長の改正借地借家法23条は2008年1月1日から施行される。

 以下の青字部分が改正されたところ。改正点は現行23条を24条へ移行し、現行24条に青字部分を追加して23条2項に変更した。

 (定期借地権)
 第22条 存続期間を50年以上として借地権を設定する場合においては、第9条及び第16条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含。次条第1項において同じ)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第13条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。

 (事業用定期借地権等)
 第23条 専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を30年以上50年未満として借地権を設定する場合においては、第9条及び第16条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第13条の規定よる買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。

 2 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を10年以上30年未満として借地権を設定する場合には、第3条から第8条まで、第13条及び第18条の規定は、適用しない。

 3 前2項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。

 (建物譲渡特約付借地権)
 第24条 借地権を設定する場合(前条2項に規定する借地権を設定する場合を除く。)においては、第9条の規定にかかわらず、借地権を消滅させるため、その設定後30年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる。

2 前項の特約により借地権が消滅した場合において、その借地権者又は建物の賃借人でその消滅後建物の使用を継続しているものが請求をしたときは、請求の時にその建物につきその借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間で期間の定めのない賃貸借(借地権者が請求をした場合において、借地権の残存期間があるときは、その残存期間を存続期間とする賃貸借)がされたものとみなす。この場合において、建物の借賃は、当事者の請求により、裁判所が定める。

3 第1項の特約がある場合において、借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間でその建物につき第38条第1項の規定による賃貸借契約をしたときは、前項の規定にかかわらず、その定めに従う。



東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年11月 6日 (火)

新家主が普通借家契約から定期借家契約への変更を要求してきた

      新家主が定期借家契約と
           家賃倍額値上を通知、供託で対抗

  武蔵野市境で戦前から木造平屋建て一戸建の借家に住む伊藤さんは、家主が昨年9月末で地主に借地権付の建物を売却してしまった。

 新家主(地主)から、いきなり昨年10月から1年契約の定期借家契約を結ぶよう請求され、家賃も月額4万2500円を10月分から月額7万円に値上げして前払いで支払えとの一方的な内容の通知を内容証明郵便で送りつけられた。伊藤さんは不安になって組合に相談に来た。

 組合役員から「定期借家契約は期間が満了したら借家を無条件で明渡さなければならない。現行法では普通借家契約から定期借家契約に変更することは居住用では認められていない」とのアドバイスを受け、新家主から来た内容証明郵便に対し、組合を通じて「定期建物賃貸借契約にて賃貸借契約を締結せよとのお話ですが、特別措置法附則第3条により、普通借家契約から定期借家契約への切替は法律で認められていません」ときっぱり拒否し、家賃の値上げについても更新が出来る2年契約でなければ協議に応じられない旨を返答した。

 10月分の家賃を10月末に提供したが、受取を拒否されたので、伊藤さんは早速東京法務局府中支局に供託手続きをとった。すると、家主は家賃値上のみで調停申し立てをして来た。どうやら、定借契約への切替えは諦めたようだ。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年5月24日 (木)

事業用定期借地権の存続期間延長法案が国会に提出された

 2007年5月17日、「借地借家法の一部を改正する法律案」(事業用定期借地の存続期間を延長する法案)を自民党・公明党議員による議員立法として開会中の今国会に提出された。(追記、2007年12月14日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。なお、改正法は2008年1月1日から施行される。)

  提出者 保岡興治(自民・鹿児島1区)、杉浦正健(自民・愛知12区)、櫻田義孝(自民・千葉8区)、早川忠孝(自民・埼玉4区)、柴山昌彦(自民・埼玉8区)、大口善徳(公明・東海ブロック)

  現行の「借地借家法」第24条の「事業用定期借地権」の借地存続期間は「10年以上20年以下」と規定されており、特約を結ばなくても「契約更新」と「建物買取請求権」及び「建物再築許可の規定」は法的に排除されている。また契約は公正証書ですることを義務づけられている。

 「事業用定期借地権」は約定した借地期間が終了すると「建物買取請求権」と「契約の更新」及び「再築による期間の延長」がないので、借地権は確定的に消滅する。従って借地権者は自己の費用で建物を取壊し、土地を原状に回復して借地権設定者に返還しなければならない。この義務を借地権者が怠った場合には、債務不履行となる。借地権者が原状回復しなかった場合、借地権設定者が裁判上の手続を取ることになるが、この場合の原状回復費用は借地権者に求償すべきものとされている。

 このように定期借地は、存続期間が満了したら建物を取壊し、借地を更地にして返還しなければならない制度である。 

 但し、欧米諸国の「定期型借地権」は、多くの場合、物権的土地利用権であり、日本の「定期借地権」のように債権的権利である賃借権ではない。従って、欧米諸国の「定期型借地権」は譲渡性があり、借地権自体に担保権を設定することが出来る。

 更に借地権が消滅した場合に建物を取壊し、更地にして返還する必要はない。建物は土地に附合するということから土地所有者のものになるのが原則である(注)。従って存続期間満了後に建物を取壊すことはない。これにより定期借地上の建物に居住する借家人の居住権も保護されることになる。

 日本の「借地借家法」は35条で借地権の終了を知らなかった借家人を保護するために明渡しに1年以内の猶予期間を借家人に与えている。しかし、これも建物取壊しを前提とする特異な規定と言える。いずれにしても借地権が満了すると建物を取壊さなければならない日本の「定期借地権」は、定期借地上建物の借家人の居住権を充分に保護していないということで、欧米諸国には存在しない特異な制度であることに注意すべきである。

 (注)ドイツでは借地権が消滅すると建物は自動的に土地所有者の所有に属することになる。しかし土地所有者は建物の取引価格を基準とする償金を支払わなければならない。これにより借地権者は投下資本の回収を保障されている。

  「改正法案」は事業用定期借地に関して2通りの借地期間を設定している。
 ①「改正法案」は現行「借地借家法法」第24条と同一内容で期間が「10年以上20年以下」から「10年以上30年未満」に延長されている(改正法案第23条2項)。
 ②借地の「存続期間を30年以上50年未満」とした場合、(1)更新排除特約、(2)建物再築による存続期間の延長を排除する特約、(3)建物買取請求権を排除する特約、以上(1)~(3)の特約は公正証書で契約を結ぶ場合に認められる(改正法案第23条1項)。
 以上が事業用定期借地の「改正法案」の主な内容である。

 次に掲載するのが、「借地借家法の一部を改正する法律案」である。

 「借地借家法(平成3年法律第90号)の一部を次のように改正する。
 第22条中「含む」の下に「。次条第1項において同じ」を加える。
 第24条を削り、第23条第1項中「場合」の下に「(前条2項に規定する借地権を設定する場合を除く。)」を加え、同条を第24条とし、第22条の次に次の1条を加える。
   (事業用定期借地権等)
 第23条 専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を30年以上50年未満として借地権を設定する場合においては、第9条及び第16条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第13条の規定よる買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。
 2 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を10年以上30年未満として借地権を設定する場合には、第3条から第8条まで、第13条及び第18条の規定は、適用しない。
 3 前2項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。」

 附則
 (施行期日)
 第1条 この法律は、平成20年1月1日から施行する。
 (経過措置)
 第2条 この法律の施行前に設定された借地権(転借地権を含む。)については、なお従前の例による。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年5月 5日 (土)

定期借家契約は何かメリットがあるのか

  (問) 平成6年4月から1戸建ての貸家を借りて居住しています。定期借家という借家制度ができたそうですが、借りる人には何かメリットがあるのでしょうか。また、借りる際にはどんなことを注意したらよいでしょうか。

 (答) 2000年の3月1日から今までの借家契約に「定期借家契約」が加わりました。
 この定期借家契約は、契約の期間あるいは建物の種類・用途を問わず、契約期間が満了したときは、契約は更新されることなく、終了する契約です。従って契約期間が満了すると、借家人は家主に対し、立退料や引越料その他を一切補償されることなく無条件で明渡さなくてはなりません。

 あなたが借りている貸家の契約は、普通借家契約ですので、借地借家法第28条により、家主に建物を使う必要など正当の事由がない場合には、これまでどおりの借家契約の内容で更新されるので心配する必要はありません。

 家主の中には「法律が変ったので定期借家契約」に切替えを求めてくる場合があるかも知れませんが、今回の改正では、居住用借家の場合には、『当分の間』定期借家契約への切替えはできないことになっています(特別措置法附則第3条)。

 定期借家契約は「礼金・敷金はなくなり、家賃も安くなる」など、メリットがあるかのような宣伝がされていましたが、実際の借家市場では礼金・敷金を取るケースが多く、家賃も普通借家物件に比べ高額な物件が出回っています。賃貸住宅市場は不況で空家が多く、定期借家物件は今のところ人気がありません。

 はっきり言って定期借家契約は借家人に何のメリットもありません。再契約できるという条件が付いても要注意です()。再契約できるかどうかは家主の意思次第で借家人は何の要求もできません。不動産業者に勧められても断って、更新のできる普通借家物件を紹介してもらいましょう。

東京借地借家人新聞より

 ()国土交通省の「定期借家契約の実態調査」(2004年1月16日発表)の中に平成14年の定期借家契約7111件の内で再契約が出来なかったのは3911件で55%という結果がある。

 言い換えると55%の借主が再契約を一方的に拒否されて無条件で居室から立退かざるを得なかったという事実は注視しなければならない。

 定期借家制度は期間が満了すると貸主は契約を一方的に終了させ、立退料を支払うことなく確定的に明渡を完了させられる。借主にとっては非常に危険な契約である。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年5月 2日 (水)

店舗と住居を別々に借りているが定期借家契約の注意点

 (問) 「定期借家契約」というのが2000年3月1日から実施されいるそうですが、定期借家契約とはどういう内容のものなのですか。
 私は商店街の片隅で貸店舗を借りて自然食品店を営んでいます。また、住まいも近くの賃貸マンションを借りています。定期借家契約の場合にどんな点に注意すればいいのでしょうか。

 (答) 定期借家契約は、契約期間(1ヵ月でも50年でも期間に制限は無い。借地借家法29条2項及び同38条)を定めた契約で、その期間が満了したら契約の更新をしない旨を明記した契約です。

 従前からの借家契約は、契約期間が満了すると契約は当然に更新される仕組みになっています。家主が契約を終了させたい場合は、家主自身がその建物を使う必要性などの正当事由がなければならず、契約は法律の定めで自動的に更新する「法定更新」の制度になっています。

 定期借家契約は「更新」の無い契約です。従って、借家人は契約期間が満了すると有無をいわさず追出されることになります。そうでない場合でも再契約をして貰うために、例えば家賃の値上げを言われれば、家主の言い値の値上げ額を呑まない限り再契約は望めません。家主の顔色を窺う生活になり、修繕箇所があってもトラブルになる恐れから修理請求を控える等家庭生活に支障を来たすことになります。

 それでは、追出されないために契約期間が長ければ良いかと言うと、そうでもありません。定期借家契約は原則として途中解約ができません。契約期間途中で解約するには残存期間の家賃を全額払らわされます。

 定期借家契約を定めた借地借家法38条(建物定期賃貸借)は、ご指摘の通り2000年3月1日から施行されました。新たに借家をする場合は、「定期借家契約」を選択してはいけません。従前からの普通借家契約であることを確認してから契約書に署名捺印しましょう。

 居住用の従前からの普通借家契約から定期借家契約に切り替えることは、仮に当事者合意の上であっても禁止されています(特別措置法附則3条)。

 しかし非居住用の借家(店舗、事務所、倉庫、工場など)では、いつでも家主と借家人が合意した形にすれば、定期借家契約に切り替えることが出来ます。このため、店舗の借家契約は更新料を無しにするとか、僅かな家賃の減額などの条件を餌に定期借家契約に切替えられてしまうと将来に重大な禍根を残すことになります。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年4月19日 (木)

新家主が普通借家契約から定期借家契約への変更を要求してきた

      新家主が定期借家契約と
           家賃倍額値上を通知、供託で対抗

  武蔵野市境で戦前から木造平屋建て一戸建の借家に住む伊藤さんは、家主が昨年9月末で地主に借地権付の建物を売却してしまった。

 新家主(地主)から、いきなり昨年10月から1年契約の定期借家契約を結ぶよう請求され、家賃も月額4万2500円を10月分から月額7万円に値上げして前払いで支払えとの一方的な内容の通知を内容証明郵便で送りつけられた。伊藤さんは不安になって組合に相談に来た。

 組合役員から「定期借家契約は期間が満了したら借家を無条件で明渡さなければならない。現行法では普通借家契約から定期借家契約に変更することは居住用では認められていない」とのアドバイスを受け、新家主から来た内容証明郵便に対し、組合を通じて「定期建物賃貸借契約にて賃貸借契約を締結せよとのお話ですが、特別措置法附則第3条により、普通借家契約から定期借家契約への切替は法律で認められていません」ときっぱり拒否し、家賃の値上げについても更新が出来る2年契約でなければ協議に応じられない旨を返答した。

 10月分の家賃を10月末に提供したが、受取を拒否されたので、伊藤さんは早速東京法務局府中支局に供託手続きをとった。すると、家主は家賃値上のみで調停申し立てをして来た。どうやら、定借契約への切替えは諦めたようだ。

東京借地借家人新聞より


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年4月18日 (水)

定期借家契約

 定期借家契約(定期建物賃貸借)に関して「借地借家法」には次のように書かれている。

 (定期建物賃貸借)
第38条
 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り第30条の規定にかかわらず(注1)、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項(注2)の規定を適用しない。

 前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは建物の賃貸人は、あらかじめ(注3、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

 建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。

 第1項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が200平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から1月を経過することによって終了する。

 前2項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。

 (注1) 借家人の居住の権利を保護する規定である借地借家法26条の「法定更新制度」及び28条の「正当事由制度」の規定が適用されないことを明確にしたもの。これにより、定期借家契約を選択すると借地借家法の中核である借家人保護規定の2つが排除され、借家人の居住の権利を保護する規定のない無権利状態になることを意味する。

 (注2) 借主にとって不利益な契約ということで借地借家法29条1項で禁止されている1年未満の契約も定期借家契約では認めるとしたもの。

 (注3) 書面の交付とは、定期借家契約を締結する前に賃貸人は契約書とは別に定期借家契約であることを充分認識させることが出来る書面を「あらかじめ借主に現実に引き渡していなければならないということである。

 そして賃貸人自身が直接、「契約は更新がなく、期間の満了により建物賃貸借が終了する旨」が記載された書面交付した上で定期借家契約であることを借主に理解出来るように説明する必要があり、賃貸人の説明義務である。これは宅地建物取引主任者による重要事項の説明義務とは別物でり,重要事項の説明で代用することは出来ない。

 なお、第38条3項にあるように賃貸人本人が説明義務を履行していないときは、定期借家契約中の法定更新及び正当事由排除特約の部分だけが無効とされ、契約全体が無効になる訳ではない。この場合建物賃貸借は法定更新及び正当事由が適用される普通借家契約として有効に成立する。

 ①果して、期間満了前までに賃貸人が定期借家契約の終了通知をしなかった場合は、どうなのか。

 
先ず定期借家契約を期間満了と同時に終了させるには、借地借家法第38条4項から期間満了の1年前から6ヶ月前までの間(この6ヶ月間を「通知期間」という)に期間満了により賃貸借が終了する旨を通知しなければならない。この通知請求をしない場合は、期間満了と同時に定期借家契約の終了を賃貸人は主張出来ない。

  ②では、定期借家契約の期間満了後になされた賃貸人の定期借家契約終了通知が有効なのかどうかである。

 その場合、賃貸人は、もはや定期借家契約の終了を賃借人に請求することは出来ない。「その結果、定期借家契約における「定期特約」は、事実上、消滅して期間の定めのない通常の賃貸借契約が継続することになります。」(「Q&A あなたの借地借家法」東京借地借家人組合連合会編 「別冊 Q&A 定期借家契約」19頁)

 即ち、「期間の定めのない普通の借家契約になる」というのが東京借地借家人組合連合会顧問弁護団の見解である。


 従って、借家契約を解除するには賃借人に正当事由が必要であり、最終的には裁判所の判断に委ねられる。(N)


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年4月17日 (火)

無効な定期借家契約

 仙台市でアンティ―クの雑貨のお店を営業している斉藤さんは今年の8月に建物を取り壊すので明渡して欲しいと言われた。突然の話しで困っていると家主はいきなりこの契約は今年の2月までの定期借家契約で期限が過ぎているので6ヶ月の予告で解約できると言ってきた。

 心配になってインターネットや本などで借地借家人組合と言う組織の存在を知って相談にきた。電話での相談で困難な面があったが、契約書などをファックスで送付したところ、定期賃貸借契約だという家主の主張には定期借家契約に必要な書面による通知がなかった。その上、家主の夫は宅建主任の免許をもっており、その仲介での契約であった。家主の代理人である弁護士からは」「定期借家契約に基いて、引き続き契約するならば定期借家契約。それ以外ならば明渡しを求める」との通知がきた。

 組合では斉藤さんと相談し「この『定期借家契約』そのものが借地借家法第38条2項の文書がないことで無効となり、通常の賃貸借契約であること。又、期限が過ぎての契約解除通告は無効である」と主張することにした。

東京借地借家人新聞より

 参考法令は「借地借家法」
 (定期建物賃貸借
第38条
 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。

 前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

 建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。

 第1項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が200平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から1月を経過することによって終了する。

 前2項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年4月16日 (月)

不動産業者が定期借家契約を押し付ける

 当事者の合意の上でも居住用借家契約から
      定期借家契約への切替えは法律で禁止されている

 昭島市東町の賃貸マンションに居住する藤森さんは、今年に1月に突然、家主の代理人の弁護士から、「定期建物賃貸借につき、契約期間の満了により前記賃貸借契約が終了することをあらかじめ通知致します」との内容証明郵便を送りつけられた。

 事の起こりは、2年前の契約更新時に始まる。藤森さんは今まで契約者だった奥さんと離婚したため、名義を変更してもらおうと不動産屋を訪ねたところ、新規契約と同じ家賃の5か月分を支払うよう請求された。藤森さんは離婚した奥さんと同居していたのに5か月分は支払えないと断った。その後、不動産屋から家賃の半月分35000円を支払ってくれれば、契約を更新するので手続きをするよう言われた。

 藤森さんは、不動産屋から署名捺印をするよう求められ定期建物賃貸借契約書であることもよく分からず、契約書と定期建物の賃貸借に関する説明書にも署名・捺印してしまった。後で、この契約書は2年たったら家主が更新しないと言えば無条件で追い出されてしまうとんでもない契約であることが分かった。

 藤森さんが日頃から建物の管理や入居者が生活しているにもかかわらず、家主が大きな騒音をたてて貸室の改造工事をすることに苦情を述べていることから、家主にとっては追い出したい借家人だったようだ。

 藤森さんは組合と相談し、2年前の契約は借地借家法第38条2項の説明義務に反し無効であること、名義変更で新規契約に当たらず、普通契約からの切替えは認められないと反論した。

東京借地借家人新聞より

 参考
 「借地借家法の一部改正に伴う経過措置」附則第3条により「居住の用に供する建物の賃貸借の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、改正後の借地借家法第38条の規定は、適用しない。」 

 即ち、既存の居住用借家契約から定期借家契約へは、仮に当事者が合意した上で契約を締結しても切替えは出来ない。それは附則3条で禁止措置が採られているからだ。

 但し、営業用の店舗・倉庫等は当事者の合意があれば、定期借家契約への切替えは可能である。更新契約時には、くれぐれも注意が必要である。(N)


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年4月 3日 (火)

定期借家は、普通借家よりも家賃が高いという結果が出た

2007年03月30日

 アットホームはこのほど、06年1年間の首都圏居住用賃貸登録物件における定期借家物件の登録状況を発表した。

 それによると、定期借家物件数は21,532件(前年比16.8%増加)となった。そのうち、アパートは4,709件で前年比62.8%アップと大きく増加した。マンションは11,178件(同6.1%増加)、戸建は5,645件(同12.8%増加)。

 地域別では、神奈川県が一番件数が多く9,434件(同36.6%増加)。続いて、東京23区が7,129件(同5.5%減少)、東京都下が1,954件(同42.1%増加)、千葉県が1,687件(同28.3%増加)となっている。

 登録物件に占める定期借家の割合は、全体で3.3%(同0.6ポイント増加)。マンションは2.8%、アパートは2.1%なのに対し、一戸建は22.0%、いずれも増加した。

 なお、平均賃料については定期借家が12.79万円(同4.0%低下)、普通借家が9.0万円(同1.7%低下)で、定期借家の方が高くなる結果となった。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2007年1月18日 (木)

  定期借地は本当に普及しているのか 

     普及しているのか定期借地

 定期借地契約が導入されて約10年になる。
現在、事業用定期借地権は10年以上20年以下の存続期間になているが、期間の延長が予定されている。

次に30年以上の期間の経過後に借地上の建物を地主に譲渡することを約して借地権を消滅させることが出来る建物譲渡特約付定期借地権がある。

その他に50年以上の存続期間を定めて設定される借地権については、特約をすれば期間が満了すると確定的に借地権が消滅し、土地を更地で返還してもらえる(借地借家法22条)。

その特約は①契約の更新が無いこと、
②借地期間の延長が無いこと、
③借地借家法13条の建物買取り請求権を排除すること、
以上3点を公正証書等の書面によってしなければならない。この条件が充たされると、その場合は借地人の費用負担で建物を解体し、更地にして返還しなければならない。

 これは投下資本の回収が望めないことを意味する。例えば後5~6年で契約期間が満了する財産的価値の無い定期借地権を中途で買う人間がいるであろうか。このように借地権の換金性が低いことから普通借地権(都市部の借地権割合は90~70%)に比べて定期借地権の財産的価値は著しく低く、価値は不安定である。

 定期借地権進協議会の実績調査(平成14年12月)によると、この10年間に定期借地契約で建設された建物は全国で4万601戸(1戸建が27,352戸、マンションが13,249戸)であるという。

首都圏の定期借地の1戸建の延床面積の平均は124㎡、地代の平均は30,376円、保証金の平均は890万円、住宅価格の平均は2,669万円という調査結果である。

 目先の安さで定期借地を選択しても将来的に後悔しなければいいが…。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|

2006年5月 6日 (土)

普通借家から定期借家への切替え・立退き

 定期借家契約でなければ更新しない
               それが嫌なら今すぐ部屋を明け渡せ
     

(問) 2年の借家契約は5月15日に満了した。家主は定期借家契約でなければ契約しないと、契約の切替えを強要した。納得出来ないので契約締結を保留していたら、6月20日契約切れだから7月15日までに部屋を明け渡せと通告して来た。どうしたらよいか。     

(答) ① 既存の借家契約から定期借家契約への切替えは居住用借家に関しては特別措置法附則第3条によって禁止措置が採られ、仮に合意の上であっても、居住用普通借家契約から定期借家契約への切替えは法的に出来ない。     

 ② 借地借家法には、法定更新というものがあり、その規定は次のようになる。賃貸人は、法定通知期間(契約の期間満了の1年前から6ヶ月前まで)に賃借人に対して更新拒絶或は条件変更の通知を行っていないと、借家契約は従前の契約と同一の条件で自動的に更新される(借地借家法26条1項)。     

 相談者の場合は既に5月16日より法定更新されており、契約切れなどしていない。契約は適法に継続している。法定更新後の契約期間は、同26条1項の規定により「定めのないもの」ということになる。以後契約の更新は発生しないので更新料の問題は法的に起こりえない。     

 ③ 家主は、7月15日までに明渡しを要求している。だが、期間の定めのない契約の場合「建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から6月を経過することによって終了する。」(同27条1項)とあるように、解約の申入れをしてから6ヶ月間の法定期間を経過しなければ、解約の効果を生じない。そして、6ヶ月経過後も借家人が借家の使用を継続している場合は、家主は積極的に遅滞なく異議を述べないと、借家契約は法定更新される(同27条2項)。     

 ④ 但し、賃貸人の解約の申入れには正当事由がなければならない(同28条)。正当事由の有無の判断は裁判所が認定する。因って、賃貸人の部屋の明渡し要求は、裁判所が「正当事由」有りと認定しない限り法律的に認められないので、すぐ部屋を明け渡す必要はない。だが、今後のことを考えると組合とよく相談し、対処方法を検討して行動されることを勧める。


東京・台東借地借家人組合
 
無料電話相談は
050-3012-8687(IP固定電話)
受付は月曜日~金曜日(午前10時~午後4時)
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

|