カテゴリー「定期借家(地)契約」の記事

2009年12月 9日 (水)

修繕を要求すると大幅値上げ請求

 Aさんは、月額7万5000円の家賃を払って、大阪市西成区内で借家住まいをしていました。

 平成21年2月初旬、借家の修繕を家主へ要求しましたが、入居時から古いことを知っていて契約したのだから修繕するなら倍額の家賃に値上げしたいと請求され、Aさんは引越をしました。家主側は、定期借家契約であるので退去しても残存期間の家賃は支払うこと。敷金(60万円)も没収すると通知。Aさんは簡易裁判所へ調停を申立てる手続きを取りました。

全国借地借家人新聞より


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2009年11月25日 (水)

定期借家契約の店舗 再契約できず無条件で明渡し

 北区で中華料理店を営業する嶋田さんは、6年前に定期借家契約で古い店舗を借り営業をはじめた。最初の3年契約の期間満了の際は、まだ建て直しの予定もないので再契約をしますと言われ、3年の定期借家契約を締結した。

 商売のほうもやっと軌道にのりはじめ借金返済のめどもたち、なんとかなりそうだと思った時に不況の波が商売にも反映し、毎月毎月のやりくりが大変となった。その矢先に、家主から定期借家契約が半年後に満了になるので通知しますという文書が送られてきた。

 家主に連絡したところ「今回は再契約しません。期間満了と同時に明渡してください」と言われ、びっくりして組合事務所に相談にきた。組合で契約書をみると法的には問題のない定期借家契約で引き続き営業ができないものとわかった。本人も通常の更新の出来る契約とは違う程度の認識で、家主からも口頭で再契約もありうることをいわれその気になっていた。

 今回の件で城北借組の事務局長は「このような勘違いがおきないように定期借家契約は極力結ばないほうがよいと理解しておくことが重要です」と話した。

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2009年9月25日 (金)

<アピール>政権交代の新たな情勢のもと、定期借家契約導入・拡大に反対する運動を強めましょう

 8月30日の衆議院議員総選挙の結果、自民・公明両党の連立内閣は歴史的な敗退を喫し、政権交代が現実のものとなりました。国民は「小泉構造改革」を主柱とする政治にはっきりと「ノー」をつきつけました。「構造改革」を推進したのは経済財政諮問会議と規制改革会議であり、総選挙結果はこの両会議の廃止と「改革」の白紙撤回を要求する国民の意思表明でもあると言えます。

 日本の政治の新たな激動が始まろうとしているなかで、本日、借家人団体で構成する借地借家法改悪反対全国連絡会は、定期借家制度問題について学習交流会を開き、その問題点について理解を深めるとともに、政府の定期借家契約拡大政策に反対して、運動を進めることを申し合わせました。各団体のみなさん、国民のみなさんが、この運動に積極的に参加してくださるようよびかけます。

 定期借家制度は、借地借家法「改正」推進派の意を受けて、1999年に議員立法によって創設されました。私たち借家人団体をはじめ法曹界、学会の反対により、借地借家法一部改正法案が法務委員会で廃案になったにもかかわらず、推進派は「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」案に定期借家制度創設を盛り込み、衆参両院建設委員会で可決するという奇策に打って出て、成立させたものです。

 日本経団連はじめ推進派のねらいは、借家人の居住継続を支え居住権のかなめである正当事由制度を緩和し、借家をめぐる「紛争」を減少させ、借家市場の流動化・賃貸不動産市場の育成にあたり、なによりも民間借家への普及・拡大をめざしてきました。しかし皮肉にも、民間市場ではほとんど普及せず、国土交通省が2007年に不動産業者を対象におこなったアンケート調査(回答率25%)によっても、定期借家の契約実績は新規契約全体の5%にすぎないという実態なのです。

 借家人は契約の継続に期待し、地域に溶けこみ根を下ろして市民生活を営み、そこで子育てをして老後を生きています。その継続保護、安定こそが居住の命であり、コミュニティ形成の礎をなしています。定めた期間の満了をもって問答無用に解消する定期借家契約は、居住の本質を踏みにじり、借家人にきわめて不利・苛酷なもので、生活と地域コミュニティを破壊するものです。

 ところが政府は、民間市場にそっぽを向かれているこの定期借家契約を、「期限付き入居」「定期使用住宅」「建て替え予定団地の空き家対策」等々の特定目的をかかげ、公的賃貸住宅利用の「不公平性」を理由に導入し、公営・公社住宅に続き公団住宅(都市機構賃貸住宅)に導入してきました。そしていっそうの拡大を図ろうとしているのです。

 政府当局者は2000年時点では、定期借家制度は公営住宅には「なじまない」ことを明言し、2005年にも国会でその基本原則を再確認していました。しかし、財界が主導する規制改革会議の第3次答申(2008年12月22日)が公営住宅、都市機構住宅への定期借家契約の幅広い導入を打ち出しました。答申は公営住宅に関して「入居基準に関するチェックを定期的に行い、入居基準を満たさない入居者への住み替えを促す仕組みとして」「公営住宅の管理運営の円滑化の観点から」積極的な導入を提起しています。

 また、同会議は都市機構の賃貸住宅に関して、いまの77万戸が多すぎるので住宅の削減、敷地の民間売却をせよと主張し、第3次答申で「部分民営化」を迫り、2009年度の措置として全住宅の約2割を対象にすべて定期借家契約にすべきとしました。これらはそのまま閣議決定されました。

 都市機構は閣議決定に従い、団地「再生・再編」方針を定め、引き続き定期借家契約の幅広い導入の実施方針を発表しました。規制改革会議は都市機構住宅への導入理由として「家賃改定等にともなうトラブルが解消」「退去要請など柔軟な対応が可能」をあげ、「紛争処理コストの大幅に下がる」と公言してはばかりません。居住者の借家権の無力化が住宅の削減・売却、民営化に必修の条件であることを示しています。

 以上の経過のとおり、定期借家制度の実施のやり方もまさに暴挙といわざるをえません。私たちは定期借家制度に反対するとともに、その導入・拡大の方針の即時撤回を要求します。

 定期借家契約導入をめぐる一連の動きは、わが国の住宅の貧困と政策の行き詰まりの現状を暴力的に打開しようというものであることを明らかにしています。公共住宅への押し付けは、「住宅」を一時使用の「施設」に変え、公共住宅制度を変質・消滅させます。私たちはいま、展望のない暴走にストップをかけ、住宅政策の抜本的転換を要求し実現していく重大な課題に直面しています。

 定期借家の導入・拡大をやめさせ、制度撤廃を要求する運動を民主党政権に向けて強め、国民の居住を守るために、力を合わせて取り組みましょう。

2009年9月5日
借地借家法改悪反対全国連絡会

全国借地借家人新聞より


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2009年9月19日 (土)

定期借家制度に反対する全国学習交流集会(2009年9月5日)

             定期借家制度に反対する全国学習交流集会 

        全借連など借家人団体が会場一杯の107名参加

         継続保護こそ居住の命

   民主党政権に対し定借廃止の運動を

会場を埋める参加者が集まった9・5全国学習交流集会(港勤労福祉会館)
会場を埋める参加者が集まった9・5全国学習交流集会(港勤労福祉会館)

 借地借家法改悪反対全国連絡会主催の「定期借家制度に反対する全国学習交流集会」が、9月5日午後1時30分から港勤労福祉会館において開催された。

借地借家法改悪を推進する自公政権が退場するという総選挙直後の集会となり、全借連・公団自治協・公住協など3団体から会場一杯の107名が参加した。

 主催者を代表して河岸全借連会長が「総選挙の結果に対する国民の期待は大きいものがある。大いに学習し運動を強めていこう」と挨拶した。

 住む権利奪う定期借家制度
 全国公団住宅自治会協議会の多和田代表幹事が基調報告を行い、「安心して住み続けられるためには継続保護こそ命であり、定期借家制度は借家人の生活とコミュニティを破壊するものである。国の責任を放棄し市場まかせにした小泉内閣が残した住宅政策の構造改革の(負の)遺産をなくしていくことが重要である」と強調した。

 続いて、自由法曹団の榎本弁護士が「政府・財界による借家制度改正の動向」について報告した。榎本弁護士は、財界の圧力を受けて政府は平成19年・20年と「規制改革推進3カ年計画」で定期借家制度の見直し、正当事由制度のあり方の見直しを発表し、定期借家制度普及促進や正当事由制度改悪を狙っていることを指摘した。

 民主党のマニフェストで住宅政策の転換を主張する一方で、「定期借家制度の普及推進」を掲げた問題について「定期借家制度は住む権利を奪うもので、定期借家制度の推進を止めるように民主党に働きかける必要がある」と強調した。

 各団体からの報告では、公団自治協の井上事務局長、全国公住協の小池田事務局長、全借連の船越副会長より各団体の活動が報告された。最後に「行動提起」と「共同アピール」が採択。川端全国公住協会長の閉会の挨拶で集会は終了した。

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2009年8月18日 (火)

定期借家制度の推進許すな、9月5日に学習交流会開催

 日本経団連は「2009年度規制改革要望」を発表しているが、「土地・住宅・都市再生分野」の中で、再び「定期借家制度の見直し」と「借地借家法における正当事由制度の見直し」を要望している。

 定期借家制度については、書面による説明義務を廃止し、既存の借家契約から定期借家契約に変更できるようにすること、正当事由については建物の老朽化や再開発を理由に更新拒絶が簡単にできる制度への改悪を狙っている。

 また、公団・公社・公営住宅などの公共賃貸住宅にも定期借家制度の導入がすすめられ、民間賃貸住宅を含め定期借家制度が国策として普及促進がされようとしている。

 借地借家法改悪反対全国連絡会では、借家人の居住を不安定にする定期借家制度の改悪を許さず、同制度の普及推進をさせないために以下の日程で学習交流会を開催する。

  日時 9月5日(土)午後1時30分開会
  会場 港勤労福祉会館(JR田町駅西口徒歩5分)
  基調報告 全国公団自治協代表幹事多和田栄治氏
    「相次ぐ定期借家制度の導入で、国民の住宅問題の解決につながるのか」(仮題)その他。

東京借地借家人新聞より


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2009年7月31日 (金)

契約期間満了後に定期借家契約の終了通知が届いた場合はどうなるのか

(問) 平成16年8月1日から契約期間2年の定期借家契約を締結し、マンションに入居した。2年後、貸主は再契約に関しては何も言わず、その後も毎月家賃を受領し続けたので、そのまま居住していた。
 期間満了後約1年5か月経過した平成19年12月になって定期建物賃貸借終了通知が送られて来た。内容は「平成20年6月30日で契約は終了しますので、期日までに建物の明渡しを完了して下さい」というものだ。貸主の要求に従わなければならないのか。


(答) 借地借家法38条4項は、1年以上の期間を定めた定期借家契約を期間満了により終了させるためには「期間の満了の1年前から6月前までの間(通知期間)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない」と規定している。
 ただし、通知期間の経過後に終了通知をした場合は、その通知をした日から6か月後に契約は終了するとなっている。
 尚、契約期間が1年未満の場合、終了通知は免除されている。

 法文上は「通知期間の経過後」とだけ定められ、通知期間の制限を定めていない。従って、貸主は、通知期間を経過した場合の終了通知は期間満了後であっても、6か月の猶予期間を経過すれば、何年後であろうと貸主の好き勝手な日に契約を終了出来ると理解しているようである。

 しかし、終了通知は期間満了前にしなければならない。何故ならば、38条4項本文には終了通知は「期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知」となっており、「但書」の「その旨の通知」が「期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知」を指すのは明らかである。従って、期間満了前までに終了通知をすることは、法の趣旨からも当然である。

 定期借家契約は「更新」が無く、期間が満了すると確定的に契約が終了するものであり、従前の賃貸借が継続することは有り得ない。従前の賃貸借が継続するというのであれば、「期間の定めのない」定期借家契約ということになり、自己矛盾であり、更新が無いという定期借家契約の趣旨に反するものである。

 定期借家契約が成立するためには、借地借家法38条1~2項の法律要件を満たさなければならない。
 ①従って定期借家の再契約は確定期間の定めのある契約で更新しない契約であることを貸主は、あらかじめ契約書とは別の書面を交付して説明しなければならない)(同38条2項)。
 ②また必ず公正証書等の書面による契約が必要である(同38条1項)。
 ③貸主がこれらの規定による②の説明をしなかった場合は、定期借家契約は無効になり、普通借家契約という扱いになる(同38条3項)。
 以上①~③の手続が踏まれていない場合は定期借家契約は成立しない。

 期間満了時に借地借家法38条1~3項の規定よる再契約の手続きをしないで、貸主が契約期間満了後も借家人から家賃を受領し続けている場合は、定期借家契約自体は終了し、期間満了後の賃貸借契約は新たに民法619条1項の規定により期間の定めのない「普通借家契約」が成立する。

 そもそも、定期借家契約の成立要件は、①書面による契約で、②特約で契約の更新がなく、③契約期間が確定しており、期間満了により確定的に契約が終了することである。従って、契約満了後も定期借家契約が継続し、家主がいつでも好き勝手な日に終了通知をすれば、6か月後に確定的に契約が終了すると考えることに無理がある。

 尚、契約期間満了後になされた「終了通知」は、解約申入れとみなされる。しかし、期間の定めのない賃貸借契約の場合は解約の申入れに際しては正当事由が必要とされている(借地借家法28条)。従って、貸主が借家契約を解除するには正当事由を立証する必要であり、最終的には裁判所の判断に委ねられる。


) 平成12年2月1日 建設省建設経済局長・建設省住宅局長名で都道府県知事宛てに「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」が出されている。以下が借地借家法第38条2~3項関係の事項。

 「定期賃貸住宅契約を締結しようとするときは、あらかじめ賃貸人は賃借人に対し、契約の更新がなく、期間満了により終了することについて、その旨を記載した書面を契約書とは別に交付して説明しなければならないこととされており、それを怠った場合は、定期賃貸住宅契約とはならず、従来型の正当事由がない限り賃貸人からの更新拒絶ができない賃貸住宅契約となること。このため、書面の雛形である「定期賃貸住宅についての説明」の周知を図ること。」(「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」建設省経動発第10号、建設省住民発第1号)

 参考法令
 「借地借家法」第38条
 (定期建物賃貸借)

第38条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

4  第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。

民法
(賃貸借の更新の推定等)
第619条  賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第617条の規定により解約の申入れをすることができる。

(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ)
第617条  当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一  土地の賃貸借 1年
二  建物の賃貸借 3箇月
三  動産及び貸席の賃貸借 1日
2  収穫の季節がある土地の賃貸借については、その季節の後次の耕作に着手する前に、解約の申入れをしなければならない。 


参考 「Q&A 定期借家契約」」(東京借地借家人組合連合会編)より

Q1 定期借家契約とは
Q2 定期借家契約を結ぶ手続き
Q3 既存の居住用借家契約から定期借家契約への切り替え
Q4 既存の店舗借家契約から定期借家契約への切り替え
Q6 定期借家契約の相続・譲渡・転貸借
Q7 定期借家契約期間途中の解約
Q8 借家人は定期借家契約の途中で家賃の減額を請求できるか
Q9 定期借家契約の期間が満了で必ず建物を明渡さなければならないのか
Q10 同じ建物で定期借家契約が繰り返された場合は
Q11 新しく借家契約をするときの注意点


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2009年7月10日 (金)

定期借家契約期間満了8か月後に終了通知

 Hさんが東京都大田区南蒲田*丁目の店舗共同住宅の内階下左側面積10.7㎡を月額4万円の家賃で2年契約で賃借したのが平成17年12月でした。

 期間満了後の平成20年8月に管理者の不動産業者に家賃を持参した際に定期借家契約だから6ヵ月後に明渡せと請求されて、初めて定期借家契約と判ったのでした。

 しかし、家賃を受領し続けて平成21年1月末持参の2月分家賃を拒否されたことで、困ったHさんは知人の紹介で組合に入会しました。不動産業者は契約の際の説明(*1)及び明渡しの通知(*2)を怠り、借地借家法第38条の要件を満たして織らず、普通借家権が成立し期間の定めのない契約に移行したと通告し、受領拒否の家賃を供託しました。

 土地売却を願う家主は裁判に持ち込み、Hさんは明渡しに応じられないと、弁護士に依頼して裁判を戦う決意です。

全国借地借家人新聞より


*1)借地借家法第38条2項~3項
賃貸人の交付書面による説明義務
2  前項の規定(定期借家契約)による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

 ⇒ 定期借家契約を締結する場合、貸主は借主に対して「契約の更新がなく、期間満了により契約が確定的に終了する」ことを書面(契約書とは別の説明書)を交付して、説明する義務がある。書面による説明をしなかった場合は、「契約の更新がない」という条項が無効になり、定期借家契約は普通借家契約へ切替わる。

 「定期賃貸住宅契約を締結しようとするときは、あらかじめ賃貸人は賃借人に対し、契約の更新がなく、期間満了により終了することについて、その旨を記載した書面を契約書とは別に交付して説明しなければならないこととされており、それを怠った場合は、定期賃貸住宅契約とはならず、従来型の正当事由がない限り賃貸人からの更新拒絶ができない賃貸住宅契約となること。このため、書面の雛形である「定期賃貸住宅についての説明」の周知を図ること。」(「定期賃貸住宅標準契約書に関する通達」建設省経動発第10号、建設省住民発第1号)

*2)借地借家法第38条4項
契約の終了通知
4 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。

 ⇒ 終了通知は借地借家法第38条4項本文に「期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知」と規定されている。従って、定期借家契約の≪終了通知≫は契約の満了前にしなければならない。期間満了までに定期借家契約の終了の意思表示がない場合は、「契約の更新がない」という特約の効力は無効になり、普通借家契約へ移行する。

 <参考記事>

 契約期間満了後に定期借家契約の終了通知が届いた場合はどうなるのか


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2009年6月26日 (金)

普通借家契約から定期借家契約への切り替えを要求されたが

(問)私は、平成11年4月に住宅を借りて住んでいますが、当初から2年毎に契約書を書換えて更新してきました。今年3月に家主の代理人と称する不動産業者から、今回から契約は定期借家契約にするので、契約書の他に書面を持ってきて署名捺印を求めてきました。定期借家契約の意味がわかりませんので、どのように対応したらよいのか悩んでいます。


(答)平成11年12月15日に交付された「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」によって借地借家法が「改正」され、平成12年3月から定期借家制度が施行されました。この制度は、契約で定めた契約期間が終了すると、「正当事由」がなくとも、借家契約が終了されることになります。従って、家主と借家人の双方で合意がなければ再契約はできなくなります。

 定期借家契約は、事業用借家居住用借家を問わず、当事者の合意によって結ぶことができます。
 しかし、平成12年3月1日以前に結ばれている居住用借家契約は、当事者間の合意があったとしても定期借家制度は適用しません。(※

 定期借家契約を締結する場合、賃貸借契約のほかに「定期借家制度が適用され更新の無い契約であることを説明した公正証書などの書面による説明」をして当事者間で合意しなければなりません。(※

 さらに、家主は、契約解約する場合は期間満了前の1年前から6ヶ月前の間に「賃貸借期間の終了」を借家人へ通知する義務があります。(※

 ご相談の方の事例は、居住用借家であり平成12年3月以前の賃貸借契約ですので、たとえ合意したとしても定期借家契約にはなりません。

全国借地借家人新聞より

(※ 
(借地借家法の一部改正に伴う経過措置)
第3条 第5条(現行・借地借家法第38条)の規定の施行(平成12年3月1日)前にされた居住の用に供する建物の賃貸借の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、第5条の規定による改正後の借地借家法第38条の規定は、適用しない。

(※) 
(定期建物賃貸借)
第38条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条(借家人に不利な特約は無効とする)の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項(期間1年未満の借家契約の禁止)の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

4 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。(※


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2009年6月25日 (木)

既存の普通借家契約を法律で禁止されている定期借家契約へ切替え (京都)

 京都市伏見の借家に40年前に契約して住んできた石田さんは、この度家主の不動産管理会社が変わったことから、「あらためて賃貸借契約書意を交わしたい」との申し入れがあり、石田さん宅に契約書が投函されました。

 その契約書なるものは、なんと「定期建物賃貸借契約書」でした。石田さんは40年前に契約しているので、定期借家契約への切換えは認められません。

 まして、事前に家主側の説明義務なしの違法なやり方です。石田さんは定期借家契約の押し付けに断固拒否して闘います。

全国借地借家人新聞より

(参考)
附 則 
(平成11年12月15日法律第153号) 抄

(施行期日)
第1条  この法律は、公布の日から施行する。ただし、第5条、次条及び附則第3条の規定は平成12年3月1日から施行する。

(借地借家法の一部改正に伴う経過措置)

第2条  第5条の規定の施行前にされた建物の賃貸借契約の更新に関しては、なお従前の例による。
2  第5条の規定の施行前にされた建物の賃貸借契約であって同条の規定による改正前の借地借家法(以下「旧法」という。)第38条第1項の定めがあるものについての賃借権の設定又は賃借物の転貸の登記に関しては、なお従前の例による。

第3条  第五条(借地借家法第38条)の規定の施行(平成12年3月1日)前にされた居住の用に供する建物の賃貸借(旧法第38条第1項の規定による賃貸借を除く。)の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、第5条の規定による改正後の借地借家法第38条の規定は、適用しない。

(検討)
第4条  国は、この法律の施行後4年を目途として、居住の用に供する建物の賃貸借の在り方について見直しを行うとともに、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


 借地借家法第38条の定期建物賃貸借(定期借家契約)の規定は平成12年3月1日に施行された。

 この定期借家契約は平成12年3月1日以前に契約した居住用借家には「借地借家法の一部改正に伴う経過措置」(附則第3条)により適用されない。即ち、「経過措置附則第3条」により既存の居住用普通借家契約を解約して新たに定期借家契約へ切換えることは禁止されている。

 仮に当事者の合意で居住用普通借家契約を解約して新たに定期借家契約へ切換えたとしても、その契約は定期借家契約として認められず、普通借家契約として扱われる。

 なお、店舗・事務所・倉庫等の営業用借家は、平成12年3月1日以前に契約したものであっても、当事者の合意があれば、普通借家契約から定期借家契約への切換えは行える。

 <参考法令
 借地借家法
 (定期建物賃貸借)
第38条
 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。

2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。

 参考記事
 定期借家契約とは

 既存の居住用借家契約から定期借家契約への切り換え

 既存の店舗借家契約から定期借家契約への切り換え


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2009年6月12日 (金)

定期借家契約の期間満了の8か月後に終了通知が

 横浜市磯子区に居住するHさんが、大田区南蒲田*丁目所在の店舗面積10.7㎡を月額4万円の家賃で、期間2年で賃借したのが平成17年12月だった。

 期間満了になっても更新の手続きするでもなく、平成20年8月なって管理者の不動産業者が家賃を持参した際に「メモ」で定期借家契約だから6カ月後に明渡せと請求する。

 しかし、持参すれば何も言わずに家賃を受領し続けて、今年1月末持参の2月分家賃を受領したが、2月中旬なって一旦受領した2月分家賃を返却されて3月で明渡せといわれた。Hさんは知人の不動産業者に相談して組合を紹介された。

 借地借家法第38条の要件が満たしておらず、普通借家権が成立し、期間の定めのない契約に移行したと考えられるので、明渡しを拒否し家賃を供託した。裁判で強制執行するという家主の代理人業者の脅しにも、臆することなくHさんはお客の励ましを得て頑張っている。

東京借地借家人新聞より
 

 <参考記事>

 契約期間満了後に定期借家契約の終了通知が届いた場合はどうなるのか

 ②定期借家契約の期間が満了で必ず建物を明渡さなければならないのか


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