クレーンの設置は建物所有の借地の利用目的外で契約解除を認めた事例
判例紹介
クレーンを設置することは、建物所有の借地の利用目的の範囲外であり、地主の承諾を得ない設置につき契約解除を認めた事例 (東京地裁昭和63年1月25日判決、未掲載)
(事案)
Y1(賃借人)は資源回収を業とする先代からこれら業務に供する倉庫、事務等の所有を目的とする土地賃貸借権を相続し、その後右建物等をY1が代表する有限会社Y2の資源回収業に供してきたところ、Yらは営業上の必要から借地上にクレーンを設置する必要に迫られ、従前存していたY1所有の倉庫等の大半を取壊し、その跡地に地下1.2mを下らない深さを掘ってレールを敷き、Y2所有の高さ10m(Y2は7mを主張)の移動式のクレーンを設置した。
X(賃貸人)は右クレーンの設置を承諾したことはないと主張して契約を解除し、Y2はXから承諾を受けたこと、本件借地は古鉄解体業のため営業上の建物所有を目的として賃借してきたものであり、本件クレーンの設置は、本件土地の利用目的の範囲内のものであって、そもそもXの承諾の有無は問題にならないとして争った事案である。結果はXが勝訴。
(判旨)
「被告らは前記各建物を使用して資源回収を業としていたことは前記のとおりであるが、倉庫事務所89.52㎡及び倉庫19.87㎡を解体し、本件土地の南北西側に平行してクレーンを設置することは、従前の利用目的の範囲以内のものであるということはできず、原告の承諾を要する事柄であることは明らかである。」
(寸評)
本件の如く大型クレーンを設置することが、資源回収、古鉄解体事業の営業上の建物所有の借地の利用目的外であるとした例は、初めてであるが、先例として参考のために紹介した。
同種の事例として、有料駐車場の開設や、大型機器の設置など本来の建物所有の目的と直接に結びつかない借地の利用に対しても生じうることである。判例の集積をまつ以外にないと思われる。
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