カテゴリー「区分所有」の記事

2006年9月19日 (火)

マンションの一室を借りた居酒屋の深夜営業の禁止等が認められた事例

判例紹介

 マンションの1階を居酒屋を営業する目的で区分所有者から賃借した者が、管理規約に反して、厨房換気ダクト・造作・看板等を設置し、深夜まで営業を行ったことが、管理規約に違反し、区分所有者の共同の利益に反するとして、管理組合の賃借人に対する換気ダクト・造作・看板等の撤去請求、深夜営業の禁止請求が認められた事例 神戸地裁尼崎支部平成13・6・19判決。判例時報1781号131頁)

 (事案の概要)
 Yは、Zが区分所有する本件マンション1階部分をZから賃借し、厨房換気ダクト・造作・看板等を設置し、年中無休で毎日深夜1時頃まで居酒屋を営業していた。

 本件マンションの管理組合Xは、厨房ダクト・造作・看板等の設置並びに毎日深夜1時頃までの営業は、管理規約に違反し、区分所有者の共同の利益に反するとして、YとZに対して、
①厨房換気ダクトや集塵機・造作・看板等の撤去、
②日曜・祝祭日及び平日の午後10時以降深夜までの営業禁止(Yに対してのみ)、
③管理規約上の債務不履行による清掃費・修繕費・弁護士費用等金300万円の損害賠償を求め、提訴した。

  (判決)
 ①について。本判決は、厨房換気ダクトや集塵機・造作・看板等の設置が管理規約に違反していると認定した上で、
 厨房換気ダクトや集塵機については、ダクト等から排出される油煙や臭気により本件マンションの住民が迷惑や不快感を示していることを理由に区分所有者の共同の利益に反すると認定し、

 造作・看板等については、管理規約を軽視して他の区分所有者の利害を顧慮することなく管理規約違反の造作・看板等を設置した事情に照らし、区分所有者の共同の利益に反すると認定して、Yに対し、厨房換気ダクトや集塵機・造作・看板等の撤去を命じた。

 Zに対しては、ZがYに管理規約を遵守させ、違反を是正させる義務があることは認めたが、Yの所有物を勝手にZが処分することは出来ないとして、撤去を命じなかった。

 ②について。本判決は、深夜1時までの営業は、住民の安眠を妨害すること、管理規約では騒音について特段の配慮が明記され、「苦情が出ない程度」という特に厳しい基準をもって対処するものとされていることなどに照らし、区分所有者の共同の利益に反すると認定した上で、平日と日曜・祝祭日とを特段に区別する理由はないとして、午後11時以降の夜間の営業を禁止した。

 ③については、本判決は、Yについては管理規約違反、ZについてはYに遵守するよう指導する義務違反を理由にYZ双方に損害賠償を認めたが、清掃費・修繕費等の損害については立証がないとして弁護士費用100万円だけを認めた。

(寸評)
 マンションの1室を賃借して飲食店を営業する例も多いが、当然のことながら、賃借人にも管理規約を遵守する義務がある。事前に管理規約を入手するなり、管理組合に説明するなりして、造作等の設置や営業形態が管理規約に違反しないようにすべきである。  2002.7.     

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

 今回紹介した判例は、こちらの「判例紹介」で扱ったものと同一のものです。(N)     


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2006年9月18日 (月)

マンション一階の居酒屋の換気ダクトの撤去と深夜営業が禁止された例

 判例紹介

 マンションの一階を区分所有者から賃借した者が居酒屋を営業し、厨房換気ダクト、造作、看板等を設置し、深夜まで営業を行なった場合、管理規約に違反し区分所有者の共同の利益に反するとし、管理組合の賃借人に対するダクト等の撤去請求、深夜の営業禁止の請求が認められた事例。平成13年6月19日神戸地裁尼崎支部判決。判例時報1781号131頁以下)

(事案の概要)
 Xはマンションの区分所有者を組合員とする社団。前記記載の事実に対し、Y(居酒屋経営者とその区分所有者の2名)に対し建物区分所有等に関する法律57条等に基づき、ダクト等の撤去、深夜の営業禁止、損害賠償等を求めた。Yは、自分の行為により区分所有者に迷惑をかけたとしても、それは受忍限度内であり、共同の利益に反するとは言えず、Xの請求は権利の濫用であるとして争った事案。Xの損害賠償の一部を除いてXの勝訴。

(判決要旨)
 「本件マンションの住民が本件ダクト等が店舗南側に設置されていることによって、本件ダクト等から排出される油煙や臭気のため迷惑・不快感を示していることが認められるのであって、本件ダクト等の設置は区分所有者の共同の利益に反していると認めることができる。」「以上からすれば○○○○の深夜一時までの営業は区分所有者の共同の利益に反するものといえる」「Y2(居酒屋経営者)が本件管理規約を軽視し、他の区分所有者の利害を顧慮することなく、管理規約違反の本件造作・看板等は区分所有者の共同の利益に反するというべきである」

(寸評)
 建物区分所有法第6条では、区分所有者または占有者(賃借人など)は、区分所有者の共同の利益に反する行為を禁止しており、これに反した場合は、違反行為の停止等を請求することができる(同法第57条)。問題は、共同の利益に反する行為とはいかなる行為であるか。これまで多くの判例がある。本判決は当然。区分所有権の財産的保護だけではなく、居住者の住環境の保護やプライバシーの保護など多様な視点からの判断が求められるのであり、今日的な時点での社会通念に反する行為は、問題になり得るといえよう。民間賃貸住宅の場合も同じことがいえよう。

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

    今回紹介した判例は、こちらの「判例紹介」で扱ったものと同一のものです。(N)


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